MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【《アガサの魂の大釜》がモダンに与えた影響】

今回はモダン記事です。

直近の大会結果から、最近のモダンのデッキを分析していきます。

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■参考情報

MODERN CHALLENGE 96(10/7開催)
MODERN CHALLENGE(10/7開催)
MODERN CHALLENGE(10/8開催)

■ヨーグモス

MODERN CHALLENGE(10/7):優勝 使用者:Misplacedginger
デッキリスト
2:《草むした墓/Overgrown Tomb
1:《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven
2:《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire
1:《霧深い雨林/Misty Rainforest
1:《ドライアドの東屋/Dryad Arbor
3:《花盛りの湿地/Blooming Marsh
4:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
2:《育成泥炭地/Nurturing Peatland
2:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
1:《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire
1:《沼/Swamp
2:《森/Forest
22 Lands


4:《根の壁/Wall of Roots
3:《絡み根の霊/Strangleroot Geist
4:《若き狼/Young Wolf
1:《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat
1:《歩行バリスタ/Walking Ballista
1:《毒物の侍臣、ハパチラ/Hapatra, Vizier of Poisons
4:《スランの医師、ヨーグモス/Yawgmoth, Thran Physician
1:《忍耐/Endurance
1:《下賤の教主/Ignoble Hierarch
3:《オークの弓使い/Orcish Bowmasters
4:《喜ぶハーフリング/Delighted Halfling
27 creatures

4:《飢餓の潮流、グリスト/Grist, the Hunger Tide
3:《アガサの魂の大釜/Agatha’s Soul Cauldron
4:《召喚の調べ/Chord of Calling
11 other spells


2:《虚空の杯/Chalice of the Void
2:《大爆発の魔道士/Fulminator Mage
1:《致命的な一押し/Fatal Push
2:《活性の力/Force of Vigor
1:《軍団の最期/Legion’s End
2:《忍耐/Endurance
1:《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse
1:《喉首狙い/Go for the Throat
1:《機能不全ダニ/Haywire Mite
2:《エルフの合唱/Elven Chorus
15 sideboard cards

スランの医師、ヨーグモス》の能力を中心に、死亡誘発型能力を多く採用して、攻撃しながらコンボを狙うデッキです。

若き狼》《絡み根の霊は不死能力により除去耐性を持ちつつ、地上クリーチャーをブロック!この不死2種類によるブロックで、モダンを代表するクリーチャーである《敏捷なこそ泥、ラガバンに対して高い耐性を持ちます。

不死は守るだけの能力でなく、《スランの医師、ヨーグモスの生け贄能力ともシナジーを持ちます。1回不死で戻ってきたクリーチャーは+1/+1カウンターが乗りますが、それをヨーグモスの能力で-1/-1カウンターを乗せることで相殺。
これにより再び不死が誘発するようになるので、ヨーグモス+不死クリーチャー+不死クリーチャーで、自分のライフの続く限りドローと生贄を繰り返し行えます。

この不死ループが発生したときに、《ズーラポートの殺し屋が居れば無限ドレインが出来ます。《ズーラポートの殺し屋の効果は「各対戦相手」なので、相手に《一つの指輪を出されてプロテクション(すべて)を得られた場合でも、プロテクションを貫通して勝てます!

毒物の侍臣、ハパチラ》の能力は、《スランの医師、ヨーグモス》とのコンボが狙えます。

「クリーチャーを生贄にして、他のクリーチャーに-1/-1カウンターを置く → 蛇トークンが出る→蛇を生贄に、-1/-1カウンターを置く → 蛇トークンが出る」

この手順を、ライフと場のクリーチャーが続く限り繰り返せます。

つまり《毒物の侍臣、ハパチラ》《スランの医師、ヨーグモスが揃うことで、相手のクリーチャーの合計タフネス分のライフを支払って全部を除去、そのタフネスの合計値のドロー!
不死クリーチャー1体+《毒物の侍臣、ハパチラ》+《ズーラポートの殺し屋》+ヨーグモスでも、無限ドレインが成立します。

