MTG │ 考察記事 │ 高橋優太【パイオニア主要デッキ紹介後編】
さてパイオニア記事の後編です。早速デッキを見て行きましょう。
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■赤単ミッドレンジ
4《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》
2《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ/Kari Zev, Skyship Raider》
4《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
4《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
2《軍勢の戦親分/Legion Warboss》
2《朱地洞の族長、トーブラン/Torbran, Thane of Red Fell》
4《栄光をもたらすもの/Glorybringer》
4《乱撃斬/Wild Slash》
4《稲妻の一撃/Lightning Strike》
2《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
2《エンバレスの宝剣/Embercleave》
16《山/Mountain》
4《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》
2《エンバレス城/Castle Embereth》
4《変わり谷/Mutavault》
サイドボード
4《チャンドラの敗北/Chandra’s Defeat》
2《削剥/Abrade》
2《丸焼き/Fry》
4《エルドラージの寸借者/Eldrazi Obligator》
1《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
2《減衰球/Damping Sphere》
1マナから展開するビートダウンではなく、3-5マナのカードがメイン戦略となる赤単ミッドレンジ。その中心となるのが《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》《軍勢の戦親分/Legion Warboss》の2種類。
パイオニアの除去は《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》《致命的な一押し/Fatal Push》など条件付きの物が多いため、赤い除去以外では出たターンに対処するのが難しいです。
トークンが並んだら《朱地洞の族長、トーブラン/Torbran, Thane of Red Fell》《エンバレス城/Castle Embereth》でダメージ倍増。《エンバレスの宝剣/Embercleave》は《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》と非常に相性が良く、3ターン目《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》から4ターン目《エンバレスの宝剣/Embercleave》で5/3二段攻撃トランプルが完成します。
赤いデッキを組む上で採用候補に挙がる《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》ですが、今回のリストでは扇動者たち優先で入っていません。鎖回しが弱いわけではなく、むしろ黒単アグロと緑単アグロに劇的に刺さるカード。ただ《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》を入れると《変わり谷/Mutavault》が採用しにくくなるので、そことの兼ね合いですね。
《変わり谷/Mutavault》はゴブリンでもあるので《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》のパワーが上がりますし、全体除去を撃たれた後に《エンバレスの宝剣/Embercleave》装備で削りきるパターンも多い。
《変わり谷/Mutavault》はマナベースでありながらクロックを用意できるパイオニアでも屈指の強いカードで、単色デッキの最大の利点。土地5枚までは毎ターン置きたいデッキなので多めの26枚、マナフラッド緩和で能力持ちの土地を多く採用しています。
サイドボードの《エルドラージの寸借者/Eldrazi Obligator》は緑用のカード。緑単ランプ、緑単アグロはどちらもサイズが大きいため火力では処理しにくいので、奪ってダメージに変えます。
■バーン
4《ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner》
4《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》
4《ヴィーアシーノの紅蓮術師/Viashino Pyromancer》
2《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》
4《乱撃斬/Wild Slash》
3《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4《ボロスの魔除け/Boros Charm》
4《舞台照らし/Light Up the Stage》
4《批判家刺殺/Skewer the Critics》
4《魔術師の稲妻/Wizard’s Lightning》
7《山/Mountain》
4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4《感動的な眺望所/Inspiring Vantage》
4《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
サイドボード
4《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
1《粉々/Smash to Smithereens》
3《灼熱の血/Searing Blood》
3《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon》
2《跳ね返す掌/Deflecting Palm》
2《摩耗+損耗/Wear+Tear》
モダンと比較しても見劣りしない優秀なクリーチャーたちで効率よくライフを削るバーンデッキ。《魔術師の稲妻/Wizard’s Lightning》のためにウィザードを優先しています。ただモダンと違ってパイオニアは単色アグロが多いため、アグロ対決で弱い《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》の採用枚数は少な目。
このあたりはモダンでも良く見る高火力。メインは《ボロスの魔除け/Boros Charm》のために白をタッチしています。
4/4以上のサイズに手を焼くデッキなので、緑のクリーチャー用に《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》。環境に土地破壊がほとんど無いためデメリットが少なく、1マナの確定除去は《致命的な一押し/Fatal Push》に次ぐ性能。
■イゼットハサミ
4《ボーマットの急使/Bomat Courier》
4《ジンジャーブルート/Gingerbrute》
2《ギラプールの希望/Hope of Ghirapur》
