MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【先週活躍したアルケミーのデッキ紹介】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

今週末には2022年初のチャンピオンシップ予選がアルケミーで開催されます!

今週末の大会で勝つには、先週末に同フォーマットで開催されたアリーナオープンでの大会結果をチェックすべし!

ということで、今回はアリーナオープンにて好成績を残したデッキたちをご紹介していきます。

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★イゼット系コントロール

イゼットコントロール By sanetomi (8-0:2500$獲得)

インポートデータ

イゼットコントロール By tabananga (8-1:2500$獲得)

インポートデータ

santomi(@sanetomi)選手はなんと8-0と全勝で2,500ドルを獲得!使用したのはイゼットコントロールで、ご本人のツイートによると高橋・市川の両プロの記事/配信から知見を得てデッキを作成したようです。

アルケミーになったことで《アールンドの天啓》こそ弱体化しましたが、《表現の反復》を中心としたイゼットの大部分は健在。そして《書庫の鍵》《公式発見》といったコントロール向けのカードが新加入したことによって、新しい形のイゼットコントロールとしてアルケミーにおいても大活躍しています。

アルケミー専用カードである《見捨てられた交差路》は、《宝石の洞窟》のように後攻の際に恩恵をもたらす珍しい土地です。

このデッキでは《書庫の鍵》でドラフトしてきたカードに合わせて色マナを選べるのが嬉しいですね。《書庫の鍵》が破壊されてしまった後でも、例えば《新たな芽吹き》のための緑マナや《破滅の刃》のための黒マナを捻出してくれます。

個人的に目を引いたのは、tabananga(@Huschenmtg)選手のサイドボードに搭載されている《レイ・オヴ・フロスト》。各種ドラゴンデッキやグルール狼男に対して非常に強力なカードであり、2マナ域から4-5マナ域まで幅広く触れるため重宝しそうです。

グリクシスコントロール By katoken (8-1:2500$獲得)

インポートデータ

katoken(@katoken6017)選手はミラーマッチを見据えてタッチ黒したグリクシスコントロールで見事2,500ドルを獲得。スタンダードでも同じアプローチはありましたが、やはり《感電の反復》+《真っ白》による手札破壊はアルケミーでも強烈なようです。

フラッシュバックを持っている《感電の反復》もそうですし、《書庫の鍵》でドラフトした強力なカードを《溺神の信奉者、リーア》で再利用したりもするので、墓地を追放するという副次効果はスタンダードよりもさらに効果的なのかもしれません。

■グルール狼男

グルール狼男 By FrankKarsten (8-1:2500$獲得)

インポートデータ

殿堂・Frank Karsten(@karsten_frank)選手はグルール狼男で2500ドルを獲得!

アルケミー専用カードにより序盤のアクションがかなり強化されていること、そして《エシカの戦車》《不詳の安息地》が弱体化された点から、緑系のアグロは緑単よりもグルールの方が良いという判断に至ったのでしょう。

狼男は「昼・夜」システムの都合上、構えてくるイゼットコントロールに対してメインでの動きを強要できますし、除去がない場合は圧倒的なマナレシオで押しつぶすことができます。特にアリーナオープンはデッキ非公開制ですので、そういった点でも有利に働いた可能性があります。

アルケミーにおける赤いエースがこのカード。グルール、ラクドス、ドラゴンデッキなど様々な赤いデッキで主力として活躍しています。

4/4飛行に加えてETB能力により毎ターン2点=実質6点クロックと非常に優秀で、しかもETB能力により、出てすぐに除去やバウンスを食らっても無駄にならないのが凄いところ。

このグルール狼男のクリーチャーたちは速攻、ETB能力、《不吉な首領、トヴォラー》でのドロー、そして《結ばれた者、ハラナとアレイナ》の誘発型能力など、ほとんどが「出たターンにすぐ仕事をするカード」で構成されており、《轟く叱責》のようなソーサリー除去に頼る相手を簡単に咎めることができるでしょう。

