MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【The Last Sun2021に向けてモダンデッキ紹介】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
今週末には今年最後の大型イベント、The Last Sun2021(以下TLS 2021)が開催されます!
2013年に始まったこの大会も今回で9回目。構築2フォーマットで毎年開催されていますが、今回のTLS 2021はスタンダード&モダンでの開催となります。
スタンダードは国内外・オンライン問わず様々な大会が行われていたので情報がありましたが、モダンのリアルイベントは乏しく、ほとんどがMagic Onlineでのメタゲームが中心となっています。
ということで、久しぶりにモダンを観戦する方にもわかりやすいように、直近の主流デッキをタイプごとに分けてご紹介します!
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■妨害アグロ
軽くて強い、赤い3人衆。イゼットラガバン、グリクシス影、ジャンドサーガなど、相手を妨害しながら殴るクロックパーミッションの系譜のデッキは、すべてこの3種類を搭載するようになりました。
イゼットラガバン
-MTG GOLDFISHより引用-
イゼットラガバン | |
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デッキリスト | |
1:《焦熱島嶼域/Fiery Islet》 2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 2:《霧深い雨林/Misty Rainforest》 2:《汚染された三角州/Polluted Delta》 1:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》 3:《冠雪の島/Snow-Covered Island》 4:《尖塔断の運河/Spirebluff Canal》 3:《蒸気孔/Steam Vents》 18 lands 1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower》 |
4:《表現の反復/Expressive Iteration》 2:《血清の幻視/Serum Visions》 1:《大魔導師の魔除け/Archmage’s Charm》 4:《考慮/Consider》 4:《対抗呪文/Counterspell》 3:《稲妻/Lightning Bolt》 2:《呪文貫き/Spell Pierce》 4:《邪悪な熱気/Unholy Heat》 1:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》 4:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》 29 other spells 2:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》 |
『モダンホライゾン2』の一流クリーチャーとドロー・カウンターでまとめられた最先端のクロック・パーミッション。クリーチャーだけでなくスペルの方も《邪悪な熱気》《表現の反復》《対抗呪文》《考慮》といった最新のカードで揃えられており、まさに今のモダンを象徴するデッキと言えるかもしれません。
メインやサイドに《血染めの月》を無理なく採用できるのも、イゼットラガバンの強みの一つです。
後述するグリクシスシャドウやジャンドサーガに始まり、4Cオムナス、ハンマータイムなどほぼすべてのデッキが《血染めの月》に対する脆弱性を抱えているので、これを定着させることがゴールの一つになりえます。
グリクシスシャドウ
-MTG GOLDFISHより引用-
グリクシスシャドウ | |
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デッキリスト | |
2:《血の墓所/Blood Crypt》 4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》 1:《山/Mountain》 4:《汚染された三角州/Polluted Delta》 3:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》 2:《蒸気孔/Steam Vents》 1:《沼/Swamp》 2:《湿った墓/Watery Grave》 19 lands 4:《死の影/Death’s Shadow》 |
4:《表現の反復/Expressive Iteration》 2:《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》 4:《思考囲い/Thoughtseize》 4:《湖での水難/Drown in the Loch》 1:《致命的な一押し/Fatal Push》 1:《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》 1:《稲妻/Lightning Bolt》 4:《邪悪な熱気/Unholy Heat》 4:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》 2:《激しい叱責/Dress Down》 27 other spells 1:《激しい叱責/Dress Down》 |
少し前までは《グルマグのアンコウ》を出して《頑固な否認》を構えていたのですが、気づけばより軽くより優秀なクリーチャーたちで固めつつ、《夢の巣のルールス》を相棒として活用する形に様変わりしていました。消耗戦を制する《死の飢えのタイタン、クロクサ》も強力な戦力として活躍します。
《孤独》《原始のタイタン》といった「戦場に出たとき」の能力を持つクリーチャーを封じるだけでなく、相手の《ウルザの物語》から出てきたトークンを葬ったり、自分の《死の影》を13/13クリーチャーに変貌させたりと様々な動きができるトリッキーな1枚。
攻めにしか使えなかった《ティムールの激闘》のスロットがキャントリップも付いているコレに替わったと考えると大幅な強化ですね。
■コントロール系
対応力の権化ともいえるこの2種類が、今のコントロールを支えています。
《否定の力》も合わせるとクリーチャー・スペル・置物と触れないものはなく、相手の脅威を捌きつつ自分の強い動きを押し付けていきます。
4Cブリンク
-MTG GOLDFISHより引用-
現在のコントロール筆頭がこの4Cブリンクです。
《孤独》《激情》という2種類なエレメンタルクリーチャーの想起コストを《創造の座、オムナス》を始めとした多色カードでバックアップしつつ、多数のキャントリップを《空を放浪するもの、ヨーリオン》で再利用して、圧倒的なアドバンテージ差を付けて勝利します。
一見なんでもないコモンカードの存在がこのデッキの強さを支えています。
《孤独》《激情》を想起コスト=0マナで唱えつつ、このカードでブリンクすることにより、僅か1マナで相手のクリーチャーを一掃したり、《永遠の証人》をブリンクして無限にアドバンテージを稼いだりと、その使い方は多岐に渡ります。適当に《氷牙のコアトル》をブリンクさせても1マナ2ドローと破格の性能。
