MTG │ 攻略記事 │ 高橋優太【パイオニアメタゲーム解説】
Hi,
今週はマジックオンライン上でパイオニアの大会が多数開催されたため、サンプルデッキリストがたくさんあります!
今のパイオニア環境を覗いてみましょう。
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■パイオニアメタゲーム
11/24 パイオニアチャレンジ(優勝:黒単アグロ)
MOチャレンジ(パイオニア):優勝は黒単アグロ、トップ8にはシミックネクサスや赤黒機体など。黒単アグロは4人
11/26 パイオニアPTQ(優勝:黒単アグロ)
MO PTQ(パイオニア):優勝は黒単アグロ、トップ8にはグルールアグロや緑系ランプ。黒単は4人
11/28 パイオニアPTQ(優勝:シミックアグロ)
MO PTQ(パイオニア):優勝はシミックアグロ、トップ8にはゴルガリ魂剥ぎやバントランプ、黒単アグロなど
※イゼ速より引用。
黒黒黒、また黒。
黒単アグロは常に20%以上の使用率があり、トップ8の半数が黒単で埋められている現状。
カードプールの広いパイオニアにも関わらず、この勝率は圧倒的です。
まずは黒単から分析して行きましょう。
■本命:黒単アグロ(11/24チャレンジ優勝)
4《血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion》
1《第四橋をうろつく者/Fourth Bridge Prowler》
4《漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legion》
3《夜市の見張り/Night Market Lookout》
4《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
1《騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem》
4《残忍な騎士/Murderous Rider》
3《悪ふざけの名人、ランクル/Rankle, Master of Pranks》
4《思考囲い/Thoughtseize》
4《致命的な一押し/Fatal Push》
4《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter》
4《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
4《変わり谷/Mutavault》
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
15《沼/Swamp》
サイドボード
1《第四橋をうろつく者/Fourth Bridge Prowler》
1《騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem》
2《闇の裏切り/Dark Betrayal》
2《強迫/Duress》
2《冥府の報い/Infernal Reckoning》
2《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》
3《害悪な掌握/Noxious Grasp》
2《悪性の疫病/Virulent Plague》
黒単がここまで人気を博し勝ち続けている理由を分析していくと
①パイオニア至高の1マナ域《思考囲い/Thoughtseize》《致命的な一押し/Fatal Push》での妨害力。
《否定の力/Force of Negation》や《稲妻/Lightning Bolt》の無い環境なため、1マナの妨害呪文はこの2つがトップです。
この2枚があるからこそ、デッキ構築は黒から入りたいと僕は考えています。
②粘り強いクリーチャーたち
2点以上のクロックを持ちながら後半でも役に立つ、最高品質のクリーチャー構成。余ったマナを注ぎ込むクリーチャー達で構成されているため、《夜市の見張り/Night Market Lookout》以外は全て後半でも役割があります。《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter》で捨てた《血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion》を能力で回収したり、捨てて《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》の起動にあてたりとシナジーもあります。
③マナベースの強さ
かつて《変わり谷/Mutavault》がスタンダードだった頃は、マナベースに多少無理が出ても相手の《変わり谷/Mutavault》と相打ちするために入れるという事態が起きていました。プレインズウォーカーへのプレッシャーでありつつ部族シナジーもある最高の土地!《ロークスワイン城/Castle Locthwain》は少し重いですが、沼16枚換算でほぼデメリットなしで運用できます。
ただ初手に《ロークスワイン城/Castle Locthwain》《変わり谷/Mutavault》だけでマリガンになったり、初動が遅れるパターンが怖いので、3枚が適正なのでは無いかと考えています。
序盤中盤終盤、隙が無い黒単なのでここまで流行るのも納得の強さです。
メタゲームが進むに当たって採用カードの変化も面白く、珍しいサイドカードもあります。
主に《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》等マナクリーチャーを倒す働き。まさかこのカードが構築フォーマットで使われるようになるとは思わなかった!
