MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【シーズン到来!最新のモダンデッキ特集】
モダンシーズン到来!店舗予選やプレミアム予選などで、競技としてモダンをプレイされている方も多いでしょう。
今回は、海外の大型イベントの結果を元に、最近のモダンのデッキを紹介して行きます。
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
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■最近のモダンメタゲーム
ラクドス想起は使用者数、入賞者数ともに多く、どこの大会でもトップ8に1-2人は残っています。1ターン目《悲嘆》《まだ死んでいない》のコンボは、全てのデッキを粉砕する力があり、除去や手札破壊で対応力もあるため、使用者が多いのでしょう。紛れもなくTier1と呼べるデッキです。
その他のデッキは、《アガサの魂の大釜》で大幅に強化されたヨーグモス、ラクドス想起に少し相性の良い《衝撃の足音》続唱、《豆の木をのぼれ》で莫大なアドバンテージを得るようになったオムナス系などが活躍しています。今のモダンのメタゲーム上位を挙げるなら、この4つが当てはまるでしょう。
その他、《アガサの魂の大釜》で強化された《硬化した鱗》、《定業》解禁で安定性がアップしたイゼットマークタイド、《一つの指輪》でコントロールデッキのように振る舞えるようになったウルザトロン、黒単《陰謀団の貴重品室》コントロールなども活躍しています。ここらへんまでがTier2と考えています。
他にはアミュレットタイタン、リビングエンド、バーンなど。使用者数は少ないものの、ある程度トップ8に入賞しており、意識はしておきたいデッキです。
先週のモダンの勝率マトリクスをMTGdecks.netさんが出していたので、参考にどうぞ。
➡️ Winrate Matrix time!
Format: Modern 😉
We have combined the results from the three major tournaments available this weekend:
– ReCQ – Modern – SCG CON Dallas
– Modern $10K Trial – SCG CON Dallas
– Grand Open Qualifier Sofia2442 Matches analyzed
🤖Hardened Scales seems… pic.twitter.com/numoRU3nzU
— MTGdecks.net 🔥 (@MTGdecks) October 22, 2023
■参考情報
Grand Open Qualifier Sofia(参加者285名)
MODERN CHALLENGE(10/21)
MODERN CHALLENGE 96(10/21)
MODERN CHALLENGE(10/22)
ブルガリアの首都ソフィアで開催されたGrand Openと、マジックオンラインのモダンチャレンジの結果を参考にしています。
■黒単貴重品室(Grand Open優勝)
Grand Open Qualifier Sofia 1st by carmine daniello | |
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デッキリスト | |
9:《沼/Swamp》 4:《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》 4:《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》 4:《廃墟の地/Field of Ruin》 3:《解体爆破場/Demolition Field》 24 Lands 4:《オークの弓使い/Orcish Bowmasters》 |
4:《思考囲い/Thoughtseize》 4:《致命的な一押し/Fatal Push》 2:《塵へのしがみつき/Cling to Dust》 1:《血の長の渇き/Bloodchief’s Thirst》 3:《不憫な悲哀の行進/March of Wretched Sorrow》 2:《夜の囁き/Night’s Whisper》 3:《シェオルドレッドの勅令/Sheoldred’s Edict》 1:《滅び/Damnation》 4:《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》 3:《一つの指輪/The One Ring》 29 other spells 1:《罠の橋/Ensnaring Bridge》 |
分類としてはコントロールデッキで、序盤を《致命的な一押し》《血の長の渇き》《不憫な悲哀の行進》といった軽量除去で捌きながら、《一つの指輪》でドローを進めて行き、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》《陰謀団の貴重品室》のセットを揃えて行きます。
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》の効果により全ての土地が《沼》になるので、《陰謀団の貴重品室》自身も《沼》となって大量の黒マナを生み出します。
この2つが揃えば、例えば土地4枚なら5マナ、土地5枚なら7マナといったように、土地1個につき2マナ増えるようになります。こうして生まれた大量のマナで、《一つの指輪》で大量ドローした手札を使い切り、物量差で相手を圧倒して行きます。
《不憫な悲哀の行進》は序盤の除去かつライフ獲得手段で、《一つの指輪》のライフ喪失をフォロー。《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》《陰謀団の貴重品室》が揃えば、Xの値を巨大にして撃つことも可能。
《大いなる創造者、カーン》のサーチを含めると《一つの指輪》が合計7枚、指輪を出した後も《不憫な悲哀の行進》や《黙示録、シェオルドレッド》でライフ回復と、《一つの指輪》で大量ドローする事を念頭に構成されたデッキです。
《大いなる創造者、カーン》は《一つの指輪》サーチが基本ですが、様々なアーティファクトを持ってこれます。
例えば《呪われたトーテム像》は、《アガサの魂の大釜》を使用するヨーグモスや鱗親和に有効で、カーンが攻撃で落とされたとしても、相手のクリーチャーの起動型能力を封じる事が出来ます。マナ能力も封じるので、《喜ぶハーフリング》や《根の壁》の能力も使用不可能になります。
《隔離するタイタン》は、オムナス系など4色のデッキに対する切り札で、土地を大量破壊。《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》の効果で相手の土地を《沼》にする事が出来るので、もともと基本地形タイプを持っていない土地でもアーボーグさえあれば破壊できます!
