MTG │ 攻略記事 │ 井川良彦【モダンメタゲーム解説】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川(@WanderingOnes)です。
今週末は東京でThe Last Sun、大阪でMMMFinals。さらに来週末には東京でもMMMFinalsが開催されるなど、モダンの大会が満載です!
そこで今回の記事では使うにせよ対策するにせよ避けて通れない、個人的に今強いと思っているモダンの上位デッキを見ていきたいと思います。
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■入賞率圧倒的ナンバーワン。「エルドラージトロン」
yamakiller / Modern League 5-0
1 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
2 《歩行バリスタ/Walking Ballista》
4 《作り変えるもの/Matter Reshaper》
4 《難題の予見者/Thought-Knot Seer》
4 《現実を砕くもの/Reality Smasher》
1 《終末を招くもの/Endbringer》
4 《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
2 《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》
2 《四肢切断/Dismember》
2 《歪める嘆き/Warping Wail》
1 《精神石/Mind Stone》
2 《荒地/Wastes》
1 《魂の洞窟/Cavern of Souls》
1 《地盤の際/Tectonic Edge》
1 《屍肉あさりの地/Scavenger Grounds》
1 《幽霊街/Ghost Quarter》
2 《爆発域/Blast Zone》
4 《エルドラージの寺院/Eldrazi Temple》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《次元の歪曲/Spatial Contortion》
1 《歩行バリスタ/Walking Ballista》
1 《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
1 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
1 《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》
1 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
1 《罠の橋/Ensnaring Bridge》
1 《魔女封じの宝珠/Witchbane Orb》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》
1 《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》
1 《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
ロンドンマリガンの導入、そして《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》の登場以来上位に居座り続けている無色の軍団、エルドラージトロン。
《エルドラージの寺院/Eldrazi Temple》からエルドラージ軍団を高速展開して勝つこともあれば、2ターン目《虚空の杯/Chalice of the Void》だけで勝つこともあり、はたまた4ターン目にトロン成立→10マナから《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》+《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》でロック完了という勝ちもあるという、あらゆる角度から勝ちを狙えるデッキになっています。
その多彩な勝ち筋はそのまま対策のしづらさにも繋がっており、ただクリーチャーを除去るだけでは《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》に破れ、カウンターを構えれば《魂の洞窟/Cavern of Souls》が乗り越え、《血染めの月/Blood Moon》を置こうとも《荒地/Wastes》や《精神石/Mind Stone》から何事もなかったように順々にプレイされることになります。
《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》全盛期はサイドボードに《虚空の力線/Leyline of the Void》を取らなければならない都合上サイドボードのスロットが少なかったですが、今は余裕ができたため《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》や《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》といった追加のサーチ先/勝ち手段、そして追加の除去である《次元の歪曲/Spatial Contortion》を入れることが可能になりました。
細かいクリーチャーデッキに対して継続的な除去になる他、地上が固まりやすいマッチアップでも活躍します。また、同系では「-2を使った=忠誠度3の《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》」をETB能力で撃ち落とすこともできます。これは《歩行バリスタ/Walking Ballista》にはできない芸当なので、《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》が入っているマッチアップでは常に頭に入れておきましょう。
ジャンドやエルドラージ系のマッチアップなどで重宝する1枚。特にジャンドのような除去が多いデッキ相手では《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》がすぐ落とされてしまう=《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》ロックができないことも多いので、そういった盤面では《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》サーチが逆転の一手になります。
■命を力に変えよ。「各種《死の影/Death’s Shadow》デッキ」
グリクシスシャドウ
Tanzo90 / Modern PTQ 7-2
4 《死の影/Death’s Shadow》
3 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
4 《通りの悪霊/Street Wraith》
4 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4 《思考掃き/Thought Scour》
4 《頑固な否認/Stubborn Denial》
4 《致命的な一押し/Fatal Push》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
1 《血清の幻視/Serum Visions》
2 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
1 《湖での水難/Drown in the Loch》
2 《四肢切断/Dismember》
3 《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》
1 《王家の跡継ぎ/The Royal Scions》
1 《島/Island》
1 《沼/Swamp》
2 《湿った墓/Watery Grave》
