MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【エリア予選を突破した注目デッキ】

あけましておめでとうございます。Rush Prosの井川です。

年も明けトーナメントマジックも再開!先週末には全国8箇所でチャンピオンズカップファイナル2のエリア予選が開催されました。

ということで今回の記事では先週末の結果を分析しつつ、注目のデッキを紹介していきたいと思います!

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★デッキリスト

晴れる屋トーナメントセンター東京
はま屋松本店
イエローサブマリン秋葉原店1位~2位)(3位~6位)(7位~10位
コミかる高崎店
シーガル仙台駅前店
193大須店
晴れる屋広島店

★各大会の結果まとめ

冒頭にも述べました通り、先週末にはエリア予選が8箇所で開催され、計54名のプレイヤーが見事エリア予選の権利を獲得しました。その権利獲得デッキの分布を見てみましょう。

アーキタイプ 突破数 割合
グリクシスミッドレンジ 20 37%
エスパーミッドレンジ 9 16.6%
エスパーレジェンズ 5 9.25%
白単ミッドレンジ 4 7.4%
赤単アグロ 4 7.4%
青単テンポ 3 5.55%
アゾリウス兵士 1 1.85%
アゾリウスヒロイック 1 1.85%
アゾリウスヒロイック 1 1.85%
ジェスカイランプ 1 1.85%
ジェスカイコントロール 1 1.85%
ジャンドミッドレンジ 1 1.85%
マルドゥミッドレンジ 1 1.85%
マルドゥエンジェル 1 1.85%
ラクドスミッドレンジ 1 1.85%
合計 54 100%

最上位はやはりグリクシスミッドレンジ。環境の王者と名高いグリクシスが、その前評判に違わない活躍を見せています。一番多いデッキがしっかり勝っているというのは、「意識されても勝ち抜くだけの地力がある証左」といえるでしょう。

トップメタであることは、ミラーマッチを避けて通れないということ。いかにミラーで差を付けるか。リストによって様々な工夫が見られます。一番見かけるのが「永遠に止まらないクリーチャー」である《剃刀鞭の人体改造機》や、アドバンテージ差を広げる《眼識の収集》の採用です。

もちろんこれらを併用するリストも多くあり、相手がどのプランで来るか、どういったカードを採用しているか、すなわちサイドボーディングでの「読み合い」や臨機応変にプランを変える「対応力」が求められている環境といえるでしょう。

ニ番手にはエスパーミッドレンジが付けています。グリクシスとの直接対決こそ少し分が悪いものの、グリクシスに欠けている要素である「ライフゲイン」を《敬虔な新米、デニック》+《策謀の予見者、ラフィーン》や《放浪皇》、《黙示録、シェオルドレッド》で担保できているため、グリクシスの首を狙う赤単アグロに強く、また同じ白系ミッドレンジでも片方だけカウンター/手札破壊があるという構造上、有利に戦えるため、この位置・この人気に繋がっています。

最近は《眼識の収集》と《かき消し》を多めに採用して構える形が主流になってますね。詳しくはあんちゃんの記事をご覧ください。

トップメタであるグリクシスを狙うのが、先週末に台頭したエスパーレジェンズ。『兄弟戦争』がリリースされてからはあまり目立った活躍をしていなかった印象ですが、ここに来て大活躍。このデッキは後ほど改めて紹介します。

白単ミッドレンジも一定の人気があるアーキタイプです。白単色とは思えないほどアドバンテージと盤面構築能力に長けており、《かき消し》の範囲外からの天使連打はグリクシスをも圧倒します。

また、グリクシスキラーである赤単アグロも好成績を残しています。特に先攻1ターン目に《熊野と渇苛斬の対峙》をプレイできたときの勝率は凄まじく、ライフゲインに乏しいグリクシスを一瞬で屠ることも多々あります。

様々なデッキが存在する中、緑のデッキだけほぼ皆無(赤黒ベースのジャンドのみ)なのは少し悲しいですね。スタンダードは4色のゲームになってしまいました。

権利獲得デッキ分布を見ても分かる通り、今のメタゲームが黒と白にかなり偏っており、マジックの基本的な相性として確定除去がある白と黒は、緑に強いというのがある(と個人的に考えている)ので、今のままだと緑ベースのデッキが勝つのは少し厳しいと言わざるを得ないでしょう。次以降のセットに期待。

★デッキ紹介

エスパーレジェンズ By Watanabe Takanori (4-0-2・権利獲得)

インポートデータ

高崎のエリア予選を無敗で突破したのは、先週末の台風の目とも言えるエスパーレジェンズ!

婚礼の発表》を擁する通常のエスパーミッドレンジが《かき消し》や《眼識の収集》を多めに入れて構えながら戦おうとしているのに対して、エスパーレジェンズはとにかく優秀なクリーチャーを連打していき、盤面を圧倒して勝利することを主眼としています。

グリクシス・エスパーの上位陣がクリーチャー少なめ・スペル多めの構成になっている今こそ光るのが《スレイベンの守護者、サリア》。特にメインボードの《切り崩し》の枚数は限られているので、先攻2ターン目に出たときの拘束力は圧倒的です。

追放除去が少ないグリクシスミッドレンジにとっては絶対に通したくない1枚がこの《夜明けの空、猗旺》。

かき消し》が天敵ではあるものの、エスパーレジェンズ側が基本的に攻め続けるデッキなので、このカードまでカウンターを温存したり構え続けるのは難しいもの。「絶対引きたい&1枚カウンターされても2枚目が通ればいいだろう」ということでなんと4枚!

