MTG │ 大会レポート │ 井川良彦【ライバルズリーグ#1】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川(@WanderingOnes)です。
つい先程、ゼンディカーの夜明けリーグ・ウィークエンドの第1週が終了しました。
今回の調整チームは佐藤、熊谷、高橋、原根、井川の5名。
デッキの動きやプレイスタイルがディミーアローグにマッチしていたあんちゃんを除き、4名全員がグルールアドベンチャーを使用しました。
ライバルズリーグ第1週は7-5でした。11-1のレイくんを筆頭に、日本グルール勢全員が好成績で嬉しいです。チームメイトたちに感謝。
添付の画像は、有志の方の成績まとめから引用しました。ありがとうございます!#MTGLeagueWeekendhttps://t.co/M5fmpu1GEe pic.twitter.com/DkIpZg6Czl
— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) October 25, 2020
僕自身はライバルズリーグに参加し、2日間で通算7-5。
グルールを使ったメンバーも11-1(佐藤・MPL)、8-4(熊谷・ライバルズ)、8-4(原根・ライバルズ)という好成績でした。
また、他の大会の結果をチェックしてみたところ、同時開催だったWeek of Wings Qualifier、第9回はまチャレの2大会もほぼ同じリストのグルールアドベンチャーが優勝しており、先週末のベストデッキだったことは疑いようもありません。良いデッキをチームメイトと一緒に作れた/使えたことを嬉しく思います。
今回の記事では、そのグルールアドベンチャーについて簡単に解説していきます。
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■デッキの構築思想
今週末、僕らが使ったデッキはこちら。
4 《エッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeper》
4 《山火事の精霊/Brushfire Elemental》
3 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4 《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
4 《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》
4 《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth // カザンドゥの谷/Kazandu Valley》
2 《探索する獣/Questing Beast》
2 《原初の力/Primal Might》
2 《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》
4 《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing // 鎚の山道、髑髏砕き/Shatterskull, the Hammer Pass》
3 《エンバレスの宝剣/Embercleave》
2 《グレートヘンジ/The Great Henge》
9 《森/Forest》
3 《山/Mountain》
4 《寓話の小道/Fabled Passage》
2 《進化する未開地/Evolving Wilds》
4 《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》
3 《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas》
2 《エンバレスの盾割り/Embereth Shieldbreaker》
2 《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》
2 《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》
2 《アクロス戦争/The Akroan War》
2 《解き放たれた者、ガラク/Garruk, Unleashed》
2 《怪物の代言者、ビビアン/Vivien, Monsters’ Advocate》
今回のデッキは「《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》を適切にプレイしたい」「弱いカードを入れたくない」という原根くんの思考をベースに構築されています。なので日本勢グルールというよりは原根グルールと言ったほうが正確かもしれません。
他の候補だったデッキに比べると調整に費やしたプレイ時間自体は短く、デッキの細部までトコトン話し合って決定した、実践より理論を優先して組んだデッキでもあります。
《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》プレイできるか問題
3マナ5/5相当のスペックを要しており、《エンバレスの宝剣/Embercleave》《グレートヘンジ/The Great Henge》のどちらとも相性の良い、非常に優秀なクリーチャーである《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》。
ですが土地でもあるという利点を持つがゆえにデッキ構築の際にマナベース換算にも入れられることが多く、そのため「マンモスを出すためには緑マナが必要、だが緑マナを出すにはマンモスを土地で出す必要がある」という事態が多発していました。
このマンモス問題を解決するにはどうするか。その解決方法はシンプルで、土地の総枚数を増やすことでした。
今回のデッキは《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》と《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》を含めると土地が30枚!!
《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》を除外しても計26枚(うち緑マナ19枚)あるので、3ターン目にしっかりとプレイできる枚数を確保しています。26枚は多く感じるかもしれませんが、「弱いカード」を引くよりも安定感が上がるという発想の元こういった形になりました。
《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》《山火事の精霊/Brushfire Elemental》という2種類の上陸クリーチャーは毎ターン土地を要求しますし、特にサイドボード後は《怪物の代言者、ビビアン/Vivien, Monsters’ Advocate》《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas》といったカードを投入するため、土地多めの手札をキープしたいですしね。
もちろん普通のリストより土地が多めになっているので、両面カードを何も考えずに土地として置いてしまうとすぐフラッドするでしょうし、《グレートヘンジ/The Great Henge》を出したときに繋がる確率は明確に下がっています。
それでも序盤中盤を安定させることが重要と考え、今回はこういった構築になりました。
弱いカードとは?
