MTG │ 大会レポート │ 井川良彦【カルドハイムチャンピオンシップ】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川(@WanderingOnes)です。

先週末に開催されたカルドハイムチャンピオンシップに参加しました。

前回記事の最後に書いた通り、今回はリーグの調整チームである佐藤・原根・熊谷・高橋に加えて、PTQを抜けて権利を持っていた津村 健志・廣澤 遊太・小泉 祐真・斉藤徹・加藤 健介を加えた計10名で望みました。

結果だけ最初に書くと、僕個人としては10-5で25位、2,500ドルとリーグポイント2点を獲得!チームとしても10人中7人が2日目進出+熊谷がトップ8、斉藤と井川が10-5とゼンディカーの夜明けチャンピオンシップでの大敗から大躍進し、成功を収めることができました!

今回の記事では、調整の過程と、スタンダードのデッキ選択についてお話していきたいと思います。

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■ダブル構築フォーマットのデッキ調整をするにあたって

前回CS=ゼンディカーの夜明けチャンピオンシップでは、7人全員がほぼ均等にスタンダード・ヒストリックに着手。その結果、どちらのフォーマットも熟練度が足らず、「どちらのフォーマットも」「どのデッキも」「誰も」勝たないという惨敗オブザ惨敗な結果に終わりました。

その反省から、今回チームメイトを集める&始動するに当たって決めていた点が2つありました。

1.「担当フォーマットを決める」

「全員が両方のフォーマットを触って失敗した」という前回の反省を踏まえて、今回はある段階で「Aさんはスタンダード担当」「Bさんはヒストリック担当」といった形でチーム内を二分し、そのフォーマットに集中して取り組むという方法です。

これは海外チームを真似たもので、1つのフォーマットのみに集中することでそのフォーマットへの理解度を上げることができ、最終的なデッキ選択&デッキ自体の完成度を上げることが可能になる(だろう)という策です。

スタンダード担当はスタンダードの達人に、ヒストリック担当はヒストリックの達人になり、お互いにデッキを仕上げ、最後にそれぞれのデッキを使おうというチームならではの作戦。

この方策を取ると、自分が担当しなかった方のフォーマットのデッキはチームメイトからもらうことになるのですが、そのフォーマット自体への理解度やプレイングは低い状態でデッキ提出日を迎えることになります。

チャンピオンシップはデッキ提出日から大会当日まで数日余裕がありますので、その期間に自分が担当しなかったフォーマット(デッキ)を練習することで補うことが絶対条件といえます。

2.「メンバーを増やす」

前回は7名でしたが、2フォーマットに人員を分けること、そして練習効率を考えると1フォーマット最低4人は欲しい(マッチアップ検証をする際などは2卓同時に立てれるようにしたい)ことを考えると最低でも8名、できれば10名程度は欲しいところ。

今回は友人たちが続々とPTQを突破したため、チーム分けをする点、そして(これはリーグ調整や前回のCS調整から引き続きですが)チーム内でuntapped.ggをすべて公開するということを予めお伝えした上で調整チームに勧誘。その結果、国内屈指のメンバーが集まってくれ、総勢10名のチームが結成できました。

集まってくれたみんなに本当に感謝です。

という感じでチームが確定したので、2月末のリーグが終わってから本格始動。

2週間程度はスタンダード/ヒストリックのチーム分けをせずに各々が気になったデッキを回す期間に充てましたが、ただ漫然と過ごさないようになるべく多くのデッキを回す(被りすぎない)、各デッキの相性を確認する、といった点を意識しながら過ごしました。

そしてデッキ提出日の1週間前にチーム分け。今回はスタンダードはデッキが出揃っている=微調整が中心になる一方、ヒストリックはまだ未開拓&その週からSCGサテライトが開催されるため人手が必要ということで、

