MTG │ 解説記事 │ 高橋優太【スタンダードメタゲーム解説】
Hi,
先週末はカードラッシュも協賛しているSekappy主催の大会「Sekappy COLOSSEUM」に参加しました。
二次予選は一般的なグルールアドベンチャーを使用して予選突破。決勝トーナメントでは参加者のデッキを絞って、一風変わったデッキを選びました。
今回の記事では、現在のスタンダードに対する考えを述べて行きます。
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■《神秘の論争》グルール
4《エッジウォールの亭主》
4《山火事の精霊》
3《漁る軟泥》
4《恋煩いの野獣》
4《砕骨の巨人》
4《カザンドゥのマンモス》
2《切り裂かれた帆》
3《神秘の論争》
2《怪物の代言者、ビビアン》
2《グレートヘンジ》
2《エンバレスの宝剣》
4《髑髏砕きの一撃》
4《寓話の小道》
4《ケトリアのトライオーム》
4《岩山被りの小道》
2《河川滑りの小道》
5《森》
2《山》
1《島》
サイドボード
3《否認》
3《焦熱の竜火》
2《魂焦がし》
2《運命の神、クローティス》
2《アクロス戦争》
3《アゴナスの雄牛》
グルールに《神秘の論争》とサイドボードの《否認》のために青をタッチしたデッキを使用。
理由としては「Sekappy COLOSSEUM」二次予選通過者でザレス・ローグの使用者が多く、決勝でもそのまま使う人が多いだろうと考えたです。参加者16人と狭いフィールドだったためデッキを絞りましたが、実際にこの予想は当たっていました。
また、最近出てきたティムール・ランプは《発生の根本原理》の爆発的な展開と《峰の恐怖》での除去能力でグルールや緑単に強いです。
《トリックスター、ザレス・サン》《発生の根本原理》に対して良い解答になる《神秘の論争》をメインに採用したいと考えてタッチ青しました。
同様に、メタカードである《切り裂かれた帆》をメイン採用。
緑デッキの同型対決は《グレートヘンジ》を巡る攻防になりやすいのでメインに何かしらのアーティファクト破壊が必要ですが、アーティファクト破壊は緑以外に当たった時に手札で腐るリスクもあります。
《切り裂かれた帆》なら飛行に4点モードがあるため《峰の恐怖》を簡単に除去出来て、尚且つ青黒ローグにも《空飛ぶ思考盗み》を除去出来るぶん完全には腐らない(青黒ローグにサイドアウトはします)。
特に《峰の恐怖》を2マナで返せる点を評価しました。
緑ミラーは相手に《グレートヘンジ》先置きさせないためにも後手《恋煩いの野獣》を除去出来るカードが必要で、尚且つ《トリックスター、ザレス・サン》《峰の恐怖》を1枚で除去できるのは《魂焦がし》だけ。
3マナの1対1交換は重いですが、グルールを使うならサイドボードに少量取りたいカードだと考えています。
4ターン目《グレートヘンジ》はスタンダードで最も強い動きで、返しに破壊できなければそのままゲームエンド。
相手に《グレートヘンジ》を出させない、出されてもすぐ割る、というデッキ構築が必要です。
そう考えるとこのカードは2枚ではなく、3枚にすべきでした。スタンダード環境を定義するカードパワーだと思います。
《精霊龍、ウギン》が出たターンに「-X」されても《グレートヘンジ》は残り《山火事の精霊》アタックでウギンを落とせるので、《精霊龍、ウギン》の除去能力を《グレートヘンジ》が凌駕しています。
ただ、この《グレートヘンジ》は除去や相討ち、アーティファクト破壊によって弱くなるカードなので、除去に強く長期戦をする役割として《怪物の代言者、ビビアン》も複数必要になってきます。
《エンバレスの宝剣》は勿論戦線を突破する強力なカードですが、現在はアーティファクト破壊が意識されていたり、《グレートヘンジ》を出させないための除去により装備先が居なくなることもあり、1回出てしまえばカードカウントを稼げる《グレートヘンジ》《怪物の代言者、ビビアン》よりも優先度を下げても良いかなと考えています。
まずは《グレートヘンジ》を出させないための除去や《アクロス戦争》による攻防、お互いが除去で消耗し合った後の《怪物の代言者、ビビアン》、最後に《エンバレスの宝剣》といったイメージです。
■「Sekappy COLOSSEUM」決勝
〇 青黒ルールスローグ
× 4色サイクリングコントロール
× 緑単
2回負けたら終わりの大会形式だったため、1-2で終了。
4色サイクリングコントロールは相手のサイド後コントロールに変更するプランに合わせて《否認》をフル投入してティムールコントロールに変更すべきでしたが、変に《山火事の精霊》を残したせいでアグロプランになってしまい敗北。
緑単相手は《神秘の論争》が弱く、タッチ青によりタップインが増えていることが序盤中盤のもたつきに繋がってしまい敗北。
ザレス・ローグやティムールランプを見るあまり、グルールや緑単などの緑対決で弱くなっている欠点がモロに出た形となりました。
教訓:メタを絞りすぎて本来のデッキの持ち味を悪くしてしまっていた。これなら普通のグルールをそのまま使った方が良かった。
優勝したのは斉藤徹さんのグルール・アドベンチャー。《グレートヘンジ》《怪物の代言者、ビビアン》を3枚ずつにして、より長いゲームを見ているデッキ構築です。
かなり上手いプレイだったので、グルールに関心がある方は是非アーカイブで見る事をおすすめします。
https://twitter.com/sekanavi_mtg/status/1332629283785768961
