MTG │ 大会レポート │ 井川良彦【第16期レガシー神挑戦者決定】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川(@WanderingOnes)です。

先週末、第16期レガシー神挑戦者決定戦に参加しましたので、その参加レポートを今回はお届けします。

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■準備編 -RUGデルバー-

レガシーをプレイするのは年末のエターナルパーティ以来、2020年初。ということで慣れたデッキを使おうと選んだのがRUGデルバーでした。

4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets
3 《呪詛呑み/Hexdrinker
2 《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist
2 《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills
4 《渦まく知識/Brainstorm
4 《思案/Ponder
2 《定業/Preordain
2 《呪文貫き/Spell Pierce
2 《呪文嵌め/Spell Snare
4 《稲妻/Lightning Bolt
1 《稲妻の連鎖/Chain Lightning
4 《目くらまし/Daze
4 《意志の力/Force of Will
1 《否定の力/Force of Negation
2 《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns
3 《Tropical Island
3 《Volcanic Island
2 《沸騰する小湖/Scalding Tarn
2 《汚染された三角州/Polluted Delta
2 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
2 《霧深い雨林/Misty Rainforest
1 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills
4 《不毛の大地/Wasteland

2 《外科的摘出/Surgical Extraction
2 《紅蓮破/Pyroblast
2 《赤霊破/Red Elemental Blast
2 《夏の帳/Veil of Summer
1 《水流破/Hydroblast
1 《猛火の斉射/Blazing Volley
1 《古えの遺恨/Ancient Grudge
1 《否定の力/Force of Negation
1 《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe
1 《森の知恵/Sylvan Library
1 《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns


デルバーマスター・黒川くん( @wakarock1 )のリストをそのままコピーしてMOリーグに参加。彼のリストは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を廃して《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》を優先していたり、《呪詛呑み/Hexdrinker》を3枚と多めに採用していたりと珍しい形になっています。.

「レベルアップ」というソーサリータイミングの起動型能力がデルバーというクロックパーミッションのスタイルに合致しないのでは、と使うまでは考えていましたが、使ってみて納得。

一度レベル3まで上げれば《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《突然の衰微/Abrupt Decay》《致命的な一押し/Fatal Push》といった環境を代表する単体除去を食らわなくなるのでカウンターを構える必要もなくなりますし、盤面が固まるマッチアップでは最終形態の6/6《大祖始/Progenitus》となって無双します。コンボ相手にも1マナ2/1というクロックで重宝しますし、見た目よりもデルバーというデッキにマッチしているカードでした。

久しぶりのMOリーグは4-1,3-0(最終的に5-0)と調子がよく、そのまま金曜のレガシー神トライアルに参加することに。

3/20(金) レガシー神トライアル

R1 デス&タックス ○
R2 4Cレオヴォルド ○
R3 BGタイタン ○
R4 スニークショー ×
R5 アルーレン ×
R6 スニークショー ×

しかし現実は無情、3-3。後半3連戦はかなりRUGデルバーを意識した構築で完敗。スニークにはメインから《夏の帳/Veil of Summer》が入っており、アルーレンには《花の絨毯/Carpet of Flowers》でボッコボコにされました。南無。

 

また、マッチに勝利したもののデス&タックスや4Cレオヴォルドといったデッキも決して有利というわけではなく、翌日のレガシー神挑戦者決定戦に向けて暗雲立ち込めます。

ラウンド間でレガシー勢の友人たちに話を聞いてみると、

レガシー神である幸正さんがRUGデルバーを使いそうなので、デルバーをメタったデッキが多そう
しかもそのRUGデルバーは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《もみ消し/Stifle》入りの形なので、デルバー対決に強い=このwakarock型では不利

直接対決はタルモゴイフに軍配が上がります

結論として僕のデッキは「メタ的にポジションが悪く」しかも「勝ち抜いたとしても不利」になるということが発覚。

これはまずい…と思っていたところ、その友人たち曰く「デスタク、今結構いいっすよ」

 

