デュエルマスターズ │ 解説記事 │ dotto【蒼き守護神ドギラゴン閃】

こんにちは、dotto(@22dotton)です。

今回は自分自身である《蒼き守護神ドギラゴン閃》の考察記事です。

実質自分自身への考察記事なので忖度はしません!(笑)

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■《蒼き守護神ドギラゴン閃》の考察

まずは《蒼き守護神ドギラゴン閃》の効果をチェックしていきましょう。

・《蒼き守護神ドギラゴン閃

クリーチャー
メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団
8コスト
13000
■革命チェンジ:光または火のコスト5以上のドラゴン
■ブロッカー
■T・ブレイカー
■自分のターンの終わりに、自分の多色クリーチャーをすべて、アンタップする。
■ファイナル革命:このクリーチャーが「革命チェンジ」によってバトルゾーンに出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、自分の山札の上から4枚を表向きにする。その中から進化ではない多色クリーチャーを、コストの合計が6以下になるように好きな数選び、バトルゾーンに出す。残りを好きな順序で山札の下に置く。

まず比較対象として選ばれがちなのは転生前のカードである《蒼き団長ドギラゴン剣》。

蒼き団長ドギラゴン剣》と大きく異なる点は、「ファイナル革命」の効果で《蒼き守護神ドギラゴン閃》は非公開領域である山札の上4枚から進化ではない多色クリーチャーをコストの合計が6以下になるようにバトルゾーンに出す点。

蒼き団長ドギラゴン剣》のほうが見えている情報から踏み倒す分動きに確実性がありますが、《蒼き守護神ドギラゴン閃》は見えていない情報から踏む倒しを行うので、踏み倒せるだけで追加のリソースを得られますが確実性がありません。

この確実性がないという点が弱点です。

まず《蒼き守護神ドギラゴン閃》の情報が「コロコロコミック11月号」の紙面で公開された時、「山札の上から確認する枚数」と「踏み倒すコストの制限」が確認できなかったため、実用性を持たせ、環境トップで使ってもらうためにこのカードで勝利できる性能を考えるとこの効果の最大値は

「山札の上から6枚を表向きにして」、「コストの合計が8以下になるようにバトルゾーンに出す」

だと当時は予想していました。

自身の効果で非公開領域から自身を踏み倒せないカードはそれだけで扱いにくく、この手の非公開領域を確認する枚数は「3枚~6枚」が一般的だと思ったので、使ってもらうように制作しているならこれぐらいのスペックだろうという考えです。

これを前提に現実のほうを見てみると

「山札の上から6枚を表向きにして」、「コストの合計が6以下になるようにバトルゾーンに出す」

といった形で《蒼き団長ドギラゴン剣》をリスペクトしつつ、効果を抑え目にして若干扱いづらい仕様にするのではないのかなと思っていました。

しかし、実際の効果は下記のとおり。

「山札の上から4枚を表向きにして」、「コストの合計が6以下になるようにバトルゾーンに出す」

想定していた最大値よりもそれぞれ-2されるとは・・・ちょっとショックを受けました。

(他のゲームに例えるならば、パワプロのペナントで行われるドラフトに出てきた選手のミートと走力の予想の能力の振れ幅の中の最低値を引いたような感覚です。)

蒼き守護神ドギラゴン閃》を実際に使った方はもちろん、実際に使わなくても大体予想できると思いますが狙ったカードはまず出ません。結構外します。

蒼き守護神ドギラゴン閃》で狙った4積みのカードを出せる確率は約36%なので3回に1回程度の確率です。

デッキを組む上でまずコンセプトを立ててデッキを組みますが、一番出したいカードがこの確率でしか出ないのは相当渋いです。

出して強いカードを頑張って2種類採用して8枚投入しても確率は約62%(12枚だと79%)、「蒼龍革命」の構築済みの中で《蒼き守護神ドギラゴン閃》の効果対象として出せるカードの枚数15枚で数えてやっと約87%まで到達します。

