MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【年末のレガシーシーズンに向けた有力デッキ紹介】
先週末はアメリカでエターナルウィークエンドが開催されて、レガシーの参加者が1155名と盛り上がりを見せていました。
日本国内でも、年末にBIG MAGICさん主催でレガシーのEternal Partyが予定されており、僕も参加するつもりです。
競技イベント優先でレガシーを遊ぶ機会は減っていましたが、僕はもともとレガシーやヴィンテージが大好きです。
その情報収集として、最近の流行デッキを紹介していきます。
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■参考情報
2024 NA Legacy Champs(Melee)(イゼ速)
Legacyラストチャンス
Legacyラストチャンス
アメリカのエターナルウィークエンド、およびマジックオンラインのラストチャンス予選の結果を参考にしています。
ラストチャンス予選からは5勝0敗だったデッキを紹介します。
■カーンフォージ
カーンフォージ 2024 NA Legacy Champs 優勝 | |
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デッキリスト | |
4:《古えの墳墓/Ancient Tomb》 4:《ウルザの作業場/Urza’s Workshop》 4:《次元の結節点/Planar Nexus》 4:《ウルザの塔/Urza’s Tower》 3:《ウルザの物語/Urza’s Saga》 19 lands 4:《まばゆい肉掻き/Glaring Fleshraker》 |
4:《水蓮の花びら/Lotus Petal》 1:《オパールのモックス/Mox Opal》 4:《多用途の鍵/Manifold Key》 3:《通電式キー/Voltaic Key》 4:《苛立たしいガラクタ/Vexing Bauble》 1:《Candelabra of Tawnos》 1:《真髄の針/Pithing Needle》 4:《厳かなモノリス/Grim Monolith》 1:《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》 4:《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》 4:《コジレックの命令/Kozilek’s Command》 2:《神秘の炉/Mystic Forge》 4:《一つの指輪/The One Ring》 37 other spells 1:《パラドックス装置/Paradox Engine》 |
1155名の頂点に立ったのは、カーンフォージ!
メインは無色のカードのみで構成されているので、《神秘の炉》の効果でデッキトップから無色の呪文をプレイして行けます。
《大いなる創造者、カーン》の[-2]は万能で、この《神秘の炉》を持って来たり、《ポータブル・ホール》や《罠の橋》で相手の攻撃を止めたり、《マイコシンスの格子》で相手のマナを出せなくしたりと、攻めても守っても強い。
そして《神秘の炉》と連鎖してコンボになるのが《パラドックス装置》!
この2つが揃うと、《神秘の炉》でデッキトップから無色のカードをプレイ→《パラドックス装置》で自分のアーティファクトがアンタップ→トップから無色のカードをプレイの手順を繰り返し行えるようになります。
この際に《オパールのモックス》や《厳かなモノリス》があればそれらもアンタップするのでマナが増えて行き、《神秘の炉》の効果で不要なデッキトップも追放し続けられます。
このコンボでパーマネントとマナが増え続けて、最終的には《まばゆい肉掻き》が複数体並び、誘発型能力で20点以上のダメージを与えて勝利します!
デッキの基盤を支えるアーティファクト達。
《厳かなモノリス》《玄武岩のモノリス》は4マナのカードを早いターンにプレイするために必要で、これらを《多用途の鍵》《通電式キー》でアンタップする事により爆発的なマナ加速が出来ます。
《一つの指輪》はプロテクションにより1ターンを安全に得ながらリソース獲得。このデッキなら1ターン目に《一つの指輪》をプレイするのも難しくなく、《多用途の鍵》《通電式キー》でアンタップする事により起動回数を増やして、カードを10枚以上引く事もあり得ます!
早いターンに4マナを出したいデッキなので、土地基盤も大量のマナが出る構成。
《次元の結節点》は今までに出た全ての特殊地形タイプを持っているので、これ1枚で《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》《ウルザの塔》が揃った扱いになり、《次元の結節点》と《ウルザの塔》で合計4マナを生み出せます。
《ウルザの作業場》は金属術を達成していれば、自分のコントロールする《次元の結節点》《ウルザの塔》《ウルザの作業場》《ウルザの物語》の枚数分の無色マナが生み出せるようになります。後半になれば4-5マナを生み出すすごい土地!
これらの大量のマナを生み出す土地を《Candelabra of Tawnos》でアンタップする事で、さらにマナが増えて行きます。
《Candelabra of Tawnos》は《ウルザの物語》の3章でサーチ可能ですが、2章効果とも相性が良く、マナがある状態ならトークン生成を1ターンに2回行う事もできる!
《Candelabra of Tawnos》は値段が凄まじく高いですが、それでもこのカーンフォージにはあった方が良さそう!
カーンフォージはこの大会で最多勝率を出しており、なんとトップ8に3名も入賞しています!
