MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【今ハムスターがアツい!最近のレガシーデッキ特集】
今まではマジックオンラインに未実装だったのですが、「団結のドミナリア」発売と共に《時を超えた英雄、ミンスクとブー》《狂乱の呪詛》が使えるようになりました。
この2つは特にレガシーへの影響が大きく、大会結果を見ても上位入賞が目立ちます。今回は、レガシーのデッキを紹介する記事です。
■参考情報
9月18-19日にマジックオンライン上で開催されたレガシーチャレンジの結果を参考にしています。
レガシーチャレンジ(9/18)
レガシーチャレンジ(9/19)
■4色ミンスクヨーリオン
4色ミンスクヨーリオン(9/19レガシーチャレンジ優勝) | |
---|---|
デッキリスト | |
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 1:《カラカス/Karakas》 4:《霧深い雨林/Misty Rainforest》 2:《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》 3:《汚染された三角州/Polluted Delta》 4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》 1:《冠雪の島/Snow-Covered Island》 2:《Taiga》 2:《Tropical Island》 4:《Tundra》 1:《Volcanic Island》 2:《不毛の大地/Wasteland》 30 Lands 4:《忍耐/Endurance》 |
4:《渦まく知識/Brainstorm》 1:《花の絨毯/Carpet of Flowers》 4:《表現の反復/Expressive Iteration》 1:《否定の力/Force of Negation》 4:《意志の力/Force of Will》 1:《壌土からの生命/Life from the Loam》 4:《時を超えた英雄、ミンスクとブー/Minsc & Boo, Timeless Heroes》 4:《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》 4:《思案/Ponder》 4:《虹色の終焉/Prismatic Ending》 3:《紅蓮破/Pyroblast》 4:《剣を鍬に/Swords to Plowshares》 2:《森の知恵/Sylvan Library》 2:《終末/Terminus》 42 other spells 1:《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》 |
今レガシーで最も注目されているのが、《時を超えた英雄、ミンスクとブー》。
「+1」でブー・トークンを強化して4/4速攻トランプルで攻撃するため、相手のプレインズウォーカーに対して非常に強いです。この4/4というサイズも絶妙で、相手の《忍耐》を乗り越えたり、攻撃せずに《時を超えた英雄、ミンスクとブー》を守りやすいです。
「-2」で4/4になったブー・トークンを生贄に捧げれば、4点火力に加えて4枚ドロー!「+1」からの「-2」の流れが非常に強力で、これだけで多くの盤面を解決できます。
ブー・トークンを除去したとしても毎ターンアップキープに出てくるので、単純なクリーチャー除去だけでは対処が困難です。
4/4速攻トランプルで攻めも守りも備えており、「-2」で4点火力4枚ドローすれば大きく有利になるので、実質1ターン守れば勝ちの超強力なプレインズウォーカーです!
この《時を超えた英雄、ミンスクとブー》をゴールに据えて、各色の強力なカードで盤面を捌くコントロールデッキが、直近のレガシーチャレンジで優勝しました。
このリストは前の週のレガシーチャレンジでも優勝しており、いかに《時を超えた英雄、ミンスクとブー》が強いかを結果が物語っています。
序盤を捌くのは、定番の白除去。
《虹色の終焉》は、比較対象として多色デッキで強い《力線の束縛》があります。しかしレガシーでは《秘密を掘り下げる者》《ドラゴンの怒りの媒介者》など1マナの強いカードが多く、それらを序盤から除去できる《虹色の終焉》の方が優れています。
《終末》は《思案》や《渦まく知識》を経由することでライブラリートップに積んで奇跡出来て、一度使用した後に《神秘の聖域》で戻すことで再度奇跡出来ます。横並べに対して強いのはもちろん、破壊不能や呪禁といった除去耐性を無視して全体除去が出来ます。
イゼットの定番である《表現の反復》を《神秘の聖域》で回収するのも長期戦で強いため、《神秘の聖域》は2枚採用されています。
このリストからは、呪文やパーマネントや墓地、そしてドローと、相手の全てをコントロールしたいという意思が感じ取れます。
《覆いを割く者、ナーセット》は相手の追加ドローを阻止して、除去や《時を超えた英雄、ミンスクとブー》を状況に合わせて探し出します。
墓地を使うデッキには《忍耐》。レガシーは墓地を参照する能力が多いので、どのデッキにも何かしら効きますし、3/4到達というサイズがイゼットデルバーに強い!
