遊戯王│環境考察 |しの【2019年7月リミットレギュレーション改訂】

今回は7月から適応されるリミットレギュレーションについての考察記事をしのさんからラッシュメディアにいただいたので紹介していきます。


はじめに

Cradrush Prosとして活動しているしの(Ryo Shinomoto)です。

今回は2019年7月より施行される《リミットレギュレーション》(禁止・制限・準新制限)についての記事となります。

まずは新制限適用による【転生炎獣】と【サンダードラゴン】の変化を元に僕なりに考えた今後の大会環境への影響をお伝えしていきます。
次に、既にいくつかの大会は新制限を適用し開催していていますので、現段階でのメタの中心となるデッキの考察。
そして最後は今後流行るのであろうデッキの予想と考察を述べていきたいと思います。
まだまだ始まったばかりの環境なので考えることが沢山あり非常に楽しみです!

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■2019年7月適用開始《リミットレギュレーション

禁止
破滅竜ガンドラX
トロイメア・マーメイド
制限
転生炎獣ガゼル
超雷龍-サンダー・ドラゴン
雷鳥龍-サンダー・ドラゴン
レディ・デバッガー
メタバース
準制限
ABC-ドラゴン・バスター
SPYRAL-ジーニアス
ダーク・アームド・ドラゴン
ダーク・グレファー
ダイナレスラー・パンクラトプス
TG ハイパー・ライブラリアン
デビル・フランケン
氷結界の龍 トリシューラ
影霊衣の反魂術
魔鐘洞
無制限
E・HERO エアーマン
真竜拳士ダイナマイトK
餅ガエル
ルドラの魔導書
神の宣告
停戦協定

■今回の改訂に対する個人的考察

前期と新制限後を比べ大会環境がそこまで大幅に変化する改訂ではないかと思います。

何故なら“大会環境から減少するであろうデッキが局所的で明確”でかつ、“実際に大会環境下で戦える程緩和されたテーマデッキが少ない”からです。
今回は2タイプの同じような規制を掛けられたデッキを例に考察していきます。

まずは【転生炎獣】です。
こちらは“最も強い初動”である《転生炎獣ガゼル》の制限と“準初動”となっていた《レディデバッカー》が制限となった為、盤面を強固にする安定感が落ち、他デッキに追いつける程の爆発力が無くなった為、大会環境では少なくなっていくであろうと予想がつきます。しかし、現状僕自身も気づいていない“【転生炎獣】にしかできない強み”がまだ残っているならまた大会環境への進出も考えられます。

次に、規制されつつも大会環境下から減少することはないであろうデッキとして【サンダードラゴン】があげられます。

こちらは何故デッキの中心とも言える2種類のカードが制限となっても大会環境に残り続けるのかというと理由は明確で“最重要初動が減っておらず、根本の強みであるギミック自体が使えなくなってはいないから”です。
僕の思う今の大会環境で活躍するデッキに求められる要素は大きく分けると2点です。

安定感

“そのデッキの目指す最高の最終盤面を作る為に必要なカードの合計枚数とそれらのカードにアクセスする難易度”、最高の最終盤面は作れずとも“そのデッキの強みを出すことのできる準初動の枚数”

そのデッキにしかない強み

例えるなら“最終盤面が他と比べて圧倒的に強力”であることや“爆発力は無いものの柔軟でかつ手札誘発などを大量に入れることが可能”なこと、“相手のメタカードを受けづらく対策の取り方が難しい”ことなど。

今回例に挙げている2デッキは規制を受け変化しましたが、今の大会環境で活躍するデッキに求められる要素が大きく根底から変わったのは【転生炎獣】です。
今までの安定感である“他を圧倒する程の初動と準初動”が減り、合わせて強みであった“柔軟な動き”が損なわれた為、以前から弱点となっていた《増殖するG》に対して更に弱くなってしまいました。
また、新制限の大会で【転生炎獣】の入賞も確認しましたが、罠カードが大量に採用され、一種のメタビートのようなデッキとなっていて過去のような後手も強く、先攻の盤面も強かった面影を今は感じられません…

反して【サンダードラゴン】は安定感という観点では準初動として《雷鳥龍サンダードラゴン》が制限となってしまいましたが、あくまで準初動であるこのカード(準準初動くらいかもしれませんが…)は以前より多くのプレイヤーが2枚の採用としていたこともあり、以前と比べあまり変化はありません。制限となったカードがもし《雷電龍サンダードラゴン》や《雷獣龍サンダードラゴン》であったなら、《闇の誘惑》などの非常に強力な組み合わせが現実的では無くなり安定感に大きな問題が生じていたでしょう。

