MTG │ 新弾レビュー │ 高橋優太【『イニストラード:真夜中の狩り』赤・緑・多色・茶・土地編】

前回から引き続き、『イニストラード:真夜中の狩り』の注目カードを紹介する記事です。

赤・緑・多色・無色をチェックして行きましょう。

前回の記事はコチラ

 

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■赤

2マナ2/2速攻の時点で十分ですが、中盤以降は5マナ3/3に3コスト相当の呪文が付いて来て、8マナ4/4に呪文2回追加も可能。

ジェスカイ変容で《雷の頂点、ヴァドロックから唱えていた呪文を考えると、赤の3コスト以下で唱えて嬉しいのは《表現の反復》《プリズマリの命令》《戦利品奪取》といったところでしょうか。

青赤で《血に飢えた敵対者を中心に吸血鬼デッキを組んでみても良いですし、単純に火力呪文を再利用するだけでも強いので赤単アグロでも使われそう。環境を定義する強いカードに見えます。

4枚揃える枠。
モードを選べる全体除去。プレインズウォーカーを含む全体5点はほとんどの盤面を解決できます。

コントロールデッキ対決の場合は全体除去が手札に余る展開になることがあるので、その場合にデビル3体モードで撃てるのは良いオプション。相手の忠誠度の少ないプレインズウォーカーに対して速攻デビルで攻撃することもありそう。

恋煩いの野獣》が居なくなったので、ほとんどの3マナ以下のクリーチャーは3点で対処できます。今後の標準除去になりそうな火力。

手札入れ替えはアドバンテージ面で損するので使う機会は少ないとは思いますが、土地が余ったときに使うこともあるでしょう。比較すると《火の予言》って強かったんだな。
古来から《ジャッカルの仔》《ゴブリンの先達》など、赤は他の色と比較して1マナパワー2の価値が高い色です。

火力によりプレイヤー本体を削ることが出来る色なので、2の倍数でライフを削る1マナ域は効率の良いダメージ源として重宝されてきました。

ファルケンラスの闘技士は1マナパワー2でありながらメリット能力付き。《棘平原の危険》などで誘発条件を満たすのは簡単なので、後半は手札入れ替えに使うことも多いでしょう。

4枚揃える枠。
クリーチャーやプレインズウォーカーに撃つと1点増えるX火力。

フラッシュバックするならX=3以上で撃てるようにはしたいですが、プレインズウォーカーの忠誠度を3減らすとなるとかなりハードルが高いように思えます。イマイチ。
夜なら《稲妻》!自分から夜に出来る狼男デッキなら強そう。
1つ目の能力は色の数を参照するので、例えば《ティアマトを唱えたら手札を全て捨てた後で5枚ドロー。「○○しても良い」なので誘発させないことも可能。

能力のために多色にこだわる必要は無くて、例えば赤単アグロで手札を使い切ったタイミングなら1ドローでも十分です。4マナ4/4飛行はスタンダードなら通用するレベル。

『フォーゴトン・レルム探訪』に《ドラゴンの火》があるので、ドラゴンを参照するために《黄金架のドラゴン》と一緒に《月の帳の執政》を採用することはありそうです。
ついに《ショック》の上位互換が出ましたね、青赤で《秘密を掘り下げる者》《熱錬金術師を中心にしたインスタント・ソーサリー軸のデッキが組めそう。
アンコモンに格上げされましたが、ナイス再録。パウパーでも活躍した実績があり、生き残ればかなりダメージを稼いでくれる2マナ域です。

タップすることで本体にダメージが入るので、《ファルケンラスの闘技士》などが持つ「このターンに対戦相手がライフを失っていた場合~」の条件を簡単に満たせるのもグッド。
手札から捨てる手段と、夜や昼を移動させるカードがあれば、場を経由しなくても墓地から直接出すことが出来ます。フェニックス界ではなかなか優秀。

影の評決》を食らわないので、思ったよりも追放除去で対処するのが難しい。夜や昼を移動させる狼男と一緒に使いたい。

変身条件がかなり緩く、《棘平原の危険》《髑髏砕きの一撃などの両面火力でも簡単に変身します。

裏面は火力をアドバンテージに変える能力で、2マナ3/3と優秀なスタッツ。赤単で悩まず4枚入れる性能だと思います。

自分にも速攻を与えることが出来るので、実質3マナ3/3速攻。そして味方にも速攻付与。

裏面のスタッツも良く、実用レベルの狼男です。《月の憤怒獣の切りつけ》《太陽筋のフェニックスなども使いやすくなります。

かなり強い、4枚揃える枠。

なんとなく《氷の中の存在》を思い出すデザイン。

インスタント・ソーサリーの支払ったマナの合計が7以上になると変身。裏面の《灰口のドラゴン》はかなり強力な盤面制圧能力を持っており、インスタントやソーサリーを唱えるたびに《ショック》出来ます!

