MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【モダン神決定戦の結果から考える現在のモダン】

先週末は晴れる屋さん主催の第29期モダン神挑戦者決定戦に参加しました。
慣れたディミーア眼魔を使用して、残念ながら2勝2敗でドロップ。

現在のモダンのメタゲームはエネルギーとディミーア眼魔で、その2つを考慮すると2マナの黒除去を採用した方が良さそうです。
長い別れ》は打ち消されないのが眼魔同系で《呪文嵌め》されないのが良く、変身したアジャニやヨーグモスの《飢餓の潮流、グリスト》も除去できます。他の候補は《苦痛ある選定》の追放がフレージと眼魔両方に効き、《保安官を撃て》なら《濁浪の執政》も倒せます。

エネルギーの除去が《岩への繋ぎ止め》《薄氷の上》など1マナエンチャントが使用されて来ており、それを破壊できる《仕組まれた爆薬》はおすすめ。墓地対策の1マナアーティファクトも破壊出来ます。

タフネス1除去、相手のオークに対するオークとして考えていた《オークの弓使い》ですが、もはや不要かも知れません。
1点除去に1/1が2体付いているカードは、強い状況が限定的。エネルギーのクリーチャーは《オセロットの群れ》しか倒せず、ディミーア眼魔に対しても眼魔が出ると地上クリーチャーは止まってしまいます。
信仰無き物あさり》デッキには強いものの、《信仰無き物あさり》がそこまで使用されていないので、今は《オークの弓使い》があまり強くない印象。

さて、ここからは大会結果を元に、上位入賞デッキを紹介して行きます。

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■参考情報

第29期モダン神決定戦カバレージ

晴れる屋さんの大会結果を参考にしています。

■青単ベルチャー/内藤 圭佑さん

デッキリスト
0 lands


4:《ファラジの考古学者/Fallaji Archaeologist
4:《稲妻罠の教練者/Thundertrap Trainer
3:《現実の設計者、タメシ/Tameshi, Reality Architect
4:《水力発電の検体/Hydroelectric Specimen
15 creaturescardrush-mtg.jp/product-list

4:《睡蓮の花/Lotus Bloom
1:《否定の契約/Pact of Negation
1:《呪文貫き/Spell Pierce
2:《呪文嵌め/Spell Snare
4:《撹乱する群れ/Disrupting Shoal
4:《ベイーンのヴェール/Beyeen Veil
3:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption
4:《発明品の唸り/Whir of Invention
1:《否定の力/Force of Negation
4:《拒絶の閃光/Flare of Denial
4:《朦朧への没入/Sink into Stupor
4:《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher
1:《水浸しの教え/Waterlogged Teachings
4:《鎮圧光線/Suppression Ray
4:《海門修復/Sea Gate Restoration
45 other spells


2:《海の先駆け/Harbinger of the Seas
1:《否定の契約/Pact of Negation
2:《記憶への放逐/Consign to Memory
2:《洪水の大口へ/Into the Flood Maw
2:《ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall
1:《神秘の論争/Mystical Dispute
3:《声も出せない/Unable to Scream
1:《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt
1:《ポータブル・ホール/Portable Hole
15 sideboard cards

モダン神防衛を果たしたのが、青単ベルチャー!
マジックは通常土地が必要なゲームですが、その土地を全て両面土地にすることで、デッキ内の土地を0枚に!《ゴブリンの放火砲》を起動する事で、土地が入ってないのでライブラリーを全部公開する事になり、ライブラリーの枚数分ダメージで一撃勝利するデッキです。

しかし《ゴブリンの放火砲》は設置に4マナ、起動に3マナで合計7マナかかり重い!
それを補助してくれるのが《睡蓮の花》で、1ターン目に待機すれば4ターン目に待機が明けて、土地と合わせてちょうど7マナ出ます。
キーカードのアーティファクトをサーチするのが《発明品の唸り》で、X=0でプレイすれば《睡蓮の花》を直接場に出してマナ加速。マナが十分にある場面なら、《ゴブリンの放火砲》をサーチして発射!

