MTG │ デッキ解説 │ 高橋優太【グルール果敢とアリーナ・ダイレクト】
去年の世界選手権後に勧誘されて、今年から海外チーム「Cosmos」で練習していく事になりました。
This will be a great challenge for me.
I have both expectations and worries, but I will do my best.今年は新しい挑戦で、Cosmos所属でプロツアーを戦います🔥 https://t.co/WdqyOMvhSy
— Yuta Takahashi (@Vendilion) January 14, 2025
過去に僕が最も実力が伸びたと感じたのは、毎月トッププロ達と対戦していたライバルズリーグの期間です。プレイミスしたり、デッキ選択が悪いと容易に3勝7敗とか2勝8敗の成績になるので、常に緊張感のある対戦環境でした。ストレスもありましたが、追い込まれた分だけレベルアップして、かけがえのない経験です。
今の自分よりも大きくレベルアップしたいなら、居心地の良い場所(コンフォートゾーン)を抜け出して、現在の状態から少し背伸びしてやっと達成できる領域(ストレッチゾーン、ラーニングゾーン)に入る必要があります。
自分より強い相手と練習する機会を増やし、上達のチャンスを掴みたいと考えて、チームCosmosの誘いを受ける事にしました。
チームメイトと話すために毎日英語スピーチを聞いて発音練習していたら、少し会話力が上がってきました。
カタカナ発音だと会話で全く通じなくて、英語には発音しない文字がありdidn’tが(リロン)だったりします。学生の頃英語の成績は全然ダメでしたが、自発的に学ぶと語学は面白い!
そして2月のプロツアー霊気走破に向けて、スタンダードの練習を開始しています。
まずはトップメタを理解する所からスタート。今日はグルール果敢の解説です。
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■グルール果敢
デッキリスト | |
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5:《山/Mountain》 4:《カープルーザンの森/Karplusan Forest》 4:《銅線の地溝/Copperline Gorge》 4:《ソーンスパイアの境界/Thornspire Verge》 3:《不穏な尾根/Restless Ridgeline》 3:《岩面村/Rockface Village》 23 lands 4:《心火の英雄/Heartfire Hero》 |
4:《巨怪の怒り/Monstrous Rage》 4:《塔の点火/Torch the Tower》 2:《抹消する稲妻/Obliterating Bolt》 3:《亭主の才能/Innkeeper’s Talent》 13 other spells 3:《石術の連射/Lithomantic Barrage》 |
ブルームバロウのハツカネズミたちを中心にして、高速で相手のライフを削り切るアグロデッキです。
《心火の英雄》は毎ターン雄姿を誘発させられれば、1マナ域とは思えない高打点を叩き出します。《多様な鼠》の二段攻撃と相性抜群!
《熾火心の挑戦者》は歴代の2マナ域の中でも屈指の性能!ライブラリートップ公開能力により、後半も粘り強く戦えます。
2ターン目に《心火の英雄》から《多様な鼠》の二段攻撃で4点、3ターン目に《心火の英雄》プレイから《巨怪の怒り》を《心火の英雄》に撃って二段攻撃付与で16点入るので、なんと3ターンで20点ダメージが出ます!このハツカネズミたちの影響でスタンダードは常に赤アグロを意識する必要があるほど、強力なデッキです。
緑のカードを使用する理由は、ハツカネズミたちの雄姿を誘発させるのと、後半にマナを注ぎ込んで粘り強く戦うためです。
《脚当ての補充兵》は、除去が多い黒に対して特に有効なクリーチャーで、除去の対象になったときに味方のクリーチャーを強化します。対象に取る能力なので、ハツカネズミたちの雄姿も誘発!1ターン目に緑マナが出にくいデッキなので1マナでプレイする事は少な目で、3マナの新生化で出す事が多い。
2体出るとそれぞれ誘発するので、除去に強い盤面作りに最適で、特にディミーアバウンス、エスパーバウンスといったデッキに強いです。《脚当ての補充兵》を意識するなら、黒を使う側も-2/-2全体除去や、《ギックスの命令》で除去する必要があります。
《亭主の才能》はハツカネズミたちの雄姿させつつ、レベル2の護法付与が相手に使用するマナの制限をかけます。
1ターン目《心火の英雄》から2ターン目《亭主の才能》で3/3→5/5→7/7と育っていくと手が付けられないし、例えば相手が2マナのクリーチャー除去を構えているタイミングで《亭主の才能》をプレイして、動きをずらすのが強いです。後半にレベル3も使うと、《心火の英雄》《雇われ爪》《探索する獣》に乗る+1/+1カウンターが2倍に!
