MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【ジェスカイファイアーズ】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川(@WanderingOnes)です。
先日僕が調整しているジェスカイファイアーズをTwitterに公開したところ、2/16(土)に宮崎PTQで工藤 耕一さんが、2/22(土)に伊勢崎PTQで小澤 毅さんがそれぞれ僕のリストをベースにしたリストで優勝しました!2人ともおめでとうございます!
ジェスカイファイアーズ1本でミシック達成。環境変わってもデッキパワーは衰えておらず、依然トップ級の強さがあるように感じます。新セットのカードはなんと0枚。赤単と青白には全然負けなかったので、デッキ困ってる人にはおすすめです😎 pic.twitter.com/VjG61MHJCl
— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) February 12, 2020
工藤 耕一:PTQ宮崎 優勝
小澤 毅:PTQ伊勢崎 優勝
そこで今回は、ジェスカイファイアーズで使われている様々なカードについて、思っている/考えている/感じていることを書いていこうと思います。
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
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■クリーチャー
《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
《創案の火/Fires of Invention》+各種騎兵が目立つジェスカイファイアーズですが、このカードなしには成立しないといえるほどのパワーカードです。縁の下の力持ち。
2マナ除去兼3マナ4/3の中盤クリーチャーとしてほぼ腐るマッチアップがなく、絶対に4枚をオススメします。青白コントロールやティムール再生には重要なアタッカーであり、アグロ相手には大事なブロッカーになるためミラーマッチの後攻以外はほぼサイドアウトしないですね。よくサイドインされる《変容するケラトプス/Shifting Ceratops》をブロックできるのも◎。
ちなみにミラーマッチのサイドボード後は、《神秘の論争/Mystical Dispute》を無視しながら先攻3ターン目にこの《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》をドロップするのが一番強いアクションです。先攻はマウント取って殴りに行きましょう。
《厚かましい借り手/Brazen Borrower》
世界選手権でガブリエル・ナシフ/ラファエル・ラヴィのコンビがメインに採用し、見事にトップ4に入ったことで注目を集めているカード。あまり知られていませんが、2019年12月に行われたGPメルボルン優勝のジェスカイファイアーズにもメインに採用されていました。
個人的な感触としては、赤単やジャンドに弱く、青白・ミラー・再生に強いカード。なのでメタゲーム的には悪くありませんが、相性が良いマッチアップに対する耐性が下がるのが僕はあまり好きではないので他のプレイヤーに比べて低評価寄りです。(有利デッキ相手に落とすのはもったいないため)
基本的にはサイドボードの《義賊/Robber of the Rich》とセット採用ですが、そうなると《徴税人/Tithe Taker》がなくなりさらに赤単に弱くなるのも気になるところ。
《予見のスフィンクス/Sphinx of Foresight》
過去の記事でも簡単に解説したので省略。このカードを最初に入れた人は天才。1スロットを変えるだけでデッキパワーを劇的に向上させたのは本当に凄いなと尊敬します。
《炎の騎兵/Cavalier of Flame》
このデッキのエースであり主役。1-2ターン後のアクションを考える必要があり裏目になることもあるので「好きな枚数捨ててドロー」はかなり腕が出るところですが、僕は基本的に「悩んだら捨てる」ことにしています。
エースとはいいましたが、赤単やグルールのように殴ってくるデッキ、ジャンドサクリファイスやシミックフラッシュのように地上が固まりがちなデッキ相手には1-2枚サイドアウトします。
《風の騎兵/Cavalier of Gales》
最近は採用していないリストもありますが、個人的には最低で2枚、メタによっては4枚もありのカードだと考えています。
このカードが強いのはマリガン後やサイドボード後のリソースゲームで、この《風の騎兵/Cavalier of Gales》でないと手数が足りない盤面になることも多々あります。
また《創案の火/Fires of Invention》ナシでも《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》《予見のスフィンクス/Sphinx of Foresight》《風の騎兵/Cavalier of Gales》のようなミッドレンジプランで戦えるのがこのデッキの魅力なので、《風の騎兵/Cavalier of Gales》がなくなるとリソース的にも飛行クリーチャーの数的にも厳しくなることも理由のひとつです。
《神秘の論争/Mystical Dispute》と《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》に弱いので青白コントロール相手はサイドアウト候補ですが、他のマッチアップを考えると極端に青白コントロールのシェアが多くならない限りは採用すべきでしょう。
《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》
2枚はマストで、赤単やジャンドサクリファイスが多いなら3枚目をサイドに置いても良いカード。ミラーマッチ(特にメイン)はライフが重要になるマッチアップなので、次のターンの2アクションが確定しているときはドローよりもライフゲインが大事です。
