MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【スタンダードローグデッキ紹介】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川(@WanderingOnes)です。
イコリア:巨獣の棲処が発売されてから1ヶ月近くが経ち、スタンダードのメタゲームも目まぐるしく動きました。
先週末のMagicFest Online Season2 Finalsでは「ジェスカイルーカ(ヨーリオン)」「バントランプ(ヨーリオン)」「ティムール再生」「サイクリング(ルールス)」の4つがトップメタでした。
その間隙を突いて「奇数赤単(オボシュ)」が大躍進。そして優勝はまさかの「ティムールアドベンチャー」という結果に終わりました。
「ティムールアドベンチャー」はプレイの難しさが環境随一でありこれまで使っていないプレイヤーが乗り換えることは少ないでしょうから、他の5つのデッキ(ジェスカイルーカ、バント、再生、赤単、サイクリング)が上位デッキ陣と言えそうです。
参加者4000人を超えた(!)という、世界中のマジックジャンキーが集まる「Red Bull Untapped International Qualifier 1」。デジタル・マジックの大舞台であるミシック・インビテーションの予選である「ミシック予選」。
今週末に開催されるこの2大会に向けて、トップメタの同系対決を好まないあなたのためにローグデッキたちを集めました。どうぞご覧ください!
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■オルゾフオーラ(ルールス)
GeneralMythic#87267 Season2 Finals
4 《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》
4 《命の恵みのアルセイド/Alseid of Life’s Bounty》
4 《憎しみの幻霊/Hateful Eidolon》
2 《騒音のアフィミア/Aphemia, the Cacophony》
4 《きらきらするすべて/All That Glitters》
1 《死住まいの呼び声/Call of the Death-Dweller》
3 《死の重み/Dead Weight》
3 《ドリルビット/Drill Bit》
4 《ケイラメトラの恩恵/Karametra’s Blessing》
2 《ケイヤ式幽体化/Kaya’s Ghostform》
2 《ぬかるみの捕縛/Mire’s Grasp》
3 《ネスロイの神話/Mythos of Nethroi》
6 《沼/Swamp》
4 《平地/Plains》
4 《神無き祭殿/Godless Shrine》
2 《草むした墓/Overgrown Tomb》
2 《寺院の庭/Temple Garden》
4 《静寂の神殿/Temple of Silence》
2 《インダサのトライオーム/Indatha Triome》
3 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
3 《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
3 《絶滅の契機/Extinction Event》
1 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》
1 《障害の幻霊/Eidolon of Obstruction》
1 《希望の光/Light of Hope》
1 《ドリルビット/Drill Bit》
1 《ヘリオッドの介入/Heliod’s Intervention》
1 《ネスロイの神話/Mythos of Nethroi》
Rivals Leagueの一員であるEli Kassisが先週末に使用したのが、ミシック帯でもたまに当たる《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》を相棒に据えた白黒オーラ。
パイオニアでは「タカオーラ」として知られているデッキですが、スタンダードでは《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite》が使えない分を《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》でカバーしています。
《きらきらするすべて/All That Glitters》
このデッキの打点を一手に引き受けているのがこのカード。ひとたび着地さえすれば大きな修正を得られるため、この《きらきらするすべて/All That Glitters》が付いたクリーチャーを《命の恵みのアルセイド/Alseid of Life’s Bounty》《ケイラメトラの恩恵/Karametra’s Blessing》で守る、もしくは《きらきらするすべて/All That Glitters》を《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》で再利用してビートダウンするのがこのデッキの主な勝ち手段となります。
特に《憎しみの幻霊/Hateful Eidolon》にエンチャントするのが強力で、1ターン目《憎しみの幻霊/Hateful Eidolon》から2ターン目《きらきらするすべて/All That Glitters》だとこの時点で3/4となり、《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》でも倒せなくなるのがグッド。
