デュエルマスターズ │ メタゲーム考察 │ 10月後半~11月前半【シータミッツァイル】【赤青ミッツァイル】

“魔神轟怒”万軍投》や《全能ゼンノー》といった強力カードが収録された「必殺!!マキシマム・ザ・マスターパック」の発売から約ひと月。
それ以前の環境からさらに強化されたデッキもあれば、新たに頭角を現しはじめたデッキも存在します。

“ミッツァイル環境”と言われ続けている中で、どのデッキがどんな戦略、そして有利不利を持っているのか。
今回の記事では《BAKUOOONミッツァイル》だらけであっても毎週の大会で勝つデッキ、構築が変化する現環境を紐解いていきます。

■シータミッツァイル

 

GR召喚関連の新カードが出るたびに強化を受け続けてきた【シータミッツァイル】。
メインカードの《BAKUOOONミッツァイル》は「歴代の最強カードと肩を並べるのでは?」という意見も上がるほどで、現環境はこのカード無しで語ることはできません

その中でも【シータミッツァイル】は、この短期間で構築のバリエーションを増やしながら大きく進化を遂げています。
その理由として挙げられるのは、もちろん《“魔神轟怒”万軍投》の登場です。枚数が少なくなりがちな火文明の枚数確保としても優秀な1枚となっており、このカード1枚で動きの幅が大きく広がりました。

呪文1枚が3体のクリーチャーとなる効果はわかりやすく強く、何より《BAKUOOONミッツァイル》との相性が完璧です。わかりやすい使い方の例を挙げると、まず《“魔神轟怒”万軍投》から3枚のGRクリーチャーを召喚。そこで《マリゴルドIII》など横展開可能なGRクリーチャーが捲れた場合、たった1枚のカードから合計4体以上のクリーチャーを並べることができ、場にクリーチャーが1匹も居ない状態でも《BAKUOOONミッツァイル》の1コスト召喚までたどり着けます。

 

採用カードの選択肢も多く、盤面を制圧したいときの《DROROOON・バックラスター》。意識した相手によって変えられる《奇天烈 シャッフ》 と《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》。《全能ゼンノー》をはじめ豊富な種類のGRクリーチャーなど、構築自体もフレキシブルにチューンができます。パワー、柔軟性、安定性……どこを見ても一級品で、まさに“tier1”と呼ぶに相応しいデッキです。
【デッキ販売】シータミッツァイル[52枚]{ver1.0}

■赤青ミッツァイル

 

こちらは《“魔神轟怒”万軍投》の登場により突然生まれたジョーカーズ中心のデッキ。
“魔神轟怒”万軍投》の手札を捨てた枚数だけコストを軽減できる効果を利用し、最序盤から手札を捨てる軽量呪文を唱えて、早い段階の《“魔神轟怒”万軍投》から《BAKUOOONミッツァイル》の召喚を狙います。
一気に大量のジョーカーズを展開し、そのまま条件をクリアした《次元の嵐 スコーラー》や《ジョジョジョ・マキシマム》で反撃に蓋をしながら総攻撃を仕掛けることが最終目標です。

【シータミッツァイル】とはうって変わり、安定性よりも速度と爆発力を意識した一球入魂な戦い方が特徴で、勝つ試合のほとんどは3、4ターン目で終わると言われています。
とはいえ、闇雲に突っ込むわけではなく、しっかりと相手の反撃をケアして攻撃するので、フィニッシュ力に関しても申し分ありません。

強いて弱点を挙げるのならば、ジョーカーズを並べて《夢のジョー星》を0コストで唱えられるか、GRゾーンから《パッパラパーリ騎士》が出てくれるか、初手に軽い呪文があるかなど、ある程度引きや捲るカードに依存してしまう動きになることでしょうか。

 

“魔神轟怒”万軍投》が登場したタイミングで唐突に表れて猛威を振るったデッキですが、その後は軽量呪文に対する対策が進み、当初より勢いは抑えられています。
しかし、その対策機能する前に相手を倒してしまうほどの速度を持っているので、今後も一定数は環境に存在するデッキの1つです。
【デッキ販売】青赤ジョーカーズミッツァイル[52枚]{ver1.1}

■赤白ミッツァイル

 

数か月前に猛威を振るっていた【赤白ミッツァイル】が、呪文対策に弱い【赤青ジョーカーズ】の登場で再び環境に返り咲きを果たしました。
軽さが全てである1コストの呪文に対して、呪文のコストを増加させる《音奏 プーンギ》は無類の強さを発揮します

受けも強くメタカードも刺さりづらい【シータミッツァイル】には相変わらず不利が付いてしまいますが《ドドド・ドーピードープ》《グッドルッキン・ブラボー》を中心としたGRクリーチャーによる攻撃力の高さは健在です。動き次第ではどのデッキも突破可能な部分は、このような攻撃的なデッキの利点と言えるでしょう。また、攻撃の主軸を《BAKUOOONミッツァイル》から《S級原始 サンマックス》に移した【赤白サンマックス】も同じく上位に食い込んでいます。

