MTG │ 攻略記事 │ 高橋優太【スタンダードメタゲーム解説】
Hi,
3日間ミシックチャンピオンシップⅦの深夜放送を見続けたため寝不足ですが、トッププロ達の試合はどれも内容が濃く最高に面白かった!
今回のトップ8のメンツはMPLの中でもトップの集団。彼らのプレイングを参考にするために、ぜひアーカイブを見てください。
※外部リンク(https://www.twitch.tv/mtgjp)
《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》禁止により大きな変化を迎えたスタンダード。
世界のトッププロ達がどんなデッキを持ち込んだのか見て行きましょう。
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■Piotr Głogowski「ジャンドサクリファイス」
2:《フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King》
2:《虐殺少女/Massacre Girl》
2:《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》
4:《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》
3:《豆の木の巨人/Beanstalk Giant》
2:《残忍な騎士/Murderous Rider》
4:《波乱の悪魔/Mayhem Devil》
4:《金のガチョウ/Gilded Goose》
4:《戦争の犠牲/Casualties of War》
4:《魔女のかまど/Witch’s Oven》
4:《パンくずの道標/Trail of Crumbs》
4:《血の墓所/Blood Crypt》
4:《草むした墓/Overgrown Tomb》
4:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
2:《沼/Swamp》
1:《山/Mountain》
5:《森/Forest》
3:《寓話の小道/Fabled Passage》
2:《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
サイドボード
1:《虐殺少女/Massacre Girl》
1:《フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King》
4:《強迫/Duress》
2:《意地悪な狼/Wicked Wolf》
1:《残忍な騎士/Murderous Rider》
2:《不死の騎士/Deathless Knight》
1:《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》
3:《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》
《魔女のかまど/Witch’s Oven》《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》のコンボが揃うことでブロック→生贄で地上の攻撃はシャットダウン。
この過程で毎ターン食物を生贄に捧げるので、《パンくずの道標/Trail of Crumbs》で恒久的なアドバンテージを獲得します。
コンボの過程で大量にパーマネントを生贄に捧げるため、《波乱の悪魔/Mayhem Devil》の能力で相手の盤面を壊滅。《フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King》は出たターンに2-3枚ドローして、除去されずにターンが帰ってくればゲームに勝つ程の性能です。
《寓話の小道/Fabled Passage》も「生贄に捧げる」能力なので相性が良く、2種類のクリーチャーの能力を誘発させます。《波乱の悪魔/Mayhem Devil》の誘発型能力は各プレイヤーを参照するので、相手に出されたら対応して《寓話の小道/Fabled Passage》を生贄にするのを忘れないように。
サクリファイス系デッキはお互いにエンチャント・アーティファクトを並べあって長期戦になるため、ミラーマッチの打開策となるのが《戦争の犠牲/Casualties of War》。ジェスカイファイヤーズに対しても強いカードです。6マナのカードが4枚搭載されてのは珍しく、いかにこのカードがスタンダードで強いのかを表しています。
ジャンドサクリファイスはカード同士のシナジーが満載で面白く、回していくうちに細かい技に気づくのが楽しいです。
例えば相手の場に2/2、3/3、4/4のクリーチャーが居る状況で、《虐殺少女/Massacre Girl》をプレイ。《虐殺少女/Massacre Girl》の誘発型能力にスタックで自分の墓地の《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》を場に戻せば、全てのクリーチャーを除去できます。《虐殺少女/Massacre Girl》や、任意のタイミングで《パンくずの道標/Trail of Crumbs》を使うために《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》を戻さないシチュエーションも多いです。
■Brad Nelson「シミックフラッシュ」
3:《楽園のドルイド/Paradise Druid》
2:《厚かましい借り手/Brazen Borrower》
2:《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》
4:《エリマキ神秘家/Frilled Mystic》
4:《夜群れの伏兵/Nightpack Ambusher》
4:《成長のらせん/Growth Spiral》
3:《火消し/Quench》
2:《霊気の疾風/Aether Gust》
1:《否認/Negate》
3:《悪意ある妨害/Sinister Sabotage》
2:《神秘の論争/Mystical Dispute》
4:《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》
7:《森/Forest》
7:《島/Island》
4:《繁殖池/Breeding Pool》
4:《神秘の神殿/Temple of Mystery》
2:《ヴァントレス城/Castle Vantress》
2:《寓話の小道/Fabled Passage》
サイドボード
2:《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
1:《霊気の疾風/Aether Gust》
1:《ケンリスの変身/Kenrith’s Transformation》
1:《否認/Negate》
4:《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》
2:《神秘の論争/Mystical Dispute》
1:《押し潰す梢/Crushing Canopy》
1:《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》
2:《薬術師の眼識/Chemister’s Insight》
以前のシミックフラッシュは《塩水生まれの殺し屋/Brineborn Cutthroat》《僻境生まれの保護者/Wildborn Preserver》などの瞬速クリーチャーで構成されていましたが、Brad Nelsonのリストでは不採用。代わりに《楽園のドルイド/Paradise Druid》《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》を採用し、シミックランプとフラッシュの中間のデッキリストになっています。
→メタ上位のジェスカイファイアーズに対して、打消し呪文が多いフラッシュ系が有利。
→しかし瞬速ばかりでは《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》で不利になるし、緑デッキやフラッシュデッキに対しては太い勝ち手段が必要。
