MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【スタンダード注目デッキ】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

2020年9月28日、この数ヶ月スタンダードで暴れまわっていた《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》が遂に禁止になりました。

この禁止は多くの方が予想していた通りであり、残念ながら妥当な判決といえるでしょう。

もちろん《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》のスロットを他のカードに差し替えた4色オムナスも存在していますが、禁止前に比べると様々なデッキが活躍するようになっています。

今回の記事では、禁止改定後スタンにおいて早速活躍している注目のデッキをお届けしていきます。

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■4色アドベンチャー

Grzegorz Kowalski 4色アドベンチャー
2020/09/30 ミシック1位

1 《巨人落とし/Giant Killer
4 《エッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeper
4 《願いのフェイ/Fae of Wishes
4 《幸運のクローバー/Lucky Clover
1 《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing
2 《厚かましい借り手/Brazen Borrower
4 《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant
2 《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast
1 《バーラ・ゲドの復活/Bala Ged Recovery
4 《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation
1 《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King
3 《僻境への脱出/Escape to the Wilds
4 《豆の木の巨人/Beanstalk Giant
1 《平地/Plains
5 《島/Island
2 《山/Mountain
4 《森/Forest
3 《清水の小道/Clearwater Pathway
3 《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway
2 《ケトリアのトライオーム/Ketria Triome
2 《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome
3 《寓話の小道/Fabled Passage

1 《厳格な放逐/Stern Dismissal
1 《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee
1 《影槍/Shadowspear
1 《否認/Negate
1 《投げ飛ばし/Fling
1 《自然への回帰/Return to Nature
2 《神秘の論争/Mystical Dispute
1 《中和/Neutralize
1 《嵐の怒り/Storm’s Wrath
1 《過去と未来/Once and Future
1 《僻境への脱出/Escape to the Wilds
1 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon
1 《原初の力/Primal Might
1 《寓話の小道/Fabled Passage

RedBull Untapped 2020日本予選で準優勝、MOPTQで優勝など、禁止改定前から上位メタのデッキとして活躍を見せていた4色アドベンチャー。

自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》の禁止によりトップメタだった4色オムナスは大打撃を受けましたが、この4色アドベンチャーには一切のダメージがなかったためそのまま繰り上がるように最上位のデッキとして禁止後スタンに君臨しています。

ゼンディカーの夜明けのトップレアである《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》。このデッキでもマナ加速、ライフゲイン、アドバンテージと全ての能力を最大限に活かすことができます。

デッキ全体がシナジー寄りに構築されている分、こういった1枚でタダ強い&アドバンテージを取れるカードの存在は頼もしく、《幸運のクローバー/Lucky Clover》《エッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeper》といったカードとはまた違う角度での攻めを実現してくれます。

4色アドベンチャーは世界中で試されているので様々なリストがありますが、このグジェゴジュ選手のデッキはメイン・サイドともに工夫が感じられます。

余ったマナの注ぎ先として最高峰の1枚であり、過去にはジェスカイファイアーズ、4色再生などにも採用されてきた実績ある1枚。

4色オムナスには1-2枚採用されているケースが多かったですが、アドベンチャーに採用されているのは非常に珍しいです。

豆の木の巨人/Beanstalk Giant》と合わせてワンショットしたり、ライフゲインで延命したり、相手の《否認/Negate》《神秘の論争/Mystical Dispute》を避けながらクロックを展開したりと様々な盤面で活躍するであろう王様。後半に《僻境への脱出/Escape to the Wilds》から捲りたいカードNo.1です。

確定除去がなく、霊気の疾風/Aether Gust》を失い大型クリーチャーに触りづらくなってしまったこのデッキにピッタリの1枚。

特に4色にしている都合上《厚かましい借り手/Brazen Borrower》の枚数が減っているので、これをサーチして盤面を捌くケースは多いでしょう。

こちらも珍しい1枚。《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》がローテーションにより落ちてしまったため、クリーチャー/スペルを両方カバーできる枠として採用されています。

頼りになる蓋として、今後も定番の1枚になりそうです。

■青黒ローグ

Andrea Mengucchi 青黒ローグ

4 《マーフォークの風泥棒/Merfolk Windrobber
4 《盗賊ギルドの処罰者/Thieves’ Guild Enforcer
4 《空飛ぶ思考盗み/Soaring Thought-Thief
4 《湖での水難/Drown in the Loch
4 《無情な行動/Heartless Act
4 《高尚な否定/Lofty Denial
4 《厚かましい借り手/Brazen Borrower
2 《神秘の論争/Mystical Dispute
2 《アガディームの覚醒/Agadeem’s Awakening
2 《悪ふざけの名人、ランクル/Rankle, Master of Pranks
4 《トリックスター、ザレス・サン/Zareth San, the Trickster
8 《島/Island
5 《沼/Swamp
4 《清水の小道/Clearwater Pathway
3 《欺瞞の神殿/Temple of Deceit
2 《寓話の小道/Fabled Passage

4 《血の長の渇き/Bloodchief’s Thirst
3 《塵へのしがみつき/Cling to Dust
2 《否認/Negate
2 《苦悶の悔恨/Agonizing Remorse
4 《夜鷲のあさり屋/Nighthawk Scavenger

自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》の禁止によって最も恩恵を受けたのは間違いなくこの青黒ローグでしょう。

デッキ全体で「切削」しつつ攻める構造になっていますので、これまでは《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》に苦しめられていましたが、禁止によって「脱出」カードが減り、今が好機とばかりに勢力を伸ばしています。

自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》という「脱出」手段が環境から去ったため、このカードが輝く日が来ました!

