MTG │ 新弾レビュー │ 高橋優太【『モダンホライゾン2』白・青・黒】

『モダンホライゾン2』のフルスポイラーが発表されましたね。

『モダンホライゾン2』の全カードリストはこちら

全体的にカードが強めにデザインされており、今までの環境が大きく変わりそうな印象です。

さっそく注目カードを紹介して行きます。

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■白

白1マナでプロテクションや破壊不能を付ける呪文は今までにもありましたが、これは歴代でも最高に近い性能です。

呪禁と破壊不能なら単体除去、全体除去の両方を回避できて、アーティファクトクリーチャーならプラス修正。クリーチャー単体を強化して行くようなデッキで使えそう。

統率者で人気の《Mystic Remora》に近い効果ですね。

ドローできるのは1ターンに1回のみなのが《Mystic Remora》との差異ですが、統率者戦で序盤に置けば沢山カードを引けそう。

相手への妨害能力は低いため、モダンやレガシーでは《スレイベンの守護者、サリア》の方が優先されそう。

X=0なら1マナ、X=1なら2マナと、支払ったマナに応じてパーマネントを追放。3色デッキで使う事になると思います。

ソーサリーではありますが、やっていることは《突然の衰微と近く、汎用性の高い除去なので、構築戦でも良く見そう。

今までレガシーでは《運命の神、クローティスを除去できるカードが少なかったのですが、その点で見ても《虹色の終焉》は良い。
墓地対策として超強力。今までに出た墓地対策クリーチャーの中で最強だと思います。

墓地を使うデッキは、モダンなら《臭い草のインプ》《秘蔵の縫合体》《アゴナスの雄牛》、レガシーなら《信仰無き物あさり》《甦る死滅都市、ホガーク》など、赤と黒のカードが中心に組まれています。

戦場に出たときにそれらを全て追放し、その後墓地に置かれるカードも全て追放。なおかつプロテクションがあるので除去されにくい。

コストが白白なので白がメインカラーでないと使いにくいですが、それでも相性を逆転させるほど強力な墓地対策カードです。

白の想起インカーネーションは《剣を鍬に》。

孤独》は思ったよりも使いにくい印象を受けます。序盤に想起で使うためにはデッキ内に最低でも14枚、なるべく18枚ほどの白のカードが必要(14枚入っているカードは初手に1枚来る確率が高いです)

白の濃いデッキでないと運用しにくく、想起したとしても自分はカード2枚を使って1体除去なので、アドバンテージ面では損します。

上手く使うためには、《戦隊の鷹のように手札補充できるカードと一緒に使ったり、想起で場に出た時に《儚い存在で使いまわしたりなどの工夫が必要です。
序盤は平地に変わり、墓地に置いておくことで後半に永遠できるので、コントロールデッキのフィニッシャーとして使いやすい。

青白コントロールに入れてみたい1枚。
ジャッジメントからの再録。ドローステップが飛んで毎ターン手札を捨てるという強烈なデメリットがあるものの、ダメージも受けず被覆を持つので、無敵状態になります。

恒久的に手札を補充できる《壌土からの生命とサイクリング土地があれば毎ターン維持も可能です。

最初はバーン相手に出せば勝ちかと思いましたが、 バーン側が自分を対象に《頭蓋割り》をプレイすることで、「軽減できない」が無効化されてしまうので、クリーチャーからのダメージで突破されてしまいますね。

■青

サイクリングしても3マナでプレイしてもそれなりに強い切削呪文。

遺跡ガニが出た事で青黒ライブラリーアウトが強化されていますし、切削も地味にセットごとに強くなって来ています。
複製があるので、複数の呪文がスタック上にある時に両方打ち消す事も出来ます。ただ、《狼狽の嵐》の方が優先かな。
これはレガシーやヴィンテージにも影響を与えそうなドラゴン。

下環境ほど《渦まく知識》などの軽いドロー呪文が多いので、探査で6/6以上のサイズになるのも容易。

青という色は《意志の力》《否定の力のコストに使えるメリットがありますが、逆に《紅蓮破》《赤霊破》で破壊されてしまうデメリットでもあります。

ただ《紅蓮破》《赤霊破》で除去されるデメリットを考えても強いと思うので、今後良く見る事になりそう。
青の想起インカーネーションはクリーチャー呪文かプレインズウォーカー呪文を一時的に対処。

否定の力》と《緻密が両方手札にあればクリーチャー呪文も非クリーチャー呪文も対応できるので、モダンでも疑似的に《意志の力》が構えられる状態になりましたね。

緻密》は想起でなくても4マナ3/3瞬速・飛行と悪くないスペックなので、《エリマキ神秘家》のような使い方も可能です。かなり強そう。
昔は青はクリーチャー性能が低い色でしたが、現代スペックは3マナ3/4にメリットが沢山付いてくる!

マーフォークデッキでのエースになりそうな性能ですが、能力を最大限活かすためにはデッキ内にマーフォークが一定数必要なので、マーフォークデッキ以外では使いにくいかも。
物読み》がクリーチャーになって2マナ重くなった!パーマネントであることは、《逆説的な結果でバウンスしたりなどのメリットもあります。

各種《Mox》など、軽くて強いアーティファクトが多いヴィンテージなら親和コストも軽減しやすいので、使われそう。
ついに!モダンで!《対抗呪文》が使える!

