MTG │ 解説記事 │ 高橋優太【再録禁止カードについて – 第2回 – 】

Hi,
前回で好評を頂いたため、再録禁止カードに関する記事の第2弾です。今回はミラージュブロック、テンペストブロックの再録禁止カードを対象にしています。

ミラージュ以降はマジックの日本語版も発売されており、ちょうどマジックのブームが始まる頃。カードショップで見かけたことのあるカードも多いと思います。

早速見て行きましょう。

※記事内の価格は2020年7月時点、状態がニアミントを想定したものです。

※記事内紹介カードのカードラッシュ通販店での取り扱いについて、一部在庫調整作業のため価格を99999と表示しているものがございます。
あらかじめご了承ください。

前回記事:パワー9やデュアルランドに関する解説
再録禁止カード一覧(MTG公式サイト)

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■Sランク

Sランクはこれの上位互換を作るのが不可能な程に強力で、それぞれがデッキの核になるようなカードです。

レガシーやヴィンテージで良く見かけて、毎年10%から20%ほどは値上がりしています。

 ライオンの瞳のダイアモンド

生贄にして手札を全て捨てることで3マナを生み出す、《Black Lotus》の調整版と言えるデザインのアーティファクト。

ドロー呪文や《冥府の教示者》などのサーチ呪文をスタックに乗せた上で生贄に捧げると、3マナを出してからサーチやドローを解決してコンボのためのマナに使う事が出来ます。

Black Lotus》の調整版と言えど0→3のマナ加速は強力で、数々のコンボを生み出してきた一級品。

2018年15000円→2019年2万円→2020年3万円と毎年値上がりを見せています。

再録禁止でありながら4枚使うカードであり、唯一無二の効果で今後需要が減る事も考えにくく値段を維持しやすいカードです。欲しいと思った時が買い時。

モックス・ダイアモンド

土地を捨てるものの、代わりに好きなマナが出せるようになった《Mox》シリーズの調整版と言えるデザイン。

手札を捨てるとは言え依然として強力で、レガシーでも土地単のマナ加速やコンボデッキの初動アップとして用いられています。土地を切り詰めるタイプのデッキでは《金属モックス》が用いられており差別化されていますね。

「From the Vault:Relics」に一度Foil版で再録されましたが、この「From the Vault」以降は再録禁止ポリシーが見直され今後の再録は無いと言われています。

好きな色を出せるためどのデッキでも使えるマナ加速として統率者でも需要があり、現在は3万円。

裏切り者の都

無色2マナを生み出すが、他の土地をプレイすると生贄に捧げる土地。

古えの墳墓》と共に無色マナを加速して、《虚空の杯》でロックするタイプのデッキと非常に相性が良いです。レガシーの1ターン目《虚空の杯》は挨拶。

昔は安く買えたカードですが、やはり4枚使うカードの需要は大きく2016年以降に高騰して現在は1万5000円。

ライオンの瞳のダイアモンド》と同じく再録禁止でありながら4枚使うカードなので、今後も需要が減る事は無いでしょう。

■Aランク

Aランクは統率者の人気カードだったり、レガシーのデッキに複数枚入るようなカードです。唯一無二の効果が多く、上位互換を作るのが難しいものを選んでいます。

1マナ12/12トランプルで、場に出たときパワーの合計が12になるようにクリーチャーを生贄に捧げないと、自身が生贄になる能力。

死の影》と同じく、マジック史上の1マナクリーチャーで最高のパワー/タフネスを持ちます。古くはそのサイズを利用して《伏魔殿》で12点シュートするコンボデッキ、現在では《もみ消し》で誘発型能力を打ち消して2ターン目に12/12降臨といった使い方をされています。

ただ除去耐性が無い為対処されやすく、どちらかと言うとカード性能よりもコレクター向けの理由で値段が付いています。イラストが圧倒的にかっこいい!

現在は3500円ほど。

ライブラリーから平地を1枚サーチ。対戦相手よりも土地の枚数が少ない場合は追加でもう1枚平地をサーチするカードです。

1マナと軽く、デュアルランドやショックランドもサーチできます。かつてフェッチランドが無い頃の環境ではデュアルランドのサーチとして重宝されていました。

日本語版と英語版で値段の格差が大きいカードで、英語版は現在1500円。統率者でも使いやすいマナ基盤のカードであり、今後もじわじわ上がるタイプのカードだと思います。

自分の墓地の一番上のクリーチャーを場に出し速攻付与、ターン終了時にそのクリーチャーを追放する効果。

伝説でないクリーチャーも選べる《御霊の復讐》であり、リアニメイトでお馴染みの《グリセルブランド》は勿論、《意志の大魔術師》を吊り上げることで《ヨーグモスの意志》のような使い方も出来ます。