2マナ0/4で序盤は壁として働きながら、変身後は制圧力のあるフィニッシャー。変身に7マナ以上かかりますが、ミッドレンジなら除去を撃っていればそのうち変身しそう。

支払ったマナの点数を参照するので、例えば《意志の力》を0マナで唱えてもカウンターは減らない点に注意。

■緑

クルフィックスの狩猟者》を思い出す、ミッドレンジ好きには最高のデザイン。

ライブラリーから土地をプレイできるので、生き残るターンが長いほど堅実にアドバンテージを稼ぎ続けます。しかも集会の条件を満たせば、クリーチャーもプレイできるようになります。

例えば4ターン目に《秋の占い師をプレイして即ライブラリートップから土地を置けば、除去されたとしてもアドバンテージ面では損しません。即除去しなければいけない強力なクリーチャーですが、即除去されても損しない!素晴らしい!

4枚揃える枠。
こちらは《不屈の追跡者》を思い出す、これまたミッドレンジデッキが好きな人向けのデザイン。

3マナ4/3警戒に1ドローが付いていると考えると及第点。しかし比較すると同じマナ域の《秋の占い師の方が優れているかなという印象です。
自分の墓地だけを参照する《タルモゴイフ》。インスタント・ソーサリー・クリーチャーで3タイプになる事が多いでしょう。

エンド時にトークンが増えていくので、除去出来なければゲームを制圧する強さはあります。スタンダードで使われるかは墓地を増やすカード次第といった所。少しカードパワー足りてないかも。
狼柳の安息所》《耕作》《豆の木の巨人が全てローテーション落ちしてしまったので、現状マナ加速はクリーチャーに頼るものが多いです。

土地を伸ばすマナ加速が不足気味なので、《収穫祭への道も使われそうです。
今まで3マナ5/5に慣れ親しんだ身としては、3点火力で落ちてしまう3マナ4/3は少し物足りなさがあります。

ただ、追加コストが他の「敵対者」シリーズと比較して軽く、後半は5マナ5/4と土地を3/3クリーチャー化、もしくは7マナ6/5で土地2つを3/3クリーチャー化。1枚で強力な盤面形成が可能です。

秋の占い師》で緑は土地を伸ばしやすくなると思うので、後半のマナフラッド受けとして《原初の敵対者》は最適でしょう。
コストも探すカードも重くなった、デカい《集合した中隊》。土地も置くことができるので、《集合した中隊》よりハズれることが少ないのも特徴。

パーマネントなので範囲が広く、《エシカの戦車》や後述の《レンと七番》も探してこれます。

エシカの戦車は今後のスタンダードで良く見るカードになると思うので、それの水増しとして《収穫祭の襲撃にも2枚くらい出番があるかも。
コストが軽く使いやすい、ライフゲインも兼ねた墓地対策。スタンダード以外のフォーマットでも見かけそう。
【+1】能力で《根囲い》。土地以外のカードは墓地に落ちるので、フラッシュバックや降霊とも相性良し。

【0】能力で、【+1】を経由して増えた土地を全て出せます。爆発的なマナ加速能力。

【-3】は《レンと七番をプレイした時点で土地5枚がある場合が殆どなので、5/5の到達トークン生成。

【-8】で墓地から圧倒的なアドバンテージ。

基本的には出したターンに【-3】で盤面を作りながら、【+1】で土地を補充、さらに【-3】の2回目と言った使い方になると思います。

【-3】のトークンは《黄金架のドラゴンも止まるサイズなのでかなり強いです。初期忠誠度も高いので守るのも容易。強いプレインズウォーカーです。

3-4ターン目に変身したらかなり強力なので、緑単アグロで採用されそう。

早めの変身を狙いたいなら、60枚デッキで25枚以上のクリーチャー構成にする必要があると思います。

表面でもエンチャント・アーティファクトを対策しながら、裏面は攻撃する度にエンチャント・アーティファクトを破壊。

2マナ2/2と最低水準を満たしながら、裏面が対策カードとしてはかなり強力。《Mox》などアーティファクトが多用されるヴィンテージでも使われる性能だと思います。

墓所のタイタン》が緑になって帰ってきた!しかも格闘能力付き!