たった2マナで確定除去/確定カウンターの両方の役割を果たしてくれる最高の1枚。

ならず者をプレイすれば相手の墓地は自然に増えていくので、3-4ターン目ぐらいからはほぼ完全な対応札として機能してくれます。

また《湖での水難/Drown in the Loch》に加えて《高尚な否定/Lofty Denial》まで4枚採用しており、クロックパーミッションとして振る舞えるように構築されています。

ならず者版の《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》、かと思いきやなんとクリーチャーだけでなくパーマネントならなんでも釣れるスーパー忍者!!

精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》や《サメ台風/Shark Typhoon》を釣るとそれだけで勝負が決まることも珍しくありません。

軽いならず者たちで「切削」しつつ、このカードを忍術させて勝つのがこのデッキのイージーウィン・パターンです。

起動型能力で出す場合は相手のカウンターをすり抜けることができるので、通常プレイでエンド前に瞬速で出すか、もしくは起動型能力を使って自分のターンの戦闘中に出すかは手札と要相談ですね。

1回着地したとしても、《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》や《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》などが跳梁跋扈しており、地上の4/4クリーチャーである《トリックスター、ザレス・サン/Zareth San, the Trickster》をもう1回通すのは意外と難しいです。

無情な行動/Heartless Act》や《厚かましい借り手/Brazen Borrower》を駆使して道を開けていきましょう。

■緑単アグロ

Rumti 緑単アグロ
2020/10/01 ミシック1位

4 《群れのシャンブラー/Swarm Shambler
4 《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent
4 《原初の力/Primal Might
2 《漁る軟泥/Scavenging Ooze
2 《ネシアンの角甲虫/Nessian Hornbeetle
4 《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast
2 《ガラクの先触れ/Garruk’s Harbinger
4 《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth
3 《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ/Yorvo, Lord of Garenbrig
4 《水晶壊し/Gemrazer
1 《解き放たれた者、ガラク/Garruk, Unleashed
1 《怪物の代言者、ビビアン/Vivien, Monsters’ Advocate
4 《変わり樹の共生/Turntimber Symbiosis
2 《グレートヘンジ/The Great Henge
17 《森/Forest
2 《ギャレンブリグ城/Castle Garenbrig

2 《鎖巣網のアラクニル/Chainweb Aracnir
2 《巻き添え/Run Afoul
4 《強行突破/Ram Through
2 《ガラクの先触れ/Garruk’s Harbinger
4 《オークヘイムの敵対者/Oakhame Adversary
1 《怪物の代言者、ビビアン/Vivien, Monsters’ Advocate

そして10月、最速でミシック1位に到達したのが緑単フリークで知られるRumti (@Rumti5)選手の緑単アグロ。

このRumti選手はスタンダードだけでなくヒストリックでも緑単を使い続けて好成績を残している、緑単マスターともいえるプレイヤーです。

ゼンディカーの夜明けの新ギミックでもある両面カード。その中でもバツグンの性能を誇るのがこの《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth》です。

「クリーチャーはあるけど土地がない」「土地はあるけどクリーチャーがない」といった際に土地・クリーチャーの好きな方でプレイできるため、デッキの安定感をグッと高めてくれています。

クリーチャーだけのスペックで見ても上陸できれば3マナ5/5相当とハイスペックであり、《グレートヘンジ/The Great Henge》とも相性バツグンです。

まさに緑単が求めていた至高の1枚といえるでしょう。

 

幸運のクローバー/Lucky Clover》を一番無駄なく処理できる1枚。またそれだけでなく、1-2ターン目に出した《群れのシャンブラー/Swarm Shambler》《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》に「変容」することで大型クリーチャーを作り、大ダメージを与える役割もあります。

霊気の疾風/Aether Gust》がスタンダードから消えたことにより5/5以上のクリーチャーへの対処はかなり難しくなったため、5/5以上のクリーチャーで戦線を構築できるのが緑単の魅力であり、大きな勝因です。

緑系アグロの代名詞といえば《探索する獣/Questing Beast》でしたが、このリストでは1枚たりとも採用されていません。

創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation》《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》といったパワー4以上のクリーチャーの使用率が高い現状、出したターンにブロックされる可能性も高く、またプレインズウォーカーの使用率も低いためこのカードのバリューが著しく下がっているのです。

「《探索する獣/Questing Beast》は強いカード」のような先入観を捨て、環境に合わせた構築をすることがいかに大事かを教えてくれています。

■まとめ

今回紹介した3つのデッキ以外にも、4色オムナス、赤単アグロ、ナヤウィノータ、グリクシスコントロール、ラクドスアグロなど環境には可能性が溢れています。

 

自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》の圧政から解放された今、やっと新環境が来たという感じがしますね。思い思いのデッキを作って楽しめるタイミングなので、ぜひみなさんも自分の好きなカードを軸に、オリジナルデッキを模索してみてください!

今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!

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