デュエルマスターズ │ 考察記事│ dotto【3/10の新殿堂後が与える環境の変化】

こんにちは、dotto(@22dotton)です。

3月10日のデュエチューブ内の公式生放送で新殿堂が発表されました。
環境上位のデッキや大型大会で優秀な成績を残した強かったデッキが崩壊もしくは弱体化する新殿堂発表はいつも注目度の高いイベントとして話題になっています。

今回の新殿堂発表で一番の関心事項はなんと言っても2月18日にリリースされた絶望神サガ》に規制がどの程度行われるかどうか。

皆さんもご存知のことではあると思いますが、「最強位決定戦」でも大暴れした《絶望神サガ》を軸にした「青黒サガループ」は構築にもよりますが先攻で20%~30%、後攻で40%~50%程度で3killできてしまう恐ろしいデッキです。

絶望神サガ》が使える前の環境で活躍していたマナを利用したループデッキである「アナカラーグラスパー」の平均killターンが5ターン目(最速4ターン)であることを考えると、コンボによって勝利するデッキタイプの中ではオリジナル環境内において別次元のスピード&安定性であることがわかると思います。

きっと《アクア・メルゲ》も温泉に浸かりながら驚きの表情で《絶望神サガ》を見守っていることでしょう。

アドバンス環境では《滅亡の起源零無/零龍》等の外部領域が扱えることからそれぞれ安定性に差はあるものの、スピードにおいては同速の墓地利用コンボデッキ「青黒ゼーロ」や「青黒DOOM」が元々存在している環境でした…が「サガループ」はそれらに比べてメタカードに対応できる柔軟性やサブプランの強さを有しており、「サガループ」が環境に登場する以前からメタカードによって押され気味であった「青黒ゼーロ」や「青黒DOOM」は環境最速墓地利用コンボデッキの座を「サガループ」に奪われてしまいました。

こんなに強い《絶望神サガ》ではありますが発売されて1カ月で殿堂入りとなるとそれは前代未聞。明らかに強い強すぎるカードであるためゲームの健全化を図るのであれば《絶望神サガ》の殿堂入りが最適ではありますが、殿堂入りとしてしまうとカードのバランス調整を間違えてしまったことを暗に認めることになるだけではなく、ユーザーが安心して新商品を購入できない可能性が今後生まれてしまうため公式は一体どうするのか判断に注目が集まったわけです。

前置きが長くなってしまいましたが新しく発表された3月20日に施行される新殿堂の確認です。

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・3月20日施行新殿堂

〇プレミアム殿堂入りカード

ダンディ・ナスオ》 《生命と大地と轟破の決断》 《希望のジョー星

〇殿堂入りカード

一なる部隊 イワシン》 《ガル・ラガンザーク》 《暗黒鎧 ザロスト

〇殿堂解除

スクランブル・チェンジ》   《英知と追撃の宝剣

公式ホームページより引用

・「サガループ」への殿堂対応について

注目ポイントは「青黒サガループ」に採用されているカードの中で唯一殿堂入りをした《一なる部隊 イワシン》でしょう。

「青黒サガループ」に手を加える上で一番効果的なのが、《絶望神サガ》の殿堂入り、次いで《超神星DOOM・ドラゲリオン》のプレミアム殿堂入りまたは殿堂入り、《絶望神サガ》と《超神星DOOM・ドラゲリオン》のコンビ殿堂(最終手段)が挙げられますが一なる部隊 イワシン》の殿堂入りはそれらの次に当たるカードだと思っています。

絶望神サガ》がリリースされて1カ月、《超神星DOOM・ドラゲリオン》は約半年だったため規制対象にするにはハードルが高く、現状公式が対応できるのはこれが限界だったということでしょう。

一なる部隊 イワシン》の殿堂入りで「青黒サガループ」は当然弱体化しています。
デッキ内でルーターの役割を担いつつ疑似的にデッキの圧縮になる《一なる部隊 イワシン》が殿堂入りするとデッキを回す力が低下してコンボパーツが集まりにくくなり、ルーターからルーターに繋げられる可能性も低下します。

それだけでは無く《水上第九院シャコガイル》での特殊勝利を狙うのであれば《電磁封魔ルチアーノ》or《妖蟲闘竜サモハン》のようなフィニッシュでしかゲームに絡められないカードを採用することも視野に入れなければならないのはネックです。
普通のデッキであれば中々の弱体化ではありますが「サガループ」に対しての殿堂の対応としては足りないものだと思います。

元々強すぎる「青黒サガループ」は「サガループ」へのメタカードを4ターン以内に2枚以上使用しなければ抑え込めないため環境への影響度合いは依然として大きいままです。
「アナカラーサガループ」に関して言えば《一なる部隊 イワシン》は採用されていないため新殿堂による直接殿堂への影響はありません。

