MTG │ 新弾レビュー │ 高橋優太【カルドハイム】

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今回は新セット「カルドハイム」から注目カードを紹介して行きます。

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■白

全体除去は軽さが重要で、後手4ターン目の《空の粉砕》と異なり、3ターン目《ドゥームスカール》なら、ダメージを受けすぎて負けといった状況が減ります。

ただしトップデッキした場合は1マナ重く、3ターン目に引いた場合にも、予顕してようやく《空の粉砕》と同じ4ターン目に唱えられるようになるため、決してメリットばかりではありません。

それでもやはり強力なカードに違いはありません。これまでの3マナ全体除去は《バントゥ最後の算段》がありましたが、それと比較しても《ドゥームスカール》はデメリットが薄く、使いやすい呪文に見えます。モダンもワンチャンス。

クリーチャーのスペックも随分上がったと感じる性能。今回で実用レベルの軽い天使が増えたので、白単天使アグロが組めるか?

現時点でのルーン呪文はイマイチですが、この手のカードはサーチ先が増えれば増えるほど強くなります。
本体が3マナ2/3でカードを損しないので、強いルーン呪文が出るかは今後に期待。

今では信じられないかも知れませんが、《石鍛冶の神秘家》も《饗宴と飢餓の剣》が出るまでは500円レアでした。

1ターン目にサイクリング持ちのクリーチャーを捨てて、2ターン目に出せるとそこそこ強い。パウパーに影響を与えるかも。

コスト軽減能力は、《サファイアの大メダル》などのカード名から取って「メダリオン」と呼ばれます。

エンチャント・アーティファクト系のメダリオンはかなり希少。《師範の占い独楽》を0コストに出来るので、ライブラリートップに戻る能力と《未来予知》で無限ドロー出来ます。

構築でもオーラ系デッキなら実用レベル。

■青

スタンでは《運命のきずな》以来の追加ターン。今はマナコストを無視するカードも無く、《アールンドの天啓》はプレイ後に追放されるので墓地回収も出来ないので、悪用は出来なそう。

追加ターンが強いタイミングは、継続して攻撃出来る場面やプレインズウォーカーをコントロールしている状況です。プレインズウォーカーが沢山入ったコントロールに2枚程度入るかも。

かなり好きなカードが再録されました。《無効》は1マナと言う軽さから特定のデッキに対して非常に良く効くサイドボードです。

運命の大立者》《始まりの木の管理人》を彷彿とさせる、成長型能力。1→2→3→4と起動すれば6/6飛行でドロー付き、1体で勝てる性能です。

「大立者」「管理人」の2つはスタンダードで良く使われましたが、それは混成マナにより使えるデッキが多かったことが理由です。

対して《隆盛するスピリット》は氷雪マナ要求なので、多色よりも単色デッキ向けの性能。《隆盛するスピリット》を上手く使うなら土地は全部氷雪にしたいですし、タップイン土地も少なくしたい。多色デッキでは2色土地やトライオームを採用するため、《隆盛するスピリット》の起動が現実的では無いです。

隆盛するスピリット》自体はとても強いですが、実質氷雪青単向けのカードだと考えているので、今後青単が成立するかを追って行きたいですね。

条件付きとはいえ、青に1マナの除去が登場、マジックの歴史が変わった瞬間です!

マジックはレガシーやヴィンテージに行くほど、コストが青マナである事の価値が上がります。《意志の力》《否定の力》のコストになるからです。

死儀礼のシャーマン》《秘密を掘り下げる者》《戦慄衆の秘儀術師》に対して除去に近い動きを出来るので、意外と下環境でも活躍するかも。

パウパーでも良さそうなので、《怪物縛り》には期待しています。

これもナイス再録。過去に《軽蔑的な一撃》はサイドカードでしたが、同じくサイド常連の《否認》との違いは環境に4マナ以上の強いクリーチャーが多い時です。

今のスタンダードはコスト4以上のカードが特に強く、重いカードが入りづらいアグロデッキにも、《探索する獣》《意地悪な狼》《グレートヘンジ》《エンバレスの宝剣》など、4マナ以上のゲームを決めるカードが多く採用されています