アゾリウスコントロール
-MTG GOLDFISHより引用-
《マナ漏出》《否認》《剥奪》《呪文嵌め》など、どれも裏目のあるカウンター呪文の採用枚数に頭を悩ませたのも過去の話。
『モダンホライゾン』で《大魔導師の魔除け》、そして今年『モダンホライゾン2』で《対抗呪文》が採録されたことにより、カウンター呪文の質は最強レベルに達しました!カウンター、ドローからのプレインズウォーカーという王道パターンで勝利を狙う、古典的なコントロールデッキです。
《流刑への道》が《虹色の終焉》に強化されたことによる恩恵として、無理なく《虚空の杯》を使えるようになりました。先述した《敏捷なこそ泥、ラガバン》系のデッキに特に劇的に刺さる1枚です。
■《ウルザの物語》デッキ
『モダンホライゾン2』のカードリストが出たとき、《ウルザの物語》のカードパワーを正確に評価できた人が果たしてどれだけいたでしょうか?2体の大型クリーチャーと0or1マナのアーティファクト、計3つのパーマントを生み出す超強力な土地であり、いまやモダンだけでなくレガシーやヴィンテージまでをも席巻しています。
ハンマータイム
-MTG GOLDFISHより引用-
ハンマータイム | |
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デッキリスト | |
1:《乾燥台地/Arid Mesa》 3:《秘密の中庭/Concealed Courtyard》 1:《神無き祭殿/Godless Shrine》 3:《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》 1:《湿地の干潟/Marsh Flats》 3:《平地/Plains》 4:《無声開拓地/Silent Clearing》 4:《ウルザの物語/Urza’s Saga》 1:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》 21 lands 4:《エスパーの歩哨/Esper Sentinel》 |
2:《思考囲い/Thoughtseize》 4:《巨像の鎚/Colossus Hammer》 1:《頭蓋囲い/Cranial Plating》 1:《影槍/Shadowspear》 4:《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》 4:《シガルダの助け/Sigarda’s Aid》 16 other spells 2:《思考囲い/Thoughtseize》 |
《巨像の鎚》を《シガルダの助け》《純鋼の聖騎士》で付けて大ダメージを叩き出すハンマータイム。元々はオールインに近いアグロデッキでしたが、《ウルザの物語》のおかげでそのデッキパワーが跳ね上がりました。
アーティファクトを主軸にしたデッキなので生み出されるトークンのサイズが非常に大きく、また英雄譚3章の能力では《巨像の鎚》をサーチできると至れり尽くせり。最速2キルの速度は変わらず、《ウルザの物語》トークンでじわじわと盤面を作っていくこともできるようになり、一気にトップメタの一角にのし上がりました。
主戦力が多い『モダンホライゾン2』ですが、サイドボードカードとして優秀なカードも数多く収録されています。その1枚がこちらの《ヴェクの聖別者》。そのプロテクション2種により高い除去耐性を持つだけでなく、墓地対策としてドレッジやグリクシス系に対して強力な1枚です。
■続唱デッキ
『モダンホライゾン2』で《断片無き工作員》が再録され、続唱系のデッキが大幅に強化されました。青いカードが増えて《否定の力》を運用しやすくなったため、《死せる生》は元々のジャンドカラーから4色になり、《衝撃の足音》を使った新しい形の続唱デッキも誕生しました。
ティムール続唱
-MTG GOLDFISHより引用-
ティムール続唱 | |
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デッキリスト | |
1:《繁殖池/Breeding Pool》 2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 1:《森/Forest》 3:《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》 2:《島/Island》 1:《ケトリアのトライオーム/Ketria Triome》 4:《霧深い雨林/Misty Rainforest》 1:《山/Mountain》 4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》 1:《蒸気孔/Steam Vents》 1:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》 3:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》 24 lands 4:《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》 |
4:《衝撃の足音/Crashing Footfalls》 2:《死亡+退場/Dead+Gone》 4:《火+氷/Fire+Ice》 4:《否定の力/Force of Negation》 2:《プリズマリの命令/Prismari Command》 4:《暴力的な突発/Violent Outburst》 20 other spells 1:《緻密/Subtlety》 |
《暴力的な突発》なら3マナ瞬速で8/8相当、《断片無き工作員》なら3マナ10/10相当と、圧倒的なマナレシオのアクションで相手を圧倒するデッキです。《衝撃の足音》は最序盤に待機しても強く、生半可なデッキでは4/4トランプルであるサイ・トークンの群れに押しつぶされることとなります。
続唱デッキは2マナ以下をデッキに入れられないという構築制限があるため、序盤のアクションが弱いのが欠点であり常でしたが、その常識は分割カードと出来事クリーチャーによって完全に打ち破られました。
《死亡+退場》《火+氷》《厚かましい借り手》《砕骨の巨人》と優秀な序盤のアクションで相手の出鼻をくじくことができますし、《厚かましい借り手》や《砕骨の巨人》はカウンター呪文や《血染めの月》と合わせてクロックパーミッション戦略すら可能にしてくれます。
■おわりに
この1年間はリーグやCSに向かって練習していたので基本的にスタンダード&ヒストリックの日々でしたが、今回せっかく参加するということで、1週間近くモダンを真剣にプレイしてみました。
巷で騒がれているように多少『モダンホライゾン2』のカードが強すぎる気もしますが、そのカードたちがそれぞれ対抗しあってメタゲームを形成しており、見た目よりもバランスの取れている環境だなと感じました。
果たして週末の大会を制するのはどのデッキなのか?スタンダードと合わせてぜひ楽しんでご観戦ください!
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それでは今回はここまで。次回はTLS2021のレポートを予定しています。優勝目指して頑張ります!