デュエルマスターズ │大会レポート│ ZweiLance【デュエチューブリーグ後期-第5節-を振り返って】

・はじめに

今回は先週行われたDTL第5節の振り返りをしていく中で、現アドバンス環境に対する自分なりの見解や、自分が使用した【光火自然モルトDREAM】についてお話していく。

通常のアドバンスフォーマットに加え「チーム内で同名カードは4枚まで」という追加ルールがあったため、チーム内で同デッキを持ち込めないという制約こそあったが、それによって構築が大きく歪むようなことはなく、皆さんが普段参加するCSにも応用できる内容となっているはずだ。

「三竦み」「じゃんけん」とも呼ばれている現アドバンス環境とは一体いかなる構造なのか、本記事を通してお伝えできれば幸いだ。

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・メタゲーム

冒頭でもお伝えした通り、現アドバンス環境は象徴となる3つの強力なデッキが中心となっている。

それぞれの核を担うカードが死神覇王 XENARCH》、《マーシャル・クイーン》、そして《頂上混成 BAKUONSOOO8th》だ。

これら3つのデッキがパワー・対応力共に抜けていることからTier1と位置付けられており、【闇単XENARACH】は【マーシャル系】に、【マーシャル系】は【BAKUONSOOO系】に、そして【BAKUONSOOO系】は【闇単XENARACH】に、それぞれ明確な有利が付いている。

結論を言うと、これら3つをそのままDTLに持ち込むことが常套手段と言っても差し支えないレベルで強い。
そして当日、各チームのデッキ選択と戦績はこのような形となった。

・FTG

①【闇単XENARACH】 2-0
②【マーシャルデリート】 0-2
③【光水火BAKUONSOOO】 1-1

・魔王軍

①【闇単XENARACH】 0-2
②【マーシャルデリート】 2-0
③【4cボウダンロウ】 1-1

・SAGA

①【マーシャルデリート】 1-1
②【光火自然DREAM】 2-0
③【水自然メタジャイアント】 0-2

FTGがまさに「常套手段」としてこの3デッキの持ち込みを行ったのだが、調整段階でそれぞれ最もマークされていたにも関わらず負け越しには至らなかった。

それ程にこれら3つのデッキは強く、多少対策されても尚容易に突破し得るパワーがあることの裏付けとも言える。

魔王軍は【BAKUONSOOO系】の使用を見送り、その枠に《超暴淵 ボウダン=ロウ》をコンセプトとした全く新しいデッキの持ち込みが見られた。

我々については【マーシャルデリート】のみを共通のデッキ選択とし、【闇単XENARACH】と【BAKUONSOOO系】を厚く見る形で【水自然ジャイアント】と、最後に”広く浅く”をモットーに【光火自然DREAM】を持ち込んだ。詳細は後述するが、【光火自然DREAM】はグーチョキパーでいうところの「グチョパ」にあたる。

※グチョパ=小学生環境のじゃんけんで使われる万能の一手、冷静に考えると何にでも勝っているようで何にでも負けている。

・【闇単XENARACH】

ここで改めて中心となる3デッキそれぞれの性質について深掘りしていく。

・サンプルリスト


まず【闇単XENARACH】だが、他2つのデッキタイプと比較してこのデッキのみ派生形がないのが特徴だ。

マーシャル・クイーン》であれば「デリート型」とオリジナルでもお馴染みの「ループ型」、《頂上混成 BAKUONSOOO8th》であれば再現性が高く真っすぐな「水火型」と、メタビート的な側面も強い「光水火型」に大きく分かれてくる。
これらの型によって若干の勝率差はあれど、有利不利が覆る程のものではない。

この【闇単XENARACH】はとにかく【マーシャル系】に対する勝率が圧倒的で、早期に《死神覇王 XENARCH》が着地することがそのまま勝利に直結する。

反対に【BAKUONSOOO系】に対しては、《夜露死苦 キャロル》や《金天使 エン・ゴルギーニ》といったカードで《死神覇王 XENARCH》の効果を無効化されやすく、その過程で《頂上混成 BAKUONSOOO8th》が着地すればそれがそのままゲームエンドに繋がってしまう。

このデッキに限らずいずれのデッキについても、実際に持ち込むかどうかについては他のデッキの評価に依存するところが大きかっただろう。

例えば結果から見ても【マーシャルデリート】が現アドバンス環境で最強という各チームの共通認識となる訳だが、そこに対して有利を主張できる【闇単XENARACH】は、どのチームも採用するであろう【マーシャルデリート】に対して非常に有効であり、持ち込む優先度としてはそこに不利が付く【BAKUONSOOO系】よりも若干高いとも考えられる、といった具合だ。

