MTG │ 新弾レビュー │ 高橋優太【統率者レジェンズ】
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今週末に発売される「統率者レジェンズ」
《吸血の教示者》《マナ吸収》などの強力な再録カードは勿論、統率者戦用に新規カードが多数収録されています。
今回の記事では、「統率者レジェンズ」から注目カードを紹介して行きます。
※「統率者レジェンズ」カードギャラリー(公式サイト)
※統率者戦ルール(公式サイト)
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
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■白
毎ターン統治者によるドローと4/4天使生成で、これ1枚でゲームに勝てる性能。
しかし《恩寵の宮廷》を出した返しに攻撃されて統治者が移動してしまうとその後相手のドロー補助で不利になってしまうので、相手のクリーチャーを全体除去してから《恩寵の宮廷》を出す必要があります。
1度《終末》でリセットしてから《恩寵の宮廷》といった使い方で、レガシーでも青白奇跡やエンチャントレスで使えそうな可能性を感じます。
《調和の守り手》は自分の方がクリーチャーや土地が少ないと、相手のエンド時にアドバンテージを生み続ける能力。
出てきたトークンを生贄にする事でクリーチャーが少ない状態を維持できるので、《アシュノッドの供犠台》《ファイレクシアの供犠台》と相性良し。
《オルゾフの御曹子、テイサ》などの生贄シナジーの多い統率者で使われそうです。
《補充》や《蔵の開放》を超えるド派手なリアニメイト呪文で、珍しくプレインズウォーカーも戻ってきます。しかし白単色では墓地に送り込むのが難しいので、青・黒・赤の手札から捨てる呪文と組み合わせて使いたいですね。
9マナということで撃ったターンには勝てるように準備をしたいので、《全知》や《精霊龍、ウギン》などがリアニメイト候補でしょうか。
白には《アカデミーの学長》《競技場の首長》というコスト踏み倒しサーチもありますので、ここから《全知》《精霊龍、ウギン》サーチしても良し。青白で《勝利の算段》を使ったデッキを組んでみたくなります。
■青
今まで統治者になるカードは4マナ以上でしたが、《狡猾の宮廷》は3マナと格安!
追加ドローするエンチャントとしても及第点であり、なおかつ統治者ならライブラリーを恐ろしい速度で削り続ける。3ターン目に出してそのまま統治者を維持できればライブラリーアウトで勝てます。
レガシーでも可能性を感じる1枚です。
《船殻破り》は追加のドローを禁止する能力。
《覆いを割く者、ナーセット》と異なり瞬速なので予想しにくく、相手のドロー呪文にスタックで出して宝物トークンを獲得します。
《覆いを割く者、ナーセット》と同じく「お互い7枚ドロー」系と相性が良いです。《船殻破り》の影響でまた《Timetwister》《時のらせん》の値段が上がるかもしれない。
青のシングルシンボルなぶん使えるデッキが多いので、レガシーやヴィンテージでも見かけるようになるでしょう。特にヴィンテージは色の合わないMoxや《魔力の墓所》から出せるのが《覆いを割く者、ナーセット》との違いです。
もともと特殊なクローンとして統率者でも人気のあった《騙り者、逆嶋》が、神河救済から15年ぶりに《千の顔の逆嶋》として再登場。
青赤で組むと後述する赤の《ヘルカイトの狩猟者》と生贄エンジンでの無限コンボがあります。