最近は青いデッキの上位入賞が多いため、メインから《紅蓮破》《花の絨毯》で対策しています。
このデッキは《空を放浪するもの、ヨーリオン》で明滅して嬉しいパーマネントは《覆いを割く者、ナーセット》《時を超えた英雄、ミンスクとブー》の忠誠度回復と《忍耐》程度で、そこまでヨーリオンとシナジーがあるわけではありません。
デッキ内の青いカードのカウントが80枚中25枚と、《意志の力》を代用コストでプレイするのに少なめな枚数なため、青いカード1枚の確保という役割があります。
60枚デッキで収まるようにすると、《神秘の聖域》2枚採用や他のカードの枚数バランスもかなり難しそうです。
ただデッキが80枚なことによるランダム要素で不安定性は上がるので、メリットばかりとも言い難い。後で60枚のリストも紹介します。
サイドボードの《水流破》は、《時を超えた英雄、ミンスクとブー》《狂乱の呪詛》という赤くて強いパーマネントが出たことにより注目されています。
相手の《紅蓮破》《表現の反復》にも強いので、今ならサイドに2-3枚は採用したいですね。
《イゼットの静電術師》はエルフやデス&タックスなどクリーチャーを横並べするデッキに強いサイドカード。
レアケースではありますが、速攻持ちなので《時を超えた英雄、ミンスクとブー》の「+1」で強化して殴ることもあります。
■URデルバー
URデルバー(9/18レガシーチャレンジ優勝) | |
---|---|
デッキリスト | |
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 1:《島/Island》 2:《霧深い雨林/Misty Rainforest》 1:《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》 2:《汚染された三角州/Polluted Delta》 2:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》 1:《蒸気孔/Steam Vents》 4:《Volcanic Island》 4:《不毛の大地/Wasteland》 19 Lands 1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower》 |
4:《表現の反復/Expressive Iteration》 4:《思案/Ponder》 4:《渦まく知識/Brainstorm》 4:《目くらまし/Daze》 4:《意志の力/Force of Will》 4:《稲妻/Lightning Bolt》 2:《紅蓮破/Pyroblast》 2:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》 28 other spells 2:《紅蓮破/Pyroblast》 |
以前としてメタゲームのトップを走り続けるイゼットデルバー。
1カ月ほど前は《秘密を掘り下げる者》抜きで《帳簿裂き》型もあり僕自身も回していましたが、最近の結果はほぼ《秘密を掘り下げる者》型に戻って来ました。
このデッキの一番強い動きは1マナクリーチャー連打→《不毛の大地》→《目くらまし》なので、軽く動けるマナ効率の良さが重要になるからです。
最近のマジックオンラインの大会結果では《ミシュラのガラクタ》《紅蓮破》を2枚ずつのリストが多く、このリストがイゼットデルバーのテンプレになっています。
《ミシュラのガラクタ》は昂揚達成したり、自身のライブラリートップの確認で《秘密を掘り下げる者》の変身確率を上げたりと器用ですが、多く引きすぎるとドロー要素としては弱目なので2枚。
《狂乱の呪詛》は出れば強いのですが、イゼットデルバーはマナ効率の良さが大事なデッキなので、3マナのコストが重く複数採用が難しいカード。
また最近は《水流破》の採用が増えている事もありそこまで多くは採用されていません。
■赤単プリズン
赤単プリズン(9/19レガシーチャレンジ7位) | |
---|---|
デッキリスト | |
4:《古えの墳墓/Ancient Tomb》 4:《裏切り者の都/City of Traitors》 1:《バグベアの居住地/Den of the Bugbear》 5:《山/Mountain》 1:《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》 15 Lands 3:《エインジーの荒廃者/Anje’s Ravager》 |
