デュエルマスターズ │解説記事│ dotto【殿堂後のオリジナルフォーマットの変遷】
こんにちは、dotto(@22dotton)です。
今回は8月中旬に施行された新殿堂により変化した「ドギラゴンの書」&「ジョニーの書」期の「オリジナル」フォーマット環境について解説します。
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・新殿堂の影響を受けたデッキ
ご存知の通り、2024年8月17日から適応された新殿堂で《緊急再誕》、《邪幽ジャガイスト》、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の3枚が殿堂入りし、それらに先駆けて8月10日には《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》が殿堂解除されていました。
これによって複数の環境デッキが影響を受けたわけですが、“現在の”トップメタのデッキが弱体化したわけではなく、影響を受けたのは“元”トップメタのデッキ。
7月に発売された「超感謝祭 ファンタジーBEST」によってオリジナル環境は10カ月ぶりに環境が激変。
強化された【ファイアーバード】と【ドリームメイト】によって環境の構図は変わり、長い期間トップメタとして君臨していた【赤青マジック】と【黒緑アビス】は「超感謝祭 ファンタジーBEST」によってトップメタから追いやられ、Tier2になってしまったところからトドメを刺されるような形の殿堂入りになってしまいました。
デュエルマスターズの殿堂レギュレーションはデッキの凶悪性や環境に与える影響度が高い以外にも長い期間環境に影響を与えたデッキタイプのカードも殿堂入りの対象になるため、必ずしも現環境の実態に即したものになるとは限りません。
殿堂入りのカードが検討されている期間も発表よりもそれなりに前の時期から行っているため、新カードによって環境的立ち位置が悪くなってから新殿堂によって更に弱体化されてメタゲームから大きく後退するケースは少なくありません。
今回はたまたま後者のケースで仕方がなかったと推測できます。
では、新殿堂により影響を受けたデッキタイプの現在の立ち位置は現在とそれ以前とで比べてどのようになっているのでしょうか?
〇《緊急再誕》(殿堂)=【マトリクスループ】
[ファンタジーBEST発売前]…Tier3
[ファンタジーBEST発売後]…Tier3
[新殿堂施行後]…環境外
〇《邪幽ジャガイスト》(殿堂)=【黒緑アビス】
[ファンタジーBEST発売前]…Tier1
[ファンタジーBEST発売後]…Tier2
[新殿堂施行後]…環境外(Tier4)
〇《瞬閃と疾駆と双撃の決断》(殿堂)=【赤青マジック】
[ファンタジーBEST発売前]…Tier1
[ファンタジーBEST発売後]…Tier2
[新殿堂施行後]…Tier3
〇《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》(解除)=【ジョーカーズ】
[ファンタジーBEST発売前]…環境外
[ファンタジーBEST発売後]…環境外
[新殿堂施行後]…Tier3
・【マトリクスループ】
デッキのメインパーツである《緊急再誕》の殿堂入りによって《蒼狼の大王イザナギテラス》を絡めたサーチや《アーテル・ゴルギーニ》と《終斗の閃きマトリクス》を使ったループがしにくくなったため安定感が大きく低下。環境で立ち回るのは難しくなってしまいました。
・【黒緑アビス】
デッキの核である《邪幽ジャガイスト》が殿堂入りしたことで展開力とメクレイドで山札を掘り進めるスピードが低下。
3,4ターン目の早い段階で返されない詰み盤面を構築することができなくなりました。
・【赤青マジック】
細かい動きや詰めながら展開するキーパーツだった《瞬閃と疾駆と双撃の決断》が殿堂入りしたことで詰め性能が低下。
3kill性能はあまり変わらないものの突破力が落ちたのはマイナスポイント。
・【ジョーカーズ】
《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》の解除によって弱点だった安定感とリソース面が大きく改善。1発打てばゲームが楽になり2発打てばゲームを破壊することができます。
構築済みデッキ「ジョニーの書」による強化も大きく、型によって得意と苦手が変わってしまいますが、今後の研究の進み方や新規カード次第で環境上位復権もありえます。
・新環境について
では「ファンタジーBEST」と新殿堂の影響を受けた新環境の構図はどうなっているのでしょうか。
個人的な見解ですがTier表はこのようになっています。
[Tier表8/31時点]
・【ファイアーバード】
やはり現環境トップのデッキは【ファイアーバード】。
動きの安定感がありながら先攻の押し付けが強い《ハッター・ルピア》と、後攻からでもゲームを作れる《ハンプティ・ルピア》の3コスト域2枚看板がゲームメイカーとして優秀。
プレイングの幅が広いため相手のメタや受けもプレイ次第で突破できるのが環境最強デッキたる所以。
・サンプルリスト
・【ドリームメイト】
環境2番手は【ドリームメイト】。
2枚コンボで成立する革命チェンジから最速2ターン目に《森夢のイザナイメイ様》の光臨を起動する動きは理不尽級の強さ。
相手のシールドと付き合わずにEXWINできる点はシールドを殴りながらアドバンテージを稼ぐ【ファイアーバード】と異なっているので、メタゲームの隙間を掻い潜ることができています。
・サンプルリスト
・【白青天門】
【天門】は【ファイアーバード】に対して受けとリソースで対抗できるのがアピールポイント。
近頃緑系の重量級のカードを扱うデッキタイプやコントロールデッキが増えてきているので少し立ち位置が怪しくなってきているものの、4ターン目《スターゲイズ・ゲート》はどの対面でも基本強いです。
メタゲームにおける【天門】の通りの良し悪しはメタの回り方次第なのでデッキの強さは変わりません。
・サンプルリスト
・【青魔導具】
【赤青マジック】が環境から落ちたため再度台頭してきた空中戦最強「魔導具」デッキ。
過去採用されていたカードの多くが殿堂入りしたにもかかわらず、現在の環境上位デッキに採用されているエレメント除去が少なくなってきているので入賞数を増やしています。
・サンプルリスト
・【青緑グラスパー】
新殿堂のタイミングで定期的に浮上してくるループデッキの【グラスパー】。
【天門】に強いループギミックと【ファイアーバード】や【ドリームメイト】に対抗できるメタカードで環境上位デッキとも戦えるのが魅力。
・サンプルリスト
・【青黒COMPLEX】
対【ファイアーバード】&【ドリームメイト】キラーの【青黒COMPLEX】。
【天門】流行の影響で結果として不利対面が増加傾向ではありますが【ファイアーバード】と【ドリームメイト】の2つに対して有利といえるデッキはほとんど存在しないため、この2つが環境上位に位置している限り立ち位置は失われないでしょう。
・サンプルリスト
・その他
上記のTier2以内と位置付けたデッキ以外でも【キャベッジ】や【ハザード退化】等も入賞数を増やしてきており、【ファイアーバード】vs【ドリームメイト】vs「《飛翔龍5000VT》or《ブルー・インパルス/「真実を見極めよ、ジョニー!」》or《流星のガイアッシュ・カイザー》を採用しているデッキ」の構図は現環境の象徴であるような気がします。
・総括
強いデッキは明確に存在するもののそれに対するメタカードがちゃんと存在し、そのメタカードを絡めたゲーム内の会話が成立しているため現環境は中々面白い環境だと思っています。
環境上位全てに勝てるようにデッキを考えるのは困難ですが、構築やアイディア次第でメタゲームの穴を突くことを可能な環境です。
研究が進めば現カードプールでまた別の環境デッキが誕生する可能性もあるかもしれませんね。