■ラクドスアグロ

ラクドスアグロ By SKI (7-2:2000$獲得)

インポートデータ

こちらは最大賞金とはなりませんでしたが、SKI(@scottynada)選手が見事7勝で2,000ドルを獲得したラクドスアグロです。先程のグルール狼男と同様に《指名手配の殺し屋、ラヒルダ》《無謀な嵐探し》といった狼男たちでコントロールにプレッシャーをかけつつ、《街裂きの暴君》とミシュラランドでフィニッシュする形を取っています。

メインから《強迫》+《血に飢えた敵対者》まで採用されているところから、イゼット・エスパーといったコントロールを狙ったメタデッキと言えそうです。

追加の4マナ域として採用されているのが、こちらのアルケミー専用カード。「手札で一番コストの大きいカードを捨てさせる (ただし手札を公開するわけではない) 」という、デジタルならではの能力を持っています。コントロールデッキの《公式発見》だったり、フィニッシャー枠の《船砕きの怪物》《溺神の信奉者、リーア》といった重いカードたちが特にその餌食になりやすいでしょう。

メインに2枚、サイドに2枚と計4枚も採用されているのが《脆性破》。3マナ5点という《魂焦がし》と同等の除去性能に加えて、「相手のクリーチャーとプレインズウォーカーに《虚空の力線/Leyline of the Void》のような永続追放効果を与える」というデジタル特有の能力が特徴のカードです。

このデッキは黒単やオルゾフなどの《血塗られた刷毛》を軸にしたサクリファイス系のデッキが厳しいと思われるので、そこをしっかりと対策するために今回は4枚の採用に至ったのでしょう。

■エスパークレリック

エスパークレリック By youtan (7-2:2000$獲得)

インポートデータ

こちらも最大賞金とはなりませんでしたが、youtan(@youtan_mtg)選手が見事2,000ドルを獲得したエスパークレリック。セス・原根といった2人のプロの構築を参考したということで、sanetomiさんもそうでしたがデッキ調整能力/プレイ技術はもちろんのこと、情報収集力もまた今のマジックに必要な技術といえるでしょう。

ライフゲインシナジーで殴りつつ、《英雄たちの送り火》によってバリューの高いカードを次々と盤面に展開していけるのがこのデッキの魅力です。メインの青いカードこそ《玻璃池のミミック》のみですが、サイドボードには大量のカウンターを採用しており、コントロールデッキを強く意識しているのがわかります。

このデッキを上位メタたらしめているのが、アルケミー専用カードとして登場した《審問官の隊長》です。基本的に《集合した中隊/Collected Company》のように1枚で2枚分の働きをしてくれるカードであり、戦線構築能力がずば抜けて高いカードです。

そしてなんといっても《玻璃池のミミック》との組み合わせが超強力!《審問官の隊長》から《玻璃池のミミック》が捲れると、その《玻璃池のミミック》が《審問官の隊長》となって、さらに誘発して……といった具合に連鎖して、ときにはたった4マナで4-5体のクリーチャーが並んだりもします。これぞ新時代のマジック!といった感じの爆発力!!

そんな強力なカードである《審問官の隊長》の能力には「マナ総量が3以下のクリーチャーが20枚以上の場合」という制約があります。サイドボード後にカウンターを入れるためにクリーチャーを減らしすぎたり、またロングゲームになった時などにはスカってしまうことがあるのでご注意くださいね。

■おわりに

どうやら公式から禁止改定が予告されているようで、今週末のウィークエンド予選が終わった後には、今のアルケミー環境にメスが入りそうです。

ただしそれは環境をより良くするための働きかけであり、他のDCGではよくあること。今後アルケミーは他の環境よりも高頻度でバランス調整を繰り返して、ユーザーに新しい体験を届けてくれることでしょう。

3月に開催される神河チャンピオンシップでもアルケミーはフォーマットとして採用されましたし、これからのアルケミー環境の変化にもぜひご注目ください!

それでは今回はここまで。次回の記事でお会いしましょう!


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