1.《ヘルカイトの狩猟者》の誘発型能力で統率者領域から《千の顔の逆嶋》を戦場に出して、《ヘルカイトの狩猟者》をコピー。
2.コピー版《ヘルカイトの狩猟者》の誘発型能力がスタックに乗っている内にコピー版《ヘルカイトの狩猟者》を生贄、統率者ルールにより《千の顔の逆嶋》として統率領域に移動。
3.コピー版《ヘルカイトの狩猟者》の誘発型能力を解決。再び《千の顔の逆嶋》を戦場に出して、《ヘルカイトの狩猟者》をコピー。以下ループ。
無限コンボのパーツになるだけではなく単純に共闘持ちのコピーとしても強いので、かなり強い統率者だと思います。
少しややこしいですが、戦闘前の第1メインフェイズで出すと、その後の戦闘後第2メインフェイズ開始時に「アンタップ・アップキープ・ドロー」をさせてくれるスフィンクス。
8マナと重いものの、戦場に出せればかなり強力な能力なので、リアニメイトやサーチで早く出したいクリーチャー。
デッキに入れるクリーチャーをこれだけにしてトークンを破壊する《変身》《異形化》《銅纏いののけ者、ルーカ》などで出してみたいですね、青赤統率者の夢が広がる。
■黒
フェッチランドや各種《教示者》など、統率者でもサーチは多用されます。そのサーチに待ったをかけるのが《敵対工作員》。
色マナシンボルも1つなので多色のデッキでも使いやすく、1回サーチを妨害すればそれをそのまま自分が唱えられる。かなりヘイトを集めるクリーチャーにはなりそうですが、それでも黒ければどのデッキでも採用して良さそうな能力。
レガシーやヴィンテージなど、コンボが強い下環境でもサイドボード要員として使われるでしょう。相手の《最後の審判》にスタックで出せば5枚の山札を全部選べます!
自身か他のエルフが死亡するたびにドローする《林間の茨、ミアーラ》。
この手のカードにしては珍しくトークンでも誘発する能力なので、エルフトークンを出すカードと組み合わせて使うと良し。
黒は生贄シナジーが豊富なので、《ファイレクシアの塔》《アシュノッドの供犠台》などのマナを生み出すサクリ台と組み合わせてドローしましょう。
2マナと軽く共闘持ちでもあるので、かなり強い統率者だと考えています。
■赤
統率者領域からマナコスト無視で出す事が出来る《ヘルカイトの狩猟者》。青の《千の顔の逆嶋》項目でも述べましたが、コンボ材料としてかなり凶悪な性能を持っています。
クリーチャータイプがドラゴンなのもメリットで、《帰ってきた刃の翼》を統率者指定することで無限コンボが狙えます。
1.《ヘルカイトの狩猟者》を戦場に出して誘発型能力をスタックに積む。
2.誘発型能力がスタックにあるうちに《アシュノッドの供犠台》などで《ヘルカイトの狩猟者》を生贄。
3.ヘルカイトの誘発型能力を解決して、統率者領域から《帰ってきた刃の翼》を戦場に。墓地から《ヘルカイトの狩猟者》を戻す。
4.再び《ヘルカイトの狩猟者》の誘発型能力がスタック上にある内に《帰ってきた刃の翼》を生贄。統率者ルールにより統率者領域へ移動。以下1から繰り返し。
《ヘルカイトの狩猟者》すごい!本当にすごいんだ!
オンスロート版《ショック》のフレイバーテキストで有名な《ゴブリンの武器職人、トッゴ》が、20年の時を経てついにカード化!
感覚としては《不屈の追跡者》に近く、土地を出す事でアーティファクト・トークンを生み出し続けます。フェッチランドとの組み合わせで大量にアーティファクトを作れるので、《クラーク族の鉄工所》と組み合わせれば莫大なマナが生み出せます!
