MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【ジャパンオープンからスタンダードを分析!】

先週末、スタンダードの大型イベント「マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2023」が開催されました。

フォーマット はMTGアリーナでのスタンダード(BO3)で、578名が参加。《勢団の銀行破り》《鏡割りの寓話》《絶望招来》の禁止や、「エルドレインの森」発売により、新デッキが多数活躍しています。

この大会結果を元に、新しくなったスタンダード環境を分析していきます!

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■参考情報

大会ページ(MTG Melee)

■各デッキごとの勝率マトリクス

■優勝:白単人間 By Daisuke Nakamichi

インポートデータ

578名の頂点に立ったのは、白単人間!

1マナからクリーチャーを展開して攻めていくデッキで、《有望な信徒》は訓練によって成長しながら《解呪》能力を持ち、《徴兵士官》は土地の伸びる後半にリソースを確保してくれます。

スレイベンの守護者、サリア》は、相手が2マナ除去を構えているターンに出すことで相手の行動を制限したり、《アラーラへの侵攻》や《太陽降下のコストを重くして相手の強い動きを阻害します。

1マナ2マナと展開してからの《輝かしい聖戦士、エーデリンは打点が高く、生き残ればそのままゲームに勝つ性能なので、伝説のクリーチャーですが4枚フル採用。

離反ダニ、スクレルヴ》は人間ではないので《銅纏いの先兵の修正こそ受けませんが、呪禁で味方を除去から守る動きが強く、先攻の《離反ダニ、スクレルヴ》《スレイベンの守護者、サリアからの《輝かしい聖戦士、エーデリンは必勝パターンと言えます。

新セットから加入したのは《呪文書売り》と《忠義の徳目の2種。

呪文書売り》は、白アグロのエース《光輝王の野心家》に似た性能。マナはかかりますが「魔術師・役割」で自軍を強化して、攻撃時に占術1のオマケつき。

忠義の徳目》は2マナのクリーチャーとしてカウントしつつ、5マナで出すと継続的な強化なので、クリーチャーを横並べする白の性質に非常に合っています。実際に配信でも、《忠義の徳目により巨大サイズになったクリーチャーが攻撃していました。

クリーチャー・タイプが人間に寄ったデッキなので、《銅纏いの先兵》の全体強化と護法付与が強いです。2ターン目に《銅纏いの先兵》もしくは《スレイベンの守護者、サリア》、3ターン目に《輝かしい聖戦士、エーデリン》という動きで、エーデリンの生存率を上げる狙いがあります。

相手の視点からすると、《呪文書売り》《銅纏いの先兵》《スレイベンの守護者、サリア》はどれも除去したいクリーチャー。これらを除去された後に《救出専門家》という動きが強く、2マナのクリーチャーは3種類とも攻撃やブロックをしない状態でも能力を発揮してくれます。

サイドボードの《静寂の呪い》は珍しい採用ですが、おそらく《アラーラへの侵攻》や《太陽降下》など、5色ランプの重いカードを阻害する狙いでの採用だと思います。

クリーチャー除去の除去の増える相手に対してはサイド後に《ゴバカーンへの侵攻》と《婚礼の発表》で軸をずらす、パイオニアの白系デッキでもよる見る戦略ですね。《ゴバカーンへの侵攻は5色ランプ意識するならもう少し枚数が増えるかも知れません。

■準優勝:ゴルガリミッドレンジ By Kazutaka Naide

インポートデータ

除去と優秀なクリーチャーと、《ヴェールのリリアナとミシュラランド。新しいデッキなのにどこか懐かしい、少し前のラクドスミッドレンジや、昔のモダンの「ジャンド」を思い起こすデッキです。

眠らずの小屋は今回のミシュラランドサイクルの中で最も強く、4/4という屈強なサイズに加えて墓地追放と食物のオマケつき。《ヴェールのリリアナ》の「+1」でお互いの手札を0枚にしてから、ミシュラランドでライフを詰めていくのが、伝統的な黒ミッドレンジの戦い方です。

執念の徳目》は-3/-3のソーサリー除去なので、《喉首狙い》と比較して除去できる範囲は狭いものの、7マナまで延びる後半になればフィッシャーになれる性能があります。プレイ後は追放領域にいくので、これまた《ヴェールのリリアナ》の「+1」で手札を減らしていく動きと相性良し。

黙示録、シェオルドレッド》は、もはや語ることは少ない、生き残れば勝ちの、マジック史上最高の4マナクリーチャーです。

苔森の戦慄騎士》は除去されても「出来事」経由で再びプレイ可能な、後半にも役立つ2マナ域。

グリッサ・サンスレイヤー》は先制攻撃と接死により、戦闘では無敵の性能。攻撃が通ったらエンチャント破壊も出来るので、クリーチャーを除去しながら攻撃してエンチャントを破壊する動きも出来ます。

下水王、駆け抜け侯》は《苦花》が強化されたような性能で、放っておくと毎ターンネズミ生成でダメージが増えていきます。《下水王、駆け抜け侯》《墓地の侵入者》により、メインから無理なく墓地対策を出来るのも良い所です。

開花の亀》はマナを伸ばしつつ、ミシュラランドを強化してくれます。戦場に出た時点で仕事はしているので、相手が除去を構えているターンなら《黙示録、シェオルドレッドよりも《開花の亀》をプレイするなどの選択肢が生まれます。

眠らずの小屋》なら3マナ起動で5/5、《ミシュラの鋳造所なら1マナ起動で3/3と超強力な能力になるので、《開花の亀を出した次のターンに《眠らずの小屋》《ミシュラの鋳造所と攻撃して11点!

