MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【神河:輝ける世界】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
ついに来た!神河への再訪!!!前回の『神河物語』発売からなんと15年以上の月日が流れました。不人気だった神河へのないと思っていたので、少し感慨深いところもありますね。
ということで今回は毎度恒例、最新エキスパンション『神河:輝ける世界』のレビューです。
いつも通り趣味100%でお届けします!どうぞ!
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■神河といえば五大ドラゴン!今回のドラゴンたちは?
前回の『神河物語』で登場した5種類のレジェンドドラゴンたち。《昇る星、珠眼》だけはリミテッド番長でしたが、それ以外の4種類は構築でも活躍した、かなり優秀なシリーズでした。
そして今回の『神河:輝ける世界』でも前回のオマージュか、各色にレジェンドドラゴンが用意されています!
前回同様、死亡したときの誘発型能力を持って登場。さらに現代マジックらしく、状況に合わせて無駄にならないように誘発型能力を選べるようになっています!これはお得!
継戦能力だったりアドバンテージの獲得能力が高く、どれもマナカーブのトップとして活躍できそうな存在感。中でも個人的なイチオシは赤の《燃え立つ空、軋賜》!
まず偉いのが4マナというコストの軽さ。4マナ4/4飛行はそれだけでも一定以上のスペックといえます。
そして2種類とも誘発型能力が強いのがいいですね!特に強いのが「宝物・トークンを3つ生成する」能力。レジェンドのクリーチャーは複数枚入れると手札に嵩張るのが難点ですが、この《燃え立つ空、軋賜》だと1枚目を破壊された際にはこの「宝物・トークンを3つ生成する」を選ぶ=3マナ加速できるので、実質的に2枚目の《燃え立つ空、軋賜》を1マナでプレイできるのです!テンポ良い!!
もちろんリソースが不足している際には《舞台照らし》の方の能力も使えます。戦闘能力が高く、フレキシブルな能力を持っているということでこのシリーズでは屈指のカードパワーだと思います。オススメ!!
このシリーズの天敵は、いま流行りのオルゾフミッドレンジで標準搭載されている《消失の詩句》。
これに関しては基本的に防ぎようがないので、デッキの構造で対処するしかありません。他のクリーチャーに打ってもらえるように攻め手を枯らさないようにするか、2マナで対処されるのを諦めてプレイするか。この観点から見ても最も軽く、最もアグロなデッキにフィットしそうな《燃え立つ空、軋賜》が良いですね。
逆に青のドラゴンである《渦巻く空、開璃》は単体の性能は非常に高いのですが、コントロール向きの性能=他に脅威となるパーマネントをあまり展開しなそうであるがゆえに相手の《消失の詩句》がピンポイントで当たりやすく、「護法3」があるとはいえ対処されると致命的なターンになるので微妙そうに見えます。6マナと重めなのもちょっと辛いかな。
■改善って訳語、正直微妙ですよね。でも能力は結構強いと思うんですよ。
今回のキーワードである「改善」。装備品かオーラが付いているかカウンターが置かれているクリーチャーのことを「改善されているクリーチャー」と呼び、その改善されているクリーチャーをコントロールしているとスペックが上がるカードがいくつかあります。
素のスペックは2マナ1/3と弱いものですが、改善されている「他の」クリーチャーが1体いれば3/3、2体いれば5/3と2マナクリーチャーとしては破格の性能になっていきます。上手く使えれば赤いビートダウンのエースとして活躍できそうな雰囲気を感じますね。
こちらは2マナ3点と最低ラインのスペックを保ちつつ、改善されているクリーチャーがあるとボーナスでプレイヤーにダメージが入ります。《焼尽の猛火》や《龍詞の咆哮》が強力だったことを考えると、コレもかなり優秀なカードではないでしょうか。
大事なのは「改善」。どれぐらい難しいんでしょうか?色々調べてみました。
単色であれば「一緒に使え」と言わんばかりのコイツら新戦力が非常に優秀!どちらもプレイアブルな1マナ域として活躍してくれること間違いなしです。
《熊野と渇苛斬の対峙》は少し分かりづらいですが、裏面に速攻があるので「待機:2」みたいなもんです。今回の英雄譚シリーズは速攻があるやつが強い。
白は相方が豊富かつどれも強力なカードなので、シナジーを意識しすぎずとも十分に強力なデッキが組めそうです。なので「改善」デッキを組むときには真っ先に候補に上がりそうですね。ボロス改善ビート。響きだけで大好きです。すぐ組みます試します。
黒はクリーチャーが優秀ですね。ちなみに皆さんもお気づきかもしれませんが、定期的に《血空の狂戦士》推してる気がします。全然使われてないですけど、このカード好きなんですよね。使いたい&活躍してほしいランキング1位。でもきっと使われないんだろうなぁ。
《殺戮の専門家》の「相手にクリーチャーを出す」というデメリットも、「コントロール相手でも《神の火炎》が打てる」と考えると案外悪くないかも?