4《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》
4《湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch》
4《技量ある活性師/Skilled Animator》
2《頑固な否認/Stubborn Denial》
2《乱撃斬/Wild Slash》
4《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》
4《爆片破/Shrapnel Blast》
4《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》
1《金属の叱責/Metallic Rebuke》
4《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
4《尖塔断の運河/Spirebluff Canal》
4《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
3《産業の塔/Spire of Industry》
2《蒸気孔/Steam Vents》
2《変わり谷/Mutavault》
1《島/Island》
1《山/Mountain》
サイドボード
1《潜水/Dive Down》
2《霊気の疾風/Aether Gust》
2《金属の叱責/Metallic Rebuke》
2《飛行機械の諜報網/Thopter Spy Network》
2《溶岩コイル/Lava Coil》
2《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
2《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester》
2《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
大量に投入された1マナのアーティファクトクリーチャー達。それらを《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》《技量ある活性師/Skilled Animator》で5/5にするデッキで、《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》のイラストから「ハサミ」と呼ばれています。
5/5になっても能力は保持するため《ジンジャーブルート/Gingerbrute》ならブロック不可で、《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》なら破壊不能で攻めて行きます。
アーティファクトクリーチャー達を強化する《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》。《変わり谷/Mutavault》も無色のクリーチャーなので1マナで装備可能。5/5で3回攻撃したら《爆片破/Shrapnel Blast》でフィニッシュ。
《頑固な否認/Stubborn Denial》《金属の叱責/Metallic Rebuke》で5/5クリーチャーへの除去をしっかりキャッチ。《金属の叱責/Metallic Rebuke》が使いやすいデッキなのでメインに複数枚採用しても良さそう。
《飛行機械の諜報網/Thopter Spy Network》は除去の多い相手に良く効くサイドカード。1枚でゲームを決める性能があります。現在のメタゲームだと単色アグロが多く、ほとんどのデッキが軽い除去に寄っており、エンチャントを破壊するカードの使用率が低いのも良い点です。
■発掘
4《縫い師への供給者/Stitcher’s Supplier》
3《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
4《ナルコメーバ/Narcomoeba》
4《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
4《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam》
3《憑依された死体/Haunted Dead》
3《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
4《群れの結集/Gather the Pack》
3《悪戦+苦闘/Driven+Despair》
4《忌まわしい回収/Grisly Salvage》
4《這い寄る恐怖/Creeping Chill》
4《花盛りの湿地/Blooming Marsh》
3《植物の聖域/Botanical Sanctum》
3《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
4《草むした墓/Overgrown Tomb》
3《湿った墓/Watery Grave》
1《森林の墓地/Woodland Cemetery》
2《沼/Swamp》
サイドボード
2《強迫/Duress》
3《致命的な一押し/Fatal Push》
2《思考囲い/Thoughtseize》
2《究極の価格/Ultimate Price》
1《自然のままに/Natural State》
2《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render》
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
1《暗殺者の戦利品/Assassin’s Trophy》
デッキ名こそ「発掘」ですが、「発掘」を持つカードはパイオニアに無いため他の削るカードを使用。まずはこれらでライブラリーを削って行きます。
ライブラリーを削る過程で《ナルコメーバ/Narcomoeba》《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》が落ち、それらを戦場に戻すことで《秘蔵の縫合体/Prized Amalgam》が誘発。《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》は《群れの結集/Gather the Pack》《忌まわしい回収/Grisly Salvage》で引っ張ってくることができて、高確率で3ターン目に5/5が出ます。
墓地を活用した横並べアグロデッキですね。
この過程で墓地に落ちた《悪戦+苦闘/Driven+Despair》でトランプルを付与してリソースを補充。《這い寄る恐怖/Creeping Chill》は、単色アグロ全盛の今の環境なら回復が特に役立ちます。
《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》を生贄にすれば《州民を滅ぼすもの/Decimator of the Provinces》は3マナでプレイ可能で、キルターンを早めます。ただ緑緑緑のマナコストが揃えにくいことと、これが無くても《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》単体が強いことから最近は不採用の傾向になっています。
■おわりに
マジックオンライン上では頻繁にパイオニアの大会が開催されており、イベントが近い為かプロの参加数も多いです。
僕自身も可能な限りプレリミナリーに参加しており、強豪たちとワクワクしながら戦っています。腕試ししたい方はぜひ挑戦してみて下さい。
それではまた。