速攻を与えるリアニメイト呪文の中では最高性能で、今後これ以上のものは作りにくい一級品だと考えています。現在は1000円ほどで、性能に対して安く感じますね。

すべてのアーティファクトの起動型能力を使えなくする能力。

マナ能力も封じてしまうので、《モックス・ダイアモンド》《ライオンの瞳のダイアモンド》含めてアーティファクトからマナを出す事が一切出来なくなります。ヴィンテージでは《Mox》の天敵としてメインから見かけることもあるほど強力。

最近は《大いなる創造者、カーン》《溜め込み屋のアウフ》もこの《無のロッド》と同様の能力なため使用率は減っていますが、それでも無色2マナで出しやすい為サイドボードで見かけます。統率者でもマナアーティファクトを無効化。

現在絶賛高騰中で、なんと英語版は5000円オーバー!一時的な高騰かも知れませんが、英語版は手元に持っておくと良いかも。

お互いのプレイヤーが3マナ以下のクリーチャーを0コスト、かつ瞬速でプレイできるようになるエンチャント。再録禁止の中でも現代スペックの強力な性能で、レガシーでは「アルーレン」と言うデッキ名にもなっているカードです。

自然の怒りのタイタン、ウーロ》を出して3ゲイン1ドロー、ウーロ生贄解決前に《洞窟のハーピー》で戻してこの手順を繰り返すと、デッキを全部引く事が出来ます。その後は《寄生的な大梟》の無限ドレインでフィニッシュ。

現在は3500円ほど。レガシーでも一線級のデッキなので、徐々に値上がりするタイプのカードだと思います。

自分のクリーチャーを1体タップすることで基本地形1つをアンタップするエンチャント。
2マナと軽く、トークンを並べるタイプのデッキなら簡単に大量マナを生み出す事が出来ます。土地1枚でトークンを生み出せる状況を作れば、お手軽に無限トークンコンボ。

レガシーでは禁止されていますが統率者で使用可能。統率者での需要と共に英語版が爆発的に値上がり、現在は8000円!今後も高値を維持しそうです。

マジック史上初の5色クリーチャーで、青少年の憧れだったカード。現在1万5000円。カードの強さより、イラスト人気やコレクション性による値段がついています。

海外ではスリヴァーの需要が日本よりも高く、歴代の5色スリヴァーは全て高価格が付いています。英語版と日本語版で値段差のあるカードの代表例ですね。日本語はだいたい5000円程度です。

2マナタップで墓地のクリーチャーをデッキの一番上に乗せる伝説の土地。

最近は氷雪土地+《アーカムの天測儀》により基本地形ベースになったため、見る機会は減りましたが、それでも土地の持つ能力の中では強力な部類で、時々1枚見かけます。

統率者需要のためか最近大きな高騰を見せて、英語版は現在6000円。

1マナとクリーチャーカードを捨てることで、ライブラリーから好きなクリーチャーを1枚手札に加えるエンチャント。

起動型能力があまりに軽く、ヴィンテージでもデッキの中心になっています。《復讐蔦》を大量に墓地に送り込んでから《虚ろな者》2体を0マナで出して圧倒的な盤面!

レガシーでは強過ぎて環境を支配した過去があり今は禁止されていますが、統率者では使用可能なのでクリーチャーコンボのお供に。

これもまた英語版が高いカードで、現在は1万3000円。

■Bランク

Bランクは「レガシーで少数見かけるカード」「古くてコレクション性の強いカード」「たまに統率者で見るカード」です。

対戦相手の呪文が自分や自分のクリーチャーを対象とする度に1ドローするエンチャント。統率者需要により脚光を浴びており、英語版はなんと現在は1000円ほど。
再録禁止ですが長い間いわゆる「安レア」として扱われてきたので、ショップのストレージに眠っている可能性も大いにあります。発掘チャンス!

各クリーチャーが攻撃出来なくなる効果。現在700円。

除去の入っていないアグロデッキにはこれだけでゲームが終わる事もあり、時折サイドボードで見かけます。
余談ですが《ウェザーライトの艦長、シッセイ》のお母さんです。

各プレイヤーが自分のターン中にしか呪文を唱えられず、能力も起動できなくなるエンチャント。日本語と英語で値段差があり、英語版は1500円ほど。

コンボデッキが相手からの妨害を防ぐ役割でサイドインする事があり、珍しく能力起動も防ぎます。しかし1マナ軽い《防御の光網》の方が優先される傾向あり。

各プレイヤーの手札の上限枚数を無くし、各プレイヤーのドローステップに追加でカードを1枚引き、1枚捨てる効果。

聖遺の塔》もそうですが、こういった手札上限を無くすカードは海外カジュアル受けしやすい側面があります。ここ最近の統率者需要により爆上がりして、英語版はなんと3000円!日本語は1000円ほど。