緑もそこそこいけそうです。特に《蛇皮のヴェール》が無理なくメインから使えるのはGood。
青はダメそうです。諦めましょう。
ということで新世代のエース(かもしれない)《蜂起軍の無法者》について語ってみました。皆さんも思い思いの「改善」アグロを作って試してみてください!!
※追記※
なおカードの日本語版には誤訳があり、正しくは「あなたがコントロールしていて改善されている”他の”クリーチャー1体につき+2/+0の修正を受ける」とのことです。《蜂起軍の無法者》自身にカウンターを載せてもボーナスはないのでご注意ください。
この記事は誤訳と知らない段階で書きましたが、誤訳だとしてもそれなりに頑張れそうなので、熟考の後あえて残しました。頑張れ改善、負けるな改善。
■メ、メカだー!!カッコいいぞー!!!
今回、謎の「機体推し」ですね。ですがどれもこれもカッコいいし結構強そうだしで、デッキを作ってみたい欲が止まりません。
機体デッキといえば「搭乗者」(クリーチャー)と「機体」をバランス良く引く必要がある=デッキ構築段階で制限があるだけでなく、実際にプレイしていても「クリーチャーだけ除去られて機体だけぽつーんと場に残る」なんて悲しい思いをすることが多かったです。
そういったマイナス面をなるべく解消しようとデザインしたのが伝わるのが、これらのカードたち。クリーチャーを出したり、1つに搭乗するだけで別の機体にも実質搭乗できたりと、デッキをストレスなく動かそうとする意思を感じますね。スタッツもよく、単純に強い!!
今回の《サバンナ・ライオン》は搭乗のボーナス付き。アーティファクトクリーチャーでもあるので、そういった観点でも強そうです。たとえばヒストリックで《模範的な造り手》を強化している姿が見られるかも?
デザインチームから本気を感じるのが、この土地。機体や操縦士のためなら何色でも出せるだけでなく、後半には機体をクリーチャー化させるというボーナスまで付いています。そしてここまで能力が付いていて、アンタップイン!!!
僕は昨年のパーティ土地:《ベースキャンプ》をタップインにした担当者を未だに許してません。マジックをなめるな。
■その他、気になったカードたちをザックリ紹介します
久しぶりに強力なプレインズウォーカーが登場しましたね!青白/エスパー/オルゾフのような中速~低速デッキで使っても強いでしょうが、真骨頂は白単のような攻めるデッキのサイドボード後だと思います。
既存の白単アグロはクリーチャー以外の攻め手がなく、相手から見て捌きやすいのが難点でした。こういった攻撃的なプレインズウォーカーがあると多角的に攻めれるようになるので、《スレイベンの守護者、サリア》と相性が悪い点を差し引いても大幅な強化といえるでしょう。
《ガーディアン・オヴ・フェイス》と《放浪皇》の2択を構えながらターンエンドする白単アグロ。想像するだけで強そうです。
《急使の薬包》が強くなって帰ってきた!