以前までの構築では見られなかった、新カードの《“閃忍勝”威斬斗》や攻守の両方をこなす《音奏 アサラト》などを採用したタイプもあり、注目されていなかった間にひっそりと強化も受けています。
相性差がはっきりしているというのは利点にも欠点にもなりますが“赤青ミッツァイルのキラーデッキ”として【シータミッツァイル】【赤青ミッツァイル】に次ぐ第3のミッツァイルデッキとして環境に居座っています。
【デッキ販売】赤白メタリカミッツァイル[52枚]{ver1.0}

■青黒ハンデス

こちらも最近になって注目され始めた【青黒ハンデス】。
手札破壊と除去で妨害を繰り返し、相手のリソースが枯れたタイミングで最終的に《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》や《魔天降臨》でケアをしてフィニッシュに持ち込みます。

他のデッキのように“決めたら勝ちの強い動き”はありませんが、どんな相手にも柔軟に戦える相性不利の無さが魅力のデッキです。
GRクリーチャーに対する切り札である《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》を《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》や《Wave ウェイブ》で何度も使い回せることは、現環境においてこのデッキを使うに値する十分なメリットと言えるでしょう。

そんな戦い方のせいか、カードプレイの難しさはかなり高め。相手からプレイされるカードのリスクを計算して、どの妨害をするのがベストか毎ターン判断する必要があります。
ワンアクションが大きいカードばかりの昨今の環境では、1枚1枚丁寧に相手のカードを捌いていく戦い方はどこか懐かしさを感じるものがあり、一定層のプレイヤーから熱い支持を受けているデッキタイプです。
【デッキ販売】青黒ハンデス(超次元なし)[52枚]{ver1.0}

■カリヤドネループ

DMPG9thで注目されて以来、その後は目立った活躍を見せられていなかった【カリヤドネループ】。
ところが、他のデッキたちとは一味違った理由で新カード、新環境の煽りを受けて再度注目を集め始めています。

その理由は《全能ゼンノー》という強力なGRクリーチャーの登場や、環境に応じてGRを差し替えていく中で、特定のデッキにしか活躍できない《ポクタマたま》が減少傾向にあることです。
機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》の宣言の関係上、こちらの《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》とGRの連鎖召喚を同時に止められてしまう可能性があるのも《ポクタマたま》の減少理由の1つです。

もちろん呪文対策や墓地対策をされてしまうと立ちどころに不利になってしまう脆さはありますが、一方で対策をしていないデッキにはめっぽう強いというメリットは健在。GP優勝は伊達ではないと言わんばかりに、一度環境から消えて対策が薄くなった隙を突いて再び勝ち星を上げ始めました。
【デッキ販売】カリヤドネループ[52枚]{ver1.0}

■デッキ選択の指針は「環境を読めるか否か」

新カードの登場により多くのデッキが強化を受けましたが、その恩恵を最も受けたデッキは既に環境トップであった【シータミッツァイル】でした。何とも皮肉めいた結果ではありますが、恐らく《BAKUOOONミッツァイル》が環境に居座り続ける限りこの構図は変わることはないでしょう。

先述した通り【シータミッツァイル】の強さの根源はその柔軟性にあります。環境によって数枚のカードを差し替えるだけで相性を劇的に変化させられるため、対策をしたデッキが一度上位に入賞しても、今度はそれをケアした【シータミッツァイル】の構築が上位に入っている結果が多く見受けられます。

今回紹介したデッキごとに順位を付けるのであれば、まず間違いなくトップは【シータミッツァイル】。その下にそれ以外のデッキが混在し、その中での順位は「シータミッツァイル」が対策をしているデッキによって変動する……という評価でしょう。今回紹介したデッキ以外では【赤単バルガ】や【赤青覇道】などの上位入賞も散見されます。

あるデッキが勝った次の週には、それに有利なデッキと、対策構築をした【シータミッツァイル】が勝つ、という現在の環境です。
毎週大会に参加して上位を走るプレイヤーにとってはその週の環境を予測することも可能ですが、最前線の環境に触れる機会が少ないプレイヤーは、その時々の流行りを知るだけで一苦労でしょう。
【赤青ミッツァイル】が現れはじめた次の週には早くもそれに有利な 【赤白ミッツァイル】【赤白サンマックス】が突如上位に入り始めたことから、プレイヤーの環境理解度が勝敗に紐づいていることは間違いないでしょう。

環境に対する回答デッキを用意できるのであれば、その瞬間の環境にピッタリなデッキを。それが難しいのであれば、ほとんどのデッキに対して五分以上の立ち回りが可能でパワーも高い【シータミッツァイル】で戦う。
この2パターンが現在のデュエルマスターズの競技シーンに向き合う形になりそうです。果たして自分はどちらの戦い方が向いているのか、改めて自己分析を行ってみることも大切かもしれません。

関連記事一覧