アガサの魂の大釜》は、このデッキの無限コンボのパターンを増やしました。
無限コンボは以下の通り。

1.《アガサの魂の大釜》で、《根の壁》と《歩行バリスタを追放する。
2.+1/+1カウンターを《若き狼》の上に乗せる。これにより《根の壁》と《歩行バリスタ》の起動型能力を得て、+1/+1カウンターが乗った2/2になる。
3.《若き狼》の能力「-0/-1カウンターを1個置く:(緑)を加える。毎ターン1回のみ起動できる。」を起動してから、「+1/+1カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。《歩行バリスタ》はそれに1点のダメージを与える。」を起動する。そうすると、-0/-1カウンターを1個置くことで2/1になって、その後+1/+1カウンターを1個取り除く事で1/0になり、状況起因効果で墓地に送られる。
4.《若き狼》の不死(このクリーチャーが死亡したとき、それの上に+1/+1カウンターが置かれていなかった場合、それを+1/+1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。)が誘発して、+1/+1カウンターが乗った2/2の状態で戦場に戻る。

あとは3と4を繰り返して、無限緑マナを出して無限ダメージを与えて勝利!!!

若き狼》を《絡み根の霊》に置き換えてもコンボは成立します。このコンボがあるので、《根の壁》を「-0/-1カウンターを1個置く:(緑)を加える」を相手のターンに起動して、《根の壁を自滅させることが増えました。《召喚の調べ》X=0で《歩行バリスタ》をサーチして墓地に送る場合も多いです。

ヨーグモスの《アガサの魂の大釜》は本当に強力で、除去や手札破壊された《スランの医師、ヨーグモスを追放すれば疑似的にヨーグモスを増やせますし、《飢餓の潮流、グリスト》を追放しても強い!

飢餓の潮流、グリスト》を《アガサの魂の大釜で追放した場合、グリストの持つ「飢餓の潮流、グリストが戦場に無いかぎり、これはこれの他のタイプに加えて1/1の昆虫クリーチャーである。」によってクリーチャー扱い。
なので、+1/+1カウンターが乗ったクリーチャーがグリストの忠誠度能力を持つようになり、[+1]の能力を使うと、忠誠度カウンターが増えます。

最初は[+1]能力しか使えませんが、[+1]能力を複数回したり、増殖で忠誠度カウンターを増やせば、[-2]や[-5]能力も使えるようになります。通常では起こらない不思議な挙動ですが、全員がグリストになって昆虫を生成して行くのは超強力!

他にも、《アガサの魂の大釜》で墓地の《大爆発の魔道士を追放すれば、相手のウルザ土地を破壊し尽くしたり、《機能不全ダニ》ならエンチャント・アーティファクトを追放する能力を得ます。アガサ、凄すぎる!!

アガサの魂の大釜》の加入により、ヨーグモスは以前にも増してコンボが増えて強化されました。クリーチャーのコンボが好きな方におすすめ!

■鱗親和

MODERN CHALLENGE(10/8):優勝 使用者:lokarionn
デッキリスト
1:《カープルーザンの森/Karplusan Forest
3:《宝石の洞窟/Gemstone Caverns
4:《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows
4:《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus
1:《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven
3:《冠雪の森/Snow-Covered Forest
4:《ウルザの物語/Urza’s Saga
2:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》
2:《銅線の地溝/Copperline Gorge
24 Lands


4:《電結の荒廃者/Arcbound Ravager
4:《搭載歩行機械/Hangarback Walker
4:《歩行バリスタ/Walking Ballista
4:《微光蜂、ザーバス/Zabaz, the Glimmerwasp
4:《継ぎ接ぎ自動機械/Patchwork Automaton
20 creatures

