MTG │ 大会レポート │ 高橋優太【チャンピオンズカップファイナルラウンド2レポート】

先週末は、チャンピオンズカップファイナル シーズン2ラウンド2に参加しました。

日本各地や韓国の予選を勝ち上がることで参加資格を獲得したプレイヤーや招待選手たちが、トップ12入賞のプロツアー権利、1位と2位での世界選手権出場を目指す、競技レベルの大会です。

フォーマットはモダン!以下その大会レポートです。

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■モダンメタゲームと、力戦ドラコの波乱

先週の記事で、モダンの代表的なデッキ6つを紹介しているので、そちらもご参照ください。

先週の記事はこちら

メタゲームはカスケードクラッシュが最多、次にラクドス想起。これらの2つは予選突破人数も多いため、本戦でも多いと予想していました。

次いでヨーグモス、リビングエンド、アミュレットタイタン、イゼットマークタイドなどなど。

当日のメタゲームはこんな感じ。
リビングエンドはカスケードクラッシュに有利なデッキであり、なおかつ墓地対策が減って来たタイミングでもあったので、使用者が急増しています。

実際に僕も、リビングエンドを使うかギリギリまで悩んでいました。

そして大会2日前からオンライン上で急激に結果を出していたのが、《ギルドパクトの力線》《ドラコの末裔》デッキ!

この2つが揃うと、2ターン目に4/4飛行・警戒・呪禁・絆魂・先制攻撃・トランプルの超生物が爆誕します!

この2つとも当然マナ総量が3以上なため、続唱デッキに《ギルドパクトの力線》《ドラコの末裔を採用したリストがモダンリーグで5-0しており、その後カナダ選手権やアメリカ選手権で海外プロ達が使用したことで、注目が集まっていました。

続唱デッキ力戦ドラコを足したデッキと、今までのドメイン(版図)アグロデッキに力戦を足したデッキ。

2つの新デッキ対策として、力戦の効果で緑になったドラコをまとめて戻せる《冬眠がサイドボードに積まれるなど、少なからず影響を与えています。

僕も力戦ドラコ入りの続唱デッキを10ゲーム程試したのですが、どうしても初手依存が強く、従来のカスケードクラッシュよりも安定性が落ちてしまうのと、サイド後に《活性の力》などで対策されやすいことが気になって、自分に合わないと感じて使用しませんでした。

■イゼットマークタイド

チャンピオンズカップファイナル
使用者:高橋 優太
デッキリスト
1:《沸騰する小湖/Scalding Tarn
4:《尖塔断の運河/Spirebluff Canal
3:《島/Island
3:《蒸気孔/Steam Vents
2:《霧深い雨林/Misty Rainforest
2:《汚染された三角州/Polluted Delta
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
1:《焦熱島嶼域/Fiery Islet
1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City
18 Lands


3:《ドラゴンの怒りの媒介者/Dragon’s Rage Channeler
4:《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer
3:《濁浪の執政/Murktide Regent
4:《帳簿裂き/Ledger Shredder
1:《緻密/Subtlety
15 creatures

4:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble
4:《定業/Preordain
4:《表現の反復/Expressive Iteration
3:《稲妻/Lightning Bolt
4:《邪悪な熱気/Unholy Heat
4:《対抗呪文/Counterspell
2:《呪文貫き/Spell Pierce
1:《呪文嵌め/Spell Snare
1:《厳しい説教/Stern Scolding
27 other spells


1:《狼狽の嵐/Flusterstorm
1:《火の中へ投げ捨てる/Cast into the Fire
1:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
2:《兄弟仲の終焉/Brotherhood’s End
2:《厳しい説教/Stern Scolding
1:《血染めの月/Blood Moon
1:《霊気の疾風/Aether Gust
1:《緻密/Subtlety
1:《神秘の論争/Mystical Dispute
2:《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils
2:《虚空の杯/Chalice of the Void

15 sideboard cards

イゼットマークタイドを使用しました。使い慣れていてプレイに自信があり、トップメタのカスケードクラッシュとラクドス想起に勝てると判断したからです。

帳簿裂き》4枚なのが珍しい採用だと思います。採用理由としては、カスケードクラッシュとラクドス想起の両方に対して良いことと、謀議による手札の最適化がサイド後に強いことです。

