MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【スポットライトシリーズの結果から見るスタンダード】

今年もラッシュメディアで記事を寄稿して行きますので、よろしくお願いします。

さて、1月3日~5日の期間で、スタンダードの大規模な大会、マジックスポットライトシリーズがアメリカのアトランタにて開催されました。

「マジックスポットライトシリーズ」は、5万ドルの賞金とプロツアーの権利が与えられる新たな競技イベント。
誰でも参加できる2日制のオープンイベントで、2025年はアメリカで5回、ヨーロッパで2回、日本で1回開催され、トップ8賞者にプロツアーの権利が与えられます。

かつてのグランプリのような大会が戻って来た!!!今回はこの大会で入賞した、スタンダードのデッキを紹介して行きます。

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■参考情報

スポットライトシリーズ詳細(イゼ速)
Magic Spotlight: Foundations – SCG CON Atlanta(MTGMelee)

参加者1453名と、年始にも関わらず盛り上がっていますね。
日本で開催されるスポットライトシリーズにも期待。

■優勝:グルール力戦アグロ

【アリーナインポート】

1453名の頂点に立ったのは、グルール力戦アグロ!
残響の力線》が初手に来たときの爆発力が随一で、上手く回れば最速2ターンで相手のライフ20点を削り切ります!

例えば《残響の力線》がある場で、《騒音の悪獣》を対象に《裏の裏まで》をプレイ。
力戦によって《裏の裏まで》がコピーされるのでパワーが7になり、攻撃で7点。戦闘後に《無感情の売剣》の出来事によって7点、《騒音の悪獣》の死亡誘発能力によって7点で、合計21点のダメージ!《心火の英雄》でも同様に動いて24点ダメージを与える事が出来ます。

騒音の悪獣》《心火の英雄》《熾火心の挑戦者》《精鋭射手団の目立ちたがり》の4つともクリーチャー強化呪文との相性が良く、クリーチャー連打して行って、どれかが生き残れば大ダメージを狙って行けます。

クリーチャー強化呪文。
巨怪の怒り》はトランプル付与でブロッカーを貫通。
裏の裏まで》はパワーを上げて相討ちしつつ戦慄予示で次のクリーチャーを用意できるので、《騒音の悪獣》《心火の英雄》の死亡誘発能力と相性が良いです。
1体さえ守り切れれば大ダメージを狙えるので、《蛇皮のヴェール》の使い方が大事で、これを構えられるまでクリーチャーを展開しないプレイも起こります。
過剰防衛》は呪禁とトランプルを同時に付与してくれるので、最後の一押しに。

メインデッキはクリーチャーと強化呪文で爆発力を重視していますが、サイドボード後は相手の除去が増えやすいので、除去に強いカード選択がされています。
脚当ての補充兵》は新生化で出すのが主な使い方で、2体並べつつ除去されても味方に+1/+1を乗せるので単体除去に耐性があり、特に黒に強いです。
このカードを意識するなら全体除去も必要になって行くでしょう。

亭主の才能》が出ている事でクリーチャーのほとんどが除去必須になり、マナの余る後半ではレベル3も強いです。

そして《探索するドルイド》。赤アグロは初動が早いため《切り崩し》《塔の点火》などが必須ですが、《探索するドルイド》はそういった軽量除去を構えている相手に対して出来事でプレイするのが本当に強く、グルールと言う色を選択する理由になっています。1マナが多いデッキほど、出来事でプレイしてもトップ2枚をプレイしやすいので、このデッキにピッタリです。

■準優勝:ディミーアエンチャント

【アリーナインポート】

この1週間で急激に増加したのが、この《望み無き悪夢》《逃げ場なし》を手札に戻して再利用するデッキ!
もともとはエスパーピクシーとして出てきましたが、土地からのダメージが多い事、白のカードがそこまで重要ではない事から、ディミーアタイプになって活躍しています。

逃げ場なし》を《孤立への恐怖》や《この町は狭すぎる》で回収する動きがアグロに強く、《逃げ場なし》の呪禁無効化効果が《蛇皮のヴェール》や《過剰防衛》に効く!
嵐追いの才能》のレベル2効果で墓地の《この町は狭すぎる》を回収してから、さらに《望み無き悪夢》《逃げ場なし》を手札に戻して再利用して行く動きが強く、今後もっと増えて行くデッキだと予想しています。

普通のディミーアミッドレンジの強い動きも取り入れており、《遠眼鏡のセイレーン》《フラッドピットの溺れさせ》からの《悪夢滅ぼし、魁渡》忍術は強力!