軽蔑的な一撃》は環境に合っており、今後はメイン採用も増えそう。

打ち消し呪文のマナを構えてターン終了したいという、コントロール使いの願望を体現したようなカード。

相手が動いたら打ち消して、動かなかったら《彫像の伝承》。占術3くらいでも十分強いドローなので、青黒や青白のコントロールデッキで見かけそう。

はらわた撃ち》《変異原性の成長》などの0マナのファイレクシア呪文で味方クリーチャーをコピーするのが強力。

意外な授かり物》《Wheel of Fortune》などで手札から捨てられた時でも誘発するコピー能力を持つため、統率者でも強そう。

青でクリーチャーやアーティファクト除去はかなり珍しい。

ソーサリーでトークンを与えるデメリットもありますが、たまにサイドボードで見かけるかも。パウパーでもアリ。

選ばれたクリーチャータイプの呪文を唱えるので、タール火》などの部族インスタントでもコピーされます。「多相」を持つクリーチャーなら必ず増えます。

リトヤラの反射》はシングルシンボルなのでタッチしやすくデッキ構築の幅を広げるカード。タッチ青ゴブリンなどもアリかも。

3マナの打ち消し呪文を2回に分けて4マナ払うのは、そこまでお得な予顕には見えません。

土地事故を防止出来る点から見て《中和》の方が優先かなと。

■黒

墓地から戻す能力は対象に取っているわけではないので、全体除去で墓地に落ちたパーマネントを戦場に戻す事が出来ます。

氷雪マナを3つ以上払えれば十分で、《雪上の血痕》はかなり強い全体除去だと思います。ただ重いので2枚くらい、役割としては《エルズペス、死に打ち勝つ》に近い。

絶滅の契機》《影の評決》とどちらを優先するかは環境次第。自分が種族デッキだった場合にメリットあり。

相手のクリーチャーが持つ「これが死亡したとき○○」の能力を防げますね。ウーロやクロクサの通常プレイ(非脱出時の)も追放出来ます。

スケムファーの報復者》のように、横並べ後の全体除去に耐性を与える能力は部族デッキに合っています。周りを固める1-2マナ域のエルフや狂戦士が居ればなお良し。

統率者レジェンズの《林間の茨、ミアーラ》デッキにぜひ入れたい。

全体除去枠としては《絶滅の契機》《影の評決》を優先しそう。インスタントなので、打ち消しを構えるようなデッキならアリかも。

■赤

クリーチャーの性能もここまで上がり、3マナ3/3速攻にメリット付き。

かつて《グルールの呪文砕き》もスタンダードで良く見ましたし、《傷頭のアーニ》も構築レベル。2体走らせたいから伝説のクリーチャーでない方が良かった!

2マナ2/2で先制攻撃、更に後半マナフラッドしたときにはドラゴンを出せる便利な1枚。アグロデッキの2マナ域としては十分な性能なので、4枚使うカードだと思います。

クリーチャーとプレインズウォーカーに撃てて、軽くて使い勝手の良い除去。スタンダードでよく使われるでしょう。

呪文の対象になったときに宝物で2マナを構えられるので、《否認》などで守れれば最高。

相手のエンド時に《砕骨の巨人》を撃ちこんでマナブーストするような使い方も一応できますが、4/4飛行が複数回殴っているようなら十分有利な状況なので、オーバーキル感あります。