→《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》を入れてシミックランプとフラッシュの中間に。
こう考えていたのだと予想しています。デッキリストから使用者の思考を読み解くのは楽しい♪
オーコが禁止されたものの、緑の強さを支えている2枚。
今のスタンダードは序盤のマナトラブルが許されないため、多くのデッキは土地25-26枚に加えてマナ加速を採用しています。
そのマナフラッド受けとして《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》は最高で、おそらくスタンダード落ちするまで使われ続けるでしょう。
打ち消し呪文はどれも条件付きの物が多いです。ゲーム中に同じものを複数引くよりは種類の多いほうが選択肢が増えますし、相手のプレイに裏目を作ることが出来ます。特にミシックチャンピオンシップのような参加者レベルの高い大会の場合は、同じカードを沢山入れるとプレイが予想されやすいので、それを裏切るためにこういうデッキ構築をするのは好きです。
青緑という色の特性上、相手のクリーチャーに触りにくいため《ケンリスの変身/Kenrith’s Transformation》。主に《波乱の悪魔/Mayhem Devil》用ですね。《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》もサクリファイスデッキによく効き、《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》や《魔女のかまど/Witch’s Oven》を指定します。
■Andrea Mengucci「シミックランプ」
2:《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》
4:《枝葉族のドルイド/Leafkin Druid》
4:《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》
4:《発現する浅瀬/Risen Reef》
4:《茨の騎兵/Cavalier of Thorns》
1:《裏切りの工作員/Agent of Treachery》
1:《終末の祟りの先陣/End-Raze Forerunners》
4:《成長のらせん/Growth Spiral》
2:《破滅の終焉/Finale of Devastation》
2:《模写/Quasiduplicate》
4:《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》
10:《森/Forest》
6:《島/Island》
4:《繁殖池/Breeding Pool》
4:《神秘の神殿/Temple of Mystery》
2:《ギャレンブリグ城/Castle Garenbrig》
2:《ヴァントレス城/Castle Vantress》
サイドボード
4:《霊気の疾風/Aether Gust》
2:《自然への回帰/Return to Nature》
1:《否認/Negate》
3:《神秘の論争/Mystical Dispute》
2:《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》
3:《変容するケラトプス/Shifting Ceratops》
マナランプに特化したデッキで、なんと土地は参加者の中で最多の28枚!
それに加えて青緑のあらゆるマナブーストカードが投入され、最速で《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》を目指します。
この手のデッキにしては珍しく《楽園のドルイド/Paradise Druid》が不採用。代わりにデッキ内のクリーチャータイプをエレメンタルに集中することで、《発現する浅瀬/Risen Reef》のシナジーを最大限引き出しています。《茨の騎兵/Cavalier of Thorns》は強固なブロッカーで、能力で墓地に《模写/Quasiduplicate》が落ちればさらに《茨の騎兵/Cavalier of Thorns》をコピー!「マナ加速」「マナ加速後のゴール」という2つに特化したデッキなので、墓地から回収する能力も「マナ加速後のゴール」の為に役立ちます。
ニッサ、ハイドロイドに加えて、さらなる「マナ加速後のゴール」となるのが《破滅の終焉/Finale of Devastation》。
《裏切りの工作員/Agent of Treachery》サーチで相手の盤面に干渉し、《終末の祟りの先陣/End-Raze Forerunners》サーチで100点以上のダメージが入ります。
対Seth Manfield戦では《終末の祟りの先陣/End-Raze Forerunners》でライフが-146点になっていたので、まだ見ていない方は必見!
■Paulo Vitor Damo da Rosa「ジェスカイファイアーズ」
2:《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
4:《予見のスフィンクス/Sphinx of Foresight》
4:《炎の騎兵/Cavalier of Flame》
3:《風の騎兵/Cavalier of Gales》
2:《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》
3:《可能性の揺らぎ/Shimmer of Possibility》
2:《霊気の疾風/Aether Gust》
1:《裁きの一撃/Justice Strike》
4:《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》
4:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
4:《創案の火/Fires of Invention》
4:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4:《蒸気孔/Steam Vents》
3:《ヴァントレス城/Castle Vantress》
3:《寓話の小道/Fabled Passage》
3:《天啓の神殿/Temple of Epiphany》
3:《凱旋の神殿/Temple of Triumph》
2:《島/Island》
2:《山/Mountain》
2:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
1:《平地/Plains》
サイドボード
2:《敬虔な命令/Devout Decree》
2:
《解呪/Disenchant》
2:《裁きの一撃/Justice Strike》
1:《霊気の疾風/Aether Gust》
4:《神秘の論争/Mystical Dispute》
2:《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
1:《抽象からの抽出/Drawn from Dreams》
1:《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》
大会が始まる前はトップメタと予想されたジェスカイファイアーズですが、今回はイゼットフラッシュ、シミックフラッシュを相手に辛酸を嘗める結果となりました。4マナ5マナにキーカードが集中しているため、どうしても打ち消し呪文は苦手。
ジェスカイファイアーズはに関しては、井川さんの記事も参照してください。
https://cardrush-media.com/archives/5737
■おわりに
新しいデッキはどれも面白く、MTGアリーナが捗る捗る。特にジャンドサクリファイスはパズルみたいで頭の体操になるのでおすすめです。
年末にかけてThe Last Sun、The Finalsといった大会が控えていますし、しばらくスタンダードを走り込んでいきます。
それではまた。