絶望招来》がスタンダードで禁止されたことにより、コストの重いプレインズウォーカーが再評価されています。

向上した精霊信者、ニッサ》はミッドレンジ対決で特に強く、「+1」で巨大なサイズのファイレクシアン・ホラーを生成。「-1」で《力線の束縛》や《婚礼の発表》を破壊します。

羅利骨灰》は《力線の束縛》や《婚礼の発表》を対処しながら、キッカーだと万能追放除去で便利な枠なので、白いデッキが増えるなら増量もありそうです。

危難の道》は、白単人間や赤単のようなアグロデッキに特に効くので、今後アグロデッキが増えるようなら枚数が増えていくでしょう。

■トップ4:白単ミッドレンジ By Hirotaka Kawasaki

インポートデータ

前環境のスタンダードから存在する白単ミッドレンジ。

軍備放棄》《骨化》で序盤を捌きながら、《婚礼の発表》《放浪皇》《永遠の放浪者》でトークンを展開し、粘り強くアドバンテージを取って戦うデッキです。

目を引くのが、4枚フル採用されている《キャンディーの道標》。

白単ミッドレンジは、《野心的な農場労働者》《永岩城の修繕の《平地》サーチ込みでマナ関連のカードが31枚と多めで、後半マナフラッドしやすいのが課題でした。

キャンディーの道標》は占術2で序盤は土地を揃えつつ、後半はマナフラッド解消。その上で《永岩城の修繕》の3章や《セラの模範》の能力で墓地からプレイできるので、白単ミッドレンジに非常に合ったカードと言えます。

ミシュラランドが多い環境なので、それを破壊する《廃墟の地もしっかり4枚採用。これも《永岩城の修繕》の3章や《セラの模範》の能力で墓地からプレイできるのが良いですね。

■トップ8:アラーラへの侵攻ランプ By Soichiro Kohara

インポートデータ

アラーラへの侵攻》を強く使うことを中心に構成された、ランプデッキ(※)です。(※ランプ=マナ加速からコストの重いカードをプレイするデッキの総称)

1.デッキ内のマナ総量4以下のカードを《木苺の使い魔》4枚と、喉首狙い》1枚のみに構成。これにより、《アラーラへの侵攻の効果で、確定で《木苺の使い魔》が公開されます。
2.公開された《木苺の使い魔》を、出来事の《初めてのお使いとしてプレイ。トップ7枚からクリーチャーかエンチャントを出して、これにより《墓所の冒涜者》を戦場が出た場合、墓地にある7マナのカードを追放して、《アラーラへの侵攻のカウンターを7つ取り除きます。
3.《アラーラへの侵攻》の裏面、《大渦の目覚め》をプレイ。相手のパーマネントを破壊しながら2ドローしつつ、《墓所の冒涜者》をコピーして、手札からアーティファクトを出し、+1/+1カウンターを3個割り振ります。ほぼ勝ちと言える盤面が出来上がります。

群れの渡り》は5色のマナベースを補助しつつ、自分から能動的に墓地に送れる7マナなので、《墓所の冒涜者の能力も使えるようになります。

アラーラへの侵攻》の効果の制約で、マナ総量4以下のカードをほとんど採用出来ないですが、マナ総量が大きくても序盤を動けるように工夫して構成されています。

力線の束縛》《執念の徳目は実際のコストは2マナでプレイできる除去。《執念の徳目》は、アラーラへの侵攻》を引けなかった場合に、7マナのサブのフィッシャーとして役立ってくれます。

大狸》は「魂力」のマナ加速で《アラーラへの侵攻を1ターン早めて、《鏡殻のカニ》は「魂力」で打ち消し。《岩枝のゴーレム》は、ライフを詰めてくるアグロデッキに対して「試作」でプレイして、回復と壁の役割。

大渦の目覚め》の効果でアーティファクトを出せるので、《岩枝のゴーレム》で6点回復出来れば、より盤石になります。

アラーラへの侵攻が決まるとド派手で爽快感のあるデッキなので、一度試してみてください!

■トップ8:エスパーミッドレンジ By Noine Kazuhiro

インポートデータ

最近は《離反ダニ、スクレルヴ》《スレイベンの守護者、サリアを中心にしたエスパー・レジェンズが主流でした。このデッキは黒の定番と思われた《黙示録、シェオルドレッドは0枚で、レジェンズ型よりも相手のターンに動くことを意識した、エスパー・フラッシュとも言える構成です。

それを実現しているのが《忠義の徳目》で、《かき消しを構えながら相手のターン終了時に動くのが実現しやすい。《策謀の予見者、ラフィーン》で3/3警戒にして攻撃する動きが強いです。

環境にミッドレンジやランプデッキが多かったので、《かき消し復活したアーテイ》と打ち消し呪文を構えることを優先して、重いソーサリーアクションでかつ《喉首狙い》に弱い《黙示録、シェオルドレッド》は不要、という構想で組まれているのだと思います。

■おわりに

「エルドレインの森」からは、この3つが特に活躍しています!

最近は《スレイベンの守護者、サリア》《ヴェールのリリアナなど懐かしの強カードを再録したり、使用期間を長くしたり、スタンダードを面白くしようとする気概を感じますし、実際ひと昔前のモダンに近くて面白い!

今週末には世界選手権でスタンダードの熱い戦いが見れるので、要チェック!


それではまた。


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