普通に使うと4マナ2ドローと少し効率が悪いですが、2マナ・2マナの分割払いができる点は《多元宇宙の警告》と同じですし、1マナでサイクリングできる点は《ヒエログリフの輝き》と同じです。
新《取り消し》である《撹乱プロトコル》のようにアーティファクトである点を有効活用できるカードと一緒に使えるのであれば、そこそこ有用な気がします。
前回のエキスパンションで《嵐追いのドレイク》が入り強化されたオーラデッキでしたが、さらに今セットでも強化!!
誘発型能力が「戦場に出るたび」なので除去でフィズってしまうのが玉に瑕ですが、オーラを直接場に出せるのは超優秀の一言に尽きます。特に複数枚は引きたくないけど1枚なら強力な《ケイヤ式幽体化》や《霊気トンネル》といったカードを盤面に合わせてサーチできるのは凄い!
3マナ3/3という最低限のスペックに詰められた能力はバケモン。出てくるトークンが持っている誘発型能力も強く、これを主軸にしたデッキを組みたくなるカードパワーだと思います。
ただし「エンチャント呪文を唱える」というハードルはかなり高いので、今すぐにデッキが作れるかは怪しいところ。軽くてプレイアブルなエンチャントがどれだけあるかが鍵になりそうですね。
カード名がカッコいい。るろうに剣心とかに出てきそう。
スタンダードではお呼びでないかもしれませんが、モダン以下や統率者戦などで使うと超ド派手な動きをしそうで良いデザイン。《刃砦の英雄》、《軍団のまとめ役、ウィノータ》、《マルドゥの隆盛》なんかと一緒に使ってワッショイドッカンといきたいものです。
たまにあるリアニ系の亜種。ほかのカードと組み合わせて毎ターンリアニさせるのがデザインの意向だとは思いますが、コレ自身を生け贄に捧げてエンチャントを釣るのが最もお手軽かつ強力だと思います。
ヒストリックでは最も強力なエンチャントの1つである《全知》が使えるので、なにか悪いことをしてくれそうな予感。
パッと見は地味なコモンに見えますが、既に使い方が2つ発見されているという注目カード。
1つは「魂力」でトークンを出して《不屈の独創力》の対象にするというもの。2マナ=カウンターやドローと一緒に構えつつ、チャンスがあればエンド前に「魂力」をしつつ3ターン目に《不屈の独創力》を打つことができます。従来より1ターン早い!
もう1つは《ピリ=パラ》にエンチャントして無限マナ!モダン以下ならどのフォーマットでも可能ですが、単体のカードがどちらも弱いので現実的なのはパウパーでしょうか。
おまけ。今回の犬枠です。
今回は神河=和風ということで、ついに来ました柴犬。もう最高です。マジック:ザ・ギャザリングを20年以上プレイしてきた甲斐がありました。
普段はコレクター気質0な僕ですが、今回ばかりはFoilを購入して愛でたいと思います。《永久忠義の義丸》を統率者にしてデッキ組みます。
■おわりに
ということでお届けしました『神河:輝ける世界』レビュー。禁止改訂により《アールンドの天啓》《ゼロ除算》《不詳の安息地》が去り一変したスタンダードに新しい風を吹き込んでくれそうなカードがいくつかあり、新環境のデッキを回すのが待ち遠しいですね。
コントロールは環境に合わせて組むのが筋だと思いますので、まずは色々なアグロデッキを組んで楽しみたいです。上でも紹介したような「改善」「機体」を始めとして、「エンチャント」デッキ「アーティファクト」デッキなんかも興味あります。
デッキの核になりそうなカードたち。真っ先に試したい!
2月末にはスタンダードのイベントとして日本選手権Finalがありますし、まずはがっつりスタンダードをやり込んでいく予定です。
皆さんも神河の世界観を、そして久しぶりのスタンダードを思いっきりエンジョイしてください!