数多く発生するミラーマッチを見据えて採用されています。
ミラーマッチのサイド後除去に弱いという理由で、最近は黒単から《騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem》が減りつつありますね。ただ減らしすぎると《死者の原野/Field of the Dead》系に弱くなるのが難点。
《死者の原野/Field of the Dead》のゾンビトークンは勿論のこと、白のトークン系デッキにも効くサイドカード。
今後よく見かけることになりそうです。
■対抗:シミックフード(11/25PTQ準優勝)
3《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
3《金のガチョウ/Gilded Goose》
2《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》
3《探索する獣/Questing Beast》
2《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable》
1《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》
3《意地悪な狼/Wicked Wolf》
4《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》
4《むかしむかし/Once Upon a Time》
4《頑固な否認/Stubborn Denial》
2《キランの真意号/Heart of Kiran》
4《植物の聖域/Botanical Sanctum》
4《繁殖池/Breeding Pool》
4《森/Forest》
3《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis》
2《内陸の湾港/Hinterland Harbor》
4《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
サイドボード
3《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
3《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
4《幻惑の旋律/Entrancing Melody》
1《神秘の論争/Mystical Dispute》
2《真髄の針/Pithing Needle》
2《霊気のほころび/Unravel the AEther》
最近までスタンダードで見ていたようなカードばかりですが、それだけ2019年の緑という色が豊作だった証。
毎週紹介していますがオーコは本物。すべてのフォーマットで最強のプレインズウォーカーで、先手2ターン目オーコは、どのフォーマットでも最高の動きです。
《探索する獣/Questing Beast》はパイオニアでもエースを張れる性能で、地味にダメージ軽減無視能力があるのでシミックネクサスの《花粉のもや/Haze of Pollen》を無効化できます。
パイオニアの特徴として、《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》などのタルキールフェッチランドが禁止されているため、モダン程容易に多色化が出来ません。
カードプールにある2色土地を比較すると、
・対抗色の場合
・友好色の場合
対抗色の方が《植物の聖域/Botanical Sanctum》《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》のぶん序盤のアンタップインに優れており、逆に友好色の場合はタップインが多くなってしまいます。
対抗色の方がマナベースが優れているので、3色以上のデッキを組む場合はまず対抗色を基準にして組むとマナベースが安定するかなと。
■対抗その2:バント《死者の原野/Field of the Dead》(11/28PTQ準優勝)
1《裏切りの工作員/Agent of Treachery》
3《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》
4《エルフの再生者/Elvish Rejuvenator》
1《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》
4《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
4《約束の刻/Hour of Promise》
4《至高の評決/Supreme Verdict》
1《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》
4《成長のらせん/Growth Spiral》
2《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》
2《拘留の宝球/Detention Sphere》
1《花咲く砂地/Blossoming Sands》
1《植物の聖域/Botanical Sanctum》
1《繁殖池/Breeding Pool》
1《ヴァントレス城/Castle Vantress》
2《寓話の小道/Fabled Passage》
4《死者の原野/Field of the Dead》
2《森/Forest》
1《氷河の城砦/Glacial Fortress》
1《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1《内陸の湾港/Hinterland Harbor》
1《灌漑農地/Irrigated Farmland》
1《島/Island》
1《伐採地の滝/Lumbering Falls》
2《平地/Plains》
1《まばらな木立ち/Scattered Groves》
1《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》
1《寺院の庭/Temple Garden》
1《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
1《神秘の神殿/Temple of Mystery》
1《豊潤の神殿/Temple of Plenty》
1《茨森の滝/Thornwood Falls》
1《平穏な入り江/Tranquil Cove》
1《ウェストヴェイルの修道院/Westvale Abbey》
1《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
サイドボード
1《裏切りの工作員/Agent of Treachery》
1《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》
2《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》
1《霊気の疾風/Aether Gust》
1《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
1《強制着陸/Forced Landing》
3《秋の騎士/Knight of Autumn》
1《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
2《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》
1《安らかなる眠り/Rest in Peace》
9月までスタンダードで健在だったバントゴロスのパイオニア版です。
《約束の刻/Hour of Promise》は好きな土地を探してこれるので《死者の原野/Field of the Dead》も2枚持ってこれる!《約束の刻/Hour of Promise》をプレイした時点で異なる名前の土地6つがあれば、《死者の原野/Field of the Dead》2枚サーチでゾンビが4体!
名前こそバント原野ですがデッキの動きとしては青白コントロールに近く、僕も非常に好きなデッキです。
《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》から相手のターンに《約束の刻/Hour of Promise》《至高の評決/Supreme Verdict》をプレイしたり、《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》で圧倒的なアドバンテージを手に入れたい!
しかし序盤に難があるため黒単の初動を抑えることが出来ず、ピンポイントで《至高の評決/Supreme Verdict》を《思考囲い/Thoughtseize》されて負けることが多いです。
もう少し序盤に寄せて黒単を克服できるようなデッキ構築を目指したい所。
■おわりに
早くも黒単が環境を支配しつつありますが、禁止するほどではなく、まだまだ新しいデッキの余地は存分に残されていると思います。
もし黒単から禁止が出ると次は《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》がトップメタに変化するだけなので、なんとかして黒単を攻略していきたいですね。
勿論黒単は速度も安定性も素晴らしいので、デッキを悩んでいるならまずは黒単から入るのも良いです。
新フォーマットでデッキを考えている瞬間はマジックの至上の喜びなので、みんなデッキ組んでみてね!
それではまた