【マーシャル系】

・サンプルリスト

アドバンスにも【光水闇マーシャル】はオリジナルとほぼ同じ形で存在するのだが、主流となるのはこちら【マーシャルデリート】となる。
逆転の影 ガレック》の抜けた穴は大きいものの、単純にコンボ起動までに要求するカードの枚数と、それを支える《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》の枚数で、デッキパワーに明確な差が付いている。

また【光水闇マーシャル】だと相手の《オール・デリート》を咎める意味も含む《禁断~封印されしX~ / 伝説の禁断 ドキンダムX》が採用できない点もかなり痛い部分だ。

【闇単XENARACH】に対する勝率こそ振るわないものの、攻撃してくる【BAKUONSOOO系】に対しては一定の勝率が期待できる。

仮に何かしらの方法で対策されたとしても最速3キルによる圧倒的な上振れ、4投された《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》によるメタ貫通力、最後まで逆転のチャンスが残る受け性能等…あらゆる要素において隙の少ないデッキと言える。全チームが持ち込むのも納得だ。

・【BAKUONSOOO系】

・サンプルリスト(水火)

・サンプルリスト(光水火)


この《頂上混成 BAKUONSOOO8th》のデッキタイプは特に厄介で、見ての通り「光水火型」は全くコンセプトの異なるビートダウンに派生している。

それぞれの関係性でいうと、【水火BAKUONSOOO】は【光水火BAKUONSOOO】より【闇単XENARACH】に強い一方で、【ドロマーマーシャル】に対してはさらに不利。しかしながらこと同型戦となれば【光水火BAKUONSOOO】に軍配が上がり、といった具合で、この3つのデッキタイプ内で完結する相性差でいくと、【光水火BAKUONSOOO】の方に若干の優位性があると考えられる。

一方で【光水火BAKUONSOOO】の方は足回りがドローソースではなく小型のメタカードに依存していることから、単純なカードパワーをぶつけられた際に屈しやすい傾向にはある。それこそ【光火自然モルトDREAM】のようなデッキには、さっさとコンボを決めてしまうのが最も有効だ。

最強と定義された【マーシャルデリート】に対して不利が付くことからか、持ち込んだチームは1チームのみとなった。

・その他のデッキ

簡単にではあるが、Tier2以下で検討したデッキについても簡単に紹介する。
チームとしては他にも色々調整してくれていたのだが、ここでは自分が手に取ったデッキのみ触れていこうと思う。

①【ファイアーバード】

オリジナルでは言わずと知れたTier1で、《カモン・ピッピー》が採用できることから更に火力が上がっている。

しかしながらアドバンスだと【闇単XENARACH】に不利が付くことに加え、他2つのデッキに対して戦えはするものの大きく勝ち越す程の戦績にはならなかった。

あとは、アドバンス感が薄い(重要)

②【ドリームメイト】

意外にも【水火BAKUONSOOO】に対して高い勝率が出たのだが、いかんせん他2つのデッキに対して抜け穴が目立った。
特に【闇単XENARACH】が《影邪盗霊》を多投し始めたのは追い風だったと思う。

そしてこれもまた、アドバンス感が薄い(重要)

③【光自然天門】

以前から変わらず【BAKUONSOOO系】に対して有利な主張ができる…かと思いきや、新しく出てきた【光水火BAKUONSOOO】に採用される《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》と《ミラクル・ホーリースパーク》でゲームを後ろに伸ばされると、《単騎連射 マグナム》に到達され簡単に突破されてしまうことが判明した。

また他2つのデッキに対しても「先手なら」という主張があまりにも多く、デッキの性質上後手の強いアクションが全くないことも評価を落とす要因となった。

・【光火自然モルトDREAM】

・サンプルリスト

さて自分が使用した【光火自然モルトDREAM】についてだが、同チームのマイケルが基盤から制作しており、前述の通り三竦みに対して全て五分前後の勝率が見込める「お利口さん」な枠だった。

これまでこのデッキタイプは《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の枠に《流星のガイアッシュ・カイザー》が採用されており、これが【マーシャルデリート】に対して腐りやすかったのだが、ここに能動的に動けてかつ《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》に革命チェンジして事実上のEX-WINができる《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》が採用されたことで、かなり化けた。

相手と対話するようなやり取りこそ減ったものの、こと「押し付け」に関しては三竦みのいずれに対しても有効で、今節では《流星のガイアッシュ・カイザー》が抜けた穴以上の貢献をしてくれたと断言できる。

ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を中心にデッキを構築した結果、《地封龍 ギャイア》や《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》の枚数も増え、図らずも「ザ・フルパワー」みたいな見たい目になった。見た目が強いデッキは強い。詳細に解説していく。

・《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》×4

このデッキの核。
実践でも頻出するテクニックとして、各ターン1回相手クリーチャーをタップする効果を、自分のアタックフェイズ以外にも臨機応変に発動できるかがカギとなってくる。

