MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【ファウンデーションズ】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
毎度おなじみ、最新エキスパンションである『ファウンデーションズ』のレビューをお届けします。
新機軸の「基本セット」としてデザインされているこのエキスパンション、5年間使えるため「強すぎると環境を破壊する/存在感がデカくなりすぎる」「弱すぎると全くの無になる」という諸刃の剣で、かなりバランス調整に苦心したであろうことが想像されます。
それではいつも通り気になったカードを順にご紹介していきたいと思います。スタート!
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★猫派歓喜!こんなに強いロードが許されるのか?
基本セットといえばロード・クリーチャーがいるのが常ですが、今回も優秀なロードが収録されています。それがこちら!
同族ロード系のカードの弱点は「単体除去に弱い」「そいつだけ残っても弱い」「並ばないと弱い」というのが共通した弱点でしたが、それらを全て克服している、まさに新世代のロード!!!
猫全部に+1/+1というロード能力は言わずもがな。シナジーを一切無視した単体スペックでも3マナ4/4相当と《刃の接合者》クラス!!さらには後続を出すと追加で1体出してくれるので、凄い速度で盤面が形成されていきます!!!
あまりに強すぎて脳が追いつかず、最初は自身が戦場に出たときの誘発を見落としてました。まさかこんなに強いとはね。
今のスタンダードには強力な猫クリーチャーが多くないためすぐには活躍しないかもしれませんが、カードパワーは間違いなく本物。いつか大活躍する日を待ってます。モダンもワンチャン。
★3マナのプレインズウォーカーはいつだって期待度∞!!
『ファウンデーションズ』のプレインズウォーカーには再録カードもありますが、青と赤は新規。特に青は最近推されている《漆月魁渡》の最新バージョンです!
3マナで攻撃的なプレインズウォーカー!トークン生成&ドローと青黒の《漆月魁渡》のように使えて、かなり使い勝手良さそうです。
自身の誘発型能力が「あなたがコントロールするクリーチャー1体がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび」となっており、複数体でアタックすればその数だけ忠誠度カウンターが増える仕様になっているのが◎。2体以上で殴れる盤面であれば、毎ターン「-2」能力を使って盤面を広げることができます。
従来のディミーアで使われている《遠眼鏡のセイレーン》《フェアリーの黒幕》《永劫の好奇心》といったクリーチャー陣に加えて、今回《幽体の船乗り》も加わったので在りし日の青単アグロのような構成にするのも良いですね。
もしくはマナベースが厳しそうですが、1T《ラノワールのエルフ》から2T《狡猾な侵入者、魁渡》でマウントを取るといったチャレンジャーもいるかもしれません。
3マナでトークンを出せるプレインズウォーカーはこれまでも大体使われてきたと思うので、コイツにも期待していきましょう!
★今回のコーマはとにかくデカい!除去れない!!
毎ターントークンを生み出しつつ、そのトークンを使って盤面を制圧する大型クリーチャーとしてスゥルタイ根本原理をはじめ様々なデッキで活躍した《星界の大蛇、コーマ》。そのコーマが新しいカードになって新登場!
今回の《世界を喰らうもの、コーマ》は「打ち消されない」を引き継ぎつつ、「海蛇サクって破壊不能」の除去耐性が「護法4」に変更されています。
普通にプレイ=7ターン目に着地とかだと「6マナで《喉首狙い》」みたいな感じでテンポこそ取られないものの簡単に対処されてしまいます。
そこで大事になるのは「いかに早く出すか」。
《ゾンビ化》《蛾の儀式》といったリアニメイト呪文で早いターンに出せば、「護法4」により絶対に対処できない→パワー8トランプルが通って3/3×4体生成して勝ち!!!というルートが見えてきますね。
この「着地したら対処できない」は非常に重要で、《偉大なる統一者、アトラクサ》ではアドバンテージこそ取るものの簡単に除去られて負けるケースも出てきそうですが、絶対に除去されないなら話は別。《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》と合わせて、今後のリアニメイト戦略を支えるエースクリーチャーの1枚として活躍してくれるのではないでしょうか。
★その他、気になったカードたちをザックリ紹介します
今後の白いアグロの行く末を担う、超優秀なクリーチャー。あまりに強すぎてテキスト何度も読み直しました。
単体で2マナ3/1絆魂とアタッカー性能が十分な上に、4マナでプレイすれば実質《集合した中隊》。パイオニアの白単人間で《サリアの副官》《スレイベンの守護者、サリア》あたりを釣るのが最上級でしょうか。
これだけでもレア並の強さなのに、なぜかキッカーで釣れるのはクリーチャーに限らないので、《骨化》《幽霊による庇護》のような除去を釣ることも可能。なんなんだコイツは。
《塔の点火》《苦痛ある選定》といった追放除去にこそ相性悪いですが、基本性能だけでいったら間違いなく神話レアクラス。早く4枚入れてデッキ組みたいな。
3マナで2ドロー2ディスカードといえば《機知の勇者》ですが、マスト除去になったのはかなり凄い。
1マナ除去でテンポ取られてしまうのはちょっと悲しいものの、動いたときのバリューが凄いのでなんだかんだ使われそうな気がしてます。
モダンだと《御霊の復讐》と一緒に使いましょう。《偉大なる統一者、アトラクサ》捨てて良し。最悪コイツを釣って8/8を出しても良し。
《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》《鱗の焦熱、ゲヴ》あたりを見るに、強くて使って欲しいエースクリーチャーには「護法:ライフ」を付けるようになったようです。
コイツもその系列の1枚。2/2/2と最低限の性能を備えつつ、毎ターンアドバンテージを生み出す優秀なクリーチャーです。5年の間にゾンビ・カードが強い瞬間がきっと来るので、そのときはまずコイツ4枚から構築を始めましょう。
単純に5マナ5/5飛行+αなだけで強力なカードですが、構築目線では《永劫の不屈》や《星景の僧侶》のように「自分がライフゲインしたら相手がライフルーズ」のカードと組み合わせての「即死コンボ」が注目されています。
相方の《永劫の不屈》は自身の能力により除去耐性がありますし、《星景の僧侶》は「新生」があるためこちらも除去耐性あり。そうなると実現性高そうに感じますよね。
コンボ特化で組むのか、はたまたオルゾフ・ライフゲインデッキに自然に取り入れる形で組むのか、デッキビルダーの腕が試されそうです。
僕はリミテッドレベルのカードが構築級のカードに見える病気にかかってます。
1回でも殴れれば4点。除去りながら殴ればノーデメリット。《分派の説教者》《名もなき都市の歩哨》に対しても殴りに行ける。って書くと強そうに見えません?ダメ?