■今週のおすすめデッキ
さて、今週末の大会「ゼンディカーの夜明けチャンピオンシップ」に備えて、引き続きスタンダードを考える必要があります。
11/30に開催された大型大会Star City Games「$5K Kaldheim Championship Qualifier」から、おすすめのデッキを紹介して行きます。
Star City Games「$5K Kaldheim Championship Qualifier」
Noriyuki Mori「ティムールランプ」
4《エッジウォールの亭主》
4《厚かましい借り手》
4《恋煩いの野獣》
4《砕骨の巨人》
4《峰の恐怖》
3《耕作》
4《発生の根本原理》
2《グレートヘンジ》
1《バーラ・ゲドの復活》
3《棘平原の危険》
4《神秘の神殿》
4《ケトリアのトライオーム》
4《岩山被りの小道》
4《河川滑りの小道》
2《寓話の小道》
3《森》
2《山》
3《島》
サイドボード
1《厳格な放逐》
3《神秘の論争》
3《アゴナスの雄牛》
3《アクロス戦争》
4《焦熱の竜火》
1《獲物貫き、オボシュ》(※相棒)
現在のスタンダードは出来事クリーチャーによる可変マナカーブ+《グレートヘンジ》のラインが安定しており、この安定感が緑デッキのシェアが最大である理由でもあります。
その緑対決での優位を作るのが《発生の根本原理》による超展開。
根本原理で出た《グレートヘンジ》+クリーチャーはドローに繋がりますし、《峰の恐怖》なら同時に出たクリーチャーのパワー分のダメージを飛ばします。まさに一撃必殺と言うべき効果です。
緑対決では相手に《恋煩いの野獣》を出されると《グレートヘンジ》までは干渉しづらい点がありますが、《厚かましい借り手》によりヘンジゲーを緩和し、貴重な1ターンを稼ぎます。
《峰の恐怖》と《厚かましい借り手》の相性も良くインスタントタイミングでの3/1飛行+3点火力も強力。
この飛行クリーチャーを《獲物貫き、オボシュ》によるダメージ増加で後押しし、《発生の根本原理》《グレートヘンジ》に頼らずともダメージで押し切る多角的なデッキです。
しかしランプデッキの性質として動きが大振りになりやすく、青黒ローグに対してはサイド後《獲物貫き、オボシュ》を諦めて《焦熱の竜火》で軽いアクション回数を増やします。
《アクロス戦争》は緑ミラーの《グレートヘンジ》を巡る攻防で素晴らしく、出す前は相手の《グレートヘンジ》カウントを減らして自分は増やす。お互い《グレートヘンジ》の後は攻撃強制で盤面崩壊させる役割があります。《発生の根本原理》で出ても強い!
Mattia Rizzi「緑単フード」
4《金のガチョウ》
4《絡みつく花面晶体》
2《打ち壊すブロントドン》
4《カザンドゥのマンモス》
4《恋煩いの野獣》
4《意地悪な狼》
3《貪るトロールの王》
2《巨大猿、コグラ》
2《魔女のかまど》
3《グレートヘンジ》
4《パンくずの道標》
1《怪物の代言者、ビビアン》
2《眷者の居留地》
2《這い回るやせ地》
4《ギャレンブリグ城》
15《森》
サイドボード』》
3《鎖巣網のアラクニル》
2《漁る軟泥》
1《打ち壊すブロントドン》
1《萎れ》
3《解き放たれた者、ガラク》
1《怪物の代言者、ビビアン》
2《原初の力》
1《魔術遠眼鏡》
1《精霊龍、ウギン》
緑のクリーチャー+《グレートヘンジ》が環境を定義しているのなら、サイズ差で更なる優位を築こうとするのが緑単。
《意地悪な狼》は破壊不能+除去で地上クリーチャーを止めて、《貪るトロールの王》《魔女のかまど》が揃えば不死身のトロール王の完成。
《巨大猿、コグラ》は相手の《恋煩いの野獣》を打ち取りながら《グレートヘンジ》を破壊します。
6マナクリーチャーが多いので、それをサポートするための《ギャレンブリグ城》もフル採用、この《ギャレンブリグ城》こそが緑単にする強みです。
緑単ミラーはクリーチャーのサイズが大きく回避能力も無い為膠着しやすいです。
そのためミラーやヨーリオン系に対する切り札として、《精霊龍、ウギン》は1枚は採用すべきです。
青系コントロールが少し増えてきたのを鑑みてか、サイドに《解き放たれた者、ガラク》がガッツリ採用されていますね。
単純なクリーチャー除去で対処しにくい分、《探索する獣》よりも対コントロール枠でおすすめです。《グレートヘンジ》早出しにも繋がります。
■おわりに
青黒ローグがグルール不利で減少→青黒ローグに弱いが緑系に強い重いボードコントロール→緑系がそれに合わせるの図式になりそう。
現段階では青黒ローグ系統は悪い選択に感じています。
今週末には2フォーマット制の「ゼンディカーの夜明けチャンピオンシップ」があり、僕もグルールと白スゥルタイで参加する予定です。
ライバルズリーグでのポイント加算、世界選手権招待とかかっているため全力で向かいます。見てね♪
【お知らせ】12月4~6日の26時からは『ゼンディカーの夜明け』チャンピオンシップ日本語生放送!
スプリットの最後を締めくくる、スタンダード&ヒストリックによる激闘の数々をどうぞお見逃しなく!⬇イベント概要&放送情報https://t.co/OWYLYAEdCD#mtgjp #ZNRChamps pic.twitter.com/IycY1iJbVL
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) November 25, 2020
それではまた。