例えば【水火BAKUONSOOO】に走られた際、《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》がトリガーしても《暗黒の騎士ザガーンGR》のようなパワーが高いクリーチャーが捲れたり、パワーが小さいクリーチャーでも複数体並んだりしてしまうと耐えきれないことが多いのだが、このタイミングでタップする効果を使うことで相手のアタッカーを1体潰し、そこからカウンターを狙うことができる。

その他にも【光水火BAKUONSOOO】等相手には、一度盤面に定着させることで恒久的に相手の盤面を潰すシステムクリーチャーとしても運用することができる。

・《地封龍 ギャイア》×4

ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》で捲れたり、《爆銀王剣 バトガイ刃斗 / 爆熱王DX バトガイ銀河》から踏み倒すと大半のゲームが終わるレベルのメタカード。

唯一自然単色のカードとして、最速の《メンデルスゾーン》プレイにも大きく貢献する。
一方で《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の軽減効果とは非常に相性が悪いので、常に意識してプレイする必要がある。

・《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》×4

ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》とセットで使うことが多く、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を再利用しつつ、環境を定義する《“必駆蛮触礼亞”》や《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》の2種を封じることができる。

特に【マーシャルデリート】相手には《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》が2枚揃うだけで、それを繰り返し革命チェンジしているだけでゲームを終わらせることができる。
同期の妖精 / ド浮きの動悸》もメガラストバーストを誘発させずにノリ―スクに踏めるため、【光水火BAKUONSOOO】相手にも安全に立ち回りやすい。

序盤にマナに1枚埋めることで下面でプレイする展開も多く、リソースを減らさずにマナ加速をいったり、《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》や《夢双龍覇 モルトDREAM》の足りない方を探しにいったり、4投するデッキはほぼ前例がないと思うが、このデッキあれば全くストレスにならない。

小テクとして、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》攻撃時に《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》を革命チェンジ宣言した際、その革命チェンジ処理の実行は《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の効果解決後にすることが望ましい。

理由としては、そこで運良く《夢双龍覇 モルトDREAM》が捲れた際、《 爆銀王剣 バトガイ刃斗 / 爆熱王DX バトガイ銀河》を装備した後に《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》を場に出すことで、「龍解:自分のターン中に自分のドラゴンがバトルゾーンに出た時、それがそのターンに出す最初のドラゴンでなければ、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップしてもよい。」のテキストを解決し、効率良く盤面を展開できる。

・《爆龍覇 グレンリベット / 「爆流秘術、暴龍の大地!」》×3

死神覇王 ブラックXENARCH》へのメタカードになるのはもちろんのこと、単純に初動としての評価も高くテンプレの2枚よりも多く採用されている。
継続的にマナ加速を行えるため、《夢双龍覇 モルトDREAM》や《地封龍 ギャイア》を早期に着地させやすい。

これも実は《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》と相性が良いという話があって、一見すると関係ない2枚に思われるが、《死神覇王 ブラックXENARCH》のハンデス効果で《爆龍覇 グレンリベット / 「爆流秘術、暴龍の大地!」》を捨てた直後の細いリソースでも簡単にプレイして切り返せるカードが、他でもない《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》だからだ。

これまでは折角《爆龍覇 グレンリベット / 「爆流秘術、暴龍の大地!」》をハンデスさせても、続く決定打へのタイムラグが1ターンでもあると簡単にマウントを取られてしまい、カウンターできない結果に終わることも多かった。《夢双龍覇 モルトDREAM》+《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》のパッケージは1コスト重い上に、2枚とも抱える必要があるため若干キープが難しい。

マッドネスカードは即効性がある程効果的なため、《流星のガイアッシュ・カイザー》が抜けた穴を補って余りある程の、新しく太い勝ち筋に繋がっている。

・おわりに

個人としては全勝で終われ、試合内容も練習通りで納得いく形にはなったものの、チームとしては優勝の可能性は極めて極めて低い状況にまで追い込まれてしまった。

可能性がある限りはもちろん全力で取り組んでいくまでだが、何より「良い試合」を見せられるよう引き続き意識していきたい。

2月末には新殿堂、3月にはリーダー戦に加え、公式の全国大会も控えている。
今節での取り組みで得た知見を存分に活かし、ここ一番で結果を出していけるよう全力を尽くすつもりだ。

今回紹介した【光火自然モルトDREAM】は、構築もコンセプトも明瞭で分かりやすく、あらゆるプレイヤーにオススメできるタイプとなっている。
細かいドラグハート選びやマナ置きだけ非常に難しいものの、イージーゲームも多く存在するので、まずは慣れるまで思うがままに回してみて欲しい。

ZweiLance


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