能力の対象になったときは宝物が誘発しないので、《エルズペス、死に打ち勝つ》《アクロス戦争》などに弱い欠点もあり。

かつて同じ5マナ4/4飛行速攻の《栄光をもたらすもの》はスタンダードの環境定義でしたが、《スカルガンのヘルカイト》はイマイチでした。

僕の評価としては《スカルガンのヘルカイト》よりは強いが、《栄光をもたらすもの》までは行かないかなと。デッキに2枚くらいのカードだと思います。

最後数点のライフ押し込み能力に長けた巨人。《揺れ招き》が墓地に居ても場に《砕骨の巨人》が居れば誘発してダメージを与えます。

しかし同セットに《黄金架のドラゴン》が居るため、マナ域が同じ《揺れ招き》にとっては厳しい5マナ争いになりそう。

珍しい赤の打ち消し呪文。自分の0マナの呪文に対して《ティボルトの計略》して、運が良ければ《引き裂かれし永劫、エムラクール》も唱えられます。

統率者なら全て1枚なので、相手の致命的な呪文に《ティボルトの計略》を使って弱い呪文に変えるという使い方も。

■緑

緑の2マナで+2/+2到達付与するオーラは、今までにないデザインです。

緑の入ったオーラデッキや、パウパーの呪禁オーラで見かけるかも。

機体という除去耐性を持ちながら2/2猫を2体生成。攻撃する度に猫トークンを生み出すため、相手視点では即相討ち、即除去する必要があります。

4マナ以上のパーマネントに求められている「除去耐性」「2ターン放置したら負けるプレッシャー」を持っており、《エシカの戦車》は構築でも十分通用するレベル。

「戦場に出た時にエンチャント・アーティファクト破壊」系統は3マナが主流でしたが、《仮面の蛮人》は2マナ。《緑の太陽の頂点》《召喚の調べ》などのクリーチャーサーチ呪文を使う時に、この1マナの差は大きいです。

ただしこの手のカードに求められる、相手の《虚空の力線》を破壊したい点がクリアできないのが問題。
総合バランスで見た時に《再利用の賢者》《秋の騎士》が優先されそう。

コモンになったおかげでパウパーでも使えるのは強い。

死亡した時に森に変わってマナを生み出すトロール。ファンタジー感ある能力で良し。

単純に性能が高く、4/4を2回出してもマナブーストしても良し。緑単専用と言えるマナコストですが、デッキに4枚入るカードだと思います。

氷雪マナクリーチャー。パワーが2あるマナクリーチャーはアタッカーとしても機能するので、《冬を彫る者》はスタンダードでも通用する性能だと思います。

クリーチャーの少ない青系コントロールには1枚で良く効くサイドボードになるかも。

サメ台風》の2/2でブロックされる?…ダメか。

能力全てがエルフに関与しており、エルフデッキ専用と言えるプレインズウォーカー《タイヴァー・ケル》。

[+1][0]の能力が盤面に与える影響が少ないため、常在型能力によるマナ加速がメインの使い方になると思います。

忠誠度も3と低めなので、[0]でタイヴァー自身を守ることになるでしょう。4ターン目《タイヴァー・ケル》で、5ターン目にコストの高い呪文を使いたい。

今のスタンダードでは緑が強く、その一番の理由は《グレートヘンジ》です。

巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》は緑の《グレートヘンジ》の置き合いに大きく影響を与えそうな能力。相手の《グレートヘンジ》により+1/+1カウンターは0個に、自分の《グレートヘンジ》により+1/+1カウンターは2個になります。

単純に6マナ6/6速攻トランプルでも及第点で、《ギャレンブリグ城》での早出しも狙えます。デッキに2枚くらいは見かけるようになりそう。

■多色

3マナ2/3威迫で次のターンの攻撃で1ドローが付与。《ティマレット、死者を呼び出す》と同程度の性能があると思います。

狂戦士シナジーが多ければなお良し。

ヘラルド、エルフを統一する》は1章能力でエルフかタイヴァーを戦場に戻すことができます。つまり多相を持つクリーチャーも戻せるので、《霜のモーリット》を戻すことができ、これを利用してループが発生します。
手順は以下の通り。

1.墓地に《霜のモーリット》を2枚用意する。
2.《ヘラルド、エルフを統一する》で《霜のモーリット》Aを戻す。《霜のモーリット》Aで《ヘラルド、エルフを統一する》をコピー。
3.コピーした《ヘラルド、エルフを統一する》で《霜のモーリット》Bを墓地から戦場に戻す。氷雪であり伝説である特性を持っているため、《ヘラルド、エルフを統一する》になった《霜のモーリット》Aと《霜のモーリット》Bの片方が伝説ルールで墓地へ。
4.過程の2と3を繰り返して自分のライブラリーを任意の回数切削。最後は手札から《タッサの神託者》で勝利。