1:《溶接の壺/Welding Jar
1:《魔力の導管/Power Conduit
1:《影槍/Shadowspear
2:《オゾリス/The Ozolith
1:《打ち砕かれた尖塔、オゾリス/Ozolith, the Shattered Spire
2:《アガサの魂の大釜/Agatha’s Soul Cauldron
4:《硬化した鱗/Hardened Scales
4:《古きものの活性/Ancient Stirrings
16 other spells


2:《虚空の杯/Chalice of the Void
1:《溶接の壺/Welding Jar
4:《虚空の力線/Leyline of the Void
2:《四肢切断/Dismember
1:《自然の要求/Nature’s Claim
4:《活性の力/Force of Vigor
1:《機能不全ダニ/Haywire Mite
15 sideboard cards

接合など、+1/+1カウンターを置く効果と《硬化した鱗を組み合わせて、クリーチャーを超強化して攻めていくデッキです。以前に存在したアーティファクトのアグロデッキの「親和」と見た目が似ており、それと《硬化した鱗》を合わせて「鱗親和」と呼ばれています。

硬化した鱗》はデッキの核と言えるカードで、「+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る」クリーチャーは2個の状態で戦場に出ますし、《電結の荒廃者や《搭載歩行機械》の効果でもカウンターが1個増えます。そこに接合を組み合わせると、10/10を超えるサイズの《歩行バリスタ》を作ることも可能で、攻撃10点、能力で本体10点で一撃必殺!

アガサの魂の大釜》は本当に相性が良くて、+1/+1カウンターを置きながら、追放した《電結の荒廃者》《搭載歩行機械》《歩行バリスタ》の能力を使えるようになります。

クリーチャーのほとんどが+1/+1カウンター持ちなので、味方全員が《電結の荒廃者》《搭載歩行機械》《歩行バリスタの能力持ちになるのは恐ろしいほど強力!

もともとモダンにいたデッキではありましたが、単体除去の増加により下火になっていた所を、《アガサの魂の大釜》でデッキが強化されて復活。最近ではトップ8の常連になるほど活躍しています。

微光蜂、ザーバス》は飛行で攻撃を通しやすいのと、接合のカウンターを増やしてくれます。2枚目を引いた時も「1マナで+1/+1カウンターを2個乗せる」という使い方が出来るので4枚フル採用。

+1/+1カウンターが乗ったクリーチャーを除去されたり、《電結の荒廃者》で生贄にすると、+1/+1カウンターが《オゾリス》の上に移動して、戦闘開始時にクリーチャーに移動。この移動が起こるたびに、《硬化した鱗》が場にあると+1/+1カウンターの数が増えていきます。+1/+1カウンターを移動するために、《魔力の導管までも採用されています。

そうして増やしていった+1/+1カウンターを、《墨蛾の生息地》の上に乗せれば、毒10点で一撃必殺!毒10点や20点など、ときにはオーバーキルな程ダメージが入る、爽快感があるデッキです。

楽しくて強いので、カウンターを多く乗せたい、大ダメージを与えたい方に特におすすめ!

■ラクドス想起

MODERN CHALLENGE(10/7):優勝 使用者:christiano7
デッキリスト
3:《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs
1:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway
4:《血の墓所/Blood Crypt
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
1:《湿地の干潟/Marsh Flats
1:《汚染された三角州/Polluted Delta
3:《沼/Swamp
1:《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire
2:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
22 Lands


4:《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer
4:《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker
4:《オークの弓使い/Orcish Bowmasters
4:《悲嘆/Grief
4:《激情/Fury
20 creatures

1:《致命的な一押し/Fatal Push
4:《まだ死んでいない/Not Dead After All
4:《思考囲い/Thoughtseize
2:《死せざる邪悪/Undying Evil
3:《終止/Terminate
2:《コラガンの命令/Kolaghan’s Command
4:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker
18 other spells


2:《虚空の杯/Chalice of the Void
2:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
2:《真髄の針/Pithing Needle
2:《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse
3:《血染めの月/Blood Moon
2:《碑出告が全てを貪る/Hidetsugu Consumes All
2:《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse
15 sideboard cards

手札破壊と軽量クリーチャーにより、妨害しながら攻撃していく、モダンで特に人気のあるデッキです。
想起クリーチャーを《まだ死んでいない》《死せざる邪悪で戦場に戻して1ターン目から強大なクロックを用意することが出来て、《悲嘆》なら2枚捨てながら4/3威迫、《激情なら8点ダメージを振り分けながら4/4二段攻撃が爆誕します!