正直な話、このカードがレアではなく神話レアにすべきだったと思います。ドラフトやシールドにおいて、この盤面制圧能力は強すぎる!リミテッドS級レア!

リミテッドS級レアはスタンダードでも使われるので、《トヴォラーの猟匠》も十分構築級のカードでしょう。緑には《秋の占い師》《エシカの戦車をはじめミッドレンジ向けのカードが多数揃っているのも良いところ

■多色

フラッシュバックの付いた《発掘》なので、長期戦向きのカード。

夢の巣のルールス》《死の影》《スカイクレイブの災い魔あたりを戻したいですね。
自分の土地を対象に撃てばマナ加速として使えます。アーティファクトやエンチャント破壊を兼ねたマナ加速として考えるとかなり使いやすい?

「破壊されたなら基本地形2枚サーチ」の効果なので、破壊不能を持つ《ダークスティールの城塞などの土地に撃ってもサーチ枚数は1枚です。《トロウケアの敷石》に打てば一気に2マナのジャンプアップが行えます。
通常キャスト、フラッシュバック共に軽い手札入れ替え呪文。ただプレイするだけでは手札が減ってしまうので、墓地にリソースを置ける降霊やフラッシュバックと組み合わせたいところ。

青白は降霊持ちが多い色なので、墓地からリソースを得るのは比較的容易です。
これ系統では珍しくフラッシュバック持ち。青と赤は「カードを引いて捨てる」ルーター能力の多い色なので、墓地に置いておけるリソース源として少量なら採用されそうです。

呪文2回分なので《弧光のフェニックス》の誘発を稼いだり、《ライオンの瞳のダイアモンドで手札から捨てた後にも墓地から唱えられたりと、モダンやレガシーにも影響があるかも。

自身が2マナのマナクリーチャーでありながら、人間を全てマナクリーチャー化。2ターン目《踊りへの参加から3ターン目《ドーンハルトの主導者、カティルダ》で、4ターン目に7-8マナ出す動きはかなり強力。

カティルダは伝説のクリーチャーではありますが、デッキの動きの中心になるカードなので4枚入れたデッキも出てきそう。

統率者でもカティルダをジェネラル指定したデッキはぜひ組んでみたいですね。2ターン目に確定でマナ加速できるのは強いと思います。さぁ、種族「人間」で検索!
セレズニア人間を組むなら《光の勇者、シガルダ》もお忘れなく。
自分のパーマネントに与えられる呪文のダメージを軽減してくれるので、例えば「すべてのクリーチャーに5点」のようなカードでも《確固たる討伐者、レム・カロラス以外のクリーチャーは生き残ってくれます。

相手からの呪文だけでなく、自分の呪文のダメージも軽減なので、自分から「すべてのクリーチャーに5点」をプレイするような場面もありそう。

それに加えて、自分がプレイする火力呪文のダメージも1点増えます。《髑髏砕きの一撃のように対象を複数取るような火力呪文ならさらにお得!

伝説のクリーチャーなので複数採用は難しいですが、2枚程度は採用されそうです。
似た能力を持つ《垣間見る自然》は、クリーチャーを中心としたコンボデッキ、特にエルフで使われてきました。

調和の儀式》は《垣間見る自然》より1マナ重いながら、トークンでもドローできるのは大きな相違点。

これをフラッシュバック含め6マナでプレイ。《ゾンビの横行で手札2枚をゾンビトークン1体に→2ドローのループを、ライブラリーが続く限り行うことが出来ます。

調和の儀式はトークンでもエンチャントでもドローできるので、まだまだ無限コンボがたくさん出来そう。
廉価版《稲妻のらせん》ですが、フラッシュバックが付いている分コントロールデッキにとってはかなり使いやすい除去ではないでしょうか。

炎の稲妻》が広く使われたことから考えると、アグロでも採用する可能性アリ。
相手のデッキから呪文を唱えるカードの中ではかなり軽く、しかもターンを跨いでもプレイできる便利な呪文。土地を選んだ場合でもプレイできます。

打ち消しとドロー呪文を構える、青黒のコントロールデッキで最適なカード。通常キャストもフラッシュバックも軽いので、デッキに複数入りそう。

4枚揃える枠。
強いプレインズウォーカーの条件としては、「自分を守る能力がある」「出たターンに盤面に干渉する」「生き残ったらゲームに勝つ」なのですが、その点で見ると今回のテフェリーはイマイチ。

