MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【日本選手権2021Finals直前!スタンダードデッキ紹介】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

神河が入り、本格的にスタンダードが始動!この時期のスタンダードは楽しいですね。先週末には同フォーマットでのチャンピオンシップ予選も複数回開催されました。

今週末には日本最強を決める戦い・日本選手権2021Finalsも開催されますので、そちらの観戦にも役立つよう直近のスタンダード環境をご紹介していきます!

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★チャンピオンシップ予選の結果まとめ

Crokeyz Kamigawa: Neon Dynasty Tournament

優勝  :ジェスカイコンボ
準優勝 :エスパーミッドレンジ
トップ4:エスパープレインズウォーカー
トップ4:オルゾフコントロール
トップ8:ジェスカイ日向
トップ8:オルゾフコントロール
トップ8:オルゾフコントロール
トップ8:オルゾフコントロール

585名と参加者が多い&回戦数が多かったため、有象無象のデッキがトップメタに蹴散らされた結果がこちら。トップ8のうち実に6人が白黒ベースのデッキとなっており、前環境から引き続き地力の高さを示す形となっています。

そんな中優勝したのは強豪・cftsocの新作、ジェスカイコンボ。ジェスカイ変容やイゼット天啓といったデッキを彷彿させる新たな形の《黄金架のドラゴン》デッキで白黒系のデッキを狩り尽くしての優勝です。

The Pizza Box Open: Standard

優勝  :ナヤルーン
準優勝 :イゼットコントロール
トップ4:エスパーミッドレンジ
トップ4:ジェスカイコンボ
トップ8:緑単アグロ
トップ8:ジェスカイコンボ
トップ8:イゼットコントロール
トップ8:アゾリウステンポ

そして上記の大会結果が出た数時間後に開催されたのがこちら。新スタンらしく、様々なデッキが上位に残っています。

Crokeyz大会で華々しい優勝を飾ったジェスカイコンボはこちらでもトップ8に2名進出とフロックではないことを証明。そして優勝は神河でのエンチャントシナジーを多数採用した新デッキ・ナヤルーンでした。

★デッキ解説

エスパーミッドレンジ By Zan Syed(Crokeyz Kamigawa:準優勝)

インポートデータ

優勝こそ逃したものの、予選ラウンドから決勝戦までトータルで14-2という圧倒的な成績を残したのがこのエスパーミッドレンジ。使用者のZan Syed(@zan_syed)は人気配信者で、様々なデッキを使って日々ラダーを走っている強豪です。

公式のトレイラーでフィーチャーされていた《放浪皇》と《漆月魁渡》、その2人を一緒に採用した構築はまさに神河ならではといえるでしょう。エモくて素晴らしい!!

デッキ全体としては細かくアドバンテージを取りながらコツコツ殴っていく、まさにミッドレンジといった構造になっています。自分が攻めるのか守るのか相手や盤面によって変える必要がありますので、環境の理解度がそのままプレイの正確性・勝率に繋がること間違いなし。

このエスパーミッドレンジだけでなく、オルゾフコントロールやアゾリウスコントロール、はたまた白単アグロなど、『神河:輝ける世界』で最も使われている1枚がこの《放浪皇》。

高い前評判の通りのパフォーマンスを発揮しており、4マナという適度なマナコスト、瞬速というキーワード能力、そして盤面に触る/トークンを出すという攻防一体の能力を持っており、これから1年以上に渡り白いデッキの主軸として活躍すること間違いなしです。

「-2」での除去はタップ状態のクリーチャーが対象なので、《輝かしい聖戦士、エーデリン》や《茨橋の追跡者》のような「警戒」を持っているクリーチャーの評価は上方修正しても良さそうです。

個人的にデッキリストを見て驚いたのが《漆月魁渡》。あまり強いプレインズウォーカーだと思ってなかったのですが、こうして上手く活用できるデッキで使ってみるとあら不思議。《ジェイス・ベレレン》のように毎ターンドローできる(しかも忠誠度がプラス!)というスグレモノ!