好きなマナを生み出し、次のアンタップステップに手札に戻る土地。

手札に戻るのはデメリットですが、《恐血鬼》などの土地を置くことでメリットのあるクリーチャーと相性が良く、ドレッジでたまに見かけます。

しかし残念ながら長年値段が上がらず、現在は600円ほど。これにしか出来ない効果ではあるので将来性はあると思います。

対象のプレイヤーはインスタントとソーサリー呪文を唱えられず、マナ以外の起動型能力が不可。そして1ドロー。

主にコンボデッキがそのターンの安全確認に使う役割で、レガシーで《死の国からの脱出》が使用可能だった頃に脚光を浴びました。(※現在は《死の国からの脱出》禁止)

ただコンボデッキにとっては1マナの差は大きいため、《オアリムの詠唱》《沈黙》の方が優先される傾向あり。現在は1400円ほど。

ライブラリーを全て追放し、自分の墓地をライブラリーに入れ替える効果。《タッサの神託者》により4マナの2枚コンボで勝てるため脚光を浴びましたが、ライブラリーが一気に吹き飛ぶデメリットも大きい為そこまで活躍しませんでした。

しかし、使うなら4枚のカードなので、もし強いデッキが出てきたら再び上がるかも。現在1200円。

追加コストで手札をX枚捨てて、X個の対象にX点ずつ与える1マナの全体除去。

3枚捨てれば合計9点、4枚捨てれば合計16点と、手札の消費は激しいものの1マナとは思えないほどの除去性能を持ちます。

墓地を用いるドレッジやリアニメイトの除去手段としてサイドボードで使用されています。英語版が高いカードで、現在は1400円ほど。

どちらも土地を生贄に捧げて、大量のマナを生み出す土地。

アンタップする手段を用いればコンボの手助けになりますが、呪禁を持つ《睡蓮の原野》が出てしまったため残念ながらお蔵入り。現在は1000円ほど。

全てのクリーチャーは能力を失い1/1になるエンチャント。現在は2000円ほど。

魔の魅惑》のようにクリーチャーを主体としたコンボ対策や、相手の《実物提示教育》から一緒に出して《グリセルブランド》を1/1にする役割で、レガシーのサイドボードで時折見かけます。

浅すぎる墓穴》より1マナ重くなりましたが、繰り返し使えるバイバックが付与。

マナを出して生贄に捧げる《アシュノッドの供犠台》などとの相性が良く、これもまた統率者向けのカード。現在は600円ほど。

マジックの歴史上最強と呼び声の高いコンボデッキ「MOMA」の主役カード。《精神力》の頭文字を取って、「MOMA」と呼ばれていました。

ただしこれは《精神力》が強すぎたと言うよりはアンタップ対象である《トレイリアのアカデミー》が問題だった部分が大きく、現在ではレガシーでも統率者でも《精神力》は使用可能です。

統率者でも《寺院の鐘》をはじめとした無限コンボが多く、現在は英語版は1800円ほど。

かつて《適者生存》とのコンボで一世風靡した「NWO」デッキの中心パーツ。現在は1800円ほど。

パリンクロン》など土地をアンタップするクリーチャーとの組み合わせで無限マナが狙いやすく、統率者では禁止されています。しかしカジュアル人気が高いためか高値を維持。

■Cランク

Cランクは現在ではマイナーですが、今後に期待できると考えているカードです。

累加アップキープで2マナ要求、各プレイヤーのアップキープに墓地にあるクリーチャー1枚につき2/2のゾンビトークンを1体生み出し、それらは速攻を持つ。ターン終了時か《墓石の階段》が場を離れたとき、これにより生まれたゾンビトークンを破壊し再生不能。

マナはかかるもののの一度に大量にゾンビを生み出すことが出来るので、《アシュノッドの供犠台》《狂気の祭壇》などのクリーチャーの生贄と相性良し。

黒で墓地利用型の統率者なら候補に入れておきましょう。現在500円。

3マナタップでライブラリーからドラゴン・パーマネントを1枚探して戦場に出し、ターン終了時まで速攻付与。ターン終了時にそのドラゴンを追放する能力。ドラゴン版の《騙し討ち》と言える性能で、伝説のクリーチャーなのでジェネラルにも指定できます。

ドラゴンデッキを組むにはうってつけの能力で、現在300円。カジュアル人気があるのに300円は安く、将来性のあるカードに思えます。

全てのアーティファクトを破壊して、そのコントローラーはそのコスト分のライフを得るソーサリー。現在300円。

緑はクリーチャーや土地によりマナ加速するので、多人数戦で相手のマナアーティファクト妨害に向いています。《活性の力》が出たので構築戦で見ることは無いかも知れませんが、多人数戦ならチャンスがあるかも。

■おわりに

僕がマジックを始めたのもテンペストブロックであり、《適者生存》《繰り返す悪夢》などマジックに出会った頃を思い出して懐かしい気持ちになるカードが多く、月日の流れを感じます。

再録禁止で当時安かったものが思わぬ高騰を見せていたり、逆に当時高かったものがカードパワーが足りずに現代では通用しなかったりが面白い所。
古いカードについて語れるのは歴史の長いマジックの魅力の一つなので、今後も時折こういった記事を出して行きます。

それではまた。

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