遊戯王 │ デッキ解説 │ でぃん【日本選手権エリア代表決定戦:ピュアリィ】
Card Rush Prosとして活動している、でぃん(@16dindin_)と申します。
先日無事「日本選手権エリア代表決定戦」を突破しました。後4回勝てば世界大会、6回勝てば日本一みたいですね。
日本選手権
使用ピュアリィ
1回戦スケクシャ×○○
2回戦エクソ○×○
3回戦vs○×○
準決勝ルーン○○
決勝戦烙印深淵○×○優勝した~
日本代表まで後一歩!!!— でぃん (@16dindin) June 24, 2023
今回はその際に使用したデッキである【ピュアリィ】を紹介します。
もう新制限が始まっている頃ですが、少しでも参考になれば幸いです。
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■デッキレシピ
日本選手権エリア代表決定戦使用【ピュアリィ】 | |
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デッキリスト | |
▼モンスター 20 《灰流うらら》×3 《増殖するG》×3 《幽鬼うさぎ》×2 《朔夜しぐれ》×1 《ピュアリィ》×3 《ピュアリィ・リリィ》×3 《暗黒界の術師 スノウ》×2 《暗黒界の狩人 ブラウ》×2 《シャドール・ビースト》×1 ▼魔法 16 《ピュアリィ・デリシャスメモリー》×3 《ピュアリィ・スリーピィメモリー》×3 《ピュアリィ・プリティメモリー》×3 《ピュアリィ・ハッピーメモリー》×3 《ピュアリィ・マイフレンド》×3 《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》×1 ▼罠 4 《無限泡影》×3 《ピュアリィープ⁉》×1 |
▼EXデッキ 《エクスピュアリィ・ノアール》×2 《エピュアリィ・ハピネス》×1 《エピュアリィ・ビューティ》×2 《エピュアリィ・プランプ》×1 《エピュアリィ・ノアール》×1 《LL-アセンブリー・ナイチンゲール》×1 《LL-アンサンブルー・ロビン》×1 《キキナガシ風鳥》×1 《ダウナード・マジシャン》×1 《天霆號アーゼウス》×1 《サクリファイス・アニマ》×1 《閃刀姫-アザレア》×1 《コードブレイカー・ウイルスソードマン》×1 ▼サイドデッキ 《ドロール&ロックバード》×3 《深淵の獣マグナムート》×1 《深淵の獣ドルイドヴルム》×1 《エフェクト・ヴェーラー》×1 《朔夜しぐれ》×1 《原始生命態ニビル》×1 《三戦の才》×2 《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》×1 《レッド・リブート》×1 《拮抗勝負》×3 |
■《エピュアリィ・ノアール》登場による展開の変化
今までは5素材以上の《エピュアリィ・プランプ》を踏み台に自ターン中に《エクスピュアリィ・ノアール》になるケースが多かったのですが、《ピュアリィ・スリーピィメモリー》をトリガーに特殊召喚出来る《エピュアリィ・ノアール》が登場した事で立ち回りが一変しました。
《ピュアリィ・スリーピィメモリー》にさえアクセス出来れば後は任意のメモリーカード1枚で《エクスピュアリィ・ノアール》が成立する為、わざわざ発動条件のある《ピュアリィ・デリシャスメモリー》にアクセスする必要が無くなっています。
これにより先攻展開の軸は《エピュアリィ・プランプ》から《エピュアリィ・ノアール》へ完全にシフトし、展開の質も安定感も大幅に向上しました。
《エピュアリィ・ノアール》に《ピュアリィ・スリーピィメモリー》を複数枚埋め込み、自身の効果で用意した《ピュアリィープ⁉》 で相手ターンに《エクスピュアリィ・ノアール》を着地させつつ2~6ドローを狙っていく。
これが基本展開になりました。
■デッキ選択の理由
▼環境の特徴
2023/4環境は非常に多くのデッキタイプが存在していました。