そしてこの《睡蓮の花》と強力なコンボなのが《現実の設計者、タメシ》!
睡蓮の花》から白マナを出し、タメシの能力を起動するごとに2マナずつ増えて行きます。手札に戻す土地が両面なので、呪文としてプレイする事も可能。

場に置いた《朦朧への没入》を手札に戻して相手の厄介なパーマネントを戻しつつ、タメシの能力で1ドローするので、《ゴブリンの放火砲》を引いていなくても《睡蓮の花》《現実の設計者、タメシ》で強い手札を持つ事が出来ます。

非クリーチャー呪文を手札に加える能力で、デッキの安定性を上げるクリーチャー達。これらのクリーチャーを生贄にして《拒絶の閃光》で0マナ妨害するのが本当に強い!

通常の土地を入れられないデッキの制約上、序盤はタップインで遅れる事が多く、相手の序盤に追い付くために《呪文嵌め》《攪乱する群れ》などが採用されています。

タメシの能力起動に白マナが必要なので、《鎮圧光線》は4枚必須と言えます。
朦朧への没入》《水力発電の検体》《海門修復》は3点ライフを支払いますが、貴重なアンタップインなのでこれも4枚必須。

タップインする土地の中でも、通常プレイ可能なものが優先して選ばれています。《ジュワー島の撹乱》は序盤の打ち消し、《ベイーンのヴェール》は大量にクリーチャーを出された時でも1ターン延命出来ます。
攪乱する群れ》をX=2でプレイする事が多いので、そのためにも2マナのカードが優先です。

■マルドゥエネルギー(ベイルマーク)/高橋 太朗さん

デッキリスト
2:《平地/Plains
1:《山/Mountain
1:《血の墓所/Blood Crypt
1:《神無き祭殿/Godless Shrine
1:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry
1:《優雅な談話室/Elegant Parlor
1:《大音声の劇場/Raucous Theater
1:《薄暗い裏通り/Shadowy Backstreet
3:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
4:《乾燥台地/Arid Mesa
4:《湿地の干潟/Marsh Flats
3:《栄光の闘技場/Arena of Glory
23 lands


4:《魂の導き手/Guide of Souls
4:《オセロットの群れ/Ocelot Pride
3:《溌剌の牧羊犬、フィリア/Phelia, Exuberant Shepherd
4:《ナカティルの最下層民、アジャニ/Ajani, Nacatl Pariah
4:《火の怒りのタイタン、フレージ/Phlage, Titan of Fire’s Fury
1:《魔女の結界師/Witch Enchanter
4:《ベイルマークの大主/Overlord of the Balemurk
20 creatures

4:《致命的な一押し/Fatal Push
2:《思考囲い/Thoughtseize
2:《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks
1:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb
2:《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment
2:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker
17 other spells


2:《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer
2:《封じ込める僧侶/Containment Priest
2:《白蘭の幻影/White Orchid Phantom
2:《オアリムの詠唱/Orim’s Chant
1:《摩耗/Wear
1:《スレイベンの魔除け/Thraben Charm
1:《思考囲い/Thoughtseize
2:《空の怒り/Wrath of the Skies
2:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb
15 sideboard cards

 

禁止改定にも関わらず、エネルギーは健在!ボロスやマルドゥのエネルギーが特に活躍しており、デッキの基盤の強さが伺えます。

魂の導き手》からの《オセロットの群れ》で、ライフを得ながらエネルギーとトークンを獲得し、1マナ域を多く引ければ3ターン目に昇殿達成も夢じゃない!
ナカティルの最下層民、アジャニ》で横並べしつつ、《ゴブリンの砲撃》で能動的に猫を生贄に捧げて変身。《ゴブリンの砲撃》は赤のパーマネントでもあるのでアジャニの【0】能力と相性抜群で、相手のライフを速やかに削り切ります。最近では《ゴブリンの砲撃》3枚のリストも増えており、あまりにもアジャニと相性が良い!

そして注目の的になったのが《ベイルマークの大主》4枚採用!
消耗戦に強く、単体でアドバンテージを稼ぎます。5マナなので《致命的な一押し》を受けず、兆候したときは《呪文嵌め》されず、対処しにくい!