また、《超雷龍サンダードラゴン》の制限に関しては以前の【サンダードラゴン】と比べれば大きな痛手となることは間違いありませんが、根本の強さに関係する部分ではありません。
何故なら、【サンダードラゴン】の根本の強さは“《超雷龍サンダードラゴン》によるデッキからのサーチを多用するデッキへのメタ”“戦闘・効果破壊耐性による突破困難な状況の形成”にあり、デッキからのサーチを多用するデッキへのメタに関しては《超雷龍サンダードラゴン》が1枚でもあれば健在で、かつ一度使用し墓地へ送られたり除外されたとしても《雷龍融合》によりエクストラデッキに戻し、再度融合召喚する事が可能だからです。

耐性効果による強みは上記理由も含め、「サンダードラゴン融合モンスター」は尽きることなく融合召喚できる為変化せず、更に今回の改訂のポイントの1つである【オルフェゴール】の弱体化もこの耐性効果を突破できるデッキを少なくし、強みとしての影響が大きくなっています。

■既に行われた新制限適用の大会結果を元に大会環境考察

現在ではまだ多くの大会が開催されているわけではないのであくまで僕個人としての推測となる部分が大きくなってしまいますが、今後の大会環境の大部分を占めるのは
【ドラゴンリンク】【サンダードラゴン】【魔術師】【セフィラ】【閃刀姫】【オルターガイスト】【エンディミオン】
これらのデッキだと考えられます。
その中でも更にメタの中心となっているのは下記3つのデッキ。

【ドラゴンリンク】

守護竜アガーペイン

展開力は前環境のままで新たな新規カードである《ストライカードラゴン》や《ストライクチャーデッキ リボルバー》の「ヴァレットモンスター」達による強化で他を圧倒する先攻展開が可能となっています。現段階の大会結果でも多くの入賞が見受けられます。

【サンダードラゴン】

超雷龍サンダードラゴン

上記の説明の通り弱体化は受けたものの、最重要パーツの規制回避、苦手としていたデッキの減少と他のデッキのパワーが総体的に落ちたことにより大会環境に残り続けると予想できます。

【閃刀姫】

閃刀姫レイ

前環境と比べメインギミックへの規制が全く無く、変わらずパワーを維持しています。また、同じく環境の中心となる【ドラゴンリンク】等の展開系デッキへの対策にデッキのスロットを多く割くことができ、手札誘発を多く採用できるポイントが以前と変わらず高い評価となり、メタの中心となる予想ができます。

■今後のメタの回り方について

上記予想は現段階での考察であり、大会環境は週を追うごとに変化していくでしょう。

今後のメタの回り方は上記で述べた「環境の中心となるデッキ」に対抗するように各デッキが現在中心となっているデッキに対するメタを張り始め、それらのデッキに対して有利に立ち回ることのできるデッキ達がまた環境の中心となっていくと考えられます。
また、環境序盤という事からメタが多く張られていた「ペンデュラムデッキ」へのヘイトが逸れれば、大会上位に上り詰める事もあるかもしれません。

そして、僕の予想として今後も環境の中心となり多く入賞していくのであろうと考えられるデッキは【閃刀姫】【オルターガイスト】【ドラゴンリンク】の3種類のデッキです。
これらは他のデッキと比べ頭1つ抜けている強さがあると思っています。

現段階では数は多くても入賞姿を見ていない【オルターガイスト】は罠デッキであり、展開デッキとは違って“相手の出方を完璧に把握”しないと本領が発揮できないデッキです。
なので、環境がある程度固まり始めた今こそ強く出るチャンスかと思うので、これからの結果に期待です。

■最後に

多種多様なデッキに可能性がある環境となりますが、あと2週間程でより環境は固まりメタゲームの回り方は遅くなると思われます。
しかし、そこで今度は新弾である《CHAOS IMPACT》の発売となり、また環境がガラッと一新されますね。
なんていいタイミングでの発売なのでしょう…
これも販売戦略なのでしょうか…?

そんなことはともかく、僕自身1プレイヤーとして今後の大会環境の変化は楽しみにしたいと思います‼
次回は先日出場した大会のレポートを挙げますので、お楽しみに!

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