その他ラクドス想起に強い《ワームとぐろエンジン》や、先攻なら相手のキーカードをデッキから抜ける《石の脳》などを、状況に合わせてサーチ。
《廃墟の地》《解体爆破場》は主にウルザトロン対策ですが、今のモダンの主流なデッキは、基本地形が3枚程度な事が多いので、連続で起動すればサーチする基本地形が無くなる事があります。
黒単貴重品室と対戦するときは、デッキ内の基本地形の把握もお忘れなく。
■ヨーグモス(Grand Open準優勝)
ヨーグモスは《アガサの魂の大釜》によって大幅に強化されて、各大会でのトップ8入賞回数が増えています。
《飢餓の潮流、グリスト》によるトークン展開と除去、《スランの医師、ヨーグモス》による除去とアドバンテージ、その上でこれら2つが除去されても《アガサの魂の大釜》で起動型能力を付与と、取れるプランが多いのが強み。
《アガサの魂の大釜》の能力で《歩行バリスタ》と《根の壁》を追放すれば、不死クリーチャーで無限緑マナを出して無限ダメージで勝つパターンが増えました。
無限コンボの詳細は先週の記事でも紹介しているので、そちらをご参照ください。
→記事はコチラから
面白いのが、サイドボードの《ファイレクシアの十字軍》。プロテクション(赤)(白)なので、《稲妻》や《力線の束縛》といった除去が効かず、デッキによっては全く対処できない事もあるでしょう。
その上で、《アガサの魂の大釜》で+1/+1カウンターを置けば、毒殺も難しくない。特に《歩行バリスタ》の能力を付与出来れば、1点ダメージを毒で飛ばせるので、毒を10点貯めるのも早そうです。
■豆の木4cオムナス(10/22モダンチャレンジ優勝)
《豆の木をのぼれ》のアドバンテージは凄まじい。《孤独》や《力線の束縛》を唱えるだけで1ドローが付いてくるので、手札が常に尽きない。
ならばその《豆の木をのぼれ》の枚数を増やしてしまおうと、デッキ内のマナ総量2以下のカードを廃して、続唱で確実に《豆の木をのぼれ》をめくれるようにしたのが、この最新の4cオムナスです!
《豆の木をのぼれ》4枚、続唱8枚で合計12枚《豆の木をのぼれ》に換算できるカードが入っているので、2枚戦場に出すのも容易。5マナ以上のカードをプレイするたびに2ドローが付いてくる!
《時を解す者、テフェリー》は相手のインスタント行動を制限すると共に、《献身的な嘆願》を戻す事で再利用して、《豆の木をのぼれ》の枚数を増やす事も出来ます。
一旦《豆の木をのぼれ》を揃えたらドローが連鎖して行くので、自分の有利な状況をさらに広げるのが《時間のねじれ》。追加ターンにドローが付いてくるなんて最高!