こういう絆魂持ちのクリーチャーは赤アグロ対策としての価値が高いはずなのですが、「インスタントからの呪禁」を嘲笑うかのように《抹消する稲妻》《焦熱の射撃》で簡単に除去される未来が。。。
《喉首狙い》《保安官を撃て》《羅利骨灰》のようにインスタント除去に統一しがちな黒系ミッドレンジに対しては「インスタントからの呪禁」がめちゃくちゃ強そうなので、どういうデッキで、どういう相手に対して使うのか気になる1枚。
ついにアーティファクトの力線が出ました!スタンダードだと使うのは厳しそうなので、主戦場はパイオニアになりそうです。
《熱烈な勇者》で装備コストを踏み倒して1ターン目に4点!!
《金属製の巨像》のコストを軽減しつつ、《金属製の巨像》に装備して1パン22点!!
このカードを見てすぐに《隠れ石》が出てくるのは30代以上でしょう。
デーモンなので《不浄な別室+祭儀室》と相性が良く、ハツカネズミなので《多様な鼠》とも相性バツグン。こういう単色のアグロ~ミッドレンジを強化してくれる土地は大好きです。5年間お世話になりそう。
今回の可愛い枠。
『ファウンデーションズ』は新規層の獲得にも取り組んでいるのか、やたら可愛い猫とや犬がいくつかいます。いいぞ、もっとやれ。
★最後に再録勢をまとめて紹介
最後に、再録カードの中でも特に注目のモノをピックアップしておきます。
比較的古いカードもありますので、ここ数年内にマジックを始めた方にとっては初見のカードもあるかもしれませんね。
間違いなく『ファウンデーションズ』で最も影響の大きい1枚。今後5年間、緑のクリーチャーデッキはこのカードが初手に来るかどうか祈るゲームになりそうです。先攻2Tの《グリッサ・サンスレイヤー》《止められぬ斬鬼》《ウラブラスクの溶鉱炉》などなどで粉砕されて愚痴るのが待ち遠しい。
久しぶりに帰ってきました。《集団失踪》《証人隠滅》といった下位互換を泣く泣くプレイしてきた僕にとっては嬉しい限り。《太陽降下》が落ちた後もコレで安心かな。
こちらは先程コーマの項で紹介した通りです。昔のスタンダードではコレで《絶望の天使》を釣るデッキがトップメタに居たこともあります。
《蛾の儀式》と合わせて4マナリアニメイト呪文が8枚体制になるので、《偉大なる統一者、アトラクサ》や《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》を釣るデッキが一気に現実味を帯びてきましたね。
《ショック》の上位互換。単純強化なので10000000%使われますね。
本体4点で勝てるようになったので、赤系アグロはシンプルに強くなりました。好き。
《勢団の銀行破り》が強すぎて少し存在感が薄れましたが、このカードもスタンダード当時は超一級品でした。MRL時代にお世話になった、思い出の1枚。環境が遅くなればまず使われるでしょう。
ココに挙げた以外でも《魅力的な王子》《黎明をもたらす者ライラ》《潮流の先駆け》《送還》《死の印》《真夜中の死神》《ボール・ライトニング》《ギトゥの溶岩走り》《ヴィーアシーノの紅蓮術師》《原初の力》《イマースタームの捕食者》《ボロスの魔除け》《面晶体の記録庫》など、強力なカードが目白押し。
とにかくカードの種類が多いので、何が再録されているのか、定期的にチェックして見落とさないようにしたいですね!
★終わりに
ということでお届けしました『ファウンデーションズ』レビュー。
冒頭にも書いた通り5年間使うということで絶妙なバランス調整がされていますが、トーナメントレベルのカードからド派手なカードまで様々なカードが収録されていて、マジックの入口としてもとても良いエキスパンションだなと感じました。
今回の僕のオススメはこの3枚。どれもデッキの核になるエース・カードなのでまず最初に4枚ずつ揃えたいですね!
そしてアンコモンまで入れるならダントツでコイツ。こういう可変的なマナカーブでプレイできて、何枚引いても困らないカードは大好きです。シンプルに強い!!!
それでは今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!