スタンダード:井川・高橋・熊谷・津村
.
ヒストリック:原根・佐藤・廣澤・小泉・斉藤・加藤

という割り振りになりました。

これは昼間に時間が取れるメンバーをスタンダードに割り振ることで調整の速度を早めて、少しでも早めにデッキをサブミットしてヒストリック側に合流するという狙いもあります(調整が難航したため合流は遅れてしまいましたが)。

またヒストリック側にはSCGサテライトおよびPTQに出るメンバーを配置し、ヒストリックにインするバリュー自体を上げるという側面もありました。

スタンダードは井川、ヒストリックは原根がまとめ役として動きつつ、それぞれがベストデッキを求めて活動していくことになります。

■スタンダードの調整過程

スタンダードは環境後期=既にある程度煮詰まっており、スゥルタイ・ティムール・赤単・ローグ・サイクリング・ナヤクラリオン・白単の7つを上位デッキと見定めて各マッチアップ相性の検証、そしてその相性の改善に努めました。

そしてその結果分かったのは…このスタンダード、本当にどのデッキも弱点があるな!ということです。いや、分かってたけどさ、再確認ってのも大事じゃん?

突出して弱いデッキはない代わりに突出して強いデッキもない、本当にバランスの取れた環境。その上で何が大事になるかというと、「どのデッキが多数派(上位tier)でどのデッキが少数派(下位tier)か」を見定めることです。

相性表、いわゆるマトリクス上ではフラットに見えますが、それぞれのデッキの存在する数は異なります。「7強デッキのうち、ほか3つに強く3つに弱い」というデッキがあったとして、その相性が良い3つが下位tierであればそのデッキの大会での勝率はかなり低くなりますし、逆に苦手なデッキ3つが下位tier+相性の良いデッキ3つが上位tierであればそのデッキは好成績が期待できるので、強力な使用候補になるでしょう。

各種大会の成績やメタゲームの推移をもとに、今回のチャンピオンシップでは「スゥルタイ・ティムール・赤単・ローグ」の4つが上位メタと予想。その上でこの4つを改めて分析すると…

スゥルタイ根本原理

ティムールに五分程度、赤単とローグにはどちらも不利でポジションとしては良くない。またアグロに寄せるとミラーに弱くなる、「あちらが立てればこちらが立たず」であるデッキであることも辛く、チーム内では少し早めに選択肢から外れることに。

ただしデッキ自体の地力は高く、人気デッキであることは間違いないだろうという想定。

ティムール

獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer》型、ノー《獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer》型とテスト。

赤単には明確に有利だが、他の各デッキを見てみるとローグやサイクリングといった明確な不利がありつつ、その他はほぼ五分から不利寄り。ということでスゥルタイ同様チーム内の選択肢からは外れたが、腕に自信があるプロが好むタイプであり、こちらも人気デッキであるという想定。

ローグ

有利なマッチアップが多いためペアリング段階で勝敗をある程度計算しやすい。ただしその分相性が悪いマッチ(赤単・サイクリング)にはとことん悪く、特に赤単には必敗レベル。

上位4つだけ見るのであれば他3つのうちティムール・スゥルタイに有利なので良い選択になりうる。チーム内候補その1。

赤単

恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》デッキであるティムールとナヤクラリオンに対しては不利だが、それ以外には比較的有利に立ち回れる。爆発力があるため、不利マッチでも勝てる可能性がそれなりに高い。

上位4つだけ見るのであれば他3つのうちスゥルタイ・ローグに明確に有利なので良い選択になりうる。チーム内候補その2。

といった形でデッキ提出の3日前、金曜日には「ローグと赤単の2択」という選択肢をスタンダード担当の総意としてチームメイトに提示できる状態になりました。

最終的なデッキ選択の決め手となったのは、「自分たちがこの2択になったのなら、他のチームもこういう考えをしているかもしれない=赤単とローグなら赤単を選ぶべき」というメタ読みと、先述した「爆発力があるため、不利マッチでも勝てる可能性がそれなりに高い」という赤単の強みでした。