「トーナメントプレイヤーは与えられた環境で戦うもの、その環境で最善を尽くす。」

と私も考えてはいますがこれはあくまで超少数派の意見、大多数はそのような姿勢でデュエルマスターズとは向き合っていません。

ネガティブな話になってしまい申し訳ないのですが、CSで「サガループ」を回し回され先攻3killしたりされたりする度にこのゲームを面白いと新規ユーザーやカジュアルプレイヤーが思ってくれるのか本当に不思議に思いますし、特に自分自身があまり大会に慣れていないプレイヤーに先攻3killをしてしまった時はまた一人デュエルマスターズプレイヤーを減らしてしまったと思ってしまいます。

新章に入ったことで盛り上がっていただけに難しい判断になるとは思いますがもう少し踏み込んで対応して欲しかったのが本音です。
次回の殿堂発表はおそらくDMGP2023-1st終わり、夏場に予定されている大型大会の前後の6-8月が予想されますがそのタイミングでの《絶望神サガ》の殿堂入りは今回対応が無かったため期待はできないでしょう。

あるとすれば《超神星DOOM・ドラゲリオン》の殿堂入り、もしくは今以上に「サガループ」に注目が集まれば特例があるかもしれません。

GPの後になってしまいますが4月に発売されるアビス・レボリューション第1弾「双竜戦記」内に《絶望神サガ》へ対抗できる強力なカードの収録には期待しています…!

・その他の殿堂について

「サガループ」への殿堂対応以外については少し驚くものはありましたが納得いくものだったと思います。

今回の殿堂で汲み取れるメッセージは4つ

①「アドバンス環境の不健全な3killデッキを弱くするよ」
②「オリジナル環境で強すぎるデッキを弱体化させるよ」
③「GPで優勝したデッキタイプのカードは何か殿堂にかけるよ」
④「来年度も単色を推していくよ」

まずは①について、これは「青黒ゼーロ」や「青黒DOOM」、「緑単オービー」へのテコ入れです。

「青黒ゼーロ」や「青黒DOOM」は環境では既に「サガループ」に立場を据え置かれてしまっていますが元々凶悪なデッキ。新殿堂の会議を1月に行っていると勝手に予測すると規制対象に挙がって来ると思いますし、「サガループ」がいなくなればまた台頭してくる可能性は高いです。

滅亡の起源零無/零龍》を使用した最初の環境デッキである「アグロ零龍」の時代から《滅亡の起源零無/零龍》と一緒に採用されている《暗黒鎧ザロスト》は《滅亡の起源零無/零龍》を使用したデッキの安定性とスピードを大幅に向上させるため、暗黒鎧ザロスト》の殿堂入りはかなりクリティカルだったと思います。
「青黒DOOM」は《一なる部隊 イワシン》も殿堂入りしてしまっているので致命傷ですね。

続いて「緑単オービー」に関して、「緑単オービー」は序盤から山札を掘り進めるカードが多く採用されており殿堂カードである《ダンディ・ナスオ》にアクセスしやすく、《ダンディ・ナスオ》から別の殿堂カード《陰陽の舞》や《S級原始サンマッド》にアクセスできてしまうのが問題視されてしまったのだと思います。

ずっと許されてきた《ダンディ・ナスオ》まで着手するんだ、という感想は抱きましたが実質1マナで1を2にできるカードなのでプレ殿になるのもわかります。

次に②ですが、これは③と一緒に考えて良いと思います。
②のオリジナル環境で頭一つ抜けていたデッキが「青魔道具」と「4c邪王門」、③のGPで優勝したデッキが「青魔道具」と「ガイアッシュ覇道」

②と③で共通している「青魔道具」については何かしらの規制確定だったと思いますが《ガル・ラガンザーク》は驚きだったと思います。

「青魔道具」を単純に弱体化させるだけなら《卍新世壊卍》や《月下卍壊ガ・リュミーズ卍》が殿堂入りすればよかったと思いますが、《ガル・ラガンザーク》となると強くなりすぎた「魔道具」を弱くしたかったのかなと思ってしまいます。

卍新世壊卍》or《月下卍壊ガ・リュミーズ卍》が殿堂入りしていれば《堕∞魔ヴォゲンム》が取って代わって使われて、中盤域で強力なドルスザクで制圧して時間を稼ぎ、後半はEXターンを継続して取れる「青黒魔道具」として形を変えていたと思いますがそうはさせたくなかったのでしょう。

結果として《ガル・ラガンザーク》が殿堂入りして「青魔道具」のメインルートに大きな支障はなかったものの《卍新世壊卍》を引けなかった時の強力なサブプランである《ガル・ラガンザーク》を失ったのはあまりにも大きく、「魔道具」が多くの環境デッキと柔軟に戦う術を失ってしまう形になってしまいました。