その中でもSNSでは【ピュアリィ】【R-ACE】の入賞報告が多く見受けられ、手札誘発の流行も当初の《ドロール&ロックバード》《D.D.クロウ》のようなカードから徐々に《無限泡影》《朔夜しぐれ》《エフェクト・ヴェーラー》等の効果無効系にシフトしていったように思います。
・トップメタは【ピュアリィ】【R-ACE】
・手札誘発の流行りの傾向は効果無効系
・デッキタイプが数多く存在しており、なおかつそれぞれメタの方向性が違う
上記が6/24時点での環境の特徴と認識しており、これらを踏まえて前回同様評価ポイントを設けました。
その中で【ピュアリィ】は前回同様これらの項目を全て高い水準で満たしていました。
今回設定したポイントは以下の6項目。
①《増殖するG》への耐性
②初動率
③妨害の強度
④手札誘発の為の自由枠
⑤【ピュアリィ】【R-ACE】との相性
⑥極端に不利な対面がない
順に解説していきます。
■評価ポイント解説
①《増殖するG》への耐性
前回から相変わらず1〜2ドローの損失で《エクスピュアリィ・ノアール》を成立させられるので【ピュアリィ】の《増殖するG》への耐性は高いです。
前期と比較すると《ピュアリィープ⁉》が絡む事が増えたので、1ドロー以内で《エクスピュアリィ・ノアール》の用意が整うケースも多くなりました。
②初動率
単純な初動の数だけでなく各種手札誘発への耐性も含めた評価です。
【ピュアリィ】は1枚の手札誘発が致命傷になる事が少なく、最低限の4素材《エクスピュアリィ・ノアール》は成立するケースが非常に多く優秀でした。
③妨害の強度
仮に《エクスピュアリィ・ノアール》が【壊獣】等で簡単に処理されてしまっても《ピュアリィ・スリーピィメモリー》で増えた手札と《ピュアリィ・マイフレンド》のサルベージで建て直しは容易であり、《LL-アセンブリー・ナイチンゲール》を添えていればそのターン中の決着も許しません。
再現性も高く文句無しの強度です。
④手札誘発の為の自由枠
2023/4環境は【超重武者】という展開系デッキが一定数存在しており、タイプによってはバーンを用いた先攻ワンキルも狙ってきます。
後攻1ターン目からでは間に合わないケースが多く、どうしても相手の先攻1ターン目の動きを妨害する為の手札誘発が必要になります。
【ピュアリィ】は比較的自由枠に余裕があり、この点も優秀でした。
2戦目以降は初手の期待値が2枚となる16枚以上投入したいと考えていましたので、今回はメインに12枚、サイドチェンジ後には16枚以上になるよう構築しています。
⑤【ピュアリィ】、【R-ACE】との相性
比較的勝ち上がる事の多いこの2つのデッキに不利であることは大きなマイナスです。逆にこの2タイプに対して有利なデッキはそれだけで選択する価値があります。
しかし【ピュアリィ】、【R-ACE】双方に対して有利だと思えるデッキは見つからず、特に不利なデッキが存在しない認識の【ピュアリィ】に落ち着くことになりました。
⑥極端に不利な対面が少ない
2023/4環境のようなデッキタイプが多い環境では、不利対面が多く生まれてしまうデッキ選択は避けるべきです。
【ピュアリィ】は特に不利な対面が存在しない認識でしたので、この点は問題ありませんでした。
■構築のポイント
☆群雄割拠した環境
デッキタイプが多い環境では広い対面で投入出来るカードを多く採用し、特定の対面の先攻or後攻でしか機能しないカードの採用枚数は極力抑える事が柔軟なサイドを構築する上で重要です。
※現環境の例
特定の先攻時でしか機能しない《次元障壁》等
特定の後攻時でしか機能しない【壊獣】、《エクシーズ・オーバーディレイ》《拮抗勝負》等
勿論このような限定的なカードは、柔軟性を欠く代わりにリターンは大きいです。
一切採用しないのが正しいわけではなく、あくまで枚数を抑える必要があるという話になります。
今回は《拮抗勝負》3枚のみに抑え、対【神碑】を除いて先後どちらでも有効なサイドチェンジが出来るよう意識して55枚を選定しました。
☆【神碑】の存在
【神碑】はその性質上、意識して構築すると《醒めない悪夢》《コズミック・サイクロン》《拮抗勝負》等の役割の狭いカードにサイド枠を占有されてしまいます。