環境で最も使われている除去の1つが《消失の詩句》であり、その《消失の詩句》が当たらない多色のパーマネントであるというのも嬉しい点ですね。

漆月魁渡》の前に出すクリーチャーとして、《忘却の儀式》《命取りの論争》のエサとして。プレインズウォーカーを守れるし《婚礼の発表》のトークンと一緒に殴ることだってあります。そんな万能クリーチャーがなんと2マナでお得!しかも可愛い!!!

一家に4匹まで、あなたのデッキにも柴犬どうですか?

ジェスカイコンボ By cftsoc (Crokeyz Kamigawa:優勝)

インポートデータ

オルゾフ/エスパーという白黒系ミッドレンジ・コントロールが勝ち組だったフィールドの中で、ほぼオンリーワンのデッキが見事優勝!!《アールンドの天啓》がなくなりガードが下がったところで、ワンショットキルができるコンボデッキとして昇華させての優勝は最高にカッコいいですね。

使用者のcftsoc(@cftsoc3)は5期連続でCS予選を突破しているというオンラインの超強豪。去年一世を風靡したナヤフューリーの始祖でもあり、《黄金架のドラゴン》をこよなく愛するプレイヤーでもあります。

何このカード?と思われる方も多いでしょう。『ストリクスヘイヴン』生まれのこのカードは、「手札からプレイしたときに、このターン唱えたインスタント/ソーサリー分のコピーを生む」というストームのようなカード。このコピーたちはすべて別途に誘発して対象を取るので、なんと《黄金架のドラゴン》に打ち込むことによりたった2マナで大量の宝物・トークンを生み出すことができるのです!!

宝物・トークンが生み出される=大量のマナが出るのでそこから《錬金術師の計略》に繋げても良いですし、このカードによりドラゴンの打点が上がっているのでそのまま《カズールの憤怒》で勝つことも可能。

コピーを生み出す能力は「この呪文を唱えたとき」の誘発型能力なので、《感電の反復》で《自身の誇示》をコピーしてもほぼ意味ない点だけ気をつけてください。

「《アールンドの天啓》がなければ《錬金術師の計略》を使えばいいじゃない」と言ったか言わないかは分かりませんが、とにかく切除コストでプレイすれば7マナでタイムワープです。鳥トークンこそ出てきませんが、《感電の反復》+《予想外の授かり物》→《黄金架のドラゴン》のあとにプレイするカードとしては最上級でしょう。もちろん《感電の反復》でコピーできます。

そしてこのデッキでは3マナで打つこともたまにあります。次のターンに勝てばデメリットなど無いに等しいですからね。土地6枚から《黄金架のドラゴン》→《錬金術師の計略》でターンをもらい、追加ターンでリーサルを決めれるパターンもありますので、7マナだけじゃなく3マナで打つこともしっかり視野に入れてゲームを進めましょう。

オルゾフコントロール By DavidYhEEAA (Crokeyz Kamigawa:トップ8)

インポートデータ

多くのデッキが上位入賞していたオルゾフコントロールですが、その中でも変わった形のリストがありましたのでピックアップ。

普通のリストは《よろめく怪異》《神憑く相棒》、そして《婚礼の発表》といった1-2-3マナ域が軸になっているのですが、こちらはもっとコントロールに寄せた形。しかも『神河:輝ける世界』のカードが多数採用されており、ポテンシャルに期待です。

少しカードパワーが足りない今回の忍者軍団ですが、その中で唯一といっていいほど構築レベルに達してそうなのがこの《噛掌の忍者》。忍術せずとも3マナ3/3威迫と最低限のスペック&単体でダメージを通せる能力を持っているのが強く、一度通せば一番強いカードを落とせるため実質マスト除去なのも偉い。

神憑く相棒》のようなETB能力持ちのクリーチャーを忍術できると嬉しいのですが、戻して嬉しいクリーチャーはダメージを通すのが難しいため、このデッキのように忍術をあまり気にせず単体のスペック採用で十分なのでしょう。

今回のオルゾフコントロールで一番の特徴が《絶望招来》、しかも4枚搭載!!!その厳しいマナシンボルをクリアするために《光影の交錯》《砕かれた聖域》に加えて《磨かれたやせ地》まで採用されています。