「エルドレインの森」加入以降、それまで《フェイン・デスだった枠は全て《まだ死んでいない》《死せざる邪悪に代わりました。《まだ死んでいない》は役割・トークンにより除去された時に1点多く入ります

死せざる邪悪》は、これ系統の呪文では珍しくアンタップ状態で戻ってくるので、ブロッカーを用意できます。不死を得る効果なので、すでに+1/+1カウンターが乗ったクリーチャーに撃っても意味がないですが、まだ死んでいない》が4枚になったことで、《フェイン・デス》よりも《死せざる邪悪》が優先されるようになりました。

最近は《歴戦の紅蓮術士》よりも《鏡割りの寓話型の方が主流で、メインデッキ60枚もある程度テンプレ化して来ています。
目を引くのはメインに入った《コラガンの命令》。《アガサの魂の大釜》デッキが活躍しているので、メインからアーティファクトを破壊できるようにしているのでしょう。確かに今の環境なら、《アガサの魂の大釜を対処できるカードを入れたい!

■豆の木オムナス

MODERN CHALLENGE(10/7):10位 使用者:RYAN_39
デッキリスト
1:《寺院の庭/Temple Garden
1:《神聖なる泉/Hallowed Fountain
1:《蒸気孔/Steam Vents
1:《繁殖池/Breeding Pool
1:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground
1:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath
1:《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome
1:《ゼイゴスのトライオーム/Zagoth Triome
4:《霧深い雨林/Misty Rainforest
1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
1:《平地/Plains
1:《島/Island
1:《森/Forest
24 Lands


4:《創造の座、オムナス/Omnath, Locus of Creation
4:《孤独/Solitude
3:《激情/Fury
1:《忍耐/Endurance
12 creatures

4:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler
4:《レンと六番/Wrenn and Six
2:《時間のねじれ/Time Warp
2:《虹色の終焉/Prismatic Ending
4:《一つの指輪/The One Ring
4:《力線の束縛/Leyline Binding
4:《豆の木をのぼれ/Up the Beanstalk
2:《稲妻/Lightning Bolt
26 other spells


1:《孤児護り、カヒーラ/Kaheera, the Orphanguard
2:《虚空の杯/Chalice of the Void
2:《天界の粛清/Celestial Purge
2:《高山の月/Alpine Moon
2:《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils
2:《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto
2:《夏の帳/Veil of Summer
2:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
15 sideboard cards

豆の木をのぼれ》入りオムナスも活躍しています。
孤独》や《激情は想起でプレイするとカードを失いますが、《豆の木をのぼれ》があれば手札をほとんど失わずに想起できます。

力線の束縛》でドロー出来ますし、《虹色の終焉を5マナ以上でプレイしてもドロー出来ます!

62枚デッキで、時間のねじれまで採用されているのが面白い!レンと六番》の奥義まで行けば、《時間のねじれで無限ターンに近い行動が出来ます。

オムナスは長期戦になりやすいので、《忍耐が1枚入っているとライブラリー修復出来たり、《時間のねじれで勝ちパターンが増えるので、出来ることを増やすためにデッキ枚数を増やす気持ちはわかります。
(それでも僕は60枚派です)

■おわりに

アガサの魂の大釜》は、ヨーグモスや鱗親和を大幅に強化して、この2つのデッキはトップ8入賞率も高いです。

墓地対策、クリーチャー強化、除去されても能力起動と、隙が無い!今後もよく見るカードになるので、アーティファクト破壊は忘れずに!

それではまた!


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