MTG │ デッキ紹介 │ MOパンダ【《悲嘆》、消える】

2024年8月26日 禁止制限告知
・レガシー
悲嘆》 禁止
※禁止制限告知(MTG公式)

モダンホライゾン2で《暴露》のリメイクとして生まれた《悲嘆》がモダン・レガシーの両方で禁止になりました。

再活性》や《動く死体》などのリアニメイト呪文と組み合わせることで相手の有効なカードを手札から落とすことができましたが、そのプレッシャーは大きく非常に厄介な存在でした。
特にトップメタに君臨していた【スキャムリアニメイト】では《偉大なる統一者、アトラクサ》をリアニメイトした後、悲嘆》と《意志の力》の両方を手札に加えることで、逆転のチャンスを完全に封じることが可能でした。

直近で行われた「BIG MAGIC OPEN Vol.13」と常滑で開催された「日本レガシー選手権・春」は【UBリアニメイト】が優勝したことが記憶に新しいですが、ここ半年のイベントではほぼ全て《悲嘆》を採用したデッキが優勝しているように思います。

そんな最強カード《悲嘆》が消えたレガシーフォーマットは、今後どうなっていくのでしょうか。
MOチャレンジの結果から見ていきましょう。

悲嘆》禁止前の環境は前回の記事をご確認下さい。

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■《悲嘆》禁止後の5回開催されたレガシーチャレンジTOP16

【スキャムリアニメイト】が消え、使用者は【リアニメイト】と【UBテンポ】に分かれています。

それでは《悲嘆》禁止後に勝ってる上位のアーキタイプを見ていきましょう。

■リアニメイト

Legacy Challenge 32(9/1) 優勝 by Maxtortion
デッキリスト
1:《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp
1:《冠雪の島/Snow-Covered Island
4:《Underground Sea
2:《地底街の下水道/Undercity Sewers
4:《汚染された三角州/Polluted Delta
1:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
1:《霧深い雨林/Misty Rainforest
3:《不毛の大地/Wasteland
17 lands


2:《知りたがりの学徒、タミヨウ/Tamiyo, Inquisitive Student
4:《超能力蛙/Psychic Frog
1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower
4:《カザド=ドゥームのトロール/Troll of Khazad-dum
1:《残虐の執政官/Archon of Cruelty
1:《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier
13 creatures

4:《渦まく知識/Brainstorm
4:《思案/Ponder
4:《再活性/Reanimate
4:《納墓/Entomb
2:《思考囲い/Thoughtseize
2:《致命的な一押し/Fatal Push
3:《目くらまし/Daze
3:《動く死体/Animate Dead
4:《意志の力/Force of Will
30 other spells


2:《厚かましい借り手/Brazen Borrower
1:《否定の力/Force of Negation
3:《記憶への放逐/Consign to Memory
2:《致命的な一押し/Fatal Push
3:《オークの弓使い/Orcish Bowmasters
3:《バロウゴイフ/Barrowgoyf
1:《毒の濁流/Toxic Deluge
15 sideboard cards

悲嘆》を失いスキャムができなくなった【UBリアニメイト】デッキです。
悲嘆》が抜けた枠には《思考囲い》と《知りたがりの学徒、タミヨウ》が採用されています。

思考囲い》は《悲嘆》の抜けた枠に採用されており、1ゲーム目はリアニメイトプランで勝利を目指すため、《納墓》をプレイするタイミングで相手の手札からカウンターを落とせる《思考囲い》をプレイできればよいので枚数は抑えられています。
最近は軽くて強いカードが増え、序盤からプレイしたい機会が減っている印象があるため、4枚採用しないのは理解できます。

知りたがりの学徒、タミヨウ》は非常に強力なプレインズウォーカーです。
渦まく知識》で反転できる条件が緩く、サイド後には青黒コントロールのような立ち回りが可能になります。1ゲーム目は相手に対応を迫りつつ《納墓》を回収して使い回すことができるので、リアニメイトプランがより完遂しやすくなります。

サイドボードには《バロウゴイフ》が3枚採用されています。
悲嘆》が消えてしまったことで、手札の墓地対策を落とすことができず、リアニメイトプランが決めにくくなっています。また、《紅蓮破》で《超能力蛙》が対処されることが多く、従来のゲームプランでは勝利が難しい状態です。

そこで《紅蓮破》で破壊されず、一度動き出せば勝てる《バロウゴイフ》がキーパーツとなります。
再活性》によるライフの損失をカバーできる絆魂の効果も魅力的です。さらに、《知りたがりの学徒、タミヨウ》を回収することができ、コントロールプランを決めやすくなります。

能動的に墓地を溜めることができ、リアニメイト呪文が余ることも減ります。
前環境でも使われていましたが、悲嘆》が消えた今、追加のクリーチャーが必要なゲームが増え、より使いやすくなったカードです。

■エルドラージ

Legacy Challenge 32(8/28) 優勝 by Raydan
デッキリスト
1:《荒地/Wastes
4:《ウギンの目/Eye of Ugin
4:《エルドラージの寺院/Eldrazi Temple
4:《古えの墳墓/Ancient Tomb
4:《魂の洞窟/Cavern of Souls
3:《不毛の大地/Wasteland
1:《爆発域/Blast Zone
2:《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ/Yavimaya, Cradle of Growth
1:《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle
24 lands