相性差を跳ね返す、最強の剣

ということで、今回は「メタ的にポジションが良い(《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》デッキが少ない)」「苦手マッチでもブン回れば勝てる(マッチアップ運の下振れをカバーできる)」という2点から、赤単をプレイすることにしたのでした。

■使用した赤単について

 

井川 良彦「赤単アグロ」
カルドハイムチャンピオンシップ
デッキリスト
19 《冠雪の山
4 《不詳の安息地
2 《エンバレス城
25 lands


4 《熱烈な勇者
4 《火刃の突撃者
4 《義賊
3 《リムロックの騎士
4 《鍛冶で鍛えられしアナックス
4 《砕骨の巨人
1 《灰のフェニックス
3 《朱地洞の族長、トーブラン
27 creatures

 

4 《霜噛み
4 《エンバレスの宝剣
8 other spells


1 《灰のフェニックス
3 《レッドキャップの乱闘
2 《焦熱の竜火
3 《アクロス戦争
2 《乱動する渦
2 《アゴナスの雄牛
2 《魂焦がし
15 sideboard cards

リストは本当に一般的なもので、特にメインボードは前週でSCGで活躍していたものと60枚同じです。

これは思考停止した訳ではなく、単純にこれがベストバランスだと感じたからです。環境末期でありデッキ公開アリの大会において、しかも世界中でプレイされているトップメタのデッキに変なオリジナリティを追加する必要はありません。

純粋に強いデッキリストを正しく理解し、ミスなくプレイすること。これは今のスタンダードで最も求められていることだと考えています。

サイドボードのみ数枚手を加えました。3枚目の《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee》、そして3枚目の《アクロス戦争/The Akroan War》です。

ミラーマッチとサイクリングを意識して3枚目を採用。

これによりミラーマッチでの除去の枚数を担保できたので、ミラーマッチでの「《エンバレスの宝剣/Embercleave》全抜き+脱出をサイドインして消耗戦を制するプラン」が実行できるようになりました。

こちらは下位tierになりますが勝率が良くないナヤクラリオンと白単用です。ティムールやスゥルタイが大量に《長老ガーガロス/Elder Gargaroth》を採用していた場合も3枚目のサイドインを検討します。

後者については不要だったかもしれないのですが(僕は一度も使いませんでした)、ナヤ系(クラリオン+フューリー)にはチームで5回当たって計3-2だったので、この3枚目の《アクロス戦争/The Akroan War》が活躍した可能性は高く、デッキ構築時点での思想としては間違ってなかったと思います。

本戦の結果

R1 赤単(くまぴー) ○○
R2 エスパードゥーム ×○×
R3 スゥルタイ ×○○
R8 スゥルタイ ××
R9 赤単 ○○
R10 赤単 ○○
R11 赤単 ××

4-3。

赤単ミラー4戦を3-1できたのが幸運ですね。できれば5-2したかったところですが、大勝するのも難しい環境なのでこんなもんかなという感想です。

チーム全体では32-23=勝率58%と好成績。

大きく勝った人はいませんでしたが大きく負けた人もおらず、5-2~3-4と無難な成績で収まりました。

■ヒストリックについて

先に述べた通り僕はスタンダード担当チームだったこと、また調整が少し難航してヒストリック組に合流するのが当初の想定よりも遅れたこともあり、最低限しかヒストリックの調整には貢献できませんでした。

最終段階で、細部の微調整について疑問を投げかけて数枚の変更に寄与できたぐらいでしょうか。 (1マナオーラのバランスはこれでいいのか?土地バランスは?など)

ヒストリック担当チームが作り上げてくれたのは、今回2番人気となったオルゾフオーラでした。

ジャンドフードには多少不利ですが、それ以外のほぼ全ての相手に有利が付く、デッキパワーの非常に高いデッキとして持ち込んでいます。

井川 良彦「オルゾフオーラ」
カルドハイムチャンピオンシップ
デッキリスト
3 《平地
3 《
4 《神無き祭殿
4 《秘密の中庭
4 《陽光昇りの小道
2 《孤立した礼拝堂
1 《荒廃踏みの小道
21 lands


