MTG │ コラム │ 高橋優太【《フェアリーの黒幕》ができるまで】
Here is my invitational card🧚♀️
Playable in Legacy,Vintage.
Work on Commander as well✨
So I hope people will play my card.世界選手権優勝により、次のセットでカード化されました🧚♀️
みんな使ったり除去したりしてね✨ pic.twitter.com/f6m0HkCTs0— Yuta Takahashi (@Vendilion) February 19, 2023
本人に似すぎ!という反応が多くて嬉しいです。
僕自身も最初に来たイラストを見た時は似すぎて爆笑しました。第一印象で皆が笑顔になれば良いと思ったので、このイラストはとても気に入っています。
MTGの世界選手権優勝者には、自身をモチーフにしたカードが作られるという特典が与えられます。今回は、僕自身がカード化されるまでの話を書いていきます。
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
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■過去のインビテーショナル/プレイヤー・スポットライト・カード
過去にはインビテーショナルという大会があり、
Bob Maherがデザインしたボブこと《闇の腹心》や、Chris Pikulaの作ったピキュラこと《翻弄する魔道士》は、今でもモダンで姿を見かけますね。
インビテーショナルが開催されたのは1998年から2007年で
《宝石の洞窟》に関しては、殿堂表彰者の藤田剛史さんが原案のデザインで、
僕以外にも、既に世界選手権優勝者がカード化されており、
ハビエル(Javier Domínguez)こと《熱烈な勇者》と、PV(Paulo Vitor Damo da Rosa)こと《精鋭呪文縛り》は、
プレイヤーがカード化されたものの中で、
これらの共通点として言えるのは、「マナコストが軽い」「
■マナコスト・色を決める
僕自身がカード化される際、Wizards of the Coastのスタッフとデザインについて話し合う場が設けられました。
スタッフに言われたのは「どんな色でも能力でも好きに決められるよ。しかしテストプレイをして、強過ぎたら変更するよ」というものでした。なんて寛容!
カード化される機会なんて一生に一度しかないだろうし、なるべく強く作ってみんなに使ってもらいたいので、過去のインビテーショナルカードを参考に「マナコストが軽い」「色マナがシングルシンボル」を必須条件としてコストと色を考えました。
僕はモダン・レガシー・ヴィンテージなど、昔のカードが使えるフォーマットが好きなので、そこで自分のカードが活躍できるようにしたい!
それなら、青である事は絶対条件です。自分のカードを代用コストにして、《否定の力》や《意志の力》を使いたいからです。「俺を生け贄(追放)に《意志の力》をキャスト!」って言いたい。
また、レガシー・ヴィンテージを見据えるとしたら、使われるラインは2マナです。昔のカードが使えるフォーマットほど高速環境なので、2マナと3マナの差はあまりにも大きい!ヴィンテージで各種《Mox》から1ターン目に出すことを考えたら、マナコストは(1)(青)に決定です。
■能力を決める
マナコストを決めたら、次は能力です。
僕のプレイスタイルは打ち消し呪文と瞬速で、
「瞬速は絶対に欲しい」とスタッフに伝えたところ、
(1)(青) 2/1 |
自分のカードを除去に対応して戻しながら、
これは全てのフォーマットで強そう。と言うか、
そんなことを考えていた数日後、スタッフから連絡が来ます。
「テストしたけど対象に出来る範囲が広すぎて、強すぎたわ。
強すぎるよね、納得の変更です。
そこで他の候補から選び直し、再びスタッフと話し合います。
(1)(青) 1/3 |
現在の《フェアリーの黒幕》にかなり近いデザインです。
ヴィンテージなら相手が《Bazaar of Baghdad》を起動するたびに1枚引けますし、《
その数日後、再びスタッフから連絡が来ます。
「テストしたけど、1/
スタンダードに収録されるカードということもあり、1/
瞬速はどうしても欲しかったので、サイズは2/1に変更。
カード名は、英語名で「フェアリーマスター」
《フェアリーの黒幕》の能力を決める上で、
《神秘的負荷》《リスティックの研究》
《船殻破り》は統率者で禁止されており、その理由は《
過去の禁止例を参考にして、
《フェアリーの黒幕》
かつて僕がモダンで愛用していたフェアリーデッキで、《
自分が好きだったデッキに、
■完成
こうして、高橋 優太こと《フェアリーの黒幕》は完成したのでした。
自分がカード化されることは、一生に二度ない…いや、普通は一回すらない貴重な経験であり、自身がマジックの歴史の一部になることを意味して、僕にとっては「歴史の教科書に載った」「銅像が建てられた」ことと同じくらいの最高の栄誉です!
《稲妻》を撃たれたり、格闘されたり、《サメ台風》トークンでサメに食われる《フェアリーの黒幕》を見るのが、今から楽しみです。
みんな、《フェアリーの黒幕》を使ってね♪
それではまた。