3:《終わりを告げるもの/It That Heralds the End
4:《まばゆい肉掻き/Glaring Fleshraker
4:《難題の予見者/Thought-Knot Seer
4:《まき散らす菌糸生物/Sowing Mycospawn
4:《運命を貪るもの/Devourer of Destiny
1:《虚構漂い/Nulldrifter
20 creatures

4:《水蓮の花びら/Lotus Petal
4:《虚空の杯/Chalice of the Void
4:《コジレックの命令/Kozilek’s Command
4:《むかしむかし/Once Upon a Time
16 other spells


3:《四肢切断/Dismember
3:《精神壊しの罠/Mindbreak Trap
4:《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre
2:《無のロッド/Null Rod
1:《イス卿の迷路/Maze of Ith
2:《荒景学院の戦闘魔道士/Wastescape Battlemage
15 sideboard cards

悲嘆》禁止直後のレガシーチャレンジで優勝したのは前環境でもメタゲームの上位だったエルドラージで、オーソドックスな《虚空の杯》採用型です。

爆発域》はテンポ系のデッキに非常に強く1枚採用ですがまき散らす菌糸生物》でサーチすることが可能です。
デッキ的に対処が難しい《知りたがりの学徒、タミヨウ》を変身してる状態でも破壊することが可能です。単体除去と違い《渦まく知識》で避けられる心配もありません。

サイドボードの《イス卿の迷路》はUBテンポ系に非常に強力なカードです。
対エルドラージ戦ではマナベースを攻めるのがセオリーであるため、不毛の大地》は引いたら即起動が基本です。数回《不毛の大地》が起動された後にまき散らす菌糸生物》からサーチすることで、《超能力蛙》や《バロウゴイフ》を対処することが可能になります。

不毛の大地》を起動せずに貯めてしまうと重いエルドラージをプレイされてしまうので、起動しない選択肢はほぼありません。

また、《フェアリーの忌み者》は悲嘆》がなくなった今、リアニメイトに対して最も強力な墓地対策です。
ほぼカウンターされず、マナを使用せずに《苛立たしいガラクタ》も無関係で、高速タイプのリアニメイトデッキにも対応できます。

■ナドゥエルフ

Legacy Challenge 32 優勝(8/31) by SHAKELION
デッキリスト
1:《冠雪の森/Snow-Covered Forest
3:《Tropical Island
2:《Savannah
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath
3:《霧深い雨林/Misty Rainforest
4:《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle
1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
1:《ドライアドの東屋/Dryad Arbor
19 lands


4:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves
2:《喜ぶハーフリング/Delighted Halfling
2:《貴族の教主/Noble Hierarch
1:《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers
1:《エルフの牧人/Elvish Herder
1:《森を護る者/Sylvan Safekeeper
4:《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger
4:《コーの遊牧民/Nomads en-Kor
4:《春心のナントゥーコ/Springheart Nantuko
1:《エルフの幻想家/Elvish Visionary
4:《有翼の叡智、ナドゥ/Nadu, Winged Wisdom
1:《忍耐/Endurance
3:《アロサウルス飼い/Allosaurus Shepherd
1:《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn
33 creatures

4:《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith
4:《召喚の調べ/Chord of Calling
8 other spells


1:《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt
1:《狼狽の嵐/Flusterstorm
4:《剣を鍬に/Swords to Plowshares
2:《活性の力/Force of Vigor
1:《地の封印/Ground Seal
1:《呪文貫き/Spell Pierce
2:《否定の力/Force of Negation
1:《忍耐/Endurance
2:《夏の帳/Veil of Summer
15 sideboard cards

モダンで禁止になった《有翼の叡智、ナドゥ》を使ったデッキです。
有翼の叡智、ナドゥ》《コーの遊牧民》の組み合わせによって凄まじいアドバンテージを稼ぎゲームに勝利します。

対象を取るカードは《コーの遊牧民》と追加で《エルフの牧人》が採用されています。緑マナを払うことで対象にトランプルを付けることができ《有翼の叡智、ナドゥ》と相性抜群です。
コーの遊牧民》とは異なり《緑の太陽の頂点》でサーチできるため、《コーの遊牧民》を引くまでの繋ぎとして活躍するでしょう。

引き裂かれし永劫、エムラクール》は、ループ中に《ガイアの揺籃の地》から大量のマナを生み出して唱え、フィニッシャーとなるのはもちろん、エルドラージの流行によってポジションが向上した《絵描きの召使い》と《丸砥石》のコンボにも対応できます。

■《悲嘆》禁止後は?

「リアニメイトが強いままじゃないか!」と思うかもしれませんが、実際はそうではありません。

リアニメイトのメイン戦略が強いのは昔からですが、《悲嘆》がなくなったことで、サイド後のデッキ強度が低下し、やや不安定になった印象です。
悲嘆》+《再活性》が厳しかったスニークショーやストームなどのコンボデッキが息を吹き返しました。

一通り触ってみましたが、一強デッキという印象はなく、あらゆるデッキに可能性が広がっています。【緑黒上陸】や、モダン風の【ボロスエネルギー】なども構築リーグで5-0しています。
悲嘆》禁止だけで何も変わらないと思っていましたが、実際には良い変化があり、一強ではなく良好な環境になりました。

今月は「ダスクモーン:戦慄の館」が発売されます。
レガシーで使えるカードは登場するのか?!次回は「ダスクモーン:戦慄の館」のレビューでお会いしましょう。

読んでいただきありがとうございました!


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