同じ山札を4枚表向きにするカードだと《ミラクルとミステリーの扉》というカードが当たるか当たらないかの使用感では一番近いと思います。

ミラクルとミステリーの扉》が4枚採用されていた時の当たりとなるカードが12~15枚程度で、1枚の時代になると17~20枚ぐらいまで増えてきます。

前者の時代だと外すことはたまにあったと思いますが後者の時代では外すことはほぼなく、デッキの中でも群を抜く強いカードレベルまで到達していました。

この効果だとここまでしてようやく安定するようになるわけですね。

当然《ミラクルとミステリーの扉》と違って《蒼き守護神ドギラゴン閃》の効果対象のカードには縛りがあり、出せるカードだけで考えると出しても大して戦局に影響のないカードがデッキを構築する上で多くなってしまいます。

以上のことから《蒼き守護神ドギラゴン閃》に《蒼き団長ドギラゴン剣》のような動きを求めるのは難しい別物であることがわかると思います。

そもそも《蒼き団長ドギラゴン剣》と違って《蒼き守護神ドギラゴン閃》では味方に「スピードアタッカー」を付与できず、何を出しても打点として機能するわけではないのでかつての《蒼き団長ドギラゴン剣》が採用されていたような攻撃的なデッキに《蒼き守護神ドギラゴン閃》は不向きです。

その代わり、《光器セイント・アヴェ・マリア/豪遊!セイント・シャン・メリー》の要素を《蒼き守護神ドギラゴン閃》は持ち合わせており、殴り合いに強く守りの性能に優れています

■どうしてこういう効果になったか

蒼き団長ドギラゴン剣》に比べて攻撃能力の低い《蒼き守護神ドギラゴン閃》ですが、こうした能力になったのは全国大会2017が背景にあります。

その背景がよくわかる一文が公式カバレージに残されています。

“dottoの使用する赤青バスターは《“龍装”チュリス》《蒼き団長 ドギラゴン剣》《勝利のアパッチ・ウララー》の6打点パッケージと、《異端流し オニカマス》に代表される対策カードを組み合わせた構造のデッキだ。だが、この大会の中でdottoが《蒼き団長 ドギラゴン剣》を革命チェンジした回数は驚くほど少ない。そして、その数少ない革命チェンジも、ほとんどは相手に止めを刺すためのものではなかった。
時には《蒼き団長 ドギラゴン剣》で殴り返しつつ2体の《熱湯グレンニャー》を呼び出しリソースを補充し、時には相手の攻め手を削りつつ《Dの牢閣 メメント守神宮》で守りを固めるための頭数を揃えるために使う。dottoにとって《蒼き団長 ドギラゴン剣》はゲームを決める切札であるだけではなく、他の多くのデッキのカードと同じく、互いのカードの価値を高めるためのツールのひとつにしかすぎないのだ。”

全国大会2017 決勝戦:dotto vs. ちゃそ より引用

この公式カバレージを読むとイメージできると思いますが、制作側の意図として《蒼き団長ドギラゴン剣》のような攻撃的なカードではなく、全国大会2017で使用した「赤青白バスター」の攻防一体のデッキをそのままカードとしてデザインした結果、《蒼き守護神ドギラゴン閃》のようなテキストになったというわけです。

実際にその日3ターン目に《龍装チュリス》《蒼き団長ドギラゴン剣》《勝利のアパッチ・ウララー》が揃ったのは決勝戦の2本目のみで、そのゲームは《異端流しオニカマス》の影響ですぐには攻撃できずにこのセットで攻撃を仕掛けられたのは8ターン目でした。

3枚セットでフィニッシュを狙って走ったのはこの日に戦った9試合の内、予選1回戦目のvs「霊峰バスター」戦のみで、仕掛けたのは1ターン遅い4ターン目でした。

その他に《蒼き団長ドギラゴン剣》を使ったのは5,6,7,8ターン目に1回ずつで、計5回しかプレイしていません(その内1回は念のため追加打点としてプレイしたもので勝敗に影響はなく、1回は予選2回戦目で《熱湯グレンニャー》を展開して押し切ったもの、残り2回はちゃそ選手に予選4回戦目と決勝2本目に《Dの牢閣メメント守神宮》+《紅蓮の怒鬼流院刃/バンカラ大親分メンチ斬ルゾウ》+《光器セイント・アヴェ・マリア/豪遊!セイント・シャン・メリー》の盤面を決めた試合です)。