《夢さらい/Dream Trawler》
ジェスカイファイアーズというデッキは少し押され気味な盤面を《創案の火/Fires of Invention》からの5Tに5マナ連打で押し返すデッキであり、5ターン目にドロップできない大型クリーチャーに価値はありません。6枚目の土地を《炎の騎兵/Cavalier of Flame》で新しいカードに変えることも多く、あまりにも不安定です。
世界選手権のフィーチャーマッチでもよく手札でだぶついており、《炎の騎兵/Cavalier of Flame》がいるときに勝ち馬に乗るだけのオーバーキルカードでした。ダメ、絶対。
■スペル
《可能性の揺らぎ/Shimmer of Possibility》《海の神のお告げ/Omen of the Sea》
これら2マナのドローですが、個人的には不要だと考えています。ジェスカイファイアーズというデッキは3-5マナ域のカードが多い&強い上にタップイン土地も多めに採用しているため、2マナで盤面に寄与しないカードをプレイしている余裕はほとんどありません。また《創案の火/Fires of Invention》を置いた後はドローで1アクション回数を使うことも損なので、デッキに全く合ってないといえるでしょう。
インスタントで《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》や《霊気の疾風/Aether Gust》との二択を構えられる《海の神のお告げ/Omen of the Sea》は強そうだと思って試してみましたが、実際は先攻なら2ターン目にタップインを処理し、後攻ならスペルを唱える展開が多いため手札にだぶつき、ゲームが終わるまでプレイできないことが多かったです。
《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》
2マナのカードを色々試してみて、「インスタントタイミングで《鍛冶で鍛えられしアナックス/Anax, Hardened in the Forge》を触れる」「相手の《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》を倒せる」の2点から採用。適当に出てきた《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》を追放できたりもします。
最近は青白コントロールの《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》が増えてきたので、《溶岩コイル/Lava Coil》も一考に値します。
《霊気の疾風/Aether Gust》
青白コントロール以外環境のほぼ全てに対してプレイできる、Goodな2マナインスタント。《創案の火/Fires of Invention》を採用している都合上メインにカウンターを入れたくはありませんが、《霊気の疾風/Aether Gust》なら《創案の火/Fires of Invention》後も除去としてプレイできるので嬉しいですね。
《裁きの一撃/Justice Strike》
《朽ちゆくレギサウルス/Rotting Regisaur》が減り、《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》《夢さらい/Dream Trawler》《朱地洞の族長、トーブラン/Torbran, Thane of Red Fell》といったクリーチャーが増えたので価値は下がりましたが、《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》で倒せない大型クリーチャーの対処を《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》任せにするのも嫌だったので少量採用。
今後ティムールアドベンチャーが増えるようなら、《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》《豆の木の巨人/Beanstalk Giant》を倒せるカードとして重宝しそうです。
《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》
全体3点ダメージと《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》の「トランプル付与」により、実質的に本体火力のような役割をすることもあるので覚えておくといいでしょう。
《創案の火/Fires of Invention》
ケアする点は過去記事でも書きましたので、詳しくはそちらを御覧ください。
追記する点としては、青白コントロール(というか《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》)との戦い方です。
後手4ターン目、「《創案の火/Fires of Invention》《予見のスフィンクス/Sphinx of Foresight》《炎の騎兵/Cavalier of Flame》および土地」。こういう盤面であれば、たとえ相手がフルタップだとしても《創案の火/Fires of Invention》→《予見のスフィンクス/Sphinx of Foresight》と動かないように!この場合、返しに《創案の火/Fires of Invention》を《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》→《炎の騎兵/Cavalier of Flame》を出す→両方《空の粉砕/Shatter the Sky》で簡単に負けるでしょう。