【神碑】は全体の分布も少なく個人的な評価も低かった為、その他対面の勝率を大きく落としてまで意識する必要性は薄いと考え、今回は《拮抗勝負》と《レッド・リブート》のみの採用とかなりガードを下げる形になりました。
☆《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》の採用
採用していない構築も見かけましたが、このカードの有無が勝敗を分けるケースが数多くあるので個人的に外せない1枚でした。
・既に《ピュアリィ・マイフレンド》へアクセス出来ている際の《ピュアリィ・リリィ》のサーチ先として優秀な点
・流行りの【R-ACE】に対して後攻時でも有効なカードである点
・流行りの効果無効系誘発をまとめて腐らせる可能性がある点
・《ピュアリィープ⁉》を多用する都合上《ピュアリィ・スリーピィメモリー》を埋める価値が高い点
これらを高く評価しています。
次は【ピュアリィ】カード以外で採用したメイン、サイドのポイントについて簡単に解説します。
■メインデッキについて
《暗黒界の術師 スノウ》《暗黒界の狩人 ブラウ》《シャドール・ビースト》
各種メモリーの手札の損失をカバーする為に採用。
質の高い先攻展開の為には《エピュアリィ・ノアール》に複数枚のメモリーを埋め込む必要がある都合上有効牌の損失を抑えるカードは貴重ですし、後攻時にメモリーカードを連打して捲りに行く際にも重宝します。
《暗黒界の術師 スノウ》×2
複数回手札の損失を踏み倒せる点は強力ですが有効牌に変換するまでに2回のメモリー発動が要求される所謂上振れカードです。
引けているリターンより、被りのリスクを重く見て2枚の採用に抑えています。
同名を3回経由したい場面が皆無だったので3枚入っていないデメリットは特に感じませんでした。
《暗黒界の狩人 ブラウ》×2
《暗黒界の術師 スノウ》で踏み倒した損失をリソースに変換する為の最低限の枚数として2枚採用。
素引きした場合でもメモリーカードの損失を1枚踏み倒せる事に変わりはないので決して弱くありません。
《シャドール・ビースト》
《暗黒界の狩人 ブラウ》と同じドロー効果ですが、1ターンに1度しか発動出来ない為1枚の採用。
・メモリーで捨てた際に任意効果である為、ドローの結果を見てからサーチ先を選ぶ事が出来る点。
・相手の《斬機ラプラシアン》《古尖兵ケルベク》《古衛兵アギド》等で墓地へ送られてもドロー出来る点。
等、《暗黒界の狩人 ブラウ》には無いメリットがあります。あちらを3枚投入するのであれば1枚はこのカードで良いと考えています。
《幽鬼うさぎ》
ミラーマッチや【超重武者】を意識したカードです。
対面によっては効力が微妙な事もありますが、完全に腐る事はほとんどないのでサイド枠を確保する為に割り切ってメインに採用しています。
《無限泡影》
幅広い対面に対して有効な汎用効果無効。
トップメタの【ピュアリィ】【R-ACE】を意識してメインに採用。
先攻時には《ピュアリィ・スリーピィメモリー》で引いても有効牌となる手札誘発を優先したいのでoutすることが多いです。
《朔夜しぐれ》
4枚目以降の《無限泡影》としてメイン、サイドに1枚ずつ採用しています。
■サイドデッキ:先攻用のカード
2023/4の【ピュアリィ】は多少上振れた展開が通れば6素材以上の《エクスピュアリィ・ノアール》+4~6枚ドロー+ランク1エクシーズと超強力。
なので先攻用のカードは展開を更に盤石にする《次元障壁》《サモンリミッター》のようなカードより自分の動きを安全に通しにいくことを意識して採択しました。
採用を検討したのは、《墓穴の指名者》《抹殺の指名者》《三戦の才》《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》の4種。
指名者系統のカードは先攻にかなり寄ったカードですが、《三戦の才》と《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》は場合によっては後攻時にも投入できる点を高く評価してこの2種を採用。