4:《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》 3:《死亡+退場/Dead+Gone》 4:《虚空の杯/Chalice of the Void》 4:《金属モックス/Chrome Mox》 2:《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse》 4:《血染めの月/Blood Moon》 4:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》 25 other spells 1:《削剥/Abrade》 |
《古えの墳墓》《裏切り者の都》の2マナ土地、そして《金属モックス》《猿人の指導霊》によるマナ加速から妨害カードを展開。プリズンは牢獄の意味で、相手の行動を牢獄のように制限するデッキです。
マナコストが1に寄ったデッキが多いレガシーでは《虚空の杯》X=1が強く、デッキによっては先手1ターン目《虚空の杯》X=1で手札全部を無効化なんて事も起こります。
フェッチランドやデュアルランドなど特殊地形が多用される環境なので、どのデッキも基本地形が少な目で、《血染めの月》で赤マナしか出ず手札を全く使えない事もしばしば起こります。
妨害パーマネントで相手の動きが遅くなった間に、クリーチャーで攻めて行きます。
スタンダードでお馴染みの《鏡割りの寓話》は、レガシーでも大活躍。赤単プリズンは相手によって必要なカードが大きく変わるので、不要な除去などをドローに変えられる2章が特に強いです。
《金属モックス》《猿人の指導霊》によるマナ加速で手札の消費が激しいデッキなので、《エインジーの荒廃者》のドローで手札を補充。《鏡割りの寓話》の2章でマッドネスでプレイする事も出来ます。
《再鍛の刃、ラエリア》は毎ターンライブラリートップからリソースを供給しつつサイズアップ。伝説のクリーチャーですが、除去されなければそのまま勝つ性能であり、除去された後に2体目を出すのも強いので4枚フル採用されています。
そして新採用のイニシアチブ持ち《混沌の洞窟の冒険者》。
ダンジョン《地下街》に入ることで《山》をサーチして、次のアップキープに+1/+1カウンター2つで7/5トランプル。2回攻撃して14点与えつつ本体に5点で、なんと単体で19点ライフを削ります!
除去されたとしてもイニシアチブで継続してアドバンテージを獲得できて、相手からの攻撃は《砕骨の巨人》や《激情》で守ってイニシアチブを維持しやすい!赤単プリズンというデッキに非常に合っています。
《虚空の杯》を使う関係上1マナのカードを採用しにくいですが、《死亡+退場》は応用の効く1マナ除去で、《退場》なら《虚空の杯》X=1に引っかからない上に《濁浪の執政》バウンスなどで役立ちます。
《未認可霊柩車》は、レガシーが墓地を参照する能力が多いのでメインでも何かしら効きやすいです。クリーチャーが多いデッキなので搭乗しやすく、巨大なサイズで殴って行きます。
《髑髏砕きの一撃》はマナが余る後半に除去として使えるのはもちろん、《金属モックス》で刻印できる土地のスロット。土地が多い初手だと《金属モックス》が刻印できない事がありましたが、《髑髏砕きの一撃》がそれを緩和しています。
■4色ミンスクコントロール
4色ミンスクの60枚のデッキリストも上位入賞しており、軽く紹介します。
80枚の4色ミンスクはデュアルランド全開で全ての色のパワーカードを使う都合、相手の《不毛の大地》や《血染めの月》といった特殊地形対策を受けやすいです。
この60枚の4色ミンスクは基本地形+《豊かな成長》のマナベースで、特殊地形対策により耐性があります。コントロールデッキは序盤《不毛の大地》されたくないですからね。
しかし《森》《平地》が多いと《神秘の聖域》が使いにくくなるので、長期戦を見据えて《神秘の聖域》を採用するか、もしくは序盤の《不毛の大地》をケアして基本地形にするかという天秤になります。
■おわりに
最近注目されている《時を超えた英雄、ミンスクとブー》を中心に、レガシーのデッキを紹介しました。
ミンスクは戦場に出た時にトークン生成能力が誘発するので、忠誠度3のタイミングで優先権が発生して《稲妻》で倒す事が出来るのは覚えておきましょう。
またミンスクを倒せる《水流破》も、今後サイドボードで2-3枚使われて行きそうです。
ブー・トークンは伝説のクリーチャーなので、《カラカス》のバウンスでも対処できます。この3つは特に使用する機会が多そうです。
それではまた。