今まで青いデッキは《マナ漏出》《差し戻しを打ち消し呪文として使っていましたが、これらは後半になるほど価値を失いやすいという欠点がありました。

しかし《対抗呪文》ならどんな呪文も2マナで対処。序盤中盤終盤いつ引いても隙が無い最高の打ち消し、それが《対抗呪文》。

対抗呪文》が青系コントロールデッキを支えて行くでしょう。

■黒

今回ウルザトロン対策が多く作られている印象を受けますね。

氷砕き》は2マナなので後手でもトロンが揃う前に破壊出来ますし、後半は超過で無色土地を全て破壊するので、トロン対策として優秀。

ただ、コストが黒黒なのが難点で、このカードの為に黒をタッチして使うのは難しそう。ジャンド系や《死の影系など、黒がメインカラーのデッキでのサイド後の選択肢となりそうです。
黒単色の2マナの単体除去で、「黒でない」「3コスト以下」「ライフを失う」など、デメリットや制限のない完全除去は初です。

真価を発揮するのは超過コストを払えるデッキで、後半は《神の怒り》としても使えるすごい除去!

しかし《滅ぼしを両方使おうと考えると、黒黒白白で色拘束がきついので、ほぼ白黒2色デッキ専用に近い除去かなと。

滅ぼし》を超過として両方使うデッキでないなら、相手のターンにも使えて範囲の広い《取り除きなど、インスタントの方が使いやすいと思います。
これまた強力な墓地対策クリーチャー!

ダウスィーの虚空歩きが出た後、相手の墓地に置かれるカードは追放されるので、生きる《虚空の力線》と言えます。

虚空カウンターが乗ったカードをコストを払わずにプレイする能力も強く、例えば2ターン目に《ダウスィーの虚空歩きから3ターン目に《思考囲い》で相手の《解放された者、カーンを手札から落として追放、そのまま《ダウスィーの虚空歩き》の能力で《解放された者、カーン》をコストを支払わずにプレイできます。

今回のセットではダブルシンボルのカードが強めに作られており、ダウスィーの虚空歩き》もタッチで使いにくいコストですが、それでもモダン環境に影響を与えそうな性能です。
マジックにはデッキに4枚以上入れられるカードも存在します。

例えば《影生まれの使徒》《執拗なネズミなどを大量に入れたデッキなら、《残響する復活》が活躍しそう。
黒の想起インカーネーションは《困窮》。スポイラーで《悲嘆》を見た瞬間に強過ぎて驚きました

白と組み合わせて、想起の「生贄に捧げる」能力がスタックに乗った状態で《儚い存在で再利用しても強いですし、単純に4マナ3/2手札破壊クリーチャーとして出しても強い。

モダンよりもレガシーに影響を及ぼす能力で、想起で墓地に行く事を活用して《再活性すれば1ターン目に相手の手札の強いカードを2枚捨てさせながら3/2威迫が出てきます。

想起インカーネーション全部に言える事ですが、手札に複数枚ダブついてしまっても、2枚目を追放して唱えられるので、デッキに4枚入れることが多くなりそうなデザインです。
モダンで禁止されている《黄泉からの橋がクリーチャーになって帰ってきた!

相手の墓地にクリーチャーが落ちなければデメリットがなくなるので、相手の墓地に行くカードを追放する能力を持つ《ダウスィーの虚空歩き》との相性は抜群。

3マナ4/4と攻撃性能も高く、自身もクリーチャーなので、《橋の大魔術師》が除去されたとしてもゾンビトークンが出ます。

マナコストが黒黒黒で出しにくいですが、逆に信心コストになる点を利用できるかも。
イラストはかっこいいのだが、5マナで出すのは重いので、マッドネスで出せるようなデッキ構築が求められます。

お互いの手札を捨てる《ヴェールのリリアナとの相性が良いので、セットで見かけるようになるかも。
かなり強力なリアニメイト呪文がモダンに出ました。

伝説のクリーチャーが出せないため、《グリセルブランド》《大修道士、エリシュ・ノーンなどを墓地からは出せませんが、それでも2ターン目に巨大クリーチャーを出せるのは魅力。

墓地から出すクリーチャーは《灰燼の乗り手》《潮吹きの暴君》《残虐の執政官》などが候補になりそうです。
トーラックへの賛歌》の本人がカード化。

2マナ2/1だと弱いので、強く使うためにはキッカーが前提ですが、4マナで2枚ハンデス付きの4/3と考えると及第点。

除去されたあとに《コラガンの命令で回収すれば相手の手札を空に出来そう。
頑強》とセット運用しそうな、墓地に落とすサーチ呪文。

アゴナスの雄牛》など脱出持ちを落とす使い方も出来ますし、「永遠」「蘇生」「フラッシュバック」など、墓地から戻るカードと組み合わせたい。

■おわりに

白、青、黒の注目カードを紹介しました。

全体的にダブルシンボルで強いカードが多く、また想起インカーネーションのコスト用に色の枚数確保も必要なので、デッキの色が減って行きそうな印象です。

単色または2色デッキが出てくるのか?

『モダンホライゾン2』はカードがとても強いため、1回ですべては紹介しきれませんでした。

というわけで、次回は赤、緑、マルチカラー、アーティファクト、土地を紹介します。

それではまた。


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