MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【カルロフ邸殺人事件】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
毎度おなじみ、最新エキスパンションである『カルロフ邸殺人事件』のレビューをお届けします。
発売直後にモダン(チャンピオンズカップファイナル)、スタンダード(ジャパンスタンダードカップ)、そしてプロツアー(パイオニア)と様々なフォーマットで大会があるので、色々な角度から見ていきたいと思います。
それではスタート!
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★今回のぶっ壊れキーワードは「証拠収集」!!!
「墓地にあるカードを、マナ総量の合計がXになるように選んで追放する」ことにより効果を発揮する新キーワード能力、証拠収集(X)。
スタンダードには《群れの渡り》という証拠収集と相性が良いカードが存在しますし、パイオニアであれば《マグマ・オパス》《創造の発露》、モダンに至っては《ロリアンの発見》を始めとする土地サイクリングがあるので条件の達成は容易です。
証拠収集のカードは多数ありますが、特に強いと思ったのが以下の3枚です。
土地を持ってくるカードが途中から実になるのは強い!というのは既に皆さん《ウルヴェンワルド横断》でご存知ですよね。
スタンダードのドメインランプで序盤の安定&後半の《偉大なる統一者、アトラクサ》サーチに使うのが最もベーシックな流れでしょう。あまりにもお手軽、あまりにも安定。ただし実質タップインランドのようなものなので、トライオームが大量に入っているランプでは何枚採用できるか難しいところですね。1-2枚ぐらいかな。
そしてもっと悪用されそうなのがこの神話レアスフィンクス。
発売前ではありますが、既にこいつから《多元宇宙の突破》+《貯蔵スカーブ》で勝つデッキなども発案されているらしく、なかなか夢が広がります。
ただ7マナ生物+7マナスペルを手札に抱えなければいけないのが少し気になるので、もう少しシャープな構造のデッキが現れないか期待しています。
そして《運命の大立者》からお馴染みの成長するシリーズ、最新作はなんと証拠収集が起動コストの一部になっています。
最終形態の「証拠収集4」が起動したいタイミングでできるのか使ってみないと少し分からない部分ではありますが、「証拠収集4」が付いている代わりに起動のマナ・コストはたったの3マナ。除去やカウンターと構えつつ起動しやすく、かつ起動できればかなりの強クリーチャーになるのでかなり強そう。スタンダードのアグロでぜひ使ってみたい1枚。
★「変異」が強くなって帰ってきた!除去耐性のある「変装」なら活躍が見込めるか??
現代のカードスペックに合わせためか、「護法2」を持った変異として登場したのが今回の「変装」。
「3マナ+表向きにするコスト」を考えるとかなりの強さが要求されるため、過去の変異たちは一部のカードしか使われなかったのが実情です。
各時代を代表する「一部のカード」たち。
今回の「変装」クリーチャーでのオススメはこの2枚!
「狩り立てられた」シリーズの最新作。過去の《狩り立てられた恐怖》《狩り立てられた幻》なんかは《もみ消し》や《刻印》などとコンボさせて使う、ファンデッキ御用達のカードでしたが、今回はなんと「変装」を使うことによりデメリットを無視できるデザインになっています!
3ターン目に「変装」で出しつつ、4ターン目には2マナ払って表替えせば6点!さらに死亡誘発で3点も見込めるので最低9点となかなか高打点のクリーチャー!黒中心のアグロデッキに採用してみたい!
そしてこちらは裏面が強いのはもちろんのこと、表面だけでも強いのが凄い!スタンダードだけでなく、パイオニアでも火力型の赤単などに採用されそう!!
スタンダードの赤単の2マナ域はこれで《血に飢えた敵対者》とこの《逃走する暗号破り》の2種類になり、フラッド知らずの長期戦どんと来い体制になりそうですね。粘り強く戦えるアグロデッキは僕が一番好きなタイプなので、この新戦力は素直に嬉しい!!
ただ、《遠眼鏡のセイレーン》や後述する新《スレイベンの検査官》など1マナ域の採用率が上がると2/1というサイズが殴りづらくなりマイナス査定になります。環境の動きに注目しつつどの2マナ域を使うか決めると良いでしょう。
★3度目の登場!ついにオーコと同じ色になったケラン君の未来は?
