遊戯王 │ 解説記事 │ しの【リミットレギュレーション2020年1月改訂】

Cardrush Prosとして活動しているしの(@Strike1105)です。
今回は2020年1月から施行される《リミットレギュレーション》(禁止・制限・準新制限)についての記事となります。

この記事では新禁止、新制限、新準制限、制限解除カードを各項目に分けて考察していきたいと思います。新環境はどのように変わっていくのでしょうか!?

※この記事はジャンプフェスタ2020での新マスタールール発表前に執筆されました。

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■2020年1月適用開始《リミットレギュレーション》



■新禁止カード

今回の改訂では2枚のカードが禁止となりましたが、どちらのカードも妥当といいますか、皆さんの予想通りといいますか…。どちらもTwitterなどで「禁止にしてほしい」との声が多く上がっていたカード達であった為、特に驚くような事は無いでしょう。

2枚のうちで、今後の環境に特に大きく影響を与えるカードは《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》です。

こちらは「展開系デッキ」の先攻展開における“着地点”として採用されることが多く、そのハンデス効果はあまりに強力でした。

先攻展開で盤面を形成されるだけならば、【エンディミオン】対策として最近よく見かける《冥王結界波》によって解決できますが、このカードの存在により4枚のハンデス効果+盤面の形成という着地点を置かれてしまい、《冥王結界波》を使用したところで残りの手札は1枚のみとなってしまうため太刀打ちできません。

しかし、このカードが禁止カードとなった事によってハンデスを着地点に置く「展開系デッキ」は今のところは存在しなくなるので、大部分の「展開系デッキ」は《冥王結界波》や《超融合》などのカードに苦しめられる事になるだろうと予想が立てられます。

 

外神アザトート》に関しては個人的にずっと「禁止にしたほうがいいだろ!」と思っていたカードでしたが、逆に「禁止カードになっていないのであれば使ってやろう」とも思っていたため、数々の「展開系デッキ」でお世話になりました。

使用していた時には《外神ナイアルラ》を召喚した瞬間、相手が諦めムードになる感覚が本当に楽しかったのですが、もうあの感覚がなくなってしまうと思うと残念です…しかし、もう二度と戻ってこなくて大丈夫です…ゆっくりとお休みください。

■新制限カード

こちらも2枚のカードが新たに加わりました。


終わりの始まり》に関しては【未界域】に対してピンポイントでの規制ですが、特に驚くべき点はないでしょう。驚くべきは《十二獣ドランシア》の禁止解除です!

長らく環境で猛威を振るった【十二獣】の核の一部となる重要なモンスターが帰ってきました。【十二獣】は規制前、その柔軟な効果の性質から様々なデッキに組み込まれ活躍した非常に強力なテーマでしたが、核となるEXモンスターの《十二獣ドランシア》と《十二獣ブルホーン》が規制された事で一気に環境から排除されました

この核となるEXモンスターが帰ってきたことによって、現環境のデッキにも以前のように【十二獣】を組み込む構築が今後台頭してくるのではないか、と予想します!

更に、以前は禁止カードであった《十二獣の会局》が現在制限カードとして使える点もこのカードを使用するうえでの魅力になっているといえるでしょう!

■新準制限カード

こちらは上記の2項目に対して、一気に12枚ものカードが対象となっていたことで違う意味で驚きました。また、このラインナップを見て真っ先に感じたことは“デッキの中心となるカード”が多く対象となっているということでした。

デッキ/テーマとして、ある程度のラインまで戦えるように担保はしつつ、全体的なパワーダウンを図っている事が伺えます。しかし、あくまで準制限カードということで、間違いなくテーマとしてのパワーは落ちるものの、デッキとしてのパワーが極端に下がったという印象はあまり感じません。

 

特に《オルターガイスト・メリュシーク》《転生炎獣の炎陣》《閃刀機関マルチロール》《雷獣龍サンダー・ドラゴン》などは準制限程度では環境からは排除されず、結果的にトーナメントシーンでは、以前と変わらずこれらのデッキを目にする事が多くなるでしょう。

また、制限から戻ってきたテーマ/カードに関しては、逆にこれらのカードが準制限になったところで環境への台頭は難しいように思えます。

総じて、対象カードの数こそ多いものの、環境へ与える影響自体は少なくあまりインパクトの無いラインナップだった、と僕は感じました。

■新制限解除カード

こちらに関しては目を見張るカードが多いラインナップだと感じられます。

特に《召喚獣メルカバー》に関しては制限カードから一気に制限解除カードとなったことによって起こる作用が非常に大きいと考えます。

何故なら、現在は《召喚師アレイスター》1枚から《召喚獣メルカバー》を召喚できることで1ターン目から《召喚獣メルカバー》を召喚したいとなった場合、そこで《召喚獣メルカバー》を消費してしまうと次のターンからはEXモンスターゾーンが埋まってしまうので、相手のライフを大幅に削るために《召喚獣メルカバー》をリンク素材とする事が最善でした。しかしこれでは結果として次の《召喚獣メルカバー》が用意できず、【召喚獣】のギミックのパワーが大幅に削られてしまうことにもなってしまっていました。

ところが、今回制限解除カードとなり次の《召喚獣メルカバー》を用意できるようになったことで、【召喚獣】のギミックは飛躍的にパワーが高くなったと考えられます。

また、常に別テーマと合わせて使用されていた【召喚獣】ですが、自己完結でき、かつ妨害の後続も用意できるようになった為、テーマ単体で使用して罠デッキのようなデッキを組んでみても面白いと思います!

その他では、《名推理》や《妨げられた壊獣の眠り》の制限解除も環境へ影響を与えそうです。

名推理》は主に【インフェルノイド】での活躍が期待できます。《モンスター・ゲート》も合わせて3枚ずつ使用できるという事は驚愕です…今後また【インフェルノイド】が台頭してくる機会があるかもしれません…!

妨げられた壊獣の眠り》は上記【召喚獣】との相性が良い事は勿論、後攻から相手を一気に攻めるタイプのデッキで大活躍できます。また、後攻を選択するデッキにとって“展開系デッキの減少”と《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》のハンデスが無くなったことは追い風になっているので、様々な後攻デッキが日の目を浴びる事になるでしょう。

■今後の環境予想

大きく変わる部分は、禁止カードとなった《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》による「展開系デッキ」の減少だと考えます。その他環境デッキに関しては準制限カードの対象となったテーマは多いですが、準制限カードの項目でもお伝えした通り、これらテーマの勢力はあまり変わらないと予想します。

そして、今回の規制を免れつつ、環境に存在している強力なデッキとしては【エンディミオン】が挙げられます。新弾発売までの間、新制限適用のCSなどの大会ではこの【エンディミオン】を中心にメタが回っていく事になるだろうと予想が立てられますが、メタの中心になると今まで多く採用されていなかった《幽鬼うさぎ》《魔封じの芳香》などの対策カードの採用が増えてきて、サイドデッキにも更に《冥王結界波》を多く見る事となるでしょう。
そうなった時【エンディミオン】の分布がどうなるのか、どう対応してくるのか、が楽しみです!

■最後に

制限改訂による環境の変化は現時点では少なく感じますが、展開系デッキの減少とハンデス効果が無くなった事によって広がる可能性に関しては今後が楽しみです。
また、12月21日にはジャンプフェスタが開催され、そこで先行販売される《プレミアムパック2020》や新たな発表によって今後の遊戯王が大きく変わっていく事は間違いないでしょう!!

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