候補に上がったものの最終的に選外となったクリーチャーたちを順に上げてみると、
フェッチランドが噛み合ったときの爆発力は凄いものの、長期戦でもサイドボード後でも基本的に弱く、《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》のために緑に寄せたマナベースと相性が悪いのもマイナス。何より基本的にはパワー2なのでローグ相手に《遺跡ガニ/Ruin Crab》で止まるのが致命的。
《エッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeper》と相性が良く2マナ3/1というサイズはローグ相手にも十分な戦力であるものの、ヨーリオン系の《太陽の神のお告げ/Omen of the Sun》の前には殴ることすらできず解雇。
速攻が《エンバレスの宝剣/Embercleave》と相性が良いものの、これも《アクームのヘルハウンド/Akoum Hellhound》同様タフネス3を超えられないのが弱い。
その相性の良さから基本的にはセット採用されますが、ヨーリオン系を相手にした際には《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》《ガラスの棺/Glass Casket》のせいで《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》があまりにも脆い。《水晶壊し/Gemrazer》もローグ相手にはあまり有効ではなく、どちらも採用を見送ることに。
とまぁこんな感じでグルールで使えるクリーチャーは一長一短であり、相手によって強さが上下するものばかりです。
そこでこれらムラのあるカード=弱いカードを使わず、《漁る軟泥/Scavenging Ooze》の3枚目と《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》、そして追加の土地 (穴埋めのカードよりも追加の土地の方が勝利貢献度高そう、というくまぴーの発案でした) をメインに採用することにより、デッキの安定感の向上とサイドボードの枠の削減を実現しました。
■その他、個別カード解説
当初は《エンバレスの宝剣/Embercleave》4《グレートヘンジ/The Great Henge》1のバランスでしたが、《エンバレスの宝剣/Embercleave》が嵩張るリスクと《グレートヘンジ/The Great Henge》が緑系ミラーで肝になる=サイドボードに2枚目が必要になる点を考慮して3:2の枚数になりました。
一般的なグルールより低マナ域のクリーチャーが若干少なめなので、《エンバレスの宝剣/Embercleave》4枚だと手に余る展開にもなりやすいです。
ソーサリータイミングであるためローグにはあまり強くないこのカード。0枚から構築をスタートしたのですが、ゴルガリアドベンチャーや緑単、グルールミラーといった緑系対決で必須に感じたので2枚だけ採用。ヨーリオン系に対しても地味に活躍します。
《原初の力/Primal Might》もそうですが、こちらも主に緑系ミラーを見据えた採用。
ミラーマッチは《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》《グレートヘンジ/The Great Henge》を巡る攻防が肝であり、これが《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》に一番キレイに対処できるカードです。グルールでは触りづらい、ランプ系の《長老ガーガロス/Elder Gargaroth》対策としてもGood。
ヨーリオン系に強いサイドボードとして、「トークンが《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》されない」「《空の粉砕/Shatter the Sky》をケアしながら打点を上げられる」という点を(脳内で)評価して採用。
緑単で使ったことはありましたが、グルールでは一度も試さず、デッキ提出直前でのぶっつけ投入でした。自分たちの考えた通りの働きを見せてくれて良かったー。
グルールを選んだ最大の理由が「ディミーアローグにある程度有利がつくこと」だったので、その勝率を担保するために多めの3枚。脱出のコスト枚数が8枚と多く、2マナと軽いため1ターンに複数アクション取りやすいのがその魅力です。ローグ以外でも、《予言された壊滅/Doom Foretold》デッキやラクドスといった消耗戦を挑むマッチアップでは2枚程度サイドインできます。
緑系・ローグ・ヨーリオンと環境のほぼ全てのマッチでサイドインする、サイド後の長期戦最強カード。プラスで3/3出すのも、サーチするのも、ライブラリーのトップからクリーチャー唱えるのも本当に強い!ただし5マナ域には《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas》もあるため2枚に抑えました。個人的に好きすぎるし強すぎるので、3枚目を入れるか最後まで悩んだ部分でした。
■今後の予定について
シーズン最初のライバルズリーグが終わりましたが、次の戦いはすぐそこに迫っています。
今週末は日本選手権2020秋とRedBull Untapped Finalsの2連戦。そしてその翌週にはライバルズリーグの第2週目です。
年間を通して戦うライバルズリーグがもちろん一番大事なのですが、RedBull Untapped Finalsも出場者16名・優勝賞金30,000ドルという一大イベント。期待値だけで言えば一年間で最も高いトーナメントの1つといえます。燃えてきたぞー!うおおおおおおおおお!!!!
ということで今回はここまで。次回の記事ではこれらの大会レポートやデッキ解説をお届けすることになると思いますす。
良い結果をご報告できるよう、引き続き全力で頑張ります!お楽しみに!
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