マナシンボルが厳しい=プレイするハードルが高い分、そのバリューは格別。1枚で1:3交換を取れますし、相手の盤面によっては一瞬で崩壊させる可能性すら秘めています。ただし比較的手軽にエンチャント/アーティファクトを出してくる相手にはそこまで効かない可能性もあるので注意。特にエンチャントとして使い終わったあとの《食肉鉤虐殺事件》、クリーチャーとして《神憑く相棒》などを生贄に捧げられるとちょっと損した気分になります。

リミテッドカードの印象でしたが、実際に出されてみるとなかなか興味深い1枚。-1/-1モードで2回打てることは少ないですが、タフネス1のクリーチャーは結構な数環境に存在しているので1体は潰しつつ、変身すれば《絶望招来》の黒マナをサポートしてくれる燻し銀な存在です。

マッチアップにもよりますが、パスターンになるぐらいなら温存しすぎずに(-1/-1の対象がなくても)適当にプレイした方が基本的には吉。最低でも「4ゲイン+2/3のマナクリーチャー」が2マナで実現できますので、それだけでも十分なスペックです。

ナヤルーン By Max Dore (Pizza Box優勝)

インポートデータ

非常に強力な1マナ域である《気前のいい訪問者》から始まる爆発力と、《スカルドの決戦》による継戦能力を共存させた、エンチャントシナジー重視のビートダウンデッキ。

構造上《告別》こそ厳しいものの、それ以外には圧倒的なサイズと盤面で対抗していけるようで、今回見事95名の頂点に輝きました。

『イニストラード:真紅の契り』でこのカードを見た時は「謎のエンチャント推しだな」と思っていましたが、今回の『神河:輝ける世界』への布石となる1枚でした。セレズニアカラーがエンチャントシナジーに特化しており、そのカードたちと一緒に使うことで真価を発揮するようにデザインされていたのです。

すべてのエンチャントスペルで誘発するため、デッキに継戦能力を与えてくれるこのカード。トークンのサイズはすべてのスピリットの数を数えるので、トークンだけでなく《気前のいい訪問者》《無常の神》《ドーンハルトの殉教者、カティルダ》も数えることをお忘れなく。

『カルドハイム』発売から1年。これまではファンデッキに採用されている程度でしたが、ついに今回メタゲームの一角に踊り出ることとなりました!

樹海の自然主義者/Jukai Naturalist》との相性の良さは特筆に値します。自身の「ルーン呪文を(1)にする」能力と《樹海の自然主義者》の「エンチャント呪文は(1)少なくなる」が並ぶとあら不思議、すべての「ルーン」を0マナで唱えられるため、盤面を一気に強化しつつドローを進めることができるのです!

ダメージレースに強い《持続のルーン》、全体除去の返しに走れる《速度のルーン》、細かいブロッカーを突破できる《強力のルーン》と3種のルーンを盤面に合わせてサーチしつつ、一気呵成で強力な盤面を構築しましょう!各ルーンは土地に付けることも可能なので、特に《強力のルーン》を《ハイドラの巣》に付けることはゲームプランの1つとして良い選択肢になりえます。

■おわりに

最初に『神河:輝ける世界』のカードリストを見たときは少しパワー不足かなと思っていましたが、単なる杞憂でした。様々なカードが使われており、今のところはとても健全で多様なスタンダード環境になっていると思います。スタンダード、楽しい!!!

個人的には上記3つのカードが今のスタンダードの中心となっており、どれかを使うのが一番勝率が良いように感じます。2/3が白いカードであることからも、オルゾフ/エスパーという今のトップメタのデッキがいかに強力かが分かりますね。

そして冒頭でも述べた通り、今週末には日本選手権2021Finalsが開催されます。リーグメンバーと各大会で好成績を残した計36名しか参加できない、1年間の総決算ともいえる大会です。

もちろんMPLの1人として僕も参加しますので、昨年の成績=準優勝を超える成績を残せるよう頑張りたいと思います!

普段のCSやリーグはチーム調整になるので、今回は自分の力試しと地力の向上を兼ねてあえて1人で調整しています。自分の力がどこまで通用するか、今から楽しみですね。当日はTwitch/YouTubeでの配信もありますので、どうぞ応援よろしくお願いします!

それでは今回はここまで。
次回は日本選手権2021Finalsのレポートをお届けします!!


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