サイドには《魅せられた花婿、エドガー》まで採用して、「追放除去が少ない」というグリクシスミッドレンジの弱点を徹底的に突いて倒そうという強い意志を感じます。

展開するクリーチャーがすべてレジェンドなので、魂力土地を軽く運用できるのもエスパーレジェンズの強みの1つ。特に《天上都市、大田原》は、最近メイン採用も多い《眼識の収集》で相手に取られたカードをバウンスすると自分の手札に帰ってくる=リソースも損しないので、メタにあった良いカードです。

ラクドスミッドレンジ By Masukado Kenta(4-1-1・権利獲得)

インポートデータ

グリクシスから青を抜き2色に抑えて、攻撃的に仕上げてあるのがこちらのラクドスミッドレンジ。ここまで来るともはやラクドスアグロといった方が正確かもしれませんね。

2マナパワー3のクリーチャーが3スロット12枚フルで入っており、グリクシスの《眼識の収集》《勢団の銀行破り》といったアドバンテージプランを咎める構成となっています。グリクシスのミラーマッチでおなじみ《剃刀鞭の人体改造機》はもちろんのこと、《土建組一家の調達者》も除去されれば宝物1つ生み出せるため先後差を返したり、もしくはより強い先攻のマウントを取ったりと、次以降のターンのアクションを強くしてくれる優秀なクリーチャーです。

攻撃的な2マナ域の次は?もちろん攻撃的な3マナ域です!相手にダメージを与えることでドローが進む《ヴォルダーレンの末裔、フロリアン》《ヨーグモスの法務官、ギックス》という2種類をレジェンドなので散らしつつ、《敵対するもの、オブ・ニクシリス》まで採用しています。

グリクシスはタップインで躓いたり、《死体鑑定士》がただの《訓練されたアーモドン》になってしまうなどのリスクもありますが、このラクドスならその心配はなさそうです。2マナ域の能動的なアクションが《勢団の銀行破り》含めて13枚、3マナ域も11枚と採用しているので、「2→3」の安定性をどこまでも追求した、理に適った構築になっています。

先に紹介したエスパーレジェンズが《夜明けの空、猗旺》を多めに採用していたように、こちらのラクドスもサイドに《真夜中の空、殉至》《瞬足光線の大隊》と単体除去で対処できないクリーチャーを用意しています。特に《瞬足光線の大隊》の採用は少し珍しいので、予想の斜め上から炸裂したことでしょう!

グリクシスのミラーマッチに頭を悩ませるのも良いですが、こういったスマートな方法で差を付けるのも良いなと今回一番感心したデッキリストがこちらのラクドスでした。お見事!

青単テンポ By Kanayama Haruki(5-1-1・権利獲得)

インポートデータ

カウンターとバウンスで凌ぎ、ドローで差を付けて少数のクリーチャーを守って勝つ青単テンポ。自分より速いデッキが厳しく、遅いデッキには滅法強いというタイプなので、ミッドレンジ合戦が主流である今のメタゲームには非常にフィットしていそうです。

使用者の絶対数こそ少ないものの、1/7(土)の晴れる屋TCエリア予選で権利獲得。全く同一のリストが翌日のイエローサブマリン マジッカーズ★ハイパーアリーナのエリア予選でも権利獲得。同じく1/8(日)にはシーガル仙台のエリア予選でも近い形のリストが権利獲得と、先週末最も勝率が高かったアーキタイプだったと思われます!

この勝利の立役者となったのが、『兄弟戦争』での新戦力・《知識の流れ》です!

「島の数だけドローして2枚捨てる」という、青単だけに許されたシンプルかつ超強力なドローソース。1対1交換を繰り返してこのカードにさえたどり着ければ、一気に巻き返して優勢になること間違い無し。最低でも5ドロー2ディスカード、しかもインスタント。ゲームが長引けば7-8枚引くことも!凄すぎる!!!

勢団の銀行破り》《鏡割りの寓話》《婚礼の発表》など「じわじわとアドバンテージを取るけどトップデッキした瞬間は弱い」カードが多いため、今のスタンダードは一旦不利な盤面になると逆転することが非常に難しい印象があります。ですがこのカードならトップデッキした瞬間に一気に大量ドローできるので、ギリギリまで一縷の望みを残しながらプレイできますね。

かつては自分のクリーチャーを守る枠として《とんずら》が採用されていましたが、そのスロットはすべて《渦巻く霧の行進》に変わっています。

傲慢なジン》を守るだけなら《とんずら》同様1マナで打てますし、何よりも相手のクリーチャーを消せるのが強い!

知識の流れ》をプレイするターンは「マナが大量に寝て、盤面に触れず、手札は大量にある」という状態になりますので、その隙を《渦巻く霧の行進》のピッチコストを使用して盤面を抑えるのが非常に美しいムーブになります。余った1-2マナと不要なカードで一旦抑えて、一度アンタップを迎えて盤石な態勢を整えましょう。

速いデッキが苦手な青単でしたが、『兄弟戦争』で優良なサイドボードを獲得したのも大きいですね。青単なのにこういう軽量除去が使えるのはかなり珍しい&恵まれているので、そういった意味でも今が旬のアーキタイプと言えそうです。

■おわりに

今週末にもエリア予選はありますし、東京ではスタンダード神挑戦者決定戦も開催されます。グリクシスミッドレンジが環境上位に居座りつつも様々なデッキが活躍しており、「グリクシスへのガードをどの程度にするか」が今週末の鍵になりそうです。グリクシスを使う人も、ミラーに意識を回しすぎると他のデッキに足元を掬われそうですよ。気をつけて!

時が経つのは早いもので、次エキスパンションである『ファイレクシア:完全なる統一』の発売までもう1ヶ月を切っていますが、今の環境は今しかできませんので、存分に楽しみましょう!僕も今週末はスタンダード神挑戦者決定戦に行く予定です。対戦よろしくお願いします!

それでは今回はここまで。
次回の記事でお会いしましょう!


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