1 《血の墓所/Blood Crypt》
1 《蒸気孔/Steam Vents》
4 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
4 《汚染された三角州/Polluted Delta》
3 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3 《集団的蛮行/Collective Brutality》
2 《儀礼的拒否/Ceremonious Rejection》
2 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2 《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》
2 《真髄の針/Pithing Needle》
2 《減衰球/Damping Sphere》
1 《削剥/Abrade》
1 《疫病を仕組むもの/Plague Engineer》
人間が減り、シミックウルザが台頭していたことにより浮上してきたグリクシスシャドウ。
苦手なバーンやトロンも減っており、お客様である感染も増えているためメタ上のポジションはかなり良くなっています。
基本的な構造は従来と変わらないものの、グリクシスシャドウが求めていた人材を「エルドレインの王権」で獲得しました。
《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》《死の影/Death’s Shadow》に先制攻撃&トランプルは非常に相性が良いですし、グリクシスシャドウはフラッドに弱いデッキなのでルーティング側の能力も嬉しいです。3マナと少し重いもののデッキと抜群の相性の良さですので、メインもしくはサイドに2枚目を検討しても良いでしょう。
トラバースシャドウ
pdraftelemental / ModernPTQ 5-2
4 《死の影/Death’s Shadow》
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
1 《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》
4 《通りの悪霊/Street Wraith》
4 《頑固な否認/Stubborn Denial》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
4 《致命的な一押し/Fatal Push》
3 《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald》
3 《むかしむかし/Once Upon a Time》
2 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
2 《四肢切断/Dismember》
4 《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》
1 《沼/Swamp》
1 《血の墓所/Blood Crypt》
1 《繁殖池/Breeding Pool》
1 《草むした墓/Overgrown Tomb》
1 《湿った墓/Watery Grave》
1 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3 《汚染された三角州/Polluted Delta》
2 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
1 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
2 《育成泥炭地/Nurturing Peatland》
3 《夏の帳/Veil of Summer》
3 《集団的蛮行/Collective Brutality》
1 《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe》
2 《遅延/Delay》
1 《イクスリッドの看守/Yixlid Jailer》
1 《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》
2 《神秘の論争/Mystical Dispute》
1 《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》
1 《疫病を仕組むもの/Plague Engineer》
《死の影/Death’s Shadow》を軸にしたもう1つのデッキが緑入り4色のトラバースシャドウです。
《むかしむかし/Once Upon a Time》によりデッキの安定感が上がったこと、そしてそれによりインスタントが落ちやすくなった=《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald》も強くなったため、4色ですがグリクシスシャドウよりも安定してクリーチャーを盤面に展開できるのが魅力。
《血染めの月/Blood Moon》や墓地対策に弱いという弱点はありますが、その両方が現在下火であることがこのデッキが流行している一因でもあります。
緑を入れている利点の一つ、それが《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》です。元々この《死の影/Death’s Shadow》系デッキは単体除去の連打(ジャンドや青白コントロールなど)が厳しかったのですが、それを乗り越えられる1枚。さらに《罠の橋/Ensnaring Bridge》、《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》といった1枚で詰むクリーチャー/アーティファクトも対処できるのでデッキとの相性も100点。デッキの方向性とも噛み合っているので、個人的にはメインに入れたほうが良いと思います。
■この半年でデッキの強さが段違いにアップ。「感染」
sokos13 / Modern PTQ 7-2
1 《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
4 《ぎらつかせのエルフ/Glistener Elf》
4 《荒廃の工作員/Blighted Agent》
2 《呪文滑り/Spellskite》
2 《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》
4 《顕在的防御/Blossoming Defense》
2 《ひずみの一撃/Distortion Strike》
4 《古きクローサの力/Might of Old Krosa》
4 《厚鱗化/Scale Up》
1 《呪文貫き/Spell Pierce》
4 《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
4 《むかしむかし/Once Upon a Time》
1 《四肢切断/Dismember》
2 《森/Forest》
2 《繁殖池/Breeding Pool》
2 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
2 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
1 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
1 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2 《冠水樹林帯/Waterlogged Grove》
1 《植物の聖域/Botanical Sanctum》
2 《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》
4 《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》
2 《儀礼的拒否/Ceremonious Rejection》