【+1】タップとアンタップなので盤面自体には影響が少なく、【-2】は手札が1枚増えるのみ。【-7】はゲームに勝つまではいかない性能。

今までテフェリーと名のつくプレインズウォーカーは強力なものが多かったですが、残念ながら今回のテフェリーは四天王の中でも最弱かも知れません
彼を統率者にして組んでみたくなる能力。多人数戦なので夜と昼が交互になることが多いですし、その間にヴァドリックのパワーもどんどん増えて行きます。

召し上げ》《時間の伸長といった重くて強いカードを軽減できたらかなり強そう。

テフェリーの項目で述べたように、強いプレインズウォーカーの条件としては、「自分を守る能力がある」「出たターンに盤面に干渉する」「生き残ったらゲームに勝つ」。

しかし残念ながらアーリンは【+1】は盤面干渉が無く、【-3】でトークンは出せるものの、残り忠誠度はわずか1。裏面になっても5/5で殴るのみで、ゲームに勝つほどではありません。

残念ながらアーリンはイマイチな印象です。

本体のスタッツが良く降霊持ちで、裏面はアドバンテージを稼ぐ飛行クリーチャー。降霊デッキを組むならまずはデニック4枚からスタートしそうです

すべての墓地が対象に取れなくなるので、《再活性》や《戦慄の復活》といったカードもプレイできなくします。レガシーにも影響があるかも。

4枚揃える枠。

攻撃時にマナを発生させる狼男。裏面がかなり強力で、狼と狼男を全体強化。

狼と狼男にこだわらなくても単体で十分強いので、グルールアグロを組むなら《ケッシグの自然主義者4枚からスタートしそうです。

変身すると《ケッシグの狼の地》の能力を使える狼男。

攻撃が通ったら1ドローの3マナ3/3は表面の能力だけでも十分強く、さらに《不吉な首領、トヴォラー》だけは昼や夜に依存せずに狼男の数で変身できます。

ケッシグの自然主義者》とセット採用で、グルール狼男アグロが組めると思います。

■アーティファクト

アーティファクトで昼と夜を調整できるのはこれしかないので、昼と夜を参照するカードとセットで《セレスタス》を使いそう。

3マナタップでルーター+1点ゲインとコントロール向けの能力なので、青系コントロールが2枚くらい採用することがあるかも。
魂標ランタン》がスタン落ちしたので、どのデッキでも使える墓地対策としてサイドボードに。

モダンやレガシーだともっと良い墓地対策があるので、出番はなさそう。
珍しいアーティファクトのサーチカードで、統率者に影響を与えそう。

アシュノッドの供犠台》《ファイレクシアの供犠台》など、サクリ台が重要なデッキで重宝されそうです。

特にサーチ手段の少ない赤や緑で候補になると思います。

魔術遠眼鏡》と入れ替わる形で再録。前回の再録が「ラヴニカへの回帰」なので、かなり期間が空いてましたね。

プレインズウォーカー対策として使われることが多く、基本的には1マナ軽い《真髄の針》の方が強いです。ヒストリックにも影響がありそう。

■土地

スロウランドと呼ばれる、3枚目以降で置くとアンタップインする土地。

4マナ目が欲しいけどタップイン土地を引いてガッカリというのは誰もが経験する事。今回のスロウランドは後半アンタップインするので、そういった事態も減ります。

歴代の2色土地でもかなり強い部類です。MTGアリーナで、真っ先にワイルドカードを使うならこれらの土地ですね。

悩まずに4枚揃える枠。

『フォーゴトン・レルム探訪』のミシュラランドが強いので、《廃墟の地がスタン落ちするのを心配していましたが、杞憂に終わりました。

今後も見るでしょう。

トークンを多く出すようなデッキなら変身条件の達成は容易です。腐乱を持つゾンビや、降霊持ちなど、今回のセットには生贄にするクリーチャーも多い。

変身後は3/7というサイズは火力で倒しにくく、ライフのドレインも1→2→3と増えて行きます。トークンデッキで2-3枚は使われる、強い土地だと思います。

■おわりに

僕の選ぶトップ5はコチラ!

秋の占い師》は緑のミッドレンジを支えて行くでしょう、まずはこれ4枚からデッキを組みたい。

記憶の氾濫》は青系コントロールの希望となり得るか?

不吉な首領、トヴォラー》を中心としたグルール狼男アグロもすぐに組まれそうです。

怪しげな密航者》は《太陽筋のフェニックス》との相性が最高で、手札を捨てながら2マナで復活出来ます。

今夜日付が変わった直後にMTGアリーナ上でも『イニストラード:真夜中の狩り』がリリースされます。新セットのリミテッドが楽しみ!

狼男があるセットは事故ると変身されて一瞬で負けるので、序盤のマナカーブを何よりも大事にしましょう。

それではまた。


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