堕∞魔ヴォゲンム》にはかなり注目していたのですが登場してすぐに少し残念なカードになってしまった感が否めません。

残った「ガイアッシュ覇道」と「4c邪王門」ですがどちらも汎用パワーカードが多く採用されたデッキタイプであり、デュエルマスターズの花形のカードがそのほとんどを占めてしまうためこれを殿堂入りで弱体化させるのは少し難しかったのかなと思います。

絶対にプレミアム殿堂や殿堂入りさせたくなさそうなカードがたくさん…。

消去法で《生命と大地と轟破の決断》になったと思います。

元々オーバースペックでいつプレミアム殿堂入りしてもおかしくないカードだったので納得の1枚ですが、いざ《生命と大地と轟破の決断》が使えないとなると「ガイアッシュ覇道」はまだしも「4c邪王門」は《生命と大地と轟破の決断》がないとかなり動きづらくなってしまいますし、他のデッキタイプに関しても5コスト以下のクリーチャーへのアクセスが今よりも難しくなってしまって5コスト帯のクリーチャーの評価も少し落ちてしまうかなと思います。

残った④についてですがこれはわかりやすいですね。

希望のジョー星》は文明を否定する強力なメタカードなので《希望のジョー星》が存在していると良くなかったのだと思います。

かつて「オレガ・オーラ」がリリースされて数ヶ月後に「オーラデッキ」を1発で仕留めてしまうコンセプト破壊カードの《ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー》がプレミアム殿堂入りしてしまったことがありましたので、それと同じような形だと予想していました。

ただ来年度は「種族を推していく」と発表がありましたので、単色推しするからプレミアム殿堂入りしたと言うよりはゴッド・オブ・アビスのカードを使いやすくするためにプレミアム殿堂入りしたのかもしれません。

・殿堂解除について

殿堂解除カードの数は思ったよりもひかえめでした。
むしろこれが通常で前回夏場にあった20枚解除が異常なんでしょうが、個人的には殿堂解除発表が大好きなので少しばかり残念でした。

まず1枚目の《スクランブル・チェンジ》について。

スクランブル・チェンジ》が現役で《メガ・マナロック・ドラゴン》も4枚使えた時はこの2枚を組み合わせる動きがかなり強かったですが、今は6マナ火単色ドラゴンで相棒になりそうなカードは不在。《超戦龍覇モルトNEXT》と組み合わせるにしても今は《炎龍覇グレンアイラ/「助けて!モルト!!」》もあるので呪文でノイズになりやすい《スクランブル・チェンジ》は相性が悪くはないもののベストマッチではありません。

しかし、先日公開された次のパックに収録されている新カード《覇炎竜ボルシャック・ライダー》との相性は良さそうですし、「アーマード」&「ボルシャック」へのテコ入れと考えると納得です。

2枚目の《英知と追撃の宝剣》はかなりビックリしました。
英知と追撃の宝剣》は今でも強力なランデスカードです。ランデスカード自体に公式側がネガティブな感情を抱いているものだと勝手に想像していたのですが、そんなことは無かったようです。

殿堂入りしていない当時は「ボルコン」や「HDMランデス」等に2枚採用されていた《英知と追撃の宝剣》ですが、現在は《龍素記号wDサイクルペディア》や《龍風混成ザーディクリカ》、《Dの博才サイバーダイス・ベガス》等と相性の良いカードは多く存在しているので4枚使えるとなるとメインコンセプトにできるため使う側は面白いカードになると思います。

因みに中学時代の私はフリーで《英知と追撃の宝剣》を《バキューム・クロウラー》+《魔光王機デ・バウラ伯》で使い回して遊ぶこともありました(大会で使うなら《封魔アドラク》でよかった)。

やっぱりマナだよなぁ、潰してえのは

・今後の環境について

今回の新殿堂は現在の《絶望神サガ》を中心とした環境に大きな影響を与えるものは少なかったと思いますが、その中で一番環境への影響度が高そうなのがオリジナル環境の「青魔道具」弱体化です。

今まで「青魔道具」に封じ込まれてきたデッキタイプが今回の新殿堂によって動きやすくなったと思います。

具体的には《ガル・ラガンザーク》の踏み倒しメタに抑えられていたデッキや無理矢理カード除去を採用していたデッキ、「青魔道具」が存在していることで立ち位置を悪くしていたデッキです。

言ってしまえば「青魔道具」に対してコンセプト上有利だった「赤単我我我」のようなアグロデッキ以外にとっては「青魔道具」の弱体化がプラスに働きやすく、環境のパワーバランスが「青魔道具」の弱体化によって変わるのは間違いないでしょう。

・終わりに

色々と書き連られた結果長くなってしまいましたが、旧殿堂よりも新殿堂の方がより良い環境になるとは思いますし期待しています。

ここから各々のプレイヤーの研究が始まりGPに繋がっていきますが果たしてGPの段階でメタゲームがどう動いているのかとても楽しみです。



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