《フェイの血筋のケラン》、《勇敢な旅人、ケラン》に続いて3エキスパンション連続登場となるケラン君。今回は父である《王冠泥棒、オーコ》と同じシミックカラーでの登場です!
今回も「出来事」クリーチャーとして収録されていますが、かなりの優秀クリーチャー!!
2T出来事の《容疑者の尾行》でマナ加速から3T《好奇心の神童、ケラン》と1枚で完結していますし、出来事に「調査」が付いてたり、本体のスタッツがかなり優秀だったりと至れり尽くせり。「今回こそ使わせるぞ!」というウィザーズの意志を感じずにはいられません!
このカードの活躍の場はスタンダードに限らない!
リビングエンドやティムール続唱がサイド後にコレを出して《虚空の杯》を割る可能性、あると思います!!表も裏も強くてスタッツも良いので非常に嬉しい。ピッチコストとしても切りやすい!!
今回のイチオシカードです。色々なフォーマットでの活躍に期待しています!!
★その他、気になったカードたちをザックリ紹介します
一世を風靡した《スレイベンの検査官》が帰ってきた!
これで《内なる空の管理人》や《威厳あるバニコーン》といったカードも使いやすくなりますし、《上機嫌の解体》も打ちやすくなりました。スタンダードでパイオニア並みのボロス召集が組めそうですね。
個人的には《ひよっこ捜査員》《遠眼鏡のセイレーン》《内なる空の管理人》《威厳あるバニコーン》の16枚からデッキを組みたい!!
よくあるヘイトクリーチャーですが、瞬速が付くと強さは3倍になります!(井川調べ)
先出しすると除去られて寂しい思いをしますが、相手のアクションに対応して出せば最低限1回分のアドバンテージを取れますからね。アマリアコンボがいるパイオニア向けのカードかも。
コレ系のカードは「どれだけ軽いか」「どれだけプレイできるか」が重要なのでその観点からみると100点のデザイン!
フラッシュ系統のデッキ、特にパイオニアのアゾリウススピリットでは自分と相手のターンの両方でアクションできるので相当強そう。苦手なラクドス系への相性を変えてくれる1枚かもしれません。
《アジャニの歓迎》の超アッパーバージョン。
《召喚の調べ》のコストにならない、《集合した中隊》で捲れないなどマイナス点は多いですが、コンボ後にリソース源として置いておけるのは結構嬉しいので、パイオニアのアマリアコンボで採用される可能性も。
《熟慮》じゃん!!オジサン歓喜!
アーティファクトシナジーもあり、純粋に《熟慮》より裏が1マナ軽くなっているので純粋にかなりの強カード。
1マナとは思えない多用途除去スペル!!
モダンの代表的なカードをあげてみると
アーティファクト:《精力の護符》《アガサの魂の大釜》《一つの指輪》
エンチャント:《力線の束縛》《ウルザの物語》
飛行クリーチャー:《ドラゴンの怒りの媒介者》《濁浪の執政》
などかなり重要な部分に、クリティカルに刺さります!
1マナと軽いので、少量であればサイドボードだけでなくメインから使われても驚かない1枚。
地味ながら除去+マナ加速を1枚で行ってくれる、《古き神々への拘束》のようなカード。
4マナのアクションとしては最上級なので、《ゼンディカーへの侵攻》の追加として数枚使われるかも。
2024年「《活力の温泉》で走らせたいクリーチャー大賞」授賞。
今回の犬枠。早くリミテッドでこのトークン並べたい。アタックもブロックもせず愛でてたい。
★おわりに
ということでお届けしました『カルロフ邸殺人事件』レビュー。
正直今回のセットも少しカードパワーが抑えめでしたが、所々面白いデザインのカードがありました。
スタンダードだけでなくモダンやパイオニアで使えるカードが多めだったので、そういう意味ではかなり要注目のセットと言えるのではないでしょうか。プレイヤーズコンベンション横浜が今から楽しみですね!
今回の僕のオススメはこの3枚!
どのカードも「色々なフォーマットで」「4枚」使える可能性のある、強力なカードだと感じました。100枚とはいいませんが、4枚ずつなら買って損しないと思います!多分!
それでは今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!