個人的に《渦まく知識/Brainstorm》が入っていないデッキはあまり好きではなかったのですが、少し考えてみたところ

今は《夏の帳/Veil of Summer》《紅蓮破/Pyroblast》が流行っていて、少しガードが下がっている
今日上位に多かったスニークショーに強い。もちろんデルバーにも強い。
ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》と《大変動/Cataclysm》のおかげで《アーカムの天測儀/Arcum’s Astrolabe》《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》デッキにも戦える

という気がします。きっと。多分。

そんなこんなであんちゃんに急遽連絡してデッキを貸してもらい(ありがとう!!!)、デッキを乗り換えることにしました。

デスタクのプレイに関してはてんで素人ですが、相手の動きを予想する必要がある=ある程度これまでのレガシーの知識を生かせるデッキであるということ、そして何よりも普段使わないデッキを使えるのが楽しみで気にならなくなりました。なんとかなるっしょ!

■本番編 -デス&タックス-

フリープレイやプロツアーの調整で回したことはあるものの、デス&タックスを大会で使うのは初。そこでレガシー神トライアルから帰宅してから記事を読み漁りつつ、基本的には直近で成績を残しているリストを参考にすることにしました。

最終的に使用したのはこちら。

4 《ルーンの母/Mother of Runes
4 《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
4 《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben
3 《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker
4 《ちらつき鬼火/Flickerwisp
2 《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader
2 《護衛募集員/Recruiter of the Guard
1 《聖域の僧院長/Sanctum Prelate
1 《宮殿の看守/Palace Jailer
4 《剣を鍬に/Swords to Plowshares
4 《霊気の薬瓶/AEther Vial
1 《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte
1 《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice
1 《殴打頭蓋/Batterskull
6 《平地/Plains
5 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains
3 《カラカス/Karakas
1 《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair
4 《リシャーダの港/Rishadan Port
4 《不毛の大地/Wasteland
1 《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory

2 《流刑への道/Path to Exile
2 《議会の採決/Council’s Judgment
2 《大変動/Cataclysm
2 《耳の痛い静寂/Deafening Silence
2 《安らかなる眠り/Rest in Peace
1 《封じ込める僧侶/Containment Priest
1 《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist
1 《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder
1 《死を刻む僧院長/Deathmark Prelate
1 《外科的摘出/Surgical Extraction


メインボードは《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》が2枚入っているリストを選択。《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》は氷雪ベースのデッキ(スゥルタイ・4色)に特に強く、《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》《突然の衰微/Abrupt Decay》《致命的な一押し/Fatal Push》をすべて無視できるため、精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》以外ではほとんど対処されないスーパークリーチャーです。青緑系に勝ちたいなら3枚目をサイドに用意してもいいですね。

そして今回デス&タックスを使う動機づけとなったのが、この《大変動/Cataclysm》。「それぞれ各パーマネントを1種類ずつ選び、それ以外を全部破壊する」という方向性でデザインされたカードですが、初出はエクソダス。当時はプレインズウォーカーというタイプは存在しなかったため、プレインズウォーカーは選べない=すべて吹き飛ばすことができます!王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》といったPWへの対処として、そして《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》などで土地を伸ばしてくる対策として、対ミッドレンジ・コントロールの最終決戦兵器となっています。《霊気の薬瓶/AEther Vial》さえあれば自分の土地は流してしまってもいいのが嬉しいところ。

大変動/Cataclysm》と相性が良いため《トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair》も1枚だけ採用されています。《不毛の大地/Wasteland》されず(されても意味ない)、《大変動/Cataclysm》後に土地を1枚多めに残せるので、《血染めの月/Blood Moon》が《アーカムの天測儀/Arcum’s Astrolabe》で死滅している今、ほぼ《平地/Plains》の上位互換と言えます。