これに限らず《限りないもの、モロフォン》など多相を持つクリーチャーも戻せるので様々なコンボが狙えそう。もちろんエルフデッキで使っても良い能力です。

[-3]で盤面は触れますが、[+1]能力は盤面干渉がほとんど無いため、イマイチ。

デカイクリーチャー枠に見えて、破壊不能やタップ+起動方能力無効と器用な《星界の大蛇、コーマ》。
最初のアップキープ誘発にスタックで《無情な行動》されてしまうのは難点ですが、場に残れば1体でゲームを掌握する性能があります。各アップキープ誘発なので、コーマの分体と合わせて強大なクロックが増えて行きます。

各アップキープで誘発する点は多人数戦でも強いので、統率者指定したくなるクリーチャーです。

インスタントタイミングで氷雪マナで帰ってくる能力がかなり強く、追放除去以外では対処出来ません。

何かしら手札から《背信の王、ナーフィ》を捨てて3ターン目の復活を狙いたいですね。《入念な研究》《信仰無き物あさり》のような引いて捨てるカードや、今回再録された《巧みな軍略》と組み合わせたい。

[-1]の除去能力は1回攻撃されている場なので、除去性能としては信頼できず、また忠誠度も低い為アグロデッキに弱いプレインズウォーカーだと思います。

「破片トークン」は性質としてはイニストラードの「手がかりトークン」に近く、マナの余る後半や消耗戦で強いです。《ニコ・アリス》手札の枚数差が大事な、コントロールデッキの同型対決で活躍しそう。
サイドボードのカードの印象です。

領界喰らい、サルーフ》は相手のフェッチランドでも誘発するので、対戦相手の多い統率者で活躍する能力。統率者指定しても良し。

3マナでマナリスを増やせるので、アンタップするカードと組み合わせれば、何かしら無限コンボが出来そうな気がします。

思い付いたら教えてください!

■土地

3マナでパワー4の打点はミシュラランド界でもかなりの上位。

隆盛するスピリット》と共に、青単で氷雪アグロを組んでみたくなるカード。4枚入りそう。

僕は打ち消しを構えてターン終了する青白コントロールが大好きですが、《イストフェルの門》は全国の青白コントロールが泣いて喜びそうな土地。

コントロールデッキは土地事故が負けに直結するので27-28枚土地を入れますが、マナフラッドを防ぎつつライフ回復も出来て土地枠でもある《イストフェルの門》は最高。

今回のこの土地サイクルはとても強いと思うので、相手の土地に干渉できる《ノットヴォルドの眠り塚》にも出番がありそう。

同じ理由で《廃墟の地》も評価アップ。

また、土地サイクルは全てタップインなので、序盤のタップインが弊害になるアグロデッキよりも、ミッドレンジやコントロールの方が使いやすいです。これらのカードはそういった中速以降のデッキに合致します。

赤黒はアグロの色なのでタップインは避けたい。しかし《イマースタームの髑髏塚》はそれを差し引いても火力として優秀。

■両面

両面カードは全体的に強い印象です。

伝説のカードは複数引いたときに出せないデメリットがありますが、両面カードで異なる名前でプレイすれば共存できるようになりました。

デッキに4枚入れる事を肯定しており、良いデザインです。

ハルヴァールは表の4マナ4/4で2段攻撃付与し、装備品としても除去耐性を付与。

クリーチャーとしても装備としても優秀で、赤白装備品アグロに4枚入りそう。

死の神、イーガン》はターンごとの墓地の要求枚数がかなり多いため、3ターン以上維持することは難しそう。

黒いアグロデッキなら、除去されてしまったクリーチャーを《死の玉座》でアドバンテージに変えられますが、今は《ロークスワイン城》かなと。

軽いドロー呪文が強いモダンやレガシーで活躍しそうな能力。マナとドローを繰り返すストームデッキにぴったり。

攻撃した時に《荒野の再生》と考えると強いのでは?

裏面の《霧氷杖、カルドリング》の能力も強いので、スゥルタイでインスタントを軸にしたデッキを組んでみたくなります。

■おわりに

僕のおススメはこの3つ!

今回は熱い氷雪押し!氷雪テーマはどこまで実用レベルなのか気になります。
ひとまず自分のお気に入りの氷雪基本地形を揃えるところから始めます。MTGアリーナでリリース後にまだ記事を書くつもりですので、そちらもよろしく。

それではまた。


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