1 《自然の要求/Nature’s Claim》
1 《呪文貫き/Spell Pierce》
4 《夏の帳/Veil of Summer》
1 《呪文滑り/Spellskite》
1 《四肢切断/Dismember》
2 《神秘の論争/Mystical Dispute》
2 《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》
1 《活性の力/Force of Vigor》
モダン初期から存在する感染。モダンの中でも屈指のスピードを持ち、最速2キル、3-4キルは当たり前という速度が武器のデッキですが、その安定性や除去耐性の無さに若干難があるのが問題でした。
しかし、この半年で数多くの新戦力を得てそれらの弱点が改善。《厚鱗化/Scale Up》で打点が上がり、《冠水樹林帯/Waterlogged Grove》でフラッドを防止し、《夏の帳/Veil of Summer》が苦手なジャンド/死の影への耐性を上げ、《むかしむかし/Once Upon a Time》がデッキの安定性を向上させ、《神秘の論争/Mystical Dispute》は青への完全な解答であり、そして何より《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》は除去デッキへの追加の勝ち手段になっています。
《死の影/Death’s Shadow》系には相変わらず不利なものの、ウルザやトロンといった上位デッキに強いこと、サイドの強力さも相まって一気に上位メタに踊り出ました。
スタンダードで禁止になった問題児はモダンでも活躍中。比較的ピーキーなデッキである感染にとって、初手の安定性が上がる(マリガン率が下がる)カードは喉から手が出るほど欲しかった最高の1枚です。
感染クリーチャーがない初手では感染クリーチャーを探し、もし感染クリーチャーがある手札なら《貴族の教主/Noble Hierarch》や追加のクリーチャー・土地を探せる=まず腐ることがないので、感染を使う以上サイドアウトすることはないでしょう。
■コントロールも最高のPWを手に取った。「バント氷雪コントロール」
moyashi0904 / Modern League 5-0
4 《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》
3 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
3 《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》
2 《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
3 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
1 《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》
4 《流刑への道/Path to Exile》
2 《呪文貫き/Spell Pierce》
3 《マナ漏出/Mana Leak》
3 《否定の力/Force of Negation》
1 《神秘の論争/Mystical Dispute》
3 《至高の評決/Supreme Verdict》
4 《アーカムの天測儀/Arcum’s Astrolabe》
4 《冠雪の島/Snow-Covered Island》
2 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
1 《冠雪の森/Snow-Covered Forest》
1 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1 《繁殖池/Breeding Pool》
1 《寺院の庭/Temple Garden》
4 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2 《天界の列柱/Celestial Colonnade》
4 《廃墟の地/Field of Ruin》
3 《夏の帳/Veil of Summer》
2 《儀礼的拒否/Ceremonious Rejection》
2 《外科的摘出/Surgical Extraction》
2 《天界の粛清/Celestial Purge》
2 《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》
2 《安らかなる眠り/Rest in Peace》
1 《ムラーサの胎動/Pulse of Murasa》
1 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
発売数ヶ月にして「史上最強プレインズウォーカー」との声も多い《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》は、青白コントロールにも顔を出しています。《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》により盤面の対処がさらに容易になっただけでなく、鹿による3/3ビートのクロックが高く、トロンのようなゲームを長引かせたくない相手に対して早いクロックを突きつけることが可能になりました。
《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》と《流刑への道/Path to Exile》+《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、そして《至高の評決/Supreme Verdict》でクリーチャーデッキをシャットアウトし、コンボ/コントロールにはプレインズウォーカーでマウントを取りながら《呪文貫き/Spell Pierce》《否定の力/Force of Negation》で相手を完封するという、理論上最強とも言える構成になっています。コントロールが好きな方はぜひ一度手に取ってみることを強くオススメします。
氷雪版《悪意の大梟/Baleful Strix》とも言えるこのカード。これまで青白コントロールは早いビートダウンに対して《流刑への道/Path to Exile》が初手にあるかどうかに強く依存しており、そこを埋めるために追加の除去として《失脚/Oust》《糾弾/Condemn》を採用していましたが、そのスロットがキャントリップであり青いカード(《否定の力/Force of Negation》のコストにもなる)である《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》で埋まったのは大きな進歩といえます。
これによりエルドラージ系、《死の影/Death’s Shadow》のような優秀なクリーチャーを少数出してくるデッキへの耐性が大幅に上がっただけでなく、瞬速があるため《マナ漏出/Mana Leak》が構えやすくなったりと、デッキにとてもフィットしています。
■まとめ
上記4デッキと、メタに関わらず根強い人気のある「バーン」「トロン」「人間」、そしてポジションは悪くなってきていますが新興勢力である「シミックウルザ」を含めた8デッキを意識して今週/来週末の大会に望むのが良いでしょう。
個人的にオススメなのは、「感染」と「バント氷雪コントロール」の2つ。どちらも《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》を最大限使えているデッキであり、《むかしむかし/Once Upon a Time》/《アーカムの天測儀/Arcum’s Astrolabe》のおかげでデッキの安定性もかなり担保されています。もしデッキに悩んでいるようであれば、試してみてはいかがでしょうか?
個人的な今後の予定を書きますと、今週末はThe Last Sun、来週末はThe FinalsとEternal Partyに参加する予定です。同じ大会に出る方、どうぞよろしくお願いします!
それでは、また次回の記事で!