兆候した後に《溌剌の牧羊犬、フィリア》で明滅すれば、5/5の状態で帰って来て、さらに戦場に出た時の効果も誘発します。切削する効果が《火の怒りのタイタン、フレージ》脱出のための墓地肥やしにもなり、デッキとかなり噛み合った能力です。

最近のエネルギーはアドバンテージ源として《スカルドの決戦》を使用していましたが、4マナで盤面に全く影響が無いのが弱いタイミングもあるカードでした。
ベイルマークの大主》は《スカルドの決戦》と用途が似てアドバンテージ獲得要員ですが、5/5が盤面強い、フィリアとのコンボが決まると勝ちに近づく、フレージ脱出に繋がりやすいなど、《スカルドの決戦》にはないメリットも多数あるので、今後この形が主流になるかも知れません。

黒を使う理由になる妨害呪文たち。
色めき立つ猛竜》禁止によりエネルギーの供給が不安定になったことから、《静牢》《電気放出》は以前より少し使いにくくなりました。

そういったエネルギー除去を廃して、より確実性のある除去《致命的な一押し》《岩への繋ぎ止め》が採用されています。メタゲームの中心がエネルギーと眼魔であることを考えると、追放除去や確定除去が優先されるのは自然な流れ。

井川さんが先週の記事でメイン《虚無の呪文爆弾》を推奨、確定除去を推奨しているのを見て大きく頷いています。
こちらも参考にどうぞ⇩

■脱出基地コンボ/マツモト トモヒロさん

デッキリスト
1:《島/Island
1:《山/Mountain
1:《繁殖池/Breeding Pool
1:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground
1:《蒸気孔/Steam Vents
1:《轟音の滝/Thundering Falls
4:《霧深い雨林/Misty Rainforest
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn
1:《変容する森林/Shifting Woodland
4:《ウルザの物語/Urza’s Saga
19 lands


4:《知りたがりの学徒、タミヨウ/Tamiyo, Inquisitive Student
1:《機能不全ダニ/Haywire Mite
4:《湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch
9 creatures

3:《モックス・アンバー/Mox Amber
4:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble
4:《オパールのモックス/Mox Opal
1:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern
4:《邪悪な熱気/Unholy Heat
4:《定業/Preordain
1:《ぶどう弾/Grapeshot
4:《邪悪鳴らし/Malevolent Rumble
4:《死の国からの脱出/Underworld Breach
3:《研磨基地/Grinding Station
32 other spells


1:《タッサの神託者/Thassa’s Oracle
2:《呪文貫き/Spell Pierce
3:《記憶への放逐/Consign to Memory
2:《自然の要求/Nature’s Claim
2:《夏の帳/Veil of Summer
2:《鞭打ち炎/Whipflare
1:《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt
1:《真髄の針/Pithing Needle
1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
15 sideboard cards

墓地を肥やしてコンボパーツを揃えて行くコンボデッキです。

まずはアーティファクトと墓地の枚数を確保。《知りたがりの学徒、タミヨウ》は手掛かりトークン生成で金属術を達成して、《湖に潜む者、エムリー》は切削しながらアーティファクトを墓地から唱えます。これらを場に出す事で《モックス・アンバー》から青マナを生成。

邪悪鳴らし》は、切削しながらキーカードの《死の国からの脱出》を探して行きます。

十分な墓地とアーティファクトが揃ったら、コンボスタート。

①:《オパールのモックス》でマナを生み出した後に、《研磨基地》で《オパールのモックス》を生贄にして3枚切削。
②:その後《死の国からの脱出》により、《オパールのモックス》を脱出でプレイ。
③:①と②を繰り返して行く事により1マナずつ増えて行き、自分のライブラリーを全て切削。その後墓地から《ぶどう弾》を脱出でプレイして、20点以上のダメージで勝利。

脱出基地コンボは元々は統率者発祥らしく、それがモダンに導入されてコンボデッキになったという話を聞きました(ソースは不明)。統率者から始まったコンボも構築で通用する好例です。

オパールのモックス》解禁によりデッキの爆発力が上がり、回ったときは3ターンキルも出来ます!
溶融》《石のような静寂》や墓地対策といった弱点はありますが、コンボ好きにおすすめ!

■おわりに

モダンの上位入賞デッキを紹介して行きました。
ベイルマークの大主》4は少し多い気もしますが、エネルギー同系で強いなら多めに採用するのもアリ!

ダスクモーンは何回注目されるんだと思う程、良いレアが多いセットですね。MTGアリーナでダスクモーンのBOXが貰えるチャレンジも予定されており、それも楽しみです。

それではまた。


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