2 《憎しみの幻霊
4 《上級建設官、スラム
4 《コーの精霊の踊り手
10 creatures

4 《結束のカルトーシュ
4 《歩哨の目
4 《ケイヤ式幽体化
3 《悪魔的活力
2 《きらきらするすべて
2 《天使の贈り物
2 《ヘリオッドの神罰
2 《ぬかるみの捕縛
4 《思考囲い
1 《立身 /// 出世
1 《セジーリの防護
29 other spells


1 《夢の巣のルールス
3 《死の重み
4 《静寂をもたらすもの
3 《強迫
2 《ヘリオッドの神罰
1 《立身 /// 出世
1 《憎しみの幻霊
15 sideboard cards
相棒 《夢の巣のルールス》

 

一般的なリストに比べて黒の1マナオーラが多めに採用されている点、そしてジャンドフードを意識した除去がメインから採用されているのが特徴的です。

破壊だけでなく追放除去にも耐性が付く《ケイヤ式幽体化/Kaya’s Ghostform》に加え、ジャンド系の《初子さらい/Claim the Firstborn》に強い《悪魔的活力/Demonic Vigor》を採用し、デッキの核である2種類のクリーチャーの定着を目指しています。

ジャンド系もメインの除去の枚数は限られますので、メインボードはこのハメにより高い勝率を記録することができました。

そしてチームのオーラが優れていた点、それはこのヘリオッドの神罰/Heliod’s Punishment》をメインから複数枚採用していた点でしょう。

フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King》に対する最高のカウンターであるだけでなく、グルールやエルフといった速いデッキ相手でも軽量除去として活躍してくれました。これが4枚入っていなければ、ジャンドフードに勝つことはなかったでしょう。

素晴らしい調整をしてくれたチームメイトに称賛を!

他のメンバーはほとんど《アガディームの覚醒/Agadeem’s Awakening》でしたが、僕は3点ペイが厳しいと感じたのと《立身+出世/Claim+Fame》用の赤マナが欲しかったので《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway》に変更しました。

アガディームの覚醒/Agadeem’s Awakening》が欲しい瞬間もありましたが、《立身+出世/Claim+Fame》で勝ったゲームも2回あったのでこれはこれで良かったのかなと。ダメージを気にしないのであれば《アガディームの覚醒/Agadeem’s Awakening》を採用しつつ赤いギルドランド(《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》など)を採用するのもアリだと思います。

本戦の結果

R4 ジャンドフード ○○
R5 ジャンドフード ○××
R6 グルール ○○
R7 ラクドスサクリファイス ××
R12 オルゾフギフト○○
R13 ジャンドフード○○
R14 エルフ ×○○
R15 アゾリウスコントロール ○×○

6-2。苦手なジャンドフードに2-1と勝ち越せたこと、そして最後に怒涛の4連勝できたことによりトータル10-5でトーナメントを終えられました。やったー!!

オルゾフオーラのチーム全体の成績は38-25=勝率60%とこちらも好成績!7-1こそいませんでしたが6-2を記録したメンバーが4人と、今大会での好成績の原動力となりました。

■終わりに

相変わらずチャンピオンシップの練習は大変でしたが、前回の反省をしっかり生かして臨み、結果が出たことが何より嬉しいですね。

冒頭にも書いた通り僕だけでなく熊谷、斉藤と複数名の好成績者を輩出できたのはチーム全体での勝利と言えるでしょう。チームに感謝、仲間に感謝。

今回獲得できたリーグポイント2点のおかげでライバルズリーグ内の順位も少し上がりました。この2点が無駄にならないよう、来週からまた始まるリーグも引き続き頑張っていきます!応援よろしくお願いします!!

それでは次回の記事=4月のリーグレポートでお会いしましょう!お楽しみに!


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