MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【モダンの面白いデッキたち】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
『モダンホライゾン2』がリリースされてから、モダンが盛り上がっています!!
毎週更新される「Modern League」の5-0リストですが、6/15付けのデッキリストでは、過去最高レベルの数更新されています。なんとその数123デッキ!!!
そのほぼ全てのデッキに『モダンホライゾン2』のカードが採用されており、その影響力は凄まじいと実感するばかり。特に《敏捷なこそ泥、ラガバン》《ウルザの物語》《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》は様々なデッキで使用されており、その強さは疑いようもありません。
さて今回の記事では、上記のモダンリーグ5-0デッキの中から個人的に気に入ったデッキたちをいくつか紹介していきたいと思います!
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■青単マーフォーク
モダンリーグ:5-0/By LITIANSHUO670 | |
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2:《魂の洞窟/Cavern of Souls》 11:《島/Island》 1:《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》 4:《変わり谷/Mutavault》 1:《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》 1:《冠水樹林帯/Waterlogged Grove》 20 lands 4:《呪い捕らえ/Cursecatcher》
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2:《否定の力/Force of Negation》 2:《待機/Suspend》 4:《霊気の薬瓶/AEther Vial》 4:《広がりゆく海/Spreading Seas》 12 other spells 2:《待機/Suspend》 |
モダンが制定された2011年からずーーーっと生き残っている奇跡の種族デッキ、マーフォーク。そのマーフォークになんと新戦力が多数採用されています!
マーフォーク界の神である《海と空のシヴィエルン》は、なんと伝説のクリーチャーであるにも関わらず4枚投入!
クリーチャーが並びやすい上に《変わり谷》もカウントできるため、破壊不能を得るのは比較的容易いでしょうし、《海と空のシヴィエルン》の破壊不能を剥がすために他のクリーチャーを倒そうにも、そこには付与された「護法1」が突き刺さるという噛み合いっぷり。
さらには単体でも攻撃するだけでアドバンテージを稼げますし、こういった部族デッキの天敵・《稲妻》で倒されないタフネス4であるのも親切設計。《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》を採用していた時代のプレイヤーが見たら、感動して卒倒しそうなスペックですね。
ただの1マナ域と侮るなかれ。なんとキッカーで相手の土地を島に変えることができるという超優秀クリーチャーです!
マーフォークは《アトランティスの王》《真珠三叉矛の達人》というロードたちが島渡りを付与するため、島にするという能力は非常に強力。更にトロンやアミュレットといった特殊地形に依存したデッキへのヘイトカードとしても機能します。これも《海の要求》を採用していた時代のプレイヤーが見たら(以下略)
クリーチャー陣だけでなく、スペルも新カードが採用されています。
メイン・サイド計4枚採用された《待機》は擬似的な軽量除去。追放こそするものの、その名の通り「待機」を与えるため数ターン後には戦場に帰ってきてしまいます。稼いだターンの間に押し切りましょう。
そしてついにモダンに登場した《対抗呪文》!これまで《否認》《軽蔑的な一撃》のような限定的なカウンターが採用されていましたが、そのスロットにそのまま採用されています。《変わり谷》を4枚採用する関係で打ちづらいケースもあるでしょうが、基本的には裏目のない確定カウンターとしてサイドボード後のゲームを支えてくれるはずです。
■赤緑シャーマン
モダンリーグ:5-0/By CHRISTIANO7 | |
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デッキリスト | |
4:《銅線の地溝/Copperline Gorge》 4:《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》 3:《森/Forest》 3:《山/Mountain》 4:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》 4:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》 22 lands 4:《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
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4:《集合した中隊/Collected Company》 4:《稲妻/Lightning Bolt》 8 other spells 2:《四肢切断/Dismember》 |
《憤怒の鍛冶工》の打点の高さから一部のファンを魅了し続けているシャーマンデッキ。そのシャーマンが今回得た最大の収穫が、この《調和の神童》です!
シャーマンやウィザードの誘発型能力を倍にしてくれる常在型能力を持っている新カード。このシャーマンデッキであれば、その能力をフルパワーで活かすことができます。《炎樹族の使者》で4マナ!《永遠の証人》で2枚回収!!そして《憤怒の鍛冶工》は出たときの誘発が倍、アタックするときの誘発も倍で、なんと1枚でクリーチャー1体につき+4点相当の打点を叩き出します!!!
デッキの最大値を上げてくれる《調和の神童》だけでなく、最序盤も新カードが埋めてくれています。
ジャンドカラーの《貴族の教主》こと《下賤の教主》は赤緑の両方のマナを供給してくれるだけでなく、クリーチャータイプもシャーマンなので100点。同じく《ゴブリンの壊乱術士》もシャーマンと、新カードのマナ加速2種がどちらもシャーマンであり、「開発陣にこのデッキのファンがいるんじゃないか?」と疑いたくなるほどの恩恵を受けています。
サイドにはしっかりとトロン系への対策である《虚空の鏡》を搭載。こちらがアーティファクトであり、かつ一緒にサイドインする《月の大魔術師》はクリーチャーなので、相手からすると対処しづらいことこの上ありません。
■オルゾフリアニブリンク石鍛冶
モダンリーグ:5-0/By CH3DDER | |
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デッキリスト | |
4:《神無き祭殿/Godless Shrine》 4:《湿地の干潟/Marsh Flats》 1:《平地/Plains》 4:《汚染された三角州/Polluted Delta》 1:《沼/Swamp》 4:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》 18 lands 2:《残虐の執政官/Archon of Cruelty》
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2:《集団的蛮行/Collective Brutality》 4:《頑強/Persist》 4:《無名の墓/Unmarked Grave》 2:《名誉回復/Vindicate》 4:《儚い存在/Ephemerate》 4:《マラキールの再誕/Malakir Rebirth》 2:《消失の詩句/Vanishing Verse》 1:《殴打頭蓋/Batterskull》 1:《カルドラの完成体/Kaldra Compleat》 24 other spells 3:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》 |
《石鍛冶の神秘家》が採用されていることから普通のデッキかな?と思いきや、なんと様々なコンセプトをハイブリッドした意欲作!!