《白日の下に》は状況に合わせて《創造の座、オムナス》や《時間のねじれ》をサーチして、《白日の下に》自体も5マナなのでドローが付いて来ます。
除去が《力線の束縛》《孤独》だけだと不足しているので、軽く唱えられる探査除去として《残忍な切断》《マグマの陥没孔》までも採用。
マナ総量2以下が採用できないので、序盤の非クリーチャー呪文への対抗策として《否定の力》4枚に加えて《徴用》までもがメインに入っています。
《徴用》は手札消費の激しいカードですが、《豆の木をのぼれ》さえ出てしまえばリソースを取り戻せるので、相手の《一つの指輪》などに対抗するためにメイン2枚:サイド2枚と多く取られています。
《豆の木をのぼれ》でのドローは必ず引くので、ライブラリーが足りなくなる事態が発生します。それを防ぐために、最近ではメインが70枚の4cオムナスが多いです。《忍耐》が入っているのは、自身のライブラリーを修復する役割もあるからです。《空を放浪するもの、ヨーリオン》はモダンで禁止ですが、それでも枚数が70枚以上のデッキが存在しているなんて!
相手によっては、《豆の木をのぼれ》をサイドアウトして特定の2マナのカードをサーチする戦い方もあります。変形サイドボードみたいで面白い!
例えばバーンにはアドバンテージよりもライフの方が大事なので、続唱でのサーチ先を《コーの火歩き》に変更。他にも相手が《死せる生》なら、0マナで唱えた呪文を打ち消す《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》にサーチ先を変更。
《漂流》は非クリーチャーのパーマネントに触りたいときに、《残忍な切断》などと入れ替えでサイドイン。
■《計算された爆発》ドメイン(Grand Openトップ8)
Grand Open Qualifier Sofia 5-8th by Valentin Roman | |
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デッキリスト | |
1:《沼/Swamp》 4:《湿地の干潟/Marsh Flats》 3:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》 2:《汚染された三角州/Polluted Delta》 1:《乾燥台地/Arid Mesa》 1:《草むした墓/Overgrown Tomb》 1:《寺院の庭/Temple Garden》 2:《血の墓所/Blood Crypt》 1:《神無き祭殿/Godless Shrine》 1:《インダサのトライオーム/Indatha Triome》 1:《ザンダーの居室/Xander’s Lounge》 2:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》 2:《魔女の小屋/Witch’s Cottage》 22 Lands 4:《縄張り持ちのカヴー/Territorial Kavu》 |
4:《稲妻/Lightning Bolt》 3:《レンと六番/Wrenn and Six》 4:《豆の木をのぼれ/Up the Beanstalk》 4:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》 4:《計算された爆発/Calibrated Blast》 4:《力線の束縛/Leyline Binding》 23 other spells 2:《虚空の杯/Chalice of the Void》 |
トップ8から面白いデッキを紹介。
《縄張り持ちのカヴー》《ドラコの末裔》など、ドメインズーのような攻め方をしながら、いきなり即死ダメージを与えるコンボを搭載したデッキです。
《計算された爆発》はライブラリーから公開されたマナ総量を参照するので、《ドラコの末裔》が公開されれば12点、《終末の影》なら15点の特大ダメージ!デッキ内の平均マナ総量が高めなので、普通に撃っても3点以上は入りそうです。
《ドラコの末裔》は土地タイプを5種類揃えれば2マナでプレイ可能なので、この《ドラコの末裔》を除去された後に、《魔女の小屋》でライブラリートップに積んでから《計算された爆発》12点は再現性が高そう。
《終末の影》は、フェッチランド+ショックランドを繰り返せば3-4マナでプレイ可能で、これまた除去された後に《魔女の小屋》+《計算された爆発》で15点!
コンボの中心である《魔女の小屋》が誘発できるように、マナベースは《沼》フェッチが中心になっています。
ここでも《豆の木をのぼれ》は4枚フル採用されています。《ドラコの末裔》《終末の影》《激情》《力線の束縛》と、誘発条件は達成しやすい!
■おわりに
《豆の木をのぼれ》はモダンに影響を与えましたね。モダンや統率者スタン問わず強くて、かなり楽しいカードなので、今後もずっと使われて行きそうです。
最近はヨーグモスや鱗親和など《アガサの魂の大釜》の活躍が目立つので、アーティファクト対策はお忘れなく。
それではまた。