あまりにも大量にマナが出るデッキなので、レガシーで人気の《目くらまし》が効きにくいのが良いですね。
《最後の審判》などのコンボは苦手ですが、特にフェアデッキに対しては無類の強さを持っています。
■バントナドゥ
バントナドゥ 2024 NA Legacy Champs 準優勝 | |
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デッキリスト | |
2:《森/Forest》 2:《Savannah》 2:《Tropical Island》 1:《Bayou》 4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》 3:《霧深い雨林/Misty Rainforest》 4:《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》 2:《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》 20 lands 4:《極楽鳥/Birds of Paradise》 |
4:《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》 4:《召喚の調べ/Chord of Calling》 3:《自然の秩序/Natural Order》 11 other spells 2:《活性の力/Force of Vigor》 |
エターナルウィークエンドを準優勝したのはバントナドゥ!
8月にモダンで禁止された《有翼の叡智、ナドゥ》ですが、レガシーでは《コーの遊牧民》という最高の相棒を得て健在!
《コーの遊牧民》は0マナで自身のダメージを味方を対象に取って移し替える能力を持っており、ナドゥとの相性抜群!自身もクリーチャーである事が《手甲》との違いで、これによりナドゥの誘発回数を2回増やす事が出来ます。横にクリーチャーがいれば、《稲妻》で《コーの遊牧民》を倒す事は出来ません。
そして《手甲》と違い《コーの遊牧民》はインスタントタイミングでの能力起動なので、ナドゥに相手から除去呪文を撃たれた際にも、スタックで《召喚の調べ》から《コーの遊牧民》をサーチして、コンボをスタートする事ができます。素晴らしい!
モダンのナドゥでも定番だった《春心のナントゥーコ》は、授与で対象を取ってナドゥを誘発させるのは勿論強く、トークンが並ぶことで《ガイアの揺籃の地》から大量のマナを生み出せます。
《貴族の教主》《極楽鳥》から《ガイアの揺籃の地》など、マナ加速してから《コーの遊牧民》《有翼の叡智、ナドゥ》を揃える事に注力したデッキリストで、見た目は一昔前のレガシーのエルフデッキに少し似ています。
《喜ぶハーフリング》ではなく《貴族の教主》《極楽鳥》を優先する理由としては、《コーの遊牧民》の白マナを安定させるのと、サイドボードの白や青のカードをプレイするためです。打ち消されない役割は、《アロサウルス飼い》が担保してくれます。
デッキを安定させるクリーチャーサーチ呪文。
《緑の太陽の頂点》はX=0で《ドライアドの東屋》をサーチできるので1ターン目のマナ加速になり、X=3で《有翼の叡智、ナドゥ》になり、相手のドローを止めたい場合は《トレストの使者、レオヴォルド》にもなります。《ガイアの揺籃の地》で大量のマナが出る状況なら、《偉大なる統一者、アトラクサ》をサーチしたりと、いつ引いても《緑の太陽の頂点》は良いカード。
しかし《緑の太陽の頂点》でサーチできるのは緑のクリーチャーだけなので、《コーの遊牧民》もサーチできるように《召喚の調べ》も採用されています。
ナドゥへの除去にスタックで、《召喚の調べ》からコンボスタートできるのが本当に強い!
マナクリーチャーが大量に入ったデッキなので、それらを生贄にして《自然の秩序》から《偉大なる統一者、アトラクサ》《孔蹄のビヒモス》サーチで速攻で勝つことも出来て、これもエルフデッキに近い勝ちパターンですね。
《トキシクレイン》は見慣れないカードですが、全ての土地を好きなマナが出せるようにしつつ、能力を失わせます。例えば《暗黒の深部》でマリットレイジが生まれなくなったり、《The Tabernacle at Pendrell Vale》を無効化できます。主に無色エルドラージへの対策として最近注目を集めています。
土地から好きなマナが出せるので、《血染めの月》や《海の先駆け》を出された後に《トキシクレイン》で色マナが復活します。2/4接死到達も意外と強い!
■赤単プリズン
赤単プリズン Legacy Last Chance 5-0 | |
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デッキリスト | |
4:《山/Mountain》 4:《古えの墳墓/Ancient Tomb》 4:《裏切り者の都/City of Traitors》 12 lands 4:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》 |
4:《金属モックス/Chrome Mox》 4:《苛立たしいガラクタ/Vexing Bauble》 1:《除霊用掃除機/Ghost Vacuum》 1:《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse》 4:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》 3:《血染めの月/Blood Moon》 4:《一つの指輪/The One Ring》 4:《引き離しの噴火/Sundering Eruption》 4:《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》 29 other spells 1:《死亡+退場/Dead++Gone》 |
《古えの墳墓》《裏切り者の都》《金属モックス》《猿人の指導霊》から高速で3マナのカードを展開し、相手を妨害しながら攻め切るデッキです。
レガシーは多くのデッキが特殊地形中心なため、1ターン目に出てくる《血染めの月》《月の大魔術師》で赤マナしか出なくて何も出来なくなる事もよく起こります。
そうして相手の動きが鈍いうちに《鏡割りの寓話》や《パイロゴイフ》で攻めて行きます。
自分から墓地を増やす手段は少ないものの、レガシーは多くのデッキがフェッチランドや《渦まく知識》を使用するので、《パイロゴイフ》は自然と4/5や5/6になり、ダメージを与えながら巨大クリーチャーを出せます。《パイロゴイフ》は2体以上重なるとそれぞれ誘発するので、さらに強い!