《ネスロイの神話/Mythos of Nethroi》
マナベースに少し緑を入れて採用しているのがこの《ネスロイの神話/Mythos of Nethroi》。6枚しか緑マナ源が入っていないので基本的には3マナのクリーチャー除去ですが、緑マナが出ればプレインズウォーカーや《荒野の再生/Wilderness Reclamation》《創案の火/Fires of Invention》といった環境を代表とするカードを確実に対処できるカードに大化けします。
ただ個人的にはこの採用はかなり疑問符です。緑マナはライフ/タップインのリスクがある上に《創案の火/Fires of Invention》《荒野の再生/Wilderness Reclamation》を割れない場合は敗着になります。プレインズウォーカーには目を瞑って、エンチャントを確実に割れるように《屈辱/Mortify》を採用した方が堅実だと思います。
《きらきらするすべて/All That Glitters》をつけたクリーチャーへの対処が苦手なデッキ=赤単やティムール再生といったデッキに対してイージーウィンを狙えるデッキですので、その2つに勝ちたい人は一度試してみてください。
■マルドゥ騎士(ルールス)
jakers1016#13172 Season2 Finals
4 《立派な騎士/Worthy Knight》
4 《漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion》
4 《熱烈な勇者/Fervent Champion》
4 《尊い騎士/Venerable Knight》
4 《恋に落ちた剣士/Smitten Swordmaster》
4 《鼓舞する古参/Inspiring Veteran》
4 《空騎士の先兵/Skyknight Vanguard》
3 《嵐拳の聖戦士/Stormfist Crusader》
2 《死体騎士/Corpse Knight》
4 《一心同体/Fight as One》
1 《死住まいの呼び声/Call of the Death-Dweller》
2 《平地/Plains》
2 《沼/Swamp》
1 《山/Mountain》
1 《寓話の小道/Fabled Passage》
4 《血の墓所/Blood Crypt》
4 《神無き祭殿/Godless Shrine》
4 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4 《試合場/Tournament Grounds》
3 《浄光の使徒/Apostle of Purifying Light》
2 《灯の燼滅/Despark》
4 《不吉な戦術/Dire Tactics》
2 《見栄え損ない/Disfigure》
3 《ドリルビット/Drill Bit》
1 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》
昨年は《エンバレスの宝剣/Embercleave》を軸にした形のマルドゥ騎士が活躍しましたが、《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》を手に入れた今、横並びを軸にした形に生まれ変わりました。
《尊い騎士/Venerable Knight》は生き残りさえすれば盤面をトークンで埋め尽くすほどの展開力を持ち、そのトークンへの全体強化こそないものの盤面を支えたり一斉攻撃で相手のライフを削ってくれます。
《不敗の陣形/Unbreakable Formation》や《栄光の好機/Chance for Glory》を採用しているリストもあるので、そういった必殺技を1枚入れてみるのもいいかもしれません。
《一心同体/Fight as One》
サイクリングデッキでも最近サイドボードに採用されつつある《一心同体/Fight as One》。このマルドゥ騎士では、白マナが最低限しか入っていないにも関わらず、その劇的な強さによりメインから4枚採用されています。僕のイチオシカードでもあったので、こうやって使われているのを見ると嬉しい限りです。
このデッキの「人間でないクリーチャー」は《漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion》、《死体騎士/Corpse Knight》、そして《空騎士の先兵/Skyknight Vanguard》で生成される兵士トークンです。全体除去に対して、または戦闘においてこの《一心同体/Fight as One》を構えるときは、しっかり盤面を確認してからプレイしましょう。
《不吉な戦術/Dire Tactics》
高性能ではあるものの人間デッキが活躍していなかったため日の目を浴びていなかったこのカード。ついに一線級のデッキに採用されるようになりました。《試合場/Tournament Grounds》を複数枚引いているとプレイしづらいですが、基本的には2マナのノーデメリット、かつ追放除去という超高性能スペル。
アグロデッキに強いだけでなく、ティムール再生であれば《サメ台風/Shark Typhoon》や《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》、ジェスカイルーカであれば《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》や0/4防衛トークンなど最低限は対象が入っているので、今ならメインから数枚採用した方が良いでしょう。