何度も言いますが、《フラッドピットの溺れさせ》で攻撃しながらタップ能力起動にスタックで《悪夢滅ぼし、魁渡》の忍術することで、麻痺している相手のクリーチャーをデッキに戻しつつ自分の《フラッドピットの溺れさせ》は手札に戻ります。
同様に、《フラッドピットの溺れさせ》タップ能力起動にスタックで《この町は狭すぎる》で手札にフラッドピットを戻せば、麻痺している相手のクリーチャーをデッキに戻しつつ自分のフラッドピットが戻ります。
この2つの使い方は絶対に覚えておきましょう!

この町は狭すぎる》のおかげで、《悪夢滅ぼし、魁渡》が除去されそうな時にも手札に戻せるので、よりトリッキーな動きが出来るようになっています。

■ティムールカワウソ

【アリーナインポート】

渓間の洪水呼び》のアンタップ能力と、《永劫の活力》の味方をマナクリーチャー化する能力を組み合わせたコンボデッキです。

渓間の洪水呼び》は「カワウソ・鳥・カエル・ネズミ」をアンタップする能力があり、盤面にカワウソ達を並べながら《永劫の活力》の能力でマナを出し、非クリーチャー呪文を唱えてカワウソ達をアンタップすれば、マナ生成→クリーチャー強化を連続して行う事が出来ます。

トーテンタンズの歌》は速攻を持つネズミを複数生成するので《渓間の洪水呼び》との相性が良く、マナを出す→非クリーチャー呪文でアンタップを繰り返して行き、最終的には巨大なサイズになったネズミの攻撃で勝利します。

このデッキでも《嵐追いの才能》《この町は狭すぎる》のセットは強力で、盤面を作りつつ無限コンボのパーツにもなります。
嵐追いの才能》のレベルアップと《この町は狭すぎる》を合わせて合計7マナ生成。《嵐追いの才能》と《この町は狭すぎる》で非クリーチャー呪文が2回なので、《渓間の洪水呼び》《永劫の活力》とカワウソ3体がいれば、無限マナ無限パンプアップで概ね勝ちです。

平山怜さんの記事にティムールカワウソの詳細が書いてあるので、おすすめ。

最近のスタンダードは早い環境であり、1マナ除去が無いとグルールにもディミーアにも追い付けないので、1マナ除去は多めの7枚採用されています。
このデッキは《塔の点火》の協約のタネを用意しやすく、3点でプレイしやすいです。《永劫の活力》への追放除去にスタックで、《塔の点火》で《永劫の活力》を生贄に捧げる事でエンチャントとして場に戻す使い方は頻出するので、覚えておきましょう。

花粉の分析》《薮打ち》は序盤は色マナを揃えて、中盤はクリーチャーサーチや格闘除去として使える便利呪文。
軽いインスタント・ソーサリーを多く入れる事で、《渓間の洪水呼び》からのダメージ勝利がより狙いやすくなります。

面白いのがサイドボードの《ラノワールのエルフで、除去が少なく速度勝負になるようなマッチアップを想定して入れるのでしょうか。
強情なベイロス》は《望み無き悪夢》に対して強く、手札から直接出てきます。

一斉蜂起》は黒ミッドレンジの《黙示録、シェオルドレッド》を意識した除去で、《焦熱の射撃》だと赤赤が出にくい事からこちらを優先したのでしょう。
骨集めのドラコサウルス》は生き残れば勝ち系のクリーチャー。1枚入れておくことで《花粉の分析》からサーチできるので、消耗戦のあとの勝ち手段として良さそうです。

■おわりに

僕が一番注目しているのは《嵐追いの才能》《この町は狭すぎる》セット!拡張性が高く青ければどんなデッキにも入れられるので、今後も良く見る事になりそうです。

それと《望み無き悪夢》の流行により、《強情なベイロス》《萎れ葉のしもべ》など捨てた時に場に出せるクリーチャーが再評価されていて面白い!
萎れ葉のしもべ》はファウンデーションズのスターターコレクションに収録されるので使えるのが驚き!セレズニアアグロなども現れてきているので、集めておくと良いかも。

ファウンデーション後のスタンダードはグルール果敢が最強だと思っていましたが、全然そんな事は無く、毎週新しいデッキが活躍し続けています。
カードプールが増えたことにより出来る事が増えて、スタンダードはどの色も活躍する良環境に思えています。

たくさん練習しないとスタンダードを極める事は難しそうなので、今から2月のプロツアーに向けて練習して行きます!

それではまた。


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