3マナと軽く共闘持ちで「岩」もショックになる良い性能なので、デッキを組みたくなる良い統率者です。
今回初登場となる0マナの統率者《ロフガフフの息子、ログラクフ》。
0マナ0/1と戦闘能力は皆無ですが、《アシュノッドの供犠台》《ファイレクシアの供犠台》からのマナ加速要員として良く生贄にされるでしょう。《頭蓋骨締め》で引いても美味しい。
サクるためだけに生まれてきたような統率者なのが少し悲しいです。
心理的駆け引きの生まれる7ドロー、《災難の輪》。
ゲーム終盤で7ドローしたいときは20-30前後のライフを賭ける事になりそうですが、こればかりはやってみないと分かりません。
カード自体はとても強いので今後赤の統率者なら良く使われるカードだと思います。《災難の輪》の数字をいくつで言うのか、セオリーが出来たら是非教えてください。
■緑
これまでも《大渦の放浪者》というダブル続唱はありましたが、《頂点壊滅獣》はそれを大きく超える4回続唱!大雑把過ぎて好きなデザインです。
ある程度ライブラリーのトップを操作してから出したいですね。《師範の占い独楽》《教示者》《長期計画》あたりが候補です。
《明けの林の主》は今後のレガシーに影響を与えそうなクリーチャーです。
リアニメイトデッキが使う呪禁クリーチャーの候補は《忍耐の元型》《墨溜まりのリバイアサン》でしたが、《明けの林の主》は統治者になれる分この2つよりも優れている可能性があります。
また、緑のクリーチャーなので《自然の秩序》からサーチ出来るのもポイント。
■多色
《ラグーンの神秘家、アーチェロス》がタップ状態になると他のパーマネントがタップ状態で出るためゲームをかなり低速化出来ます。
《密輸人の回転翼機》などの搭乗を持っている各種「機体」や、クリーチャーをタップして好きなマナを生み出す《バネ葉の太鼓》《抵抗者の居住地》《生存者の野営地》など、任意でタップさせるカードとの相性が良さそう。
《巡歴の干渉者、クウェイン》は一見するとお互いドローなので使いにくい能力に見えますが、色々とコンボやシナジーがあるのでデッキを作りたくなる統率者です。
召喚酔いが解けた状態で《精神力》を出せば、ドローを続けてデッキを全て引き切る事が出来ます。途中で《真実の解体者、コジレック》などを捨てれば自分のライブラリーアウトは防げます。
また《覆いを割く者、ナーセット》《船殻破り》を出せば自分だけメリットを受ける事も出来ます。
《最後の賭け》《最後のチャンス》《戦士の誓言》など、赤には追加ターンを得る代わりに次のターンに敗北するカードが複数あります。
《粗暴な年代学者、オベカ》の能力ならターン中の行動を全て終了するので、これらの敗北する効果を無視して追加ターンのメリットだけを享受できます。
■アーティファクト
今回の目玉レア《宝石の睡蓮》。
どのデッキでも使えるマナ加速として注目されていますが、僕は《宝石の睡蓮》はデッキを選ぶカードかなと思います。
恒久的にマナ加速できる《魔力の墓所》《太陽の指輪》と比較して、《宝石の睡蓮》は1回きりのマナ加速であり、しかも統率者以外にはマナを使用できません。
性質としては《暗黒の儀式》に近く、早出ししたい統率者以外では必須とまでは行かないかなと考えています。それでも《アウグスティン四世大判事》や《山賊の頭、伍堂》などが1ターン目に出てきたら大惨事ですが。
■土地
《セレズニアの聖域》と同系統の、いわゆるお帰りランド。
今まで無色マナ版のお帰りランドは存在しませんでしたが、《ギルド無しの公共地》により《真実の解体者、コジレック》などの無色統率者でも土地が伸ばしやすくなりました。
土地をアンタップするカードとも相性良し。
どのデッキでも使えて、後半マナが余った時にドローできるナイスな土地。
統率者戦は初期ライフが多いのでライフの支払いも気にならないですし、無色統率者の場合はライフ支払いが0点!今回無色統率者用のカードが増えていて嬉しいですね。
■おわりに
今回のセットでトップ3を挙げるなら、この3つかなと思います。
《船殻破り》《敵対工作員》はレガシーでも十分通用しそうな性能ですし《ヘルカイトの狩猟者》は無限コンボが山ほど作れそう。
《宝石の睡蓮》は価格の面で最も注目されていますが、1枚しか使わないためしばらくしたら値段が落ち着くと予想しています。発売日に買うならこの3つがおススメ。
新しいコンボや《災難の輪》の数字の宣言の仕方など、発見があったら是非教えてください。
それではまた。