1マナから始まるビートダウン、かつ《一心同体/Fight as One》や《ドリルビット/Drill Bit》といった1マナの呪文でバックアップできるデッキなので、鈍重なヨーリオンデッキに対して非常に強力なデッキです。現状では《天頂の閃光/Zenith Flare》への対抗手段がない&ギルドランドが痛いためにサイクリングデッキに少し不利なので、サイドに《猛火の斉射/Blazing Volley》や《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》を採用するなど、少しサイクリングへのガードを上げて使うと良さそうです。
■グルール
PDPGTI#87665 Season2 Finals
4 《生皮収集家/Pelt Collector》
4 《義賊/Robber of the Rich》
2 《終わりなき踊りのガリア/Gallia of the Endless Dance》
2 《ザル=ターのゴブリン/Zhur-Taa Goblin》
3 《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
3 《グルールの呪文砕き/Gruul Spellbreaker》
2 《軍勢の戦親分/Legion Warboss》
2 《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》
4 《探索する獣/Questing Beast》
2 《水晶壊し/Gemrazer》
2 《変容するケラトプス/Shifting Ceratops》
2 《怪物の代言者、ビビアン/Vivien, Monsters’ Advocate》
2 《燃えがら蔦/Cindervines》
2 《エンバレスの宝剣/Embercleave》
9 《森/Forest》
9 《山/Mountain》
4 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
2 《奔放の神殿/Temple of Abandon》
4 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
3 《ドムリの待ち伏せ/Domri’s Ambush》
3 《焦熱の竜火/Scorching Dragonfire》
2 《火の予言/Fire Prophecy》
2 《燃えがら蔦/Cindervines》
1 《変容するケラトプス/Shifting Ceratops》
「ティムール再生キラー」といっても良い程のメタり方をしているこのデッキ。メインから搭載された《水晶壊し/Gemrazer》《燃えがら蔦/Cindervines》が《荒野の再生/Wilderness Reclamation》を対処し、《変容するケラトプス/Shifting Ceratops》はカウンター、《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》、《サメ台風/Shark Typhoon》のすべてを嘲笑いながら速攻で殴ってきます。
ただティムール再生に強いだけではなく、多数採用された速攻クリーチャーによりヨーリオンデッキに対してもライフプレッシャーを掛けられますし、《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》の対処に困ることも少なくなっています。
赤と緑で構成されているということで、グルールは常に《霊気の疾風/Aether Gust》が何枚採用されているかで大きく勝率が左右されます。先週末に《獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer》赤単やティムールアドベンチャーが大躍進したことにより、今週末は《霊気の疾風/Aether Gust》の採用枚数が増加すると予想されるため、グルール自体の風向きはあまり良くないかもしれません。
ただティムール再生には本当に強いため(僕はボッコボコにされました)、ティムール再生が憎くて憎くて仕方ない人は、このデッキを使ってストレス解消するのもアリかもしれません。
■終わりに
今週末の2大会、「Red Bull Untapped International Qualifier 1」と「ミシック予選」は、それぞれデッキ公開/非公開が異なります。
デッキ公開制であればティムール再生に全体除去(《炎の一掃/Flame Sweep》《嵐の怒り/Storm’s Wrath》など)を1枚入れておくと相手がケアして動きづらくなるかもしれませんし、逆にミシック予選のようにデッキ非公開制であれば赤単に《立腹/Infuriate》を入れてみたり、ジェスカイルーカのメインに《神秘の論争/Mystical Dispute》や《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》を入れるなど、テンプレリストに採用されていないインスタントを少量採用するだけで相手の裏をかいて勝率を上げることができるかもしれません。
特に最近はあまり見ませんでしたが、デッキ非公開制ならではのオフェンシブサイドボード、相棒チェンジなどなど、普段できない戦略を取れる機会でもありますので、少し頭を柔らかくして色々考えてみるのもいいですね。
それでは今回の記事はここまで。各イベントに参加するみなさん、お互い頑張りましょう!僕も「Red Bull Untapped International Qualifier 1」に参加予定ですので、マッチングした際にはよろしくお願いします!