万一優勝した場合は神決定戦で《タルモゴイフ/Tarmogoyf》型のRUGデルバーと当たることが想定されたので、サイドボードは完コピせずにデルバー対策で《流刑への道/Path to Exile》を2枚追加。しかしその代償として3枚ずつだった《議会の採決/Council’s Judgment》《大変動/Cataclysm》を2枚ずつに減らすことになってしまいました。この選択が吉と出るか凶と出るか…

3/21(土) 第16期レガシー神挑戦者決定戦

R1 Bye
R2 青赤デルバー ×○○
R3 5色コントロール ×○△
R4 4色レオヴォルド ×○○
R5 RUGデルバー ×○○
R6 ゴブリン ○×○
R7 赤単プリズン ○×○
R8 ID

6-0-2でトップ8進出!慣れないかつ難しいデッキで毎ラウンドフルタイムプレイして疲労困憊、その結果《霊気の薬瓶/AEther Vial》《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》に「統治者」と無数の誘発忘れを繰り返しましたが、ゲームプランが良かったりそもそも《霊気の薬瓶/AEther Vial》を良く初手に引き込むなどの幸運のおかげで勝ち進めました。これぞビギナーズラック。

準々決勝 4色レオヴォルド ×○×

このQFでは《流刑への道/Path to Exile》を入れて《議会の採決/Council’s Judgment》《大変動/Cataclysm》を減らしたことが響きました。プレインズウォーカーへの対処手段が減っているので、《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》にマウントを取られやすくなっていたのです。

そして何よりGame1、Game3をそれぞれプレイミスで落としてしまいました。これはデスタクに慣れているかどうかではなく、単純にマジックが下手だったので反省です。

ミスその1

Game1。先攻1Tに《霊気の薬瓶/AEther Vial》が通っている状況で、3Tに《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》を通常プレイ→《意志の力/Force of Will》でカウンターされて負け。

◎プレイの理由と反省

2Tの《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》を《意志の力/Force of Will》されていたため、2枚目は無いと判断してプレイしましたが、あえなく2枚目の《意志の力/Force of Will》で撃沈。《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》を出される前に《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》を定着させたかったのですが、後続が手札にない&《霊気の薬瓶/AEther Vial》がある以上は《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》を大事にすべきでした。

 

ミスその2

Game3。こちらのクリーチャー(《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》だったかな)を《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》でバウンスされた返しに、《議会の採決/Council’s Judgment》と《大変動/Cataclysm》の2択で《大変動/Cataclysm》を選択。しかし相手は手札に土地が多くリカバリーが早く、逆にこちらは土地が止まりその後のアクションが悪くなってしまった。

◎プレイの理由と反省

Game2を《大変動/Cataclysm》で大逆転勝利していた→このゲームではケアされそう(《意志の力/Force of Will》を我慢する、土地を並べすぎないなど)な気がしたので、あえて早めにプレイ。しかし余剰土地がない《霊気の薬瓶/AEther Vial》がない以上、自分の展開が悪くなるのは目に見えていたので、まずは《議会の採決/Council’s Judgment》からプレイして《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を対処し、次のプレインズウォーカーに対して《大変動/Cataclysm》をプレイすべきでした。イージーウィンを狙いすぎ。今あるリソースで戦いましょう。

■まとめ

そんなこんなでトップ8で悔しい敗退となりましたが、元はといえば気分転換にエンジョイ目的で参加したので上々の結果と言えるでしょう。満足です。スタンやモダンとは違う、インスタントタイミングと1マナを巡る攻防がレガシーの魅力ですね。

次にレガシーをプレイするのがいつになるかは分かりませんが、今後も可能な限り参加していきたいと思います。エンジョイマジック!

最後に宣伝。不定期ではありますがTwitchで配信もしているので、遊びに来てくださいな。今週末はマジックフェスト・オンラインのウィークリーチャンピオンシップを配信する予定です!目指せシーズンファイナル、そしてプレイヤーズツアー・ファイナル!

https://www.twitch.tv/gesohiko

◎マジックフェスト・オンラインの公式記事はこちら→https://mtg-jp.com/reading/publicity/0033892/

それではまた次回の記事で!

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