《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》と対峙するときに重要なのは、《創案の火/Fires of Invention》と同時に《炎の騎兵/Cavalier of Flame》《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》といった打点の高いカードをプレイし、《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》でもどちらかは次のターン残るよう盤面を作ることです。《創案の火/Fires of Invention》が残れば2アクションできますし、《炎の騎兵/Cavalier of Flame》や《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》が残れば次のターンに大ダメージを叩き込めるでしょう。
《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
お馴染みぶっ壊れPW。このカードの強さはすでに皆さんご存じだと思いますが、それでもいくつか言及するなら「最近の赤単は3-4マナがもっさりしてるので昔よりも結構効くよ」「《嵐の怒り/Storm’s Wrath》が入っているデッキには5をキープするといいよ」ぐらいでしょうか。特に後者は《予見のスフィンクス/Sphinx of Foresight》と同時に流されないようにしたいですね。
■サイド
《義賊/Robber of the Rich》《徴税人/Tithe Taker》
この二択ですが、個人的には《徴税人/Tithe Taker》推しです。
《徴税人/Tithe Taker》の方がサイドインできる幅が広く(アグロ系にもブロッカーとしてサイドインできる)、かつ相手の行動を縛れるのが大きなメリットです。後者はシミックフラッシュのようなカウンターの多めのデッキとの相性を劇的に変えるほど。
《義賊/Robber of the Rich》も速攻と誘発型能力が魅力ですが、結局《空の粉砕/Shatter the Sky》のようなカードで流れてしまうのは変わらず、相手からしてもインスタントで自由に動けるのは楽な印象。《徴税人/Tithe Taker》は特に複数枚引いたときの縛り方が尋常じゃなく、全体除去後に残る1/1トークンも地味に活躍するので、僕は一貫して《徴税人/Tithe Taker》を使い続けています。
ただし、今後赤単を始めとするアグロデッキやティムール再生が減り青白コントロールが増え続けるのであれば、《厚かましい借り手/Brazen Borrower》&《義賊/Robber of the Rich》パッケージの方が良くなるかもしれません。メタの動き次第ですね。
《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》
《神秘の論争/Mystical Dispute》だけだと相手のケアも簡単で、「3マナ浮かせた《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》」や「《神秘の論争/Mystical Dispute》構えの《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》」で負けてしまうので、確定カウンターを数枚採用したほうが相手のプランを崩してゲーム展開を有利にすすめることができます。
最近は《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》の枚数が増えてきてますし、《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》しかないところに《夢さらい/Dream Trawler》を出されて負けるのも悲しいので、《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》を併用することを検討しても良いでしょう。
《目覚めた猛火、チャンドラ/Chandra, Awakened Inferno》
《徴税人/Tithe Taker》&《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》で殴った後の「詰め」のプラン。主に青白コントロール用ですが、アドベンチャーのような横並べデッキや謎の多色ミッドレンジとかにも入れたりします。気分次第。
《夢さらい/Dream Trawler》に弱いのが玉に瑕ですが、カウンターを構えているターンに出すアクションとしては良いですし、《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》を追放したりトークンを一掃したりと中々の活躍です。
《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》
目には目を、歯には歯を。今のメタであれば相手の《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》やミラーマッチ用としてメイン・サイド合わせて1-2枚採用するのをオススメします。
■まとめ
各カードの採用理由、不採用理由などをざっと述べてみましたが、いかがだったでしょうか?
特に《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》に対するプレイングは勝敗を大きく分ける部分ですので、ジェスカイファイアーズで中々青白コントロールに勝てない方は少し見直してみると良いかもしれません。
今週中にもう1本記事を予定しています。週末のPTQやミシックポイントチャレンジに向けたデッキピックアップか、僕が実際に使って手応えの良いデッキのデッキ解説記事になるかと思います。期待せずお待ち下さい。
それでは次回の記事で!健康には十分気をつけてくださいね!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!