全体的に自分の引きがもう少し強ければもっと攻撃面で強い効果になっていたかもしれません(笑)

つまりあの日の《蒼き団長ドギラゴン剣》はフィニッシュを狙うためだけのカードではなく、盤面の制圧もこなす万能アタッカーだったということです。

そうした経緯はインタビュー時に答えており、制作側にも伝わっていると思いますし、当時の《光器セイント・アヴェ・マリア/豪遊!セイント・シャン・メリー》の活躍に対する反響はとても大きかったです。

そのためデッキのイメージと《光器セイント・アヴェ・マリア/豪遊!セイント・シャン・メリー》の印象が効果にそのまま反映されているのだと思います。

■《プラチナ・ワルスラS》の不在と環境の高速化によるミスマッチ

当時「赤青白バスター」が強かった前提というのはこのデッキにおいて《蒼き団長ドギラゴン剣》の相棒である《プラチナ・ワルスラS》の存在があったからこそ。

3ターン目に《プラチナ・ワルスラS》を召喚して攻撃するだけで相手にプレッシャーがかかり、その《プラチナ・ワルスラS》に対する相手の対応によって立ち回りを変えられるデッキだったからです。

全国大会2017においても《プラチナ・ワルスラS》でゲームを有利に進めた試合が一番多かったです。

補足:同時期に環境に存在した「クローシス墓地ソース」にも《プラチナ・ワルスラS》が採用されていましたが、人によっては「クローシス墓地ソースは《プラチナ・ワルスラS》が強いだけのデッキ」と評される程《プラチナ・ワルスラS》の強さは際立っていた。

プラチナ・ワルスラS》が数ヶ月後に殿堂入りしてからは「赤青白バスター」のデッキの動きはガラリと変わり、《蒼き団長ドギラゴン剣》のフィニッシュ力に依存したハンドキープの難しいデッキになってしまいます。

それに加えて《蒼き団長ドギラゴン剣》が殿堂する前の冬頃の時期には後攻3ターン目に《プラチナ・ワルスラS》で不用意に相手のシールドを割ると負けてしまうような環境の高速化が訪れてしまい、現在に至るまで中途半端に詰めていくようなデッキは冷遇されるような環境にあります。

こうした環境の変化が攻撃面の性能に置いて《蒼き守護神ドギラゴン閃》が物足りないと感じる原因でもあります。

全国大会2017頃の環境なら《蒼き守護神ドギラゴン閃》であっても攻撃面で活躍できていた可能性は十分あったと思います。

■《蒼き守護神ドギラゴン閃》の評価

ここまで《蒼き守護神ドギラゴン閃》の考察を行ってきましたが《蒼き守護神ドギラゴン閃》への評価をまとめます。

①攻撃面では《蒼き団長ドギラゴン剣》に劣るため、《蒼き団長ドギラゴン剣》のようなスピードを活かした戦い方は環境が早くなっていることも相まって向いていない。

②《光器セイント・アヴェ・マリア/豪遊!セイント・シャン・メリー》の特性を持っているのでボード維持能力に優れていて殴り合いに強い。正に守護神。

③「赤青白バスター」そのものであるためビートダウンよりもミッドレンジのようなデッキに採用する方が適している。

どうしても《蒼き守護神ドギラゴン閃》には転生前の《蒼き団長ドギラゴン剣》のような動きを求めてしまいがちですが、《蒼き守護神ドギラゴン閃》にはあまり向いているとは思いません。

攻撃面だけで評価すると物足りず弱く感じてしまうので着眼点を変え、防御面の性能にも目をやることで評価できるカードだと思います。

幸い「革命チェンジ」という踏み倒し手段の中でも最強クラスの効果を所持しているのでデッキへは組み込みやすいカードです。

必要なのは《蒼き団長ドギラゴン剣》にとって相棒だった《プラチナ・ワルスラS》のような存在、もしくは「赤青白バスター」のような相手によって立ち回りを変えられるデッキの骨組みだと思います。

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