オルゾフカラーのデッキであれば《思考囲い》《コジレックの審問》手札破壊を使うのが定番ですが、このデッキでは最大値を求めて《悲嘆》+《儚い存在》の手札破壊コンボを搭載!
オープニングハンドでこの2枚が揃っていれば、相手の最序盤はズタボロになること間違いなし。3枚ハンデスさせた上で盤面に3/2威迫である《悲嘆》も残りますので、そのままクロックをかけていけるのも凄いところ。《儚い存在》の追加として《マラキールの再誕》も採用されており、なるべくコンボが揃うように構築されています。
そして手札破壊の後には《石鍛冶の神秘家》からのマウント!特に今回から採用された《カルドラの完成体》が素晴らしく、相手の後引きの除去/アーティファクト破壊を一切受け付けない究極生体武器!無駄に長引かせることなく、速やかにゲームを終わらせてくれます。
そしてハンデスパッケージ、石鍛冶パッケージに続けて採用されているのがリアニメイトパッケージです。
デッキ全体をリアニメイトに寄せるのではなく、最低限のパッケージだけを採用しています。このデッキの場合ですと「落とす」側のカードである《無名の墓》を引かなくても、「釣る」側のカードである《頑強》《不吉な儀式の僧侶》は《悲嘆》《孤独》といったクリーチャー陣とも噛み合うので、手札に腐るリスクが低い構成になっていますね。
■4色続唱
モダンリーグ:5-0/By CHRISTIANO7 | |
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デッキリスト | |
1:《繁殖池/Breeding Pool》 2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 3:《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》 1:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 1:《ケトリアのトライオーム/Ketria Triome》 4:《霧深い雨林/Misty Rainforest》 1:《平地/Plains》 1:《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome》 1:《冠雪の森/Snow-Covered Forest》 1:《冠雪の島/Snow-Covered Island》 1:《蒸気孔/Steam Vents》 1:《寺院の庭/Temple Garden》 2:《冠水樹林帯/Waterlogged Grove》 4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》 24 lands 4:《厚かましい借り手/Brazen Borrower》
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4:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》 4:《衝撃の足音/Crashing Footfalls》 4:《火+氷/Fire+Ice》 4:《否定の力/Force of Negation》 4:《暴力的な突発/Violent Outburst》 4:《献身的な嘆願/Ardent Plea》 24 other spells 1:《忍耐/Endurance》 |
レガシーで活躍していた《断片無き工作員》がついにモダンに登場!
3マナかつ青い続唱カードが増えたことにより、デッキがさらに強化されています。このデッキでは続唱からプレイするカードを《衝撃の足音》のみに絞り、3ターン目(《宝石の洞窟》があれば後攻2ターン目)に最大で10点クロックを展開できるように構成されています。
そして新戦力のインカーネーションがこのデッキの「蓋」として機能します。続唱をプレイするターンの隙を埋めることができるピッチスペルというだけでなく、盤面を構築した後には《造物の学者、ヴェンセール》のように追加のクロックとして通常プレイすることも可能です。《否定の力》でケアできないクリーチャー呪文を捌けるのは嬉しいですね。
続唱の性質上、《衝撃の足音》以外の2マナ以下のスペルは採用できませんが、それはあくまで「マナ総量」だけの制限。『モダンホライゾン2』で再録された《火+氷》はマナ総量こそ4マナですがどちらのモードも2マナなので、しっかりと最序盤のアクションを埋めてくれます!それだけでなく、青いカードであるため《否定の力》《緻密》のコストにも充てられるという噛み合いっぷりです!
この4色続唱に限らず《死せる生》や《均衡の復元》、《明日の瞥見》など続唱からスペルを踏み倒すデッキは多数ありますが、そんな同系戦で差をつけるのがこの1枚。相手のカウンターも続唱も、すべてシャットアウト!
■終わりに
コモンから神話レアまで、本当に多数のカードがモダンで試されている『モダンホライゾン2』。今回紹介したデッキ/カードはまだほんの一部でしかありません。また、新カードが出たことにより新たに評価されるカードも多数あり、これぞマジックの奥深さだなと感心しています。
《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》&《地獄料理書》と相性10000点ということで大活躍中。こんなリミテッドカードを見出した人は凄い!
スタンダードやヒストリックは比較的環境が固定化されつつあるように感じますが、モダンは開拓の余地が無限にあります!死の影デッキやランタンコントロールも今や当たり前のようにプレイされていますが、元はイチ個人によるファンデッキでした。もし少しでも気になった/気に入ったカードがあれば、ぜひご自身の手で活躍させてあげましょう!
次回はライバルズリーグ第7週のレポート記事をお届けする予定です。今シーズン最後のリーグなので、気合入れていきます!