《探索するドルイド》はアドバンテージ源かつ高打点。
出来事はライフを詰めて行きたい動きには反するのですが、中盤から後半にかけて2枚リソースを得て、本体もクリーチャーとして強力。
特に相手のクリーチャー除去が増えるサイド後に役立つので、メインサイド含めて4枚欲しいですが、メインとサイド何枚ずつにするかバランスが難しいカードでもあります。
《名もなき都市の歩哨》は3/4スタッツが《逃げ場なし》に良く、地図トークンが《塔の点火》の3点ダメージを補助して、ブロック時の性能が高いです。
同じく3マナ域扱いの《脚当ての補充兵》との比較だと、守っているときは《名もなき都市の歩哨》、攻めている時は《脚当ての補充兵》といったところ。
《塔の点火》は協約すれば《永劫の活力》《永劫の好奇心》も追放できるのが強い!2点か3点を選べるのと追放効果で、結局これが1番強い1マナ火力だと感じています。
《抹消する稲妻》は《名もなき都市の歩哨》や《分派の説教者》などタフネス4除去。《逃げ場なし》の影響でタフネス4の使用率が上がっており、4点除去が少し必要です。
それなら4点撃てる《噴出の稲妻》がメインに入っていない事に疑問を抱くかも知れません。
5マナの火力というのはスタンダードの速度に間に合っておらず、また1マナ除去が効きにくいデッキも多数いる事から、メインに1マナ除去を入れすぎる事が敗因にもなると感じたからです。
赤アグロ対決では1マナ除去が6枚欲しいですが、他のマッチでは《塔の点火》だけで事足ります。
《石術の連射》は《幽霊による庇護》を使うデッキに最も効果的で、護法の2マナを払わずに除去出来ます。護法は対象になったときマナを払わないと打ち消すので、打ち消されない呪文なら問題なし。同じ理由で《トレイリアの恐怖》も1マナで除去出来ますし、《忌まわしき眼魔》も効率よく除去出来ます。《石術の連射》はおすすめ!
《焦熱の竜火》は主に永劫系、《永劫の活力》《永劫の好奇心》対策。
《焦熱の射撃》は黒ミッドレンジ対策。《分派の説教者》《黙示録、シェオルドレッド》は特定の火力でしか倒せないので《焦熱の射撃》が必要ですが、赤赤のマナコストとソーサリーなこと、追放除去でない事がマイナスになる事もあります。
火力はどれも一長一短で、黒の《喉首狙い》のように何でも倒せるわけではないので、相手によって使い分けていく事になります。
《脚当ての陣形》は主に《一時的封鎖》や《力線の束縛》など、エンチャント除去を使ってくる相手用で、《忌まわしき眼魔》に対してもインスタントが強いです。
《免れ得ぬ破滅、ルーカ》は自由枠で、除去が多く入っている相手に強い。しかし飛行クリーチャーの多いディミーアミッドレンジやエスパーピクシーに対しては攻撃で落されやすいのでサイドインせず、除去デッキ対策です。
もともとルーカの枠は《ウラブラスクの溶鉱炉》だった箇所ですが、最近は《領事の権限》を出されて無効化されやすく、クリーチャーのブロックでも《ウラブラスクの溶鉱炉》が止まる事があるので、以前ほどの圧倒的な強さは無いと感じています。
《領事の権限》は赤アグロを使っていると良くサイドインされますが、序盤に《領事の権限》を貼った上で《別行動》に繋げる必要があり、後半引いた時に《領事の権限》は弱いので、ブレやすいカードだなと言う印象。
■アリーナ・ダイレクトについて
今週末、MTGアリーナで「アリーナ・ダイレクト」が開催されます。
パック6個を用いるシールド戦をBO1で行い、6勝すれば賞品が出ます。賞品はなんと、「ダスクモーン:戦慄の館」!!!
人気のある神話レアが多く、《グルームレイクの境界》など2色土地や中堅レアも多い良セット!
ダスクモーン、遊ばずにはいられない!
基本的には白赤緑のナヤカラーが強く、アグロ気味に組むことでクリーチャー強化呪文を上手く使う事が出来ます。
《光霊灯》はどのデッキでも使えるナイス2マナ域。《殺害》はカード自体は強いのですが、ダブルシンボルで黒メインになること、黒のクリーチャーの質が低く不人気であることから、他のリミテッド環境に比べて相対的に《殺害》の評価が下がります。
イベント詳細、および過去のリミテッド記事は以下を参照して下さい。
今見るとランキングに少し変更箇所があり、《広漠なる変幻地》や《ガラス工場》はランク外になりそう。
■おわりに
最近気に入っているグルールの解説記事でした。
週末はダスクモーンでたくさん遊びましょう!
それではまた。