続唱→《衝撃の足音と動くと2つの呪文で謀議が誘発するので1サイズアップ。3/5になれば相手のサイトークンをブロック出来ますし、4/6になれば相手は攻撃しにくい。ラクドス想起に対しても、2/4になれば相手の多くのクリーチャーをブロック出来ます。

イゼットマークタイドはサイド後に《忍耐などで墓地対策をされやすいので、《ドラゴンの怒りの媒介者》《濁浪の執政》など墓地に依存する能力は複数引くと《忍耐1枚でピンチになるケースが多発。《帳簿裂き》は墓地対策されたら謀議で《ドラゴンの怒りの媒介者》《濁浪の執政》などを捨てたり、2/4になれば《忍耐を止めるなど、サイド後のゲームで安定して活躍できます。

帳簿裂き》を2/4にしてから《兄弟仲の終焉で全体除去というのが、対ラクドス想起や対ヨーグモスに対して思い描いていたプランです

それと《表現の反復》。パイオニアでもレガシーでも禁止のこのカードを使えるなら使いたかったのが理由として大きい。

オークの弓使い》が入ったデッキに対しては、サイド後に《敏捷なこそ泥、ラガバン》を4枚抜いて、《厳しい説教》《緻密兄弟仲の終焉》でイゼットコントロールのように変形します。ヨーグモスに対してはメイン戦不利ですが、サイド後はこの戦い方で上手くいくことが多かったです。

厳しい説教》は、《オークの弓使い》《ダウスィーの虚空歩き悲嘆》《スランの医師、ヨーグモス》《飢餓の潮流、グリスト(グリストはスタック上は1/1の昆虫なので消せます!)と、厄介なクリーチャー呪文を1マナで打ち消せるので、とても気に入っています。《緻密は後手でも想起プレイで相手の速度に追い付けて、4マナでプレイする機会も多く、特にアミュレットタイタンには《原始のタイタン》を0マナで返せるのが強いです。

練習中によく負けたのが、《一つの指輪を軸にしたコントロールデッキです。青白コン、青黒コン、黒単貴重品室など。除去連打から《一つの指輪負けの再現性が高く、3つとも不利な相手です。

相手の《一つの指輪》を対策しつつ、自分もアドバンテージを取れるカードが欲しいと考えて、《覆いを割く者、ナーセット》を2枚採用。
しかし対コントロール枠をナーセットで2枚取ったことで、同じ3マナ域の《血染めの月》を減らしてしまい、これが本戦で悪影響を及ぼすことになります。

使用者の少ないコントロール系専用枠でナーセットを取ったことで、1枚で勝てる相手のいる《血染めの月を減らすのはナンセンスでした。

■大会結果

×リビングエンド
〇ラクドス想起
×アミュレットタイタン
〇リビングエンド
×グリクシス死の影
〇イゼットマークタイド
×バーン

3勝4敗で初日落ち。

結局ナーセットが効くような相手には当たらず、《血染めの月を減らしたことが敗因に結びついています。(対アミュレットタイタン、対死の影)

自分が不利なデッキに対して過剰にサイドを取ってしまうのは、誰しもが陥りやすい罠だと思います。

確かに不利だが、そのデッキはメタゲームに本当に居るのか?ナーセットを入れたせいで他へのガードが下がっていないのか?ナーセットのようにコントロール専用ではなく、土地コンボに併用できる《ティシャーナの潮縛りの方が良くないか?

反省点は無限に出てきます。モダンは特にデッキの種類が多いので、全ての対策をするのは難しい。サイドボードに入れた1枚のせいで勝敗が変わることすらあります。

教訓:自分が不利な相手に、それ専用で対策し過ぎてしまうと、他のバランスが崩れる場合もある。俯瞰して冷静に判断しろ!

■井川さんの優勝

そして同じくカードラッシュ所属プロの井川さんが優勝!!!

井川さんは僕と同じくらい本当にマジックが大好きで、努力の人で練習を怠らず、真摯な人で、喜ばしい限りです。

おそらくリビングエンドの詳細レポートが来ると思うので期待しています♪

■おわりに

MTGdecks.netさんの出してくれた、先週末の各国の地域チャンピオンシップの結果を集計した内容です

特に勝率が高いのは、リビングエンド・青白コントロール・4色続唱(ドラコ力戦入り)です。日本でもリビングエンドは井川さんの優勝をはじめ、活躍していましたね。

僕は来週末にはプロツアーなので、それに向けて引き続き練習していきます!

それではまた。


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