基本的に《三戦の才》×2+《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》の3枚を増量していました。
《三戦の才》
幅広い対面の先攻時に投入。
デッキタイプが多い環境では広い対面で使えるカードはサイド枠を圧縮出来るので重宝します。
仮に発動機会が無くてもメモリーカードで捨ててしまえば良いので【ピュアリィ】とは特に相性が良いカードです。
《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》
メインにも1枚採用していますが2戦目以降更に増えてくる《無限泡影》《朔夜しぐれ》《エフェクト・ヴェーラー》をケアする為に素引きしたいので更に増量します。
仮に効果無効系を持たれていなくとも《ピュアリィ・スリーピィメモリー》を埋める行為が+1素材1ドローである為単純に強力ですし、妨害により長期化したゲームでも輝きます。
《墓穴の指名者》
《ディメンション・アトラクター》を止められる唯一無二の役割を持っています。
当初は《ディメンション・アトラクター》を止められるこのカードと《三戦の才》の4枚体制を考えていました。
しかし下記のようなデメリットもありサイド枠の都合で悩んだ末今回は採用を見送りました。
・先攻でしか投入しないカードである点
・2戦目以降も手札誘発を残す都合上それらを自分も使用出来なくなる可能性がある点
・《無限泡影》《応戦するG》等一部対応できないものがある点
《抹殺の指名者》
対応範囲は広いがそのカードを自分のデッキに残す必要がある点が非常にネックでした。
特に2戦目以降の先攻時、《無限泡影》は止めたいカードの筆頭であるにも関わらずデッキから抜きたいカードでもある為、効果無効系を回避する目的であれば《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》の方が微妙なカードをデッキに残す必要がなくスマートだと判断しあちらを優先しました。
■サイドデッキ:その他
《エフェクト・ヴェーラー》
主に【R-ACE】を意識しての採用。枠に余裕があれば複数枚投入したいレベルでした。
《原始生命態ニビル》
今回は広い対面を見れる効果無効系の誘発の枠を多めに取っていたのですが、《増殖するG》をツッパして展開された際に1枚あるかないかの差は大きいと考えているので1枚のみ採用。
《ドロール&ロックバード》×3
【超重武者】の展開を1枚でほぼ止められるカードである為3枚採用。
サーチを多用する環境外のデッキにも突き刺さります。
《深淵の獣マグナムート》《深淵の獣ドルイドヴルム》
主に【斬機】【ティアラメンツ】を意識して採用。
《D.D.クロウ》と比較して対応範囲が狭いですが、《D.D.クロウ》は投入したいが【深淵の獣】は刺さらないというケースが少なくパワーの高いこちらを優先しました。
■新制限後の【ピュアリィ】
最後に新制限後の【ピュアリィ】について軽く触れたいと思います。
安定感、最大値共に大きく削がれ弱体化しましたが環境のパワーも全体的に下がっているので依然としてトップメタとなっています。
○展開の変化
《ピュアリィ・スリーピィメモリー》が制限カードに指定された事で《エピュアリィ・ノアール》の成立が不安定になり、ドロー枚数も《ピュアリィープ⁉》 込みで最大2枚と大幅に弱体化しました。
新制限後は《エピュアリィ・プランプ》を用いた従来の展開を行うことが増えています。
○採用カード
メモリー前提の【暗黒界】系統のカードの採用数は抑え、メモリーにアクセスしにいく《強欲で貪欲な壺》や《おろかな副葬》+《錬装融合》で最低値を確保しにいく形が流行りです。
魔法罠は墓地へ送られるだけで《エピュアリィ・プランプ》の素材に出来るので、アドバンテージを失わない魔法罠の価値は前期より高く、これらを中心に構築するのが良いでしょう。
■おわりに
今回は以上になります。
新制限もまだまだ強力な【ピュアリィ】、皆さんも是非使ってみてください。
それでは次の記事でお会いしましょう。