赤単プリズンを1段階上の強さに引き上げたのが、この3つ。
《苛立たしいガラクタ》は、相手の《意志の力》や《活性の力》などが0マナで唱えられた場合に打ち消すので、無効化できます。
《苛立たしいガラクタ》を先にプレイする事で、本命の3マナカードがより通りやすくなります。《血染めの月》での土地ロックを《活性の力》で回避する事はありましたが、《苛立たしいガラクタ》はそれも防いでくれます。
《金属モックス》《猿人の指導霊》は手札の消費が激しいですが、リソース補充の《一つの指輪》により継続して戦う能力が上がりました。《一つの指輪》でカードをたくさん引いた後は、《舷側砲の砲撃手》で《一つの指輪》を生贄に捧げて6点ダメージ!無駄がない!
マジックオンラインでは特にディミーアリアニメイトが人気なので、それを意識してメインから墓地対策が採用されています。
他のデッキリストでもそうですが、《フェアリーの忌み者》は最近の定番墓地対策ですね。能力なので《目くらまし》や《意志の力》を気にせずに使えるのが強いです。
■ディミーアテンポ
ディミーアテンポ Legacy Last Chance 5-0 | |
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デッキリスト | |
1:《島/Island》 1:《沼/Swamp》 1:《地底街の下水道/Undercity Sewers》 4:《Underground Sea》 4:《汚染された三角州/Polluted Delta》 2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 1:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》 1:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》 4:《不毛の大地/Wasteland》 19 lands 3:《知りたがりの学徒、タミヨウ/Tamiyo, Inquisitive Student》 |
4:《渦まく知識/Brainstorm》 4:《思案/Ponder》 3:《思考囲い/Thoughtseize》 4:《致命的な一押し/Fatal Push》 2:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》 4:《目くらまし/Daze》 1:《喉首狙い/Go for the Throat》 1:《悪夢滅ぼし、魁渡/Kaito, Bane of Nightmares》 4:《意志の力/Force of Will》 27 other spells 2:《バロウゴイフ/Barrowgoyf》 |
《思考囲い》《目くらまし》《意志の力》で妨害しながら、ディミーアの優秀なクリーチャー達で攻めて行くデッキです。
《知りたがりの学徒、タミヨウ》は攻撃時に手掛かりでアドバンテージを得ながら、レガシーなら《渦まく知識》ですぐに変身出来ます。1マナ立ててから出せば、相手のクリーチャー除去にスタックして《渦まく知識》で変身して、除去を避ける動きが強い!変身後は《渦まく知識》《思考囲い》を回収することでさらにリソース差を広げて行きます。
《超能力蛙》はレガシーでディミーアをやる理由とも言える、単体でゲームに勝つクリーチャー。相手を妨害しながら《超能力蛙》で複数回攻撃するという戦略が、安定して強い!
《オークの弓使い》は相手によって強弱がはっきりしているカードで、例えば赤単プリズンなどに対しては強さを発揮しにくいです。
しかし《渦まく知識》がレガシーの定番である以上オークは強く、バントナドゥのようにタフネス1のデッキが増えるようであれば活躍して行くでしょう。
最近は《悪夢滅ぼし、魁渡》が1-2枚採用されたリストを見るようになりました。
忍術は《意志の力》では防げず、単純なクリーチャー除去では倒せないので、特にフェアデッキ対決で強い。《紅蓮破》には弱いものの、忍術したターンは呪禁を持っているので、1回攻撃が通れば【0】能力でアドバンテージを得ており、《紅蓮破》されなければそのままマウントを取ります。
《バロウゴイフ》は特にフェアデッキ対決のサイド後に強いカードで、《紅蓮破》されずにアドバンテージを稼ぎ、絆魂でライフレースにも強いです。
■おわりに
直近で勝っているレガシーデッキを紹介して行きました。
調べる前は青黒系が強いという印象でしたが、各色それぞれと無色のデッキが勝っており、良環境の印象です。
僕が大会に出るなら